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ICC KYOTO 2024 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき3位に入賞した、匠技研工業 前田 将太さんのプレゼンテーション動画【“匠の見積”をデジタル資産化する「匠フォース」で、製造業の競争力を高める「匠技研工業」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションのオフィシャルサポーターは EVeM です。
▶【速報】廃プラと活用企業をつなぐ循環型サプライチェーンで、ごみを資源に生まれ変わらせる「レコテック」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2024)
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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 1A
STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by EVeM
前田 将太
匠技研工業
代表取締役社長
公式HP | 公式X
匠技研工業株式会社、代表取締役社長。 東京大学法学部卒業。 大学時代は4年間、体育会のラクロス部に所属し、昼夜練習に明け暮れ、学生日本一を目指していた。 法科大学院に進学後、東京大学のアントレプレナー道場(授業)にてOB起業家の方の講演に心を撃たれ、スタートアップの世界に飛び込むことを決意。 ラクロス部同期3名と共に、匠技研工業(旧社名:LeadX)を創業した。 ピボットを重ねる中で、「日本の未来を背負う挑戦をしていきたい」という思いを強く抱き、2021年より「匠フォース」(製造業向けSaaS)事業を展開。2023年に2.1億円のプレシリーズA資金調達を実施。
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前田 将太さん 「工場経営を科学し、匠の力を拡張する。」
東京大学発、未来の製造業のための工場経営SaaS「匠フォース」を提供している、匠技研工業の前田です。
日常生活を支える製品は「部品の集合体」
日本の基幹産業である製造業では、「生産性向上」「技術承継」「適正取引」が、至上命題として叫ばれています。
自動車、航空機、産業機械、半導体、 日常生活を支えるあらゆる製品は、「部品の集合体」です。
では一体誰が、この部品を作っているのか。
答えは、国内22万社、割合にして99%を占める、中小サプライヤー企業です。
中小サプライヤー企業の課題は「値決め」
日本中にある中小サプライヤー企業が一番困っていること、それは「値決め」です。
製造業における値決め、つまり見積業務は、工場の売上や利益を大きく左右する、経営の根幹です。
見積業務を体験してみましょう
今日は皆さんに、工場の経営者になったつもりで、この見積業務をご体験いただきましょう。
お手元に、ICCオリジナル仕様、特注品の金属コースターとその図面をお配りしました(※) 。
▶編集注:プレゼン中に審査員席に配布されました。
皆さんが足立区にある町工場の社長だとしたら、この金属加工品を一体いくらに決めますか?
今回は、3択をご用意しました。
皆さん、選びましたか?
正解は、Bの2,000円です。
Aのように安すぎては赤字となり、下手すると年間数億円の損失につながります。
逆にCのように高すぎては、相見積にかけられ、価格が安い競合他社に発注されてしまいます。
見積をベテラン職人に依存
適切な見積のためには、図面情報を正しく読み取り、膨大な過去資料から類似案件を参照し、材料費と加工費について緻密に原価計算を行う必要があります。
複雑な図面を見ながら毎日数十件、勘と経験を頼りに苦労して見積をしており、ベテラン職人が1日の80%、月100時間以上も見積業務に割いている企業もあります。
非効率でベテラン依存、そのうえ、どんぶり勘定な見積業務は、工場の経営者が頭を抱える経営課題なのです。
見積のためのオールインワン・システムを現場で開発
解決のため、私たちは日本中の工場の現場に滞在し、奔走してきました。
そしてリリースしたのが、「匠フォース」です。
発注者から受領した図面を匠フォースにアップロードすれば、図番や品名はOCRで自動入力。
AIが図面解析を行い、過去の類似案件があれば自動でレコメンド、類似品との差分も表示してくれます。
各社固有の原価ロジックもカスタマイズして搭載、標準化ができます。
案件管理、見積書発行、データ分析が可能な、オールインワン・システムになっています。
匠フォースを活用したことにより、効率化としては見積業務の時間が50%減少、70代から30代に技術承継ができたという、著名なサプライヤー企業での成功事例が生まれています。
システムのフル活用を伴走支援
匠フォースのポテンシャルは、独自の技術です。
製造業向けシステムとして業界初、Notionのように自由自在にカスタマイズできる柔軟性を兼ね備えており、各社各様の原価ロジックに対応可能です。
匠フォースの強みは、プロダクトだけではありません。
ITに苦手意識がある方でもフル活用できるよう、専任メンバーが、原価計算コンサル、カスタマイズ、データ移行、操作指導など、現場に通いつめながら、徹底的に伴走支援しています。
初期費用プラス月額10万円から提供
ビジネスモデルをご紹介します。
初期費用は100万円から。
これは一般の中小向けSaaSよりは高額ですが、同様の内容をコンサル会社に発注すると数百万円かかるので、顧客メリットも大きいです。
月額費用は10万円から。
こちらも高価格帯ではありますが、高い費用対効果を見込むことができるため、経済合理性があります。
現在、上場企業から従業員10名規模の町工場まで、幅広い業種、業態でご利用いただいています。
また、日本を代表するトップ企業への導入も続々と進んでおり、パートナーとして三菱商事様との提携も発表しています。
▶匠技研工業が三菱商事と販売提携。製造業支援AIシステム「匠フォース」の販売体制を強化し、共同での価値創出を推進。(PR TIMES)
レガシー産業向けSaaSとしては異例の成長速度
トラクションです。
レガシー産業向けSaaSとしては異例の速度で成長しており、YoYで4倍、今期はARR 1億円を突破する見込みです。
私たちが対峙しているのは中小製造業22万社が存在しているロングテールのマーケットです。
2030年には4,000社、つまり市場のたった2%を獲得するだけで、ARR 120億円を見込んでいます。
そして匠フォースは、グローバル120万社、3,000兆円の市場に挑戦していきます。
日本と類似した産業構造のタイには、すでに現地訪問し、強いニーズを確認しています。
デジタル資産の活用で工場管理を最適化
匠フォースの未来の話をしましょう。
私たちは、工場経営を科学し尽くし、工場管理の全てを担うインフラになります。
各社の図面、工程、技術の情報を蓄積している匠フォースは、いわば匠の技術をデジタル資産化している状態です。
これらを活用し、工程管理の自動化、データドリブンな改善提案など、工場管理を究極まで最適化します。
さらに個社に閉ざしたDXでは終わりません。
ものづくりは1社では完結しない、だからこそ工場同士がシームレスにつながり、サプライチェーン全体でリードタイムを短縮し、産業として競争力を向上させていきます。
ロボットに情熱を捧げた少年時代
最後に、私が匠フォース事業にかける思いについてお話しします。
幼少期の僕は、ロボットに情熱を捧げる少年でした。
HONDAのASIMOが走る姿を見て、ものづくりが日本の誇りであることを感じていました。
それから20年の時を経て、大学の同期の仲間と共に、匠技研工業を創業。
町工場の方々と偶然ご縁を頂く中で、ものづくりへの思いに再び火がつきました。
これまで日本全国、累計250社以上の企業を訪問させていただき、ものづくりの奥深さに感銘を受けました。
日本から世界中のものづくりを変える
私は、本田技研工業をリスペクトしています。
日本から再び、「世界のホンダ」と言われるような偉大な企業を創出したい。
本気でそう思っています。
匠技研工業の挑戦は、まだ始まったばかり。
日本から、世界中のものづくりを変えていきます。
「匠の力を、拡張する。」
匠技研工業でした。応援よろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成