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ICCサミット KYOTO 2018 カタパルト・グランプリに登壇し、同率準優勝に輝いたかものはしプロジェクト村田 早耶香さんの【かものはしプロジェクトは、社会の仕組みを変え、“子どもが売られない世界”をつくる】プレゼンテーションの文字起こし記事をぜひご覧ください。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
ICCサミット KYOTO 2018のプラチナ・スポンサーとして、AGSコンサルティング様に本セッションをスポンサー頂きました。
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【登壇者情報】
2018年9月4日〜6日開催
ICCサミット KYOTO 2018
Session 6A
CATAPULT GRAND PRIX (カタパルト・グランプリ)- 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
(プレゼンター)
村田 早耶香
特定非営利活動法人かものはしプロジェクト
共同代表
大学在学中の2001年、東南アジア訪問時に子どもが売られる問題の深刻さを知り、2002年20歳の時に仲間とかものはしプロジェクトを創業。10歳未満の子どもまでもが被害にあっていたカンボジアで、子どもが売られる問題を防止する為、職業訓練と雇用により家庭の収入を向上させる雑貨工房を運営。また加害者を取り締まる為の警察訓練支援も行う。現在はインドに活動を広げている。2006年日経WOMAN主催「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2006」リーダーシップ部門を史上最年少で受賞。2011年、社団法人日本看護協会とジョンソン・エンド・ジョンソン グループ日本法人各社主催、ヘルシー・ソサエティー賞を受賞し、皇太子殿下と謁見。2012年、全国日本商工会議所女性会連合会主催 第11回女性起業家大賞優秀賞受賞。
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▶「ICC KYOTO 2018 カタパルト・グランプリ」の配信済み記事一覧
村田 早耶香氏(以下、村田) 皆さんこんにちは、かものはしプロジェクトで共同代表をしています、村田と申します。
今日は皆さんに「子どもが売られる問題」について知っていただきたく、お話しします。
子どもが売られる問題というのは、貧しかったり、騙されたり、誘拐されたりして子どもたちが売春宿に売られ、働かされている問題です。
私は大学生の20歳の時、この問題を無くすために団体を作り、17年ほど活動しています。
僅か1万円で売られ、エイズで亡くなった少女の物語
なぜ団体を作って活動しているかというと、一人の女の子の話を聞いたのがきっかけでした。
私は大学で、海外支援の勉強をしていました。
その授業の中で、実際に売られた被害者のミーチャという女の子の話を聞きました。
この女の子はミャンマーの貧しい農村で暮らしていました。
お母さんは既に病死、お父さんは障がいがあるため働けませんでした。
たくさん兄弟がいる家の長女だった彼女は、働き手として期待されました。
しかし農村には仕事がなかったので、12歳の少女は「都会に行けば子守の仕事があり、大好きなお父さんや家族を助けることができる」と聞いて出稼ぎに出ました。
しかし子守の仕事と聞いていた場所は売春宿で、騙されたと気づいても逃げ出せず、鍵のついた部屋に監禁されました。
そして毎日殴られながら、10人近いお客さんを強制的に取らされました。
結局、彼女はエイズを発症しました。
その後NGOの人に保護され医療を受けられましたが、既に末期症状で余命数カ月という状態になっていました。
彼女は、日本から来た新聞記者にこのように言っています。
「私には本当は夢があります。学校というところに行って、勉強というものをしてみたかった。勉強ができたら警察官になって、悪い人を捕まえたい」
そう話していましたが、夢は叶わず、彼女はたった20年の短い生涯を終えることになったのです。
私がその話を聞いたのは19歳の時で、彼女とほとんど年齢が変わりませんでした。
私はたまたま日本に生まれたので、大学教育を受けて生活していました。
一方、ほぼ同い年の女の子が全く教育を受けることなく亡くなっていました。
この子が売られてきた金額は、日本円で僅か1万円でした。
この金額しか彼女のお父さんは受け取ることなく、彼女は12歳の時からありとあらゆる虐待を受けて亡くなりました。
こういった子どもたちが世界中に100万人もいます。
本当にそんな酷いことがあるのか?と皆さん思われるでしょう。
実際の映像をご紹介します。
▶編集注:映像についてはプレゼンテーション動画(2:58〜)をご覧ください。
これはカンボジアの売春宿の中の様子です。
実際行ってみると、6歳や9歳の子どもまで売られています。
この子たちは被害者で、大人に1人当たり1回30ドルで売られています。
彼女たちは誘拐されたり騙されたりして、監禁されています。
そこでアイロンの熱を当てられたり、電気ショックを与えられたり、殴りつけられながら働かされているのです。
そしてその子たちの多くは虐待死、自殺、またエイズなどの病気で亡くなっていきます。
これは児童労働の中でも最悪の形態の児童労働で、子どもの心と体を最も傷つけるものと言われています。
児童を「売らせない」「買わせない」活動
このような状況を無くすため、私は団体を作り、大学卒業後カンボジアに渡ってゼロから活動を始めました。
この問題を解決するには、「売らせない活動」と「買わせない活動」が必要です。
そして売らせない活動をするため、農村の貧困層の大人に仕事を作りました。
このように雑貨工房を経営し、そこに最貧困層のお母さん、お姉さんのみを受け入れて働いてもらっています。
売られてきている子どもの多くは、農村の母子家庭や、親がいない世帯から出稼ぎに出ている貧しい家庭の子どもたちだからです。
大人に仕事を作ることで、安定した収入が入り、子どもは危険な出稼ぎに出ることなく教育を受けられるようになります。
そしてもう1つは、買う人を減らすことです。
一番のネックは「警察が加害者を逮捕できていない」ということでした。
例えば10歳の女の子が外国人のお客さんとホテルに入って行っても、まさか児童買春だと思わないので、調べられることなく、見逃されている被害がたくさんあります。
そして売春宿を摘発しても、間違って被害者の子まで逮捕されていました。
虐待されながら働かされていた子が、悪いビジネスをした人として牢屋に入れられてしまうのです。
私たちは、ちゃんと被害者を保護し加害者を逮捕するよう、警察の意識と能力を上げるトレーニングを行いました。
そしてカンボジア政府やNGOと協力することで、年間の逮捕件数は9年間で9倍に増加しました。
15年間の取り組みで、カンボジアの児童買春は激減
それによって海外から子どもを買いに来る人が減り、明らかな子どもを雇っている売春宿が減りました。
その結果、今ではほとんど被害者が出ていない状態になっています。
どの売春宿に行っても明らかな子どもが出てくることはないですし、保護施設に行っても未成年で売春されていた子どもが保護されているということがほとんどなくなりました。
このように、この15年間でカンボジアの状況は劇的に変わりました。
政府が法律を作り、警察が加害者を逮捕し、7%ずつ経済成長をして貧困層の数もどんどん減っています。
危険な出稼ぎに出る子ども達が減り、15年で問題解決に向かったのです。
子どもが売られない世界をつくる
これは、いろんな立場の人たちが協力してくれたおかげです。
私が団体を作った時は、たくさんの人が「それは不可能だ」「20代の小娘が来たところで一体何ができる?」「君が還暦を迎えた頃にようやく解決するかもしれない。40〜50年はかかるだろう」などと言われました。
しかしたった15年で海外のこんな悲惨な問題が解決したのです。
「ちゃんと取り組めば解決するのだ」と感じています。
そしてカンボジアの次に状況が酷かったのは、南アジアのインドです。
こちらにはまだ被害者がたくさんいて、 一度被害に遭うと社会復帰が難しくなっています。
インドで活動を広げ、こういう状況の子どもたちを無くしていきたいと思っています。
かものはしプロジェクトにご協力をお願いします!
それを支えるのが、日本の皆さんです。
たくさんの人たちが応援してくれています。
ぜひ我々の活動に所見をください。
またこういう課題があるということは、実はまだあまり知られていないので、ぜひ広めてください。
そして寄付で支えていただきたいです。
法人の協賛は30万円から受付けています。
7,500人の方々が月々1,000円の寄付をしてくださって、支えてくださっています。
ぜひ皆さんにも、そのお一人になっていただきたいです。
気づいた人たちが行動することで、この問題は解決できます。
ぜひ応援してください、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/尾形 佳靖/戸田 秀成/KYOU MARKETING
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