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ICC KYOTO 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき、見事優勝に輝いた、レコテック 大村 拓輝さんのプレゼンテーション動画【廃プラを皮切りに、ごみが資源に変わるマーケットプレイスの創出を目指す「レコテック」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
▶【速報】廃プラと活用企業をつなぐ循環型サプライチェーンで、ごみを資源に生まれ変わらせる「レコテック」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)
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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by EVeM
大村 拓輝
レコテック
執行役員
公式HP | 公式X | 個人X
大学時代にアメリカのオレゴン州ポートランドに留学し、環境に配慮した都市設計の美しさに惹かれる。帰国後はポートランドに本社を置く、ナイキジャパンのマーケティング本部に20年ぶりの新卒として入社。5年間在籍し、デジタルマーケティング、リテールブランディング、学生コミュニティの立ち上げとマネジメントを経験。2021年、大きな世の中の変化をチャンスと捉え、RECOTECHのスタートアップとしての立ち上げタイミングで入社。同時期に東京から山梨へ移住。 早稲田大学社会科学部卒、ポートランド州立大学ビジネスプログラム終了。
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大村 拓輝さん こんにちは、レコテックの大村です。
ごみをお金に変える、最高のプレゼンを用意してきました。よろしくお願いします!
焼却処分されるプラスチックには価値がある
突然ですが、この、アパレルをきれいに守っているプラスチックを、多くの企業がごみとして燃やしています。
しかしこれに、一体いくらの価値があると思いますか?
実は、270億円もの価値があるのです。
なぜならば、こういったメーカーがごみを資源として欲しがっているからです。
僕たちは、ごみが資源に生まれ変わるマーケットプレイスを作ります。
まず、高島屋から出る廃プラを、豊田通商の物流梱包資材に生まれ変わらせました。
では、なぜ企業は廃プラが欲しいのでしょうか。
それは、法律で罰せられるからです。
ヨーロッパで運用がスタートし、日本も来年から始まります。
▶再生プラスチック、事業者に利用計画を義務化へ 経産省(日本経済新聞 2024年6月27日)
メーカーがごみに求める4つのこと
そんな中、メーカーがごみに求めることは4つあります。
それは、品質が良くてコストが低く、安定した調達量があり、トレーサビリティが確立されていることです。
そのためには、資源を、ピンポイントで大量に回収する必要があるのです。
しかし、既存の廃棄物業界は対応できません。
なぜならば、ごみを運ぶには都道府県ごとに許可が必要であり、業者が乱立しており、5.5万社もある全国の収集運搬事業者数のうち半分は、4人以下で運営されているからです。
そのため、隣り合うビルでも、別々の業者が回収していることもあり、先ほどのような場面で、ピンポイントで大量に回収するのは不可能なのです。
ごみをデータ化、効率的に回収する仕組み
この構造的課題を解決するのが、pool(プール)です。
poolはごみをデータ化し、ピンポイントな資源調達を実現します。
アパレル業界がターゲットなので、百貨店とアパレル店にアプローチしました。
poolの参加拠点では、分別ガイドラインに沿って分別します。
重量を計って、資源をpoolに登録、専用の回収ボックスに入れます。
集まったデータはマップとして可視化され、たとえ1拠点の量が少なくても、エリア単位でまとめて、効率的な回収を実現します。
回収時と倉庫からの出荷時にpoolに登録、全国のリサイクルパートナーへ運ばれます。
そこで、再資源化率95%以上でリサイクルします。
このようなリサイクル材料を、メーカーに販売しています。
こうして、全く新しい資源循環をデザインしました。
poolの強み①廃プラ回収の最適化
poolの強みは、3つあります。
1つ目は回収の最適化、僕たちは廃棄物業者以外で初めて、 プラスチックに関する新しい法律の大臣認定を取得しました。
そのため、許可のあるなしに関係なく資源の回収ができるのです。
今回はアパレルのプラスチックがターゲットなので、全国に展開しているファッション物流最大手と連携し、アパレル商品納品車両の帰り便の空きスペースを活用して、物流効率を上げました。
資源に合わせて動脈と静脈どちらの面でも、最適な物流業者と連携できる、唯一無二のサービスを作ったのです。
poolの強み②廃プラ排出側へのインセンティブ設計
2つ目はインセンティブ設計ですが、なぜごみを出す企業がわざわざ参加するのか疑問に思いますよね。
彼らは、ステークホルダーへの情報開示のために、分別計量は当たり前のオペレーションを構築しています。
しかし、ローカル管理の工数がとても多い。
そこでpoolがデータ集約、分析を担います。
実際、各拠点のサステナビリティ担当者が毎月72時間もかけていた作業時間を、ゼロにしました。
さらに、poolで リサイクルした方がコストメリットがあるのです。
百貨店や商業施設、オフィスビルなど、サービス開始から1年ちょっとでこれだけの企業が参加し、その数はどんどん増えています。
poolの強み③リサイクル材の開発
3つ目は、リサイクル材の開発です。
メーカーのR&Dや調達部と何度も検証を重ねて、分別からリサイクルプロセスまで全てを設計しました。
加えて、調達に重要なトレーサビリティ情報もシステムで担保、メーカーのニーズを満たす、4つの課題を解決したリサイクル材料の提供が可能になりました。
加えて、製造に係るCO2は、新品プラに比べて、77%も削減できるのです。
そのため、花王のボトル、豊田通商の物流資材、お手元にある凸版印刷のレジ袋など、続々と開発が進んでいます。
▶編集部注:審査員席にはリサイクル素材のペレットや袋が配布されました。
大手企業との連携も開始し、 リサイクル材料を作れば作るほど売れる体制が整いました。
排出側・調達側双方のビジネスモデルで急成長
poolのビジネスモデルは、ごみを出す企業側は計量管理システム、調達側は調達ダッシュボードとして、SaaSとしてマネタイズしています。
加えて、廃プラを仕入れる時、リサイクル材料を販売する時、それぞれでマネタイズするユニークなモデルです。
現在扱っているプラスチックには270億円の価値がありますが、これは全体の廃プラの中のたった1%にすぎません。
poolはその他の資源にも、つまり横展開が可能であり、既に、ハンガーやアパレル、自動車、建築など27%をカバーできることが見えています。
国内の再生プラ市場は右肩上がりで成長中であり、2035年には3,500億円に到達する見込みです。
規制が進むヨーロッパの再生プラ市場は、2030年に2兆円に達します。
私たちは既に、台湾経由での輸出検討も開始しました。
とてつもなく大きなポテンシャルがあるのです。
ごみが資源に変わるマーケットプレイスの創出へ
最後に、poolの未来の話をしましょう。
リサイクル材料使用が義務化され、ごみの価値はますます上がり、ごみの争奪戦になる未来は確定しています。
プラ循環のソリューションを入り口に、回収拠点とあらゆる廃棄物データを、徹底的に押さえるのです。
既に、生ごみやその他の資源に関するデータが、着々と集まってきています。
2028年までに回収拠点を500拠点にし、流通量を50万トンに拡大させることで、国内最大級の、ごみが資源に生まれ変わるマーケットプレイスを作ります。
廃棄物業界を熟知し、圧倒的なスピードで資源循環を実装してきた僕たちだからこそ、実現できるのです。
サーキュラーエコノミーは、まだ人類の誰も成し得たことのない、新しい領域です。
ここにいる皆さん、ぜひ、ともに新しい産業を創りましょう!
応援よろしくお願いします、ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成