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IPS細胞で、“ちいさな家族”への再生医療を実現する「Vetanic(ヴェタニック)」(ICC FUKUOKA 2024)

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ICC FUKUOKA 2024 リアルテック・カタパルトに登壇した、Vetanic(ヴェタニック) 望月 昭典さんのプレゼンテーション動画【IPS細胞で、“ちいさな家族”への再生医療を実現する「Vetanic(ヴェタニック)」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2024は、2024年9月2日〜 9月5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】廃プラ活用の3Dプリント型枠で、持続可能な建設業界をつくる「DigitalArchi」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2024)


【登壇者情報】
2024年2月19〜22日開催
ICC FUKUOKA 2024
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

望月 昭典
Vetanic(ヴェタニック)
代表取締役
HP

東京薬科大学大学院薬学研究科終了後、富士レビオ(株)中央研究所にて医薬品研究に従事。その後、東邦大学大学院医学研究科(医学博士)、英国サウサンプトン大学でのポスドクを経て、2004年そーせいグループ(株)に入社、以来バイオベンチャーの世界に身を置く。ドラッグ・リポジショニングや事業開発、経営に携わり、ペプチド医薬ベンチャーの買収をリード、同社取締役CSO兼事業開発部長として各社提携、プレフィルドシリンジ製剤開発等のプロジェクトマネジメントを担う。その後、タグシクス・バイオ(株)取締役副社長兼事業開発部長として核酸医薬の開発を推進。2021年1月、世界初のiPS細胞を用いた動物向け再生医療を実現するために、(株)Vetanicを設立。


望月 昭典さん 皆さん、こんにちは。Vetanic(ヴェタニック)の望月です。

今日の私から皆さんへのキーメッセージは、最先端の動物のための再生医療を、ぜひ覚えて帰って頂きたいということです。

“ちいさな家族”のための医療の現状

皆さんご自身の、あるいは知り合いの大切な家族の一員に、なかなか良い治療法が見つからない時、ぜひこの医療技術を思い出してください。

伴侶動物が単なるペットではなく、家族の一員であることは、もう広く浸透していますけれども、実際その数は子どもの数をはるかに上回っており、この傾向はもう20年以上も続いています。

この“ちいさな家族”のために、1世帯当たりの医療費は年々増加しており、ペット保険の加入件数も増えています。

さらに動物医療も高度化が進んでおり、いわゆる紹介診療のみ受け付ける高度医療専門病院での診療件数も年々増加しています。

この高度医療には、「再生医療」あるいは「細胞治療」と呼ばれる治療法も含まれています。

この子は脊椎損傷で下肢が麻痺し、他の治療が効かなかった例ですが、このような症例で最後の望みとして試みられるのが間葉系幹細胞(MSC:Mesenchymal Stem Cell)の投与です。

この子の場合、幸い治療後に目覚ましい回復が認められました。

ミスリードしたくないのであえて強調しておきますけれども、再生医療は全ての例でこういった劇的な治療効果が得られるものではありません。

しかしながら、このような既存治療にはない可能性に期待して、年々注目度が高まっている先進的な治療法です。

高度な再生医療を実現するドナー動物の課題

この再生医療を行うために、一部の動物病院では自ら設備を整え、患者さんあるいは健康なドナー動物から細胞を採取し、治療に使ってきました。

しかし、これではどうしてもリードタイムがかかってしまい、動物病院間の技術のばらつきやドナー動物間のばらつきによって、有効性、安全性の検証が困難という課題がありました。

我々自身が全国の獣医師を対象に行ったアンケートでは、約9割の獣医師が医薬品として承認されたready-to-useの製品を使いたいと答えています。

それに呼応して、世界初のイヌ再生医療等製品、脂肪由来の間葉系幹細胞が承認され、2021年に発売されました。

世界初!犬(同種)脂肪組織由来間葉系幹細胞製品 「ステムキュア(R)」をDSファーマアニマルヘルスが発売(@Press)

こうしてready-to-useの製品はできたのですが、実はまだ大きなペイン(課題)が残っています。

脂肪が必要であるということは、常にドナー動物に負担をかけ、個体差によるばらつきは潜在的に残っており、残念ながらコストも高止まりしています。

さらに、そもそも病気の動物を治療するために、健康な動物が犠牲になるという根本的な問題が残っています。

iPS細胞由来製品ならドナー動物は不要

そこで我々はiPS細胞を用いて、これらの課題解決を図ろうとしています。

iPS細胞は無限に増やすことができ、ドナーに依存しない製品を提供することができるからです。

iPS細胞はご存知の通りノーベル賞を受賞した日本の誇るディープテック、リアルテックですけれども、実は非常に身近な動物の犬では作るのが難しいという課題がありました。

我々の創業メンバーである日本大学の枝村(一弥教授)は20年にわたる動物再生医療の研究の末に、iPS細胞をなんとか獣医療に使えないかと考え、世界的なiPS細胞の研究者である慶應義塾大学の岡野(栄之)先生らのグループと共同研究を行いました。

そして新規に初期化遺伝子の組み合わせを見い出し、ウィルスを用いずに細胞内に導入し、効率良く長期に安定した、世界初の臨床グレードと呼べるイヌiPS細胞の構築に成功しました。

これによりドナー動物が不要な再生医療への道が一気に広がりました。

我々はこのイヌiPS細胞を原料として脂肪由来と同じようにMSCの分化誘導に成功しており、ready-to-useの製品として、2026年に農林水産省へ承認申請を計画しています。

iPS細胞が生まれた日本から世界に向けて供給することができるオンリーワンの製品を作ろうと考えています。

様々な疾患、犬以外の動物へと展開

今なぜiPS細胞が注目されているかというと、この技術が非常に多様な可能性を持っているからです。

我々が開発中のMSCも様々な治療が期待できますが、iPS細胞からまた他の細胞を誘導することにより、いろいろな治療が可能になるといった研究が、すでに人では先行しています。

今現在では犬の治療にフォーカスしていますが、猫のiPS細胞も少しずつ始めています。

ちょうど明日2月22日は、猫の日であることをご存知でしょうか?(※登壇は2024年2月21日)

さらに欧米では非常にニーズの高い馬にも水平展開、垂直展開していく計画です。

我々は獣医療分野におけるiPS細胞製品の開発のパイオニアであり、世界で唯一実用化を目指しているリーディングカンパニーです。

iPS細胞を動物再生医療の真ん中に

今一度iPS細胞のコアバリューをリフレインさせてください。

原料を脂肪由来からiPS細胞由来にすることで、ドナー動物の犠牲は必要なくなり、均一な品質の製品を提供でき、また製造を効率化することで、コスト低減が図れると考えています。

ドナーフリーでサステナブルな再生医療を実現するために、iPS細胞を動物再生医療の真ん中に位置づけたいと考えています。

実はここ福岡はWHOが提唱する、人と動物の健康を一体的に考える「One Health」という理念のアジア地域の拠点でもあります。

先進的な医療技術を使いやすくする、動物たちのクオリティ・オブ・アニマル・ライフを向上することで、人はもっともっと幸せになれると考えています。

ぜひこの動物のための再生医療を覚えて頂き、もしもの時に思い出してください。

Vetanic(ヴェタニック)への応援をよろしくお願いします。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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