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局所特化型の治療「NIPP」で、骨盤内がん治療の選択肢を増やす「メドキュレーション」(ICC FUKUOKA 2026)

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ICC FUKUOKA 2026 リアルテック・カタパルトに登壇した、メドキュレーション 柴垣 知広さんのプレゼンテーション動画【局所特化型の治療「NIPP」で、骨盤内がん治療の選択肢を増やす「メドキュレーション」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターは 慶應イノベーション・イニシアティブ です。

【速報】放射性廃棄物を抑える核融合で、持続的な電力供給に貢献する「LINEAイノベーション」がリアルテック・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2026)


【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by 慶應イノベーション・イニシアティブ

柴垣 知広
メドキュレーション
代表取締役
公式HP

メドキュレーション株式会社 代表取締役。医療機器業界で20年以上、外資・国内メーカーにてマーケティングおよび事業開発を担当。日本市場にフィットした製品の導入、販路開拓や戦略的アライアンス構築を主導し、複数製品の上市・市場拡大を実現。現在は骨盤内がんに対する新規治療法「NIPP(Negative-balance Isolated Pelvic Perfusion)」の社会実装を目指し、産学医連携コンソーシアムを構築。医療の選択肢を拡張し、治療の可能性を広げることに挑戦している。


柴垣 知広さん メドキュレーション株式会社の柴垣と申します。

我々は「NIPP(閉鎖循環下骨盤内非均衡灌流療法)」という治療法の普及と、その専用医療機器の開発を進めております。

治療の選択が難しい「骨盤内がん」

子宮がん・直腸がん・膀胱がんに新たな選択肢を。

3疾患(骨盤内がん)を合わせると、国内の年間の発症者数は約11万人、死亡者数は約3万人以上に上ります。

現在の治療には、それぞれ大きな課題があります。

手術をすると、臓器摘出によって生活が変わってしまいます。

放射線治療には、照射の限界があります。

化学療法は、全身に副作用が重くのしかかってきます。

免疫療法は、効果が限定的です。

がんが仮に小さくなっても、人生が小さくなってしまいます。

このように、今の医療には、患者さんのQOLと治療効果の両方を満たす選択肢が、まだ存在していません。

再発を知った友人から届いた一通のメール

これは、海外に住む私の友人から届いた一通のメールです。

友人は40代の女性で、子宮頸がんが再発し、ステージはIIB、転移はなしと診断されました。

セカンドオピニオンの医師からは、海外では手術中の大量出血による死亡が20人に1人の割合で起こりうること、そして放射線を当てた部分は硬くなり、手術時の止血が困難になることを伝えられたそうです。

提示された治療の選択肢は、手術と化学療法でした。

しかし、手術を選べば、骨盤内の臓器を取り除くことが必須となり、人工膀胱と人工肛門は避けられない。

さらに、臓器を取り除いた部分に肉の移植が必要となるため、神経障害も起こりうるという手術のリスクについても、説明を受けたといいます。

一方、化学療法を選べば、余命2年。

化学療法の限界もあります。

彼女は再発が早かったことから、見えないがんが全身に広がっている可能性もあると告げられ、たとえ手術を受けても、余命は4年ほどだと説明されたそうです。

彼女のように、進行・再発患者さんには、多くの課題があります。

その現実を前に、我々は一人でも多くの患者さんを救いたい、そう思っています。

骨盤内に抗がん剤を循環させ、治療後は体外へ排出

我々が提案する「NIPP治療」とは、「骨盤内に、“抗がん剤を閉じ込めて効かせる”局所特化型のDrug Delivery System」です。

従来の全身化学療法と比べて、NIPPは薬剤を除去することにより副作用を低減し、高濃度の薬剤の送達が可能になります。

全体像です。

カテーテルを用いて骨盤の中の循環環境を閉鎖し、そこに高濃度のシスプラチン(抗がん剤)を流し入れ、灌流させ、その後、薬剤を除去するというシステムです。

NIPPの医療機器開発の“壁”と特徴

医療機器を開発している我々には、4つの壁があります。

1つ目は、医療機器と薬剤のコンビネーション製品であること。

2つ目は、日本発で世界で使われている治療機器が極わずかであること。

3つ目は、パートナー企業との利害関係の一致、そして開発環境の歩調を合わせること。

4つ目は、数年かかり、数億円かかるという資金の壁です。

次に、NIPPの特徴です。

1つ目は、骨盤全体への高濃度の薬剤の送達。

2つ目は、薬剤の局所投与と回収による全身副作用の軽減。

3つ目は、通常2回の4泊5日の入院治療だけで済むことです。

非常に低侵襲で、1つの傷口は3mm程度になります。

抗がん剤による副作用を軽減するNIPP治療の実際

それでは、治療の実際をお見せします。

NIPPは、手術室で全身麻酔下のもと、入室から退室まで3時間程度の治療になります。

両足の付け根からカテーテルを血管内に挿入し、血管へのルートを確保します。

ここが、3mm程度の傷口になります。

そして、風船(バルーン)のついたカテーテルを、大動脈と下大静脈の上まで上げ、2カ所で風船を膨らませ、血流を遮断します。

下腿は、ターニケット(止血帯)で締め付けます。

これにより骨盤内の循環が整います。

そして、高濃度の抗がん剤を流し入れ、灌流回路を使って、腫瘍全体に届けます。

最後に、除去装置で骨盤内で灌流した抗がん剤を血液から除去します。

そのため、全身の副作用を大幅に軽減することが可能です。

子宮頸がん標準治療後の進行・再発例の約6割に奏効

2000年から臨床応用をすでに開始しており、200名以上の治療実績があります。

3本の臨床研究論文を発表し、そして、2015年には先進医療B(※)を実施しました。

▶編集注:将来的な保険導入を目指して安全性・有効性を評価する医療技術で、保険診療と併用可能な臨床研究。 

子宮頸がん標準治療後の進行・再発例で、57.7%という高い奏効率です。

浸潤性膀胱がんでは、2人に1人が完治しています。

また、100%膀胱が温存できています。

腫瘍は、事前と治療後を比べると、これだけ小さくなりました。

こんなに効果があって、実績のある治療法は世に広めなければならないと、我々は思っています。

インド・マザーハウスで芽生えた、今につながる思い

私は学生時代、インドのマザーハウス(死を待つ人々の家)でボランティアをした経験があります。

そこで、弱った身体のおじいさんの食事のお手伝いをしていました。

一口ずつ小さなスプーンで食べさせていた時に、おじいさんの目からこぼれた涙を見て、人の役に立つ仕事に就きたい、そう思いました。

おじいさんの涙が、私を医療業界へ導き、現在のNIPPにつながっています。

この治療を届けなければ、年間3万人が救われません。

我々がやらなければ、誰もやりません。

タッグを組んでNIPPを世界へ!

共同創業者の小野澤(志郎さん)です。

メドキュレーション設立前から、彼は友人でした。

NIPPは、部材供給が滞って、先進医療が中断されて以降、自費治療としても実施困難となりました。

医師主導治験に向けた研究申請も承認されず、彼は「ギブアップしたら、何人が亡くなるのか」と、毎朝その思いで目が覚めたといいます。

その苦悩の中で、最後には網膜中心静脈閉塞症を発症しました。

大切な友人の苦悩を知り、私は一緒に戦うことを決めました。

医療の「技術と実績」、そして医療機器ビジネスの「仕組みと情熱」。

この組み合わせであれば、NIPPは世界へ届くと信じています。

学会、大学、企業と、仲間が増えてきました。

少しずつ支援の輪も広がってきました。

患者さんの未来をNIPPで変えにいく

医師主導治験を通し、薬事承認・保険適用まで、まだまだ長い道のりです。

最初の5年で、売上33億円を目指しています。

しかし、セカンドライン(再発・進行後の治療)からファーストライン(初回治療)へと適用が広がって、対象となる患者さんが増え、さらにがん種の追加や使用する薬剤の追加・変更が進むことで、市場規模は大きく変わっていきます。

海外の市場は、日本の約12倍です。

NIPPは2回の自費治療で現在1,000万円かかりますが、保険適用後は20万円から50万円で全国で受けられるようになります。

我々は、患者さんの未来を変えていきます。

NIPP、メドキュレーションでした。

ご清聴ありがとうございました。

▶︎実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/正能 由佳/小林弘美/戸田 秀成

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