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FabFoundry 関 信浩さんのプレゼンテーションをお届けします。米国のハードウェア・スタートアップ企業が抱える製品量産化の課題を解決するために、日本で立ち上げようとしているサービスについてお話を頂きました。ICCカンファレンス FUKUOKA 2017スタートアップ・コンテスト「カタパルト」プレゼンテーションの書き起こし記事です。ぜひ御覧ください。
スタートアップビジネスの「エコシステム」を構築し、日本の起業家を支援するプログラム「IBM BlueHub」は「カタパルト(CATAPULT)」のオフィシャル・サポーターです。
本記事で特集しております8分間のプレゼンテーションを行う「CATAPULT(カタパルト)」のプレゼンターを募集しております。「スタートアップ」「IoT/ハードウエア」「リアルテック」「カタパルト・グランプリ」の4カテゴリーで募集しております。ぜひ募集ページをご覧ください。
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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
CATAPULT(カタパルト) -スタートアップコンテスト-
Supported by IBM BlueHub
関 信浩
FabFoundry, Inc.
創業者
米FabFoundry, Inc. 創業者 兼 CEO。米Infocom America, Inc. Executive Vice President、株式会社GENOVA顧問、シックス・アパート株式会社 顧問などを務める。1969年、東京生まれ。1994年、東京大学工学部卒。1994年から2003年まで、日経BP社で編集や事業開発に従事。 2002年カーネギーメロン大学ビジネススクール(Tepper)で経営学修士(MBA)を取得。カーネギーメロン大学在学中に、学校代表チームを率いて複数のビジネスプランコンテストに参画、特別賞などを受賞。2003年12月、シックス・アパート株式会社を設立し代表取締役に就任(2015年5月より顧問)。2010年12月にConnectFreeの創業に共同創業者として参画(現任)。2013年9月より株式会社GENOVAの取締役に就任(2016年7月より顧問)。2015年5月よりInfocom America, Inc.のExecutive Vice Presidentに就任(現任)。2015年2月にFabFoundry, Inc.を設立し、創業者 兼 CEOに就任(現任)。
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関 FabFoundryの関と申します。本日は地球の裏側、ニューヨークからやってまいりました。
わたしたちFabFoundryは、アメリカで活躍するハードウェア・スタートアップが抱える「量産」の悩みを解決します。
以下のスライドをご覧ください。
これらは、クラウドファンディングで多額の資金を調達しながら、製品を届けられなかったハードウェアスタートアップのほんの一例です。
▶Indiegogoで大成功したバイク用ARヘルメットのSkully社が破産申請の見込み
▶FitbitのPebble買収により、Pebbleのサービスは縮小・停止へ
▶40億円集めたドローン「LILY」がまさかの発売中止…開発企業が倒産か
多額の資金調達をしても…
クラウドファンディング大手のKickstarterでは、3割以上のプロジェクトで著しい納期の遅れが発生しているそうです。
素晴らしいプロトタイプで多く人を魅了するアメリカのスタートアップ。しかし、いくら多額の資金を集めても、製品化が約束されたわけではありません。
製品量産の「死の谷」を越える
製品の量産にこぎつけるには、「死の谷」を越えていく必要があります。しかし製造業の空洞化が進むアメリカには、品質やコスト、納期を管理する経験者がいないのです。
この「死の谷」を越えるために、日本が培った「モノづくり」が生かせるのではないか?
日本の「モノづくり」を生かして、アメリカのスタートアップが送り出す魅力的なアイディアを製品化する。FabFoundryは、そのためのプラットフォームを提供します。
日米がお互いに持つ先入観を解決
しかし実際にこのようなコラボレーション事例はほとんど聞きません。何が問題なのか。
そこで、まず自らミートアップを立ち上げ、スタートアップとの交流を始めました。
アメリカのスタートアップが口を揃えるのは「日本は金額が高い」。そして「日本以外は相手にしてなさそう」ということです。
一方、日本で話を聞くと、「交渉が大変そう」と苦手意識を持っているようです。
FabFoundryでは、こうした日米の「先入観」を解決できるチームを作りました。
私はブログの草分け、シックス・アパートの立ち上げやMovable Typeの製品統括を通じて、日本とアメリカの間で20年間のビジネスの経験があります。Vice Presidentの中嶋は、大阪で20年近く製造業を営み、最近売却しました。
アドバイザーのTristanとIlanaは、それぞれ東海岸でハードウェア・スタートアップのインキュベーターやアクセラレーターで所長を務めており、スタートアップの悩み相談に乗る、頼もしい存在です。
チームの力を借りて、日本のモノづくりの現場に、アメリカのスタートアップを引き合わせる活動を毎年、実施しています。
今年は、日本とアメリカのハードウェア・スタートアップが一緒になって活動する「デモデー」を企画しています。
日本を「世界のモノづくり」の「ハブ」に
FabFoundryが実現したいこと。それは日本のモノづくりが、世界のサプライチェーンの「ハブ」として活躍することです。
国内だけで考えている時代ではありません。日本のベンチャー投資は、ハード、ソフト、医療、すべてをあわせても700億円規模に過ぎません。
アメリカではアーリーステージのハードウェア・スタートアップだけでも毎年、約3000億円が投資されています。ケタが違います。
我々のビジネスモデルはマーケットプレイス型です。ただし、単なるマッチングではありません。日米の人件費の差に注目しています。
日本の生産管理エンジニアの平均年収は478万円。ベテランでも600万円前後です。
しかし例えばニューヨークでは、約1100万円。それも年齢には左右されません。
こうした価格差に着目することで、収益を上げることが可能です。
今後は年間20%の成長を続けるアメリカ市場に、サービスを提供できるように、プロジェクト・マネジャーのネットワーク化を進めます。さらにプロマネ業務のAI化などを進めていく計画です。
今年、日本では主に機動力の高いサプライヤーのネットワーク化を始めます。アメリカでは、インフラのシステム化のために、資金調達を進めます。
2017年、FabFoundryは日本とアメリカの間で本格始動して、新しいビジネスをスタートします。
ご清聴ありがとうございました。
▶FabFoundry 関 信浩さんのプレゼンテーション動画をぜひご覧ください。
(終)
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆
【編集部コメント】
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