ICC KYOTO 2024 Digital Transformation(DX) CATAPULTに登壇した、OpenFactory 堀江 賢司さんのプレゼンテーション動画【1つから発注できるオンデマンド生産SaaSで、無駄のないサステナブルな製造業DXを実現する「OpenFactory」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2025は、2025年2月17日〜 2月20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは Saleshub です。
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【登壇者情報】
2024年9月2〜5日開催
ICC KYOTO 2024
Session 2A
Digital Transformation(DX) CATAPULT
Sponsored by Saleshub
堀江 賢司
OpenFactory
代表取締役社長
サービス公式HP | 公式X
大学にて生産管理を先行し、広告代理店勤務を経て家業である製造工場にて大量生産のものづくりに対する課題を感じ、株式会社OpenFactoryを設立し、プリントオンデマンド生産に特化したプラットフォーム「Printio」を提供しています。「Printio」は、受発注ソフトウェアとAPIを通じて、1個単位からのオリジナル商品の製造を可能とし、全国に展開する専門工場との連携により、製造から個別配送までフルフィルメントで対応しています。
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堀江 賢司さん 皆さん初めまして、OpenFactoryの堀江と申します。
私たちは、オンデマンド生産に特化した受発注プラットフォーム、Printioを運営しています。
日本のEC事業者の課題
日本のEC市場は14兆円と大きく、EC事業者は455万人いらっしゃいます。
そんな事業者の課題は、大量生産のものづくりです。
売れるか分からないのに見込み発注が必要で、売れ残った場合のリスクがあります。
また、すぐに売りたいと思っても商品手配に時間がかかると、販売機会のロスが起こります。
私たちは、1個から頼めばすぐ届くオンデマンド生産を中心に展開しています。
WEBから発注できるだけでなく、APIやEC連携の自動発注機能も提供している、プリントオンデマンドのプラットフォームです。
小ロット生産ができないという工場の課題
私がこの事業を始めたきっかけは、実家で感じた課題でした。
私の家業は布の印刷工場でして、大量生産の設備からデジタル生産にまさに切り替わるタイミングでした。
1個から作れるのに、小ロット受注ができませんでした。
なぜなら、受発注ソフトウェアがなかったからです。
小ロットの受注でも、1件あたり3,000円以上のコストがかかる場合がほとんどです。
家業では、プリンターや工場設備には何億円もの投資をするのですが、システム投資はどうしても後回しになってしまっていました。
私は、家業の課題は業界の課題だと感じました。
在庫や倉庫不要のオンデマンド生産
そこで、私は家業を離れてスタートアップを選択し、この場に立っています。
私たちは、 全国の製造業をDXする「日本の工場長」を目指しております。
私たちのビジョンは、「すべてのチャレンジを可能にするものづくりの実現」です。
それは、必要なものを必要な数だけ作るオンデマンド生産をすることで、リスク無くECでの物販を始められたり、これまで取り扱えなかった商品を販売することが可能になったりすることです。
1個の生産からロット生産まで対応しており、注文が入ってから作るため、在庫は必要ありません。
また、工場から個別出荷まで対応するフルフィルメントなので、倉庫と契約する必要もないのです。
こうすることで私たちは受注処理コストを大幅に抑えることができ、1枚の受注でも安く提供することが可能になりました。
実際の受発注の様子をご覧ください。
画面からアイテムを選び、デザインを乗せれば簡単に商品の登録ができます。
この商品をECですぐに販売していただき、売れたら、EC連携、ウェブからの手動発注も可能です。
発注時、送り先と送り主を記入できるので、自分のブランドとして製造できます。
工場では全国からの注文が一元管理され、受注すれば製造指示書が出力されます。
バーコードをスキャンするだけで、プリンターを自動でコントロールできます。
送り状もバーコードをスキャンするだけで発行できるので、個別出荷に不慣れな印刷工場でも対応可能です。
発注者にSaaSを無償提供、売買利益から収益
私たちは、発注者と工場、双方にSaaSを無償で提供しております。
その代わり、商品の売買に関わる利益を頂くビジネスモデルです。
発注側は「Printio. order」で、オンデマンド生産を効率的に発注できます。
全国の工場の商品カタログがあり、デザインを乗せるシミュレーター、受発注管理機能を備えています。
そして発注については、APIで全ての機能を提供することができます。
また、様々なECのカートにつなげる、EC連携機能を搭載しようと考えています。
工場向けクラウド生産管理システムSaaS
工場向けには、クラウド生産管理システムの「Printio. make」を提供しています。
これは、工場がオンデマンド生産を効率的に行えるソフトウェアで、バーコードをスキャンするだけで製造指示書が出て、プリンターを自動コントロールできます。
この機能は、特許を取っております。
また、配送伝票の発行も可能です。
様々な事業に組み込める“ものづくり機能”
私たちは、印刷物のネット通販ではありません。
皆さんのビジネスにものづくり機能を組み込むことで、新たな事業を生み出すお手伝いをしております。
例えばグッズサービスでは、製造サポートの他、立ち上げ支援も行っております。
また、お配りしたノートは、コクヨの自社ECで提供している、1冊から作れるカスタマイズサービスによるものです。
他には、プレーリーカードのように、カードを発行した裏側で製造して送る機能も提供していますし、NFTを使うなど、自社サービスでのプリントオンデマンドの相談を多く頂いております。
また、クリエイターやインフルエンサーのEC連携による無在庫販売や、全国の動物園のDXとして、須坂市、名古屋大学、中京大学と一緒に、入場料収入や寄付に頼らない新たな物販ビジネスのお手伝いもしています。
世界のトップメーカーが集まる日本こそオンデマンド生産市場の拡大を
私たちの累計製造個数は20万個、アイテム数は850SKUを超えました。
また、このビジネスは世界ではとても伸びているのですが、日本では対応工場がないため、まだまだ増えていません。
私たちは、オンデマンド生産市場を拡大しようと思っております。
サービスやアプリを提供する皆さんと共に産業を創るため、EC連携だけではなく、様々なアプリやチャットサービス、SaaS、CRMと連携してオンデマンド生産の市場を大きくしたいと思っており、面白い専門工場は全国にまだたくさんあるので、もれなく私たちの生産システムとつなげていきたいと思っています。
僕は、このビジネスは、日本のスタートアップが行うべきだと思っています。
その理由は、日本には世界でトップシェアを誇るプリンターメーカーが揃っているからです。
特に、デジタル製造分野は、日本の巨大産業です。
私たちは、世界のトップシェアを誇る日本の刺しゅうミシンメーカーと一緒に、画像だけで刺しゅうを1点から製造するサービスも行っています。
オンデマンド生産で実現する真のサステナブルな世界
皆さん、想像してみてください。
様々な産業が今、オンデマンドにシフトしています。
その中で、ものづくりだけが未だに、大量生産、大量廃棄になっております。
数年後、私たちはオンデマンド生産で、在庫も廃棄もない真のサステナブルな世界を、工場とともに創り出していきたいと思っております。
私たちは、日本の工場長として、新しいチャレンジをどんどん、どんどん生み出していきたいと思っております。
よろしくお願いします、Printioでした。
(終)
編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成