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ICC FUKUOKA 2023 ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 -に登壇いただき、見事優勝に輝いた、HelloWorld冨田 啓輔さんのプレゼンテーション動画【すべての子どもに届く英語教育で、多様性のある社会の実現を目指す「HelloWorld」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。
▶【速報】まちなか留学で子どもたちの世界を広げる「HelloWorld」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by ICCパートナーズ
冨田 啓輔
HelloWorld株式会社
代表取締役Co-CEO
HP | STARTUP DB
三重県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、2011年から企業側人事労務専門の弁護士。弁護士業に飽き、2018年からカリフォルニア大学バークレー校の上席客員研究員に。シリコンバレーの風に吹かれて弁護士業を辞め起業し国際交流アプリをローンチ。その後、コロナ禍に伴い帰国し、2020年沖縄にてHelloWorld株式会社を共同創業。「世界中に1か国ずつ友達がいることが当たり前の社会をつくる」をミッションに「まちなか留学」「世界の教室を繋ぐWorldClassroom(EdTechツール)」の2つの教育プログダクトを通じ多様性ある社会を実現。国際交流とビジネスを両立させ、売上拡大とともにソーシャルインパクトの増大を目指す。第5回日経ソーシャルビジネスコンテストにて優秀賞、UNDP等が主催するソーシャルイノベーションチャレンジ日本大会にてCVC特別賞・観客賞等を受賞。
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私は弁護士でした
冨田 こんにちは、HelloWorldの冨田 啓輔です。
こちらの写真は、誰だと思いますか。
2018年の私のパスポートの写真です。
当時の職業、それは、弁護士でした。
会社側が勝つのが難しいと言われる労働紛争で実績を残していた私にとって、弁護士は、まさに天職でした。
しかし、7年ほど働いたとき、自分の仕事が社会に与えるインパクトについて考えるようになりました。
答えを求め、2018年からカリフォルニア大学バークレー校に、研究員として赴任。
シリコンバレーで感じたこと、それは、多様性と挑戦でした。
シリコンバレーの風に吹かれて
シリコンバレーの風に吹かれ、いつしか、眼鏡が飛び、スーツが飛びました。
そして、起業しました。
しかし、シリコンバレーの風は予想以上に強く、年収も吹き飛びました(笑)。
皆さん、どちらの私がよいですか?
私は、後者を選びました。
すべての子どもに届く教育で、社会にインパクトを生む
年収が激減しお金がなくても、インパクトを生み出したい。
そこまでして取り組みたいと思ったのは、教育でした。
「実践的な英語教育」「グローバル教育」「多様性教育」、そのような言葉があふれています。
しかし、まだまだ、一部の子どもたちのみに限られた、特別なものです。
私は、このような教育を当たり前にしたいと思っています。
そこで、「世界中に1カ国ずつ友達がいることを当たり前の社会をつくる」をミッションに掲げ、HelloWorldを立ち上げました。
世界の教室を繋ぐ「WorldClassroom」と「まちなか留学」、この2つのサービスにより、子どもたちへの教育を通して、多様性のある社会を実現します。
世界の教室とつながり、英語の授業を変える「WorldClassroom」
まず、「WorldClassroom」は、中学校・高校の英語の授業を変え、子どもたちの世界を広げるEdTechツールです。
※EdTechとは、教育(Education)とテクノロジー(Technology)を合わせた言葉で、ITやICTなどをはじめとするテクノロジーを用いて、教育産業の新たな形を生み出そうとする試みや、関連する事業やツールなどの総称。
単なる英語の練習アプリではありません。
日本の教室と海外の教室をつなぎ、海外の同世代との交流を気軽に実現します。
例えば、この教室、すべての端末が台湾の教室と繋がっています。
この結果、子どもたちの97.7%が、英語を上手に話したいと思うようになったと回答するようになりました。
ただ、話すためには練習が必要です。
生徒は、ネイティブの発音を聞いたうえで、スピーキング練習ができ、その結果がスコア化されます。
動画音声 「Please invest in us.」
このような練習の成果も、グラフでわかりやすく確認できます。
公教育への導入で大きな成果
私たちは、国際交流事業を起点に、生徒に英語が通じたという成功体験を、通じなかったという失敗体験をしてもらい、モチベーションの向上、そして、ICTを活用した主体的な学びへと繋げ、学びの構造を根本的に変えています。
そして、これをシステム化することで、公教育でも受けられるように、安価に提供しています。
2021年度に導入した名護市教育委員会では、生徒たちへの教育効果、教員の業務負担軽減、両面において、大きな効果が出ています。
実際に、「WorldClassroom」を使っている先生の声です。
動画音声 「ある子が『あの人ともう1回話したい』と言ったんですね。
そのときに……泣きそうです(笑)。話したいと思うって、英語を勉強するうえで一番大事な気持ちに気づいたんだなと思って。
本当にこのたった何十分という時間で世界が広がったんだなと思って、とても胸が熱くなりました」
留学のニーズに応える「まちなか留学」
一方で、オンライン交流が進めば進むほど、留学のようなリアルな体験もしたいという声が上がるようになりました。
そのようなニーズに応えるのが、「まちなか留学」です。
「まちなか留学」は、子どもたちが、日本に住む外国人のご自宅でホームステイすることができるマッチングプラットフォームです。
地域には、実は、大勢の外国人の方がいらっしゃいます。
国内にいながら、様々な国で留学は可能なのです。
オンラインとオフライン、2つのサービスで、国際交流体験を実現しているのが、私たちの強みです。
オンラインではトルコの学校と、オフラインではアメリカ人のご家庭に、これほど多様な体験が可能になるのです。
体験格差を解消する「まちなか留学」 基金
しかし、これだけで本当に課題は解決できるでしょうか?
答えは、ノーです。
なぜなら、「まちなか留学」も有料のサービスであるがゆえ、体験格差を拡大させる側面があるからです。
そこで私たちは、すべての子どもたちに留学体験を届けるために、「まちなか留学」基金を立ち上げました。
経済的事情によって行くことができない子どもたちに、寄付をもとに、無償で「まちなか留学」を提供しています。
2023年1月は、あしなが育英会の子どもたち15名に、「まちなか留学」を無償提供、4月には沖縄の生活保護世帯の子どもたち70名に無償提供します。
導入校、利用者数は国内外に拡大
次に、トラクションとソーシャルインパクトです。
「WorldClassroom」の導入校が、急速に増えています。
2021年度は2校の約500人、今年度は33校の約15,000人に拡大、来年度も国内外で拡大する予定です。
今年度の導入実績も、わずかな営業で実現しており、ダイレクトメールなどで反応があった学校の約64%が導入してくださいました。
そして、日本だけではなく、英語を勉強するすべての国の学校が、私たちのターゲットになります。
「まちなか留学」も「WorldClassroom」とのシナジーがあり、そして、新型コロナウイルスの流行の落ち着きとともに、急激に利用者数が増えています。
コロナ禍においても、創業以来2年間で累計24,000人以上の子どもたちに、多様な国際交流体験を提供してきました。
ソーシャルインパクトだけではなく、売上も拡大しており、今年度の売上見込みは1億3,000万円です。
子どもたちが自分の限界を感じることのない社会の実現へ
「国際交流や留学なんて、私になんて無理だと思っていた。」
とある中学生の声です。
私は、いつ、何が、この中学生に無理だと思わせてしまったのか、いつも自問自答しています。
人それぞれ人生多様ですが、私は、子どもたちがこのような限界を感じることがない社会を実現したいと思い、弁護士業を辞め、人生を捧げる道を選びました。
「世界中に1カ国ずつ友達がいることを当たり前」の社会、そのような社会を実現するために、皆さん、応援をよろしくお願いします。
私たちは、インパクトとビジネスを両立させ、スタートアップとしてソーシャルインパクトを最大化します。
昨日のセッション(<完全オフレコ> 経営者が持つべきアツい「志」「パーパス」とは?)で出雲(充)さんの話を聞いて、IPOしたいと思いました。
やはり、私たちがこういったビジネスでIPOすることが、仲間を作り、世界を変えていくのだと実感しました。
皆さん、応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成