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ICCサミット FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト(前半)に登壇いただいた、Super Duper 鈴木知行さんのプレゼンテーション【「外国人旅行者の心と胃袋を同時キャッチ! “提案するチャット型AIレストランメニュー”の「Super Duper」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うためのエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2019 ゴールド・スポンサーの電通様にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2019年2月19日〜21日開催
ICCサミット FUKUOKA 2019
Session 11B
スタートアップ・ダイジェスト – 注目スタートアップを一挙紹介!(前半)
Supported by 電通
(プレゼンター)
鈴木 知行
株式会社Super Duper
代表取締役
公式HP|STARTUP DB|LinkedInページ
1999年 明治大学法学部法律学科卒。2002年 デジタルハリウッド e-producerコース修了。アラスカ、バンクーバー、ニューヨークでの生活を経て、「7&i グループ」のマーケティングに従事。その後は複数の外資系企業でマーケティング責任者をつとめる。2008年より「ロゼッタストーン」、2012年より「セレゴ・ジャパン」でテクノロジーを活用した教育サービスの日本展開に従事。個人、法人、教育機関に対してサービス拡大に貢献し「ロゼッタストーン」ではニューヨーク証券取引所への上場、「セレゴ・ジャパン」ではアプリ120万ダウンロード達成やYahoo! JAPANとの提携を実現。GoogleやAdobeが主催するグローバルイベントに登壇。 ad:tech tokyoでは複数のセッションでベストスピーカーに選出される。2015年にこれまでの経験を活かし、Travel、Food、Techをかけ合わせたソリューション開発会社Super Duperを起業。
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▶「ICC FUKUOKA 2019 スタートアップ・ダイジェスト」の配信済み記事一覧
鈴木 知行氏(以下、鈴木) 株式会社Super Duperの鈴木です。
我々は、外国人旅行者向けの食サービス「Satisfood(サティスフード)」を提供しています。
多くの旅行者が「無難な食選び」をしてしまっている
少し想像してください。あなたは今年の夏休みに、ベトナムに旅行するとします。
旅行といえばやはり「食」を楽しみにされていると思います。
飲食店に入って、こんなメニューが出てきます。
日本語化されているので「内容は分かるだろう」とみなさん思われるかもしれません。
でも店員さんに「何をお出しますか?」と聞かれると、「生春巻きだよね」「そうだよね」というような会話になります。
私たちはつい、自分が知っているものを注文してしまうのです。
しかし、実際にこのお店で食べるべきものは別にあります。
こちらのバインセオです。
「写真があれば分かる」という方もいらっしゃるかと思います。
しかしこの写真を見たところでそれが自分の知らないも食べ物であれば、やはりオーダーしないのではないでしょうか。
このように、メニューや写真を見るだけではなかなか分からないので、生春巻きなど「知っているもの」ばかりを食べてしまうのです。
「たくさんお金をかけて旅行に行っているので、郷に入りては、郷に従いたい」と思っているのに、それが実現できていないという現実があります。
訪日外国人の“期待”と“の困りごと”1位はともに「飲食」
実はこれは、日本でも全く一緒です。
こちらはお寿司屋さんのメニューです。種類がたくさんあります。
右上を拡大してみます。
写真も入っており、英語表記もしているので、ほぼ完璧ではないかと思いますよね。
しかし、これを見て外国人旅行者が頼むのは決まって「サーモン」なのです。
本当にサーモンばかりです。なぜなら、サーモンなら知っているからです。
この状況を解決するため、コースで提供するという方法もあります。
しかし現在SNSなどが浸透したことにより、アラカルトが人気となっており、問題解決になりません。
旅行者が旅行前に一番楽しみにしていることは「飲食」で、旅行中に困ったことも「飲食」なのです。
この間に大きなギャップがあります。
その結果、外国人旅行者のお客様は意外と食にお金をかけていないのです。
これを解決するのが我々のサービスです。
チャット型AIレストランメニュー「Satisfood」
外国人旅行者の方には「せっかくなので美味しいものを食べてほしい」と思いますし、旅行者の方も「せっかくなので美味しいものを食べたい」と考えています。
その希望をマッチさせるために、私たちは飲食店向けのレコメンデーションエンジンを開発しました。
上記スライドの右側が、お店に置くツールです。
市場に置いているので少し派手ですが、いろいろなデザインがあります。
「recommended」と書いてある通り「提案をする」というところがポイントになります。
アプリではないので、QRコードを読み込むだけで利用可能です。
提案精度を上げるため、お客様の国籍や食の好み・その時の気分などの情報を頂いています。
その上で、チャットを通じてぴったりの料理を提案させて頂きます。
まず初めに、お店に来たばかりなので「まずは乾杯と一緒にこんなものを食べてはどうですか?」もしくは「何か食べたいものがありますか?」と聞きます。
相手が反応したことに対し、どんどん提案を深めていくというスタイルになっています。
「では逆にどんなものがいいですか?」「ベジタリアンですか?」「皆さんでわいわい食べたいですか?」「皆さんでわいわい食べたいのであれば、こんなお料理がありますよ」と提案し、詳細な情報を提供します。
ペアリングなど、食事を楽しくする関連提案も可能
さらに食事を楽しくする機能として「ペアリング」があります。
料理に合うお酒の提案です。
また、アレルギー情報や食べ方、さらには「そもそも水炊きって何?」というような料理の情報をデータベース化し提供しています。
さらに、ラーメンであれば麺の硬さといったことも設定し、簡単にオーダーすることが可能になっています。
「心を満たす体験」でお客様単価は飛躍的に向上
このサービスを使っていただくことにより、飲食店のお客様単価が飛躍的に上がりました。
理由としては、料理とお酒をセットでオーダーしているということ、アラカルトで「次はこちらはいかがですか?」とどんどん提案することにより、お客様がオーダーしやすくなっていることが挙げられます。
ここで重要なポイントは、旅行者はそういった体験をしたくて飲食店に来ている、ということです。
つまり我々のサービスを使うことにより、旅行中の食事が「ただ単純にお腹が空いているから食べる」という行為ではなく、着物を着て街を歩くような「心を満たす体験」に変わるのです。
提案型AIメニューを実現する「ホスピタリティーのパターン化」
仕組みについてご説明します。
一番のポイントはホスピタリティーのパターン化です。
日本には非常に深いおもてなし、高いホスピタリティーがあります。
それをパターン化しています。
また、アメリカなどチップ文化のある国も非常に高いホスピタリティーがあり、そういったナレッジも加え、AIによるスーパーセールスマンを創り出すというのが我々のサービスの特徴です。
導入して頂くお店の利用方法は次のようになります。
まずはお店のメニューを取り込みます。
これは実際に我々のお客様ですが、上記スライドのように壁に貼ってあるメニューも取り込みます。
そして弊社でメニューの解析を行います。
「このお料理ならばこの日本酒が合うのではないか」「この季節ならこの料理がいいのではないか」といった解析を行い、お店の方からは「このメニューを売りたい」というバイアスをかけていただくシステムとなっています。
その結果、国籍やグループサイズ、カップルで来ているのかお子様がいるのか、そういった情報によって提案も変わります。
そのほか、ハラールやベジタリアンといった情報をもとに提案も可能です。
「乾杯と一緒ならこれを食べてみて」「うちの店に来たならこれを食べて欲しい」と提案してくれる。
だから、お寿司屋さんでの注文が、サーモンだけで終わってしまうということが無くなるのです。
飲食店に「鍋はじめました」と書いた表示があっても、外国人にはさっぱり分からないので誰も頼みません。
ですが、「寒いときに日本人は鍋を食べます」と情報を提供すると、「今日は寒いから、日本人と同じように鍋を食べてみよう」となります。
シンプルですが、そういうことなのです。
海外展開スタート、二次交通・六次産業とも連携
現状は1店舗フルサービス月額30,000円で提供させて頂いております。
導入数は、2018年6月から半年強で202店舗になりました。
主な導入先は、市場のように飲食店がまとまっている場所や百貨店などです。
横浜市さんとの取り組みでは、ラグビーの試合を観に来られた方に美味しい体験をして帰っていただく、ということを目指して活動しています。
さらに現在ベトナムでテストをしており、2019年の4月にはハワイにも進出する予定です。
また、タクシーやシャトルバスなど二次交通と連携し集客のお手伝いをしています。
そのほか、六次産業との連携も行っています。
生産者の方は、深い思いを持って生産したものを飲食店に導入いただくためプレゼンテーションします。
しかし、飲食店からはお客様にその情報が伝わらないという課題があります。
そんな生産者の思いを、我々のシステムの中に取り込み「こちらの食材はこのようにこだわって作られているんです」とお客様に直接伝えることができるサービスを提供しています。
提案を通して旅行者の体験と消費をエクスパンド
人の胃袋は、私たちが思っているよりもずっとコンサバティブです。
我々からの提案を通して、旅行者の胃袋をエクスパンドし体験と消費を拡大していく、それが我々の目指していることです。
ありがとうございました!
(終)
※2019年3月、Super Duperはチャット型AIレストランメニュー「HeY」の サービス名を「Satisfood(サティスフード)」に変更されました。登壇時のサービス名は「HeY」でしたが、当記事では新サービス名で編集しております。
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編集チーム:小林 雅/三木 茉莉子/尾形 佳靖/戸田 秀成/小林 弘美
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