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ICC FUKUOKA 2025 カタパルト・グランプリに登壇いただき4位に入賞した、HelloWorld 冨田 啓輔さんのプレゼンテーション動画【海外事業も本格化!多様性ある社会を目指して、国際交流の機会を提供する「HelloWorld」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット KYOTO 2025は、2025年9月1日〜9月4日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはAGSコンサルティングです。
▶【速報】アフリカから誠実な努力が報われる世界を!信用スコアで車両購入を支援する「HAKKI AFRICA」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC FUKUOKA 2025)
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【登壇者情報】
2025年2月17〜20日開催
ICC FUKUOKA 2025
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
冨田 啓輔
HelloWorld
代表取締役Co-CEO
公式HP | 公式X
三重県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、2011年から企業側人事労務専門の弁護士。弁護士業に飽き、2018年からカリフォルニア大学バークレー校の上席客員研究員に。シリコンバレーの風に吹かれて弁護士業を辞め起業、2020年沖縄にてHelloWorld株式会社を共同創業。「世界中に1か国ずつ友達がいることが当たり前の社会をつくる」をミッションに「まちなか留学」「世界の教室を繋ぐWorldClassroom(EdTechツール)」「まちなかENGLISH QUEST」の3つの国際交流プログダクトを通じ、多様性を社会に実装するインフラ構築を目指す。国際交流とビジネスを両立させ、売上拡大とともにソーシャルインパクトの増大を志向。ICC FUKUOKA 2023 ソーシャルグッド・カタパルト優勝、第5回日経ソーシャルビジネスコンテスト優秀賞等。
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冨田 啓輔さん 世界中に1ヵ国ずつ友達がいることが当たり前の社会をつくる、HelloWorldです。
天職を離れ海外留学へ
私はかつて、こんな顔をしていました。

職業は弁護士でした。
会社側が勝つのが難しい労働紛争で実績を残し、まさに弁護士は天職でした。

しかし、自分の仕事が社会に与えるインパクトについて考えるようになりました。

答えを求め、UCバークレー(カリフォルニア大学バークレー校)に留学、シリコンバレーで感じたこと、それは「多様性」と「挑戦」でした。

起業と同時に年収は激減
シリコンバレーの風に吹かれて、いつしか眼鏡が飛び、スーツが飛びました。

そして起業しました。
シリコンバレーの風は予想以上に強く、年収も吹き飛びました。

多くの子どもに多様性に触れる機会を
私がそこまでしてやりたいと思ったのは、いかに多様性ある社会を実現するかということでした。

子どもたちが多様性に触れることのできる海外留学は、優秀な人やお金持ちなど、選ばれし者だけのものです。

一方、大多数は学校の英語の授業で英語が苦手になり、多様性に触れる機会から遠ざかっていきます。
そこで私たちは、世界の教室をつなぐ「WorldClassroom」、ミッションクリア型の国際交流プログラム「まちなかENGLISH QUEST」、国内ホームステイの「まちなか留学」、この3つのプロダクトで隔たりを埋め、多様性に触れる国際交流機会を子どもたちに提供しています。

2年前のICCサミットで優勝
2年前のICCサミット FUKUOKA 2023のソーシャルグッド・カタパルトでの優勝を境に、覚悟が変わりました。

▶【速報】まちなか留学で子どもたちの世界を広げる「HelloWorld」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
今年度、これまで機会提供してきた子どもたちは累計18.6万人に達し、優勝以来、約8倍になりました。

マネタイズが難しいこの分野で、エクイティ調達をせずに営業黒字を出し、経済性も確保しています。

主体的な学びにつながる「WorldClassroom」
ウェブマーケティングではなく、学校を起点としたクロスセルでCPA(顧客獲得単価)を抑えています。

基盤となるのが、中学校、高校の授業に導入する、「WorldClassroom」です。

例えば、この日本の教室の全ての端末は、台湾の教室とつながっています。

結果、子どもたちの97.7%が英語を上手に話したいと思うようになったと回答するようになりました。
ただ、話すためには練習が必要です。
スピーキングの練習機能も搭載しており、結果がスコア化されます。
さらに、海外の生徒と話す前に、AIを使ってやり取りの練習もできます。

私たちは、国際交流事業を起点に、自分の話す英語が通じたという成功体験と通じなかったという失敗体験を子どもたちにしてもらい、モチベーションを向上させ、AIを活用した主体的な学びにつなげ、学びの構造を根本的に変えています。

導入校は高い教育効果を実感
導入校では、生徒への教育効果、教員の業務負担軽減、いずれにおいても大きな効果が出ています。

先生の実際の声です。
「(動画内音声)ある子が『あの人ともう1回話したい』と言ったんですね。
その時に……泣きそうです(笑)。話したいと思うって、英語を勉強するうえで一番大事な気持ちに気づいたんだなと思って。
本当にこのたった何十分という時間で世界が広がったんだなと思って、とても胸が熱くなりました」
このような先生の声を受けて急速に拡大し、今年度、「WorldClassroom」の利用者は約82,000人です。

政府の目標「教育の国際化」でシェア拡大へ
しかし、そのシェアはわずか1%にすぎません。

私たちは、2033年までにシェア100%を目指します。

「えっ、100%?」と思うかもしれません。
実は、2033年までに100%の学校で、オンライン国際交流をするという政府目標が掲げられているのです。
▶未来を創造する若者の留学促進イニシアティブ(内閣官房教育未来創造会議担当室作成)


絵空事ではありません。
沖縄では先生の口コミが広がり、50%の中学校に既に導入されています。
沖縄に本社を置くHelloWorldにとって、狙う市場はDAY1からグローバルです。

既に、教室をつなげる海外のパートナー学校は48ヵ国750校にも及びます。

2024年に台湾支店を設立
現在は日本の学校や自治体からのみお金をもらっていますが、今後は海外でのマネタイズを本格化させます。

台湾に台北支店を設置し、初の売上も立ちました。
▶事業拡大に伴い、台湾支店を設立(HelloWorld)

文部科学省からは、海外展開の支援対象として採択いただき、日本政府の後押しのもと、各国政府との商談も進んでいます。
▶文部科学省の「EDU-Portニッポン応援プロジェクト」に採択(HelloWorld)

急速に増える海外のパートナー校を基盤に、グローバルでの事業を加速させていきます。

日本に住む外国人宅でホームステイ「まちなか留学」
でも、グローバル=海外でしょうか?
それは違います。

日本にはたくさんの外国人が住んでいます。

国内のグローバルに注目したのが、「まちなか留学」です。
ホストファミリーの国籍は80ヵ国以上、日本にいながら、外国人宅でのホームステイを通して留学体験ができるのが、まちなか留学です。
さらに気軽な、「まちなかENGLISH QUEST」も含め、円安の影響で、全国で急拡大しています。

体験格差をなくす取り組み「まちなか留学基金」
オンラインとリアル双方の実績をふまえ、資本金100万円ながら、無担保無保証融資期間7年以上のデッドファイナンスも行いました。
▶ソーシャルインパクト最大化に向け、1.84億円の資金調達を実施(HelloWorld)

しかし、有償のサービスであるがゆえ、体験格差を拡大させる側面もあります。

そこで、創業とともに、まちなか留学基金を立ち上げました。

寄付を通じて、これまで約1,000万円を集め、生活困窮世帯の子どもたちには無償で提供しています。

多様性ある社会の実現に向け新たな挑戦
多様性ある社会の実現を目指すHelloWorldにとって、教育は最初の一歩にすぎません。

教育は儲からない、TAM(実現可能な最大の市場規模)が小さい、とは言わせません。
今後、既存事業の拡大だけではなく、そのアセットを活用し、新しいドメインでも事業を展開していきます。

私は、弁護士の仕事も、年収5,500万円も捨てました。
そこまでして、国際交流と異文化理解を通して多様性ある社会を実現したいのです。


お手元に、アニュアルレポートをお配りしています。
▶編集注:プレゼン中に、審査員席にアニュアルレポートが配布されました。
日々、ソーシャルインパクトとビジネスの両立にもがき苦しんでいます。
ただ、きっとその先に私たちの未来があります。
ぜひ、応援よろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成