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ICCカンファレンス KYOTO 2016 の「社会/ユーザー/社員から永く愛される会社を創る」【K16-7D】のセッション書き起し記事をいよいよ公開!3回シリーズ(その3)は、主に「社員から愛される仕組み作り」と「ユーザーから愛される仕組み作り」の両輪について、各社の具体的な取り組みを交えて議論しました。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
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【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 7D
「社会/ユーザー/社員から永く愛される会社を創る」
(スピーカー)
大西 啓介
株式会社ナビタイムジャパン
代表取締役社長 兼 CEO
高島 宏平
オイシックス株式会社
代表取締役社長
山田 貴士
株式会社ネクスト
取締役執行役員 HOME’S事業本部長
吉田 浩一郎
株式会社クラウドワークス
代表取締役社長 CEO
(モデレーター)
武田 純人
UBS証券株式会社
マネージングディレクター
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【前の記事】
【本編】
武田氏 最後に大西先輩から社員という切り口を中心にお話をお願いします。
大西氏 会社設立した2000年は5人だったんで、その頃からの目標「ナビゲーションエンジンで世界のデファクトを目指す」というのをその後も全社員と共有して、それに憧れて入ってくる社員がほとんど全員だと思っています。
今400名程いますが、チームプレイなんですよね。
みんなで一丸となってやるというような、昭和の日本の文化、日本人独特の体質がすごく合っていて、我々は上場するわけではないので、今創立16周年ですが目標は50周年に世界の人口の半分、35億人ぐらいが使ってればいいかなと思っています。
ナビタイムの月間ユニークユーザーが3,500万人なので、残り34年でこの100倍をやるために会社のみんなと一丸となって、社員一人ひとりがその目標に向かって企画し、開発していきます。
そのために昭和のベタなことを色々やっているんですが、例えば毎年4月に社員大会を実施しています。
新卒で入ってくる社員が今多いので、学生から入ってきて経験できないことを経験させてあげようと思っています。
ホテル椿山荘東京で年に1回みんなでフランス料理のフルコースを食べたり、夏の納涼祭は庭園のあるところで屋台を出して、女性は自主的に浴衣で来てくれるのですが、みんなでおいしいお酒を飲んで納涼祭を楽しみます。
社員旅行は毎年中居さんが食事を出すような所で、正にベタな昭和の社員旅行ですよね。
宴会場を貸し切って、最低350畳の畳がないと行けないので、旅館が貸し切れて温泉があって中居さんが会席料理を出す、出すお酒は全部大吟醸でどんなに飲んでも悪酔いしない、私も1日に数百杯飲まされるので、絶対に悪いお酒は出さないところにしています。
去年は15周年だったので石川県の加賀屋さんを貸し切ったら、加賀屋には最高の人数だと言われたんですが、毎年そういう形で個人では旅行に行かないようなところになるべく泊めてあげて、みんなで楽しくやっています。
(※編集部注:加賀屋のWebサイトをご覧になるとわかりますが、相当な規模感です)
忘年会はホテルオークラを貸し切って、銀座久兵衛さんの握り寿司の職人が出てきたり、そんな感じでなかなか得られない体験をみんなで共有しています。
イベントとしてはこんな感じです。
これは余談ですが、今花粉症多いですよね。
社員で調べてみたら、花粉症で薬等を使用している人が7割もいるんですね。
たまたまR-1ヨーグルトが良いということで、メガネをかけないと外を歩けないぐらい重症の社員5人にR-1を1週間飲ませたら、みんなメガネがなくても外を歩けるようになったので、健康にもいいし、今毎日400本会社で買って社員全員に毎朝R-1を1本飲んでもらっています。
1年間ずっとやったらどれくらい効果があるか試したら、半分の人が改善して、インフルエンザも半分になりました。
(余談:この原稿を読んでICCパートナーズ 小林家は家族で飲み始めました)
あとは、開発はどうしてもみんなやり過ぎて夜遅くなってしまって、次の日眠いんですね。
私と副社長の菊池の2人で立ち上げた時、利益が出るまで人を増やせないので終電で帰る日が7年ぐらい続きましたが、とても眠かったんです。
その時も会社の隅にマッサージチェアーを置いて、昼間寝てたりしたんですが、今そういう形で9席、革張りのマッサージチェアーを入れて、眠ければいつでも昼間寝ていいよ、という形でなるべくいいアイディアが出るようにしています。
武田氏 先ほどの写真の中だと社員旅行の写真が圧巻でしたが、今の400人という規模でみんなで旅行にというのは、お金だけではなくて時間的な部分なども含めて会社側や社員側に様々な負担がかかりますよね。
先ほど吉田さんが、アカツキさんが頻繁に社員全員で集まっていて、集まれる人と集まれない人とで線引をしているというお話をされていましたが、この社員旅行はどのくらいの参加率なのですか。
大西氏 社員旅行の参加率は毎年9割で、今日本の社員旅行の平均参加率は4割とJTBさんが発表しているので、極めて高いといえますね。
友達の結婚式や子どもの病気等以外はみんな来てくれて、楽しみにしてもらっているのは非常に嬉しいですね。
武田氏 加賀屋だとけっこう遠いですよね。
大西氏 そうですね。
最初の頃200人位までは全部署が出し物をやっていたんですが、だんだんレベルが上がってきて、最後は旅行の前1週間は夜みんな会議室で練習して業務に支障が出たので途中で止めました。
今では毎年新入社員だけがそれをやっているんですが、社員旅行もみんな楽しみにしてます。
武田氏 ありがとうございます。
吉田さんは今のお話を聞かれて、何かクラウドワークスでやられていること、取り組まれていること等はありますか。
吉田氏 そうですね、うちの会社は私以外でやってますね。
「働くを通して人々に笑顔を」というミッションの下に「個の力を最大限活性化して、社会の発展と個人の幸せに貢献をする」という社是があるんですが、個人のモチベーションにフォーカスをあてて経営しているので、個人が勝手にやっていて、部活動も自分達で自転車部、サッカー部、バスケットボール部、ゲーム部等を作っています。
今ハタカク!というプロジェクトがあって、リモートワークや副業OKの人事制度をつくったのですが、そういうのも社員が言い出して、個人的には「赤字で投資続けているタイミングで副業OKにするのか?」という感じはあったんですが、社員がやりたいというので成果にコミットできるのであればやってみればという感じで進みました。
私自身の今までの経験として、自分の固定観念の外に成功があることが結構多かったので、なるべく自分が決めつけないで社員一人ひとりが言い出したことをそのままやらせる、その時に社長がいないほうがのびのびできると思っています。
目標だけは握りますよ。副業とかリモートワークをやってパフォーマンスが下がったら意味がないので。
そのおかげでエンジニアブログというのが毎週更新されて、今Rubyの業界では結構いい感じのところまできて、日々外部のRubyエンジニアからの採用応募エントリーが増えていますが、私は元々営業上がりですから、営業系の会社だと思われるとそんなこと起きないわけですよね。
やはり、個の力を最大限に活性化して、そのエンジニア一人ひとりがやりたいことを「どうぞどうぞやってくれ」という感じでやってもらっている過程です。
なので、旅行も私抜きで行ってますね(笑)。
武田氏 でも、ちょっとは呼ばれたいんですよね。
吉田氏 高島さんはよくご存知だと思いますが、私はチームというか人と交わるのが実はあまり得意ではないのかもしれません。
高島氏 そうですよね。
武田氏 高島さんの会社は社員旅行とかってあるんですか。
高島氏 うちはさっき言ったように収穫とかはやっていますし、キッチンが会社にあるのでそこで飲み会等をやったり、我々は食べ物の会社なので食べ物にこだわりながらやっています。
今まで出ていないのでもう1つうちでやっている有効な事例をお話すると、ピンチを活用して社員の一体感を高める、というのを結構やっています。
例えばサーバーが原因不明で止まっちゃうとか、雷が配送センターに落ちて動かないとか本当にやばい時があるんですが、そういうやばい時に僕がどうするかというと、まずミーティングの際にお菓子とかフルーツを沢山用意して、楽しいミーティングみたいにするんです。
そうすることによって「問題が来ちゃった」ではなくて「問題を解こう」というようなテンションを作ります。
そして本当にやばい時はテーマソングを決めます、このやばいトラブルのテーマソングはこれだと。
武田氏 具体的になにか教えてもらえるものはありますか。
高島氏 例えばスティービー・ワンダーの「To Feel The Fire」という歌がありますが、それは本当に潰れそうになった時のテーマソングです。
夜中になってもうダメだーみたいな時に、誰かがおもむろに大音量でその曲をかけると、みんな椅子の上に立ったりしてすごくおかしなテンションになるんですが、それで頑張るぞ!というふうになるんです。
僕は二度と「ファイヤー」は聞かなくなりましたが、そういうことを経験した人たちは、例え新入社員でもインターンでも共通しているものがあるので、次に何か起きた時や何か新しいチャレンジで苦しんでいる時にも「あの時ほどじゃないし、あの時乗り越えたよね」という何となくの感覚が残っていて、次のチャレンジ乗り越えられる確立が上がっていると思うので、ピンチが来た時に上手くピンチを乗り越えるだけではなく、社内の一体感を上げるような手法として使うようにしています。
武田氏 ピンチを自分で作って経営に設計していく、というスタイルも中にはいると思うんですが、そういうわけではなく、来たところを上手く活用するというのが高島さんのピンチ活用法ですね。
高島氏 そうですね。
吉田氏 ピンチの話は我々もやっていて、「CWスピリッツ」という本を社内で作って、過去ピンチがあった時にそれに対してBEFOREと、どういう状況に対しHOW何をやったのか、結果AFTERはどうなったのかというのを体系化したものを積み上げています。
今では何か問題が起きると「1年前のあの時の◯◯事件のやつだよね」という感じで、ケーススタディがあるので、あんまり動じなくていいよ、俺だってマネージメントから一瞬外れてアメリカ行ったぐらいだから、上手く行かなかったらトップは外れるもんなんだよ、といったことをチームリーダー等に言っています。
山田氏 先程の高島さんのピンチをチャンスにするというのは、何か仕組み化されているんですか、それとも自然発生的にそういう風になっているんですか。
高島氏 仕組みというよりはカルチャー化していて、やばければやばい時ほどミーティングに用意されるお菓子が多いんですよね。
すごく揃ってるときは「今回本当にやばいんだろうな」という気になるんですが、そういう経験を過去にした人たちから引き継がれていって、ピンチを超えるのは大変だけどやり甲斐もある、という感じがあって、ピンチがあるとニヤっとする経営幹部が何人かいます。
やはり仕組みというよりはカルチャーだと思います。
山田氏 最初は誰が始めたんですか?
高島氏 最初は僕ですが、それはチームの一体感というよりは、立ち上げて最初の数年間は何やっても上手くいかなくて、自分の意思で起業したのに何でこんなに苦しい日々を送ってるんだろうと悶々とした感じになった時があって、でもよく考えると何かを成し遂げるにはどっちにしても問題を解かなきゃいけないことは変わらないわけです。
その時にその問題を「辛いな、何でこんな問題ばっかりなんだろう」と思って解くのと「問題を解いてる俺、結構イケてるぜ」と思って解くのでは日々の幸せ度が大分違うということに途中で気付いて、そうでないとやっていけないぐらい辛かったのでそういうふうに捉え直したのがきっかけです。
武田氏 ありがとうございます。
区切りがついたので、ここで会場のみなさんから今までの議論等に関してご質問があればいただきたいと思います。
武田氏 ではミドリムシを愛している出雲さん、ご質問いかがでしょうか。
出雲氏 吉田さんのメンタルというかセルフマネージメントに関しての質問で、かなり他の人に「こういう吉田さんを支えたいな」と会社のメンバーにも思ってもらうという結果になってると思うんですが、それは意図しているのかしてないのか、また当初は意図していなかったけれども、思ったよりもこういうマネージメントのスタイルもいいなと思って今はそれを強調されているのか。
ご自身の本当に言いたいことのうち半分ぐらいしかおっしゃって いないと思うんですが、今のスタイルはどうしてこなって、今はそれが楽なのか、どういうふうにお考えなんですか。
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出雲 充
株式会社ユーグレナ
代表取締役社長
東京大学農学部卒、2002年東京三菱銀行入行。2005年8月株式会社ユーグレナを創業、代表取締役社長就任。同年12月に、世界でも初となる微細藻ユーグレナ(和名:ミドリムシ)の食用屋外大量培養に成功。世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leader選出(2012年)、第一回日本ベンチャー大賞「内閣総理大臣賞」(2015年)受賞。著書に『僕はミドリムシで世界を救うことに決めました。』(ダイヤモンド社)がある。
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吉田氏 営業利益1兆円を達成するか、私が倒れるか、のどっちかだと思っているんですが、基本的には自分には能力がないと思っているのが大前提にあります。
勉強やってもダメだし、ビジネスは成績は良かったんですがチームマネジメントができなくてマネージャーを降ろされたり、ドリコムも上場後に役員を降ろされたり、1回目起業して役員が出ていったり、とにかく人望がないんです(苦笑)。
そういう中でどうしたらいいのかを考え、自分は能力が無いということを前提に、他人に「お願いだから力を貸してくれ」といった感じで他人の居場所を作ることが仕事なのかなと、それぐらいぎりぎりのところできています。
多分ここら辺にいる起業家は優秀な方が多くて、最近特に東京大学を出たりハーバード大学出たり色んな方がいらっしゃいますよね。
正に(あすかアセットの)谷家さんがいらっしゃいますが、谷家さんにアドバイスいただいたのは大きいです。
私は(ライフネット生命の)岩瀬さんに憧れて、谷家さんに「私も岩瀬さんみたいになりたいので132億円 投資してください」というお願いをしたことがあったんですが、「目指すべき人を間違えている」と谷家さんに言っていただきました。
「吉田さんは人間力で勝負するタイプだから、(サイバーエージェントの)藤田君等の人を育てるタイプの人がいいんじゃない」と言われて、そのままその後すぐに藤田さんにアポイントを取ったら10億円の 出資にコミットいただいたという経緯があるぐらい、創業2年たってもまだ岩瀬さんを目指そうとしてて、自分のロールモデルじゃない人を目指すぐらい自分のことを分かっていないわけですよね。
それぐらいの感じで他人に教えていただきながらどうにかこうにかやっていっています。
高島氏 ナビタイムさんに質問したいのですが、ユーザーに愛されるというのも今日のテーマですが、僕らみたいにサービスを具体的に提供しているところだとお客さんを満足させるためにはよりおいしいもの、より新鮮なもの等がありますが、ナビタイムさんの場合はインフラに近いですよね。
それは他社と比べてどうやって愛されるというか満足度を獲得してきたのか、或いは不満度を下げてきたのか、たくさんの競合があった中でどうやって最終的に一番支持されるようになったのでしょうか。
大西氏 本当に当たり前のことですが、特にスマートフォンになってからは口コミが出てきます。
我々は外注していないので、作っている人が毎日見て一喜一憂して、それが開発者冥利に尽きる、社員もそれが一番楽しいと言っています。
良ければ嬉しいし、ダメならすぐに何とかしよう、そういう気持ちが常にあるということだと思います。
高島氏 いいとかダメとか、お客様の満足度を評価する指標はどうやって見ていますか。
大西氏 単純に言えば★ですよね、それが一番分かりやすいです。
アプリの★を5にすることが目標で、我々のサービスは殆どが★5に近いです。
高島氏 ★が4の時、どこに問題があるかはどのように探していくんですか。
大西氏 それはそれぞれのプロジェクト毎にとにかく上げるようにしていて、私が指示しているわけではありません。
我々のサービスは普通の人ならみんな使うので、社員も全員自分で使ってるわけです。
日々使っていて不便なものはユーザーも不便、これがまず第一ですよね。
リリース前に自分で使ってダメなものは徹底的に直し、リリース後にユーザーから出たらすぐに直す、この仕組は非常に分かりやすいです。
吉田氏 改善チームは何チームぐらいあるんですか。
大西氏 改善チームではなくて、エンジニア全員が自分のプロジェクトを自分で直します。
吉田氏 組織図的にはどうなっていますか。
大西氏 事業部の下にプロジェクトがあって、それぞれの中で乗り換えのアプリを作ったり、カーナビを作ったりと、アプリ毎にプロジェクトがあります。
吉田氏 アプリ毎だと人数多めになりますよね。
大西氏 今社員が三百数十人いて40プロジェクトぐらいあるので、平均すると1つのプロジェクト5人~10人です。
机は必ず近くにするので、すぐに喋れる距離、フェイス・トゥ・フェイスを大事にしています。
高島氏 同じことをネクストさんにもお伺いしたいのですが、サービスとして一般エンドユーザーの満足度を勝ち取ってくるというのと、一方でお金くれている人達はユーザーさんではなくてクライアントさんですよね。
どっちも満足させなければいけないと思いますが、双方の満足が対立した時にはどのように判断されていますか。
山田氏 ユーザーが自分にピッタリの住まいが見つかるというのをまず最初に見ているので、そういった方を不動産会社さんに送客できて、不動産会社さんもそれによって売上に繋がっていくということでクライアントさんに価値を感じて貰っています。
先程のマルチステークホルダーの考えで全てのステークホルダーを大事にしていますが、仮に衝突した時には究極の順番としてコンシューマーから、一般のユーザーの方の利益を優先に、ということをガイドラインで定めています。
高島氏 一般のユーザーさんの満足度は、大西さんは★とおっしゃっていて、僕らの場合は解約率、つまり買ってた人が買わなくなる率で見ているんですが、どういうものをご覧になっていますか。
山田氏 アプリがあってフィードバックが直接くるようになってやりやすくなってきてはいますが、ウェブサービスの中でいくとアナリティクスの数字を見たり、アンケートをとったり、ということをしながらフィードバックをしています。
最近はNPS(Net Promoter Score)というのが出てきているので、それも取り入れていこうと思っています。
武田氏 高島さんにお伺いしたいのですが、色んなステークホルダーに愛されて、そして愛さなければいけないなかで、敵という存在があるのかないのか、そして敵もまた愛せるのか、自分達がやりたいことをもっと上手くできる人達がもし現れたら、その人達を愛することはできますか?
高島氏 テーマがいつの間にか「愛」になっていますが、同業他社を憎むのか別に気にならないのかということに関しては、僕は全く気にならなくて、同業他社さんが何をやっているのかほとんど知りません。
僕らが解きたい問題に向き合っていて、「食」というのは寄ってたかって解いた方がいいぐらい大きなテーマだと思っているので、同業他社さんが新しいことをやって解くということ、何か新しいイノベーションを創るということに何か感情的に動くということはほとんどありません。
武田氏 ネクストさんは、例えばリクルートさんというものすごく大きな競合、一緒に産業を動かしていこうという人達がいる中で、そういった人達に対する想いや関係の持ち方はどうでしょうか。
山田氏 業界を変えていこう、ということに対して協業出来る部分はもちろん一緒にやっていますし、一緒に検討もしていますので、その部分は一緒にやれていると思います。
営業現場の方ではお客さんの限られた予算をどう取っていくのか、というところで競っている部分はありますが、大きな方向性として目指しているところはそんなにぶれていないので、そこは一緒に、という感じでやっています。
武田氏 大西さんは、周りで同じようなことをやってる可能性のあるプレーヤー、ということはどのくらい意識して世の中に対して価値を提供していらっしゃるのか、今の話に絡めてお話いただければと思います。
大西氏 基本的に他社との比較はあまりやっていないですね。
世の中が何を必要としているのか、そして端末の進化やデータの進化や通信インフラの進化の中で、我々の持っている技術が最大限世の中の役に立つにはどうすればいいか、というところから入っていきます。
マーケットで見ると競合はGoogleとかヤフー等乗り換え案内や地図サイトはいっぱいあるんだけれども、その中で有料課金サービスが我々のメインのビジネスなので、お金を払ってでも使いたいサービスを作るということを心がけています。
武田氏 ありがとうございます。
最後に今日皆さん4人で議論をして、これからの経営に対する学びやそこから感じたことを一言ずついただいてセッションを終わりにしたいと思います。
山田さんから順番にお願いします。
山田氏 ありがとうございました。
このような場で登壇をするのは初めてで結構ドキドキしていたんですが、実際登壇させていただいて今日色々議論したり突っ込まれたりする中で、学びや気付きがありました。
永く愛されていく会社を創るという長期的な視点と短期的な月次の業績は、時には意思決定の中で相反する部分もあると思っていますが、これからは短期的な判断を求められる時でも自分としてはなるべく長期的で20年後、30年後に繋がっていくと思える方、信じられる方に意思決定をしていきたい、ということを改めて今日感じさせてもらいました。
本当にありがとうございました。
大西氏 私もサービスに関する講演はよく出ますが、社内に関するお話は初めて呼んでいただきまして、今まであまり公開していなかったんですが、色々と自分でも喋りながら世の中の役に立つことはどうあるのか、愛されるのはどうなのか、ということがパネラーの皆さんの話を聞いて色々と思いましたので、これからも世の中の役に立つものを沢山出していきたいと思います。
今日はどうもありがとうございました。
高島氏 会社は大きく分けると、社会問題を解く等というミッションドリブンの会社と、リクルートさんやサイバーエージェントさんのような組織そのものが成長することが重要だとする組織ドリブンの会社があると思いますが、社内コミュニケーションを徹底的に強化するのは組織ドリブンの会社がやられていることだと何となく思っていて、ミッションドリブンの場合はミッションで求心力があるからいいやと思っていましたが、皆さんが組織ドリブンの会社並に組織のことをかなりやられているので、改めて刺激を受けて、私もちゃんとやろうと思いました。
ありがとうございました。
吉田氏 今日メモしたことで言うと、高島さんの体感主義はうちの会社でもまだまだ徹底できてないと思いました。
先日ユーザーさんに1日社員をやってもらったんですが、そういうような体感主義を徹底したいなと思いました。
また、ネクストさんの話で、あらゆる事にガイドラインを設けるというのは組織を創る上で重要で、我々は今総従業員が250人ぐらいですが、更に上に行くためにはそういう明確なガイドラインが必要で、何となく曖昧なままでやっていてはダメなんだろうなと思いました。
そして、私自身が出来ることを改めて認識しました。
私はこの会社をはじめる時に「社会のインフラを創るために俺はやるんだ」ということを決めているので、ナビタイムさんのような経営は出来ないのですが、とにかくどんどん拡大していって、社会全体、世界全体の働く個人のインフラになるためにとにかく資本市場を活用して、徹底的に勝負していこうと決意を新たに持ちました。
ありがとうございます。
武田氏 4人でお送りしてきましたこのセッションはこれにて終了とさせていただきたいと思います。本日はみなさんありがとうございました。
最後に、登壇者の方たちに拍手をお願いします。
(完)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/城山 ゆかり
【編集部コメント】
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