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ICC KYOTO 2021 カタパルト・グランプリに登壇いただき、2位に入賞した、KAPOK JAPAN 深井 喜翔さんのプレゼンテーション動画【「KAPOK KNOT」は木の実由来の機能性素材で、日本を代表するサステナブルブランドを目指す】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティング様にサポート頂きました。
▶【速報】経営管理データを迅速に一元化できるプランニング・クラウド「Loglass」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2021)
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【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 6A
カタパルト・グランプリ
– 強者が勢揃い –
Supported by AGSコンサルティング
深井 喜翔
KAPOK JAPAN株式会社
代表取締役
1991年生まれ、大阪府出身。1947年創業のアパレル企業双葉商事の四代目。1日に10回以上「カポック」と発する自称カポック伝道師。2014年慶應義塾大学卒業後、ベンチャー不動産、大手繊維メーカーを経て、家業に戻る。現在の大量生産、大量廃棄を前提としたアパレル業界に疑問を持っていたところ、2018年末、カポックと出会い運命を確信。KAPOK KNOTのブランド構想を始める。
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深井 喜翔さん 深井喜翔と申します、創業75年のアパレル企業の4代目です。
父がカシミヤ屋、母がウール屋という繊維の家系です。
大量生産・大量廃棄のアパレル業界を変えたい
アパレル業界に入ってみて、業界の大量生産、大量廃棄を前提としたビジネスモデルに疑問を持ち始めました。
ファストファッションの台頭で、人にも地球にも負荷が重くのしかかっているからです。
▶参考:環境省_サステナブルファッション (env.go.jp)
例えば、生産者としては最低賃金が5年で2倍になった地域があり、その賃金増分の代わりに、児童労働や過重労働が行われています。
また、消費者は、エコなものが欲しいと思っても、3割増の値段で買わなければいけないこともあります。
結果、アパレル産業は世界で3番目の汚染産業と言われています。
▶参考:国連、ファッションの流行を追うことの環境コストを「見える化」する活動を開始 (国際連合広報センター)
この負のスパイラルから抜け出せないアパレル業界を変えたいと思い、私は”Farm to Fashion”というコンセプトを掲げ、循環型のサステナブルブランドを作ろう、そう考えました。
つまり、消費者にも生産者にも地球環境にも無理がない、そんな世界を作りたい。
その鍵となる素材がこの木の実、カポックです。
この木の実を使います。
「カポック」とはどんな木の実?
この木の実の中には、コットンの8分の1の軽さの綿が詰まっています。
吸湿発熱という効果があり、ダウンのような暖かさをもたらします。
さらに、木の実なので木の伐採も必要なく、環境にも優しい素材なのです。
カポックは繊維の中が空洞になっており、そこに暖かい空気を溜め込みます。
よって、軽くて暖かいのです。
他の繊維と比べると、動物を傷つける必要も、木の伐採も必要なく、保温性にも優れ、さらにコストも低いのです。
カポックの弱点を旭化成との共同開発により克服
こんなに良い素材ですが、やはり弱点があります。
それは、非常に軽くて短いので、糸に加工できないという課題でした。
しかし、家業のリソースと私の前職の旭化成との共同開発により、シート状に加工することができるようになりました。
たった5mmの薄さでダウンのような暖かさを実現
それで立ち上げたのが、KAPOK KNOTというブランドです。
私が今着ているコートも、KAPOK KNOTのコートです。
非常に薄いです。
カポックはたった5mmで、ダウンのような暖かさを実現します。
クラウドファンディングでは、2年で3,000万円以上の支援を集めることに成功し、多くのメディア掲載とピッチコンテストでの賞を頂いています。
さらに消費者からも、「豪雪地帯のマイナス16度でも問題なかった」という声を頂いています。
機能もデザインもサステナビリティも妥協しない
ここで皆様を、KAPOT KNOTのFarm to Fashionを体験できる旅にお連れします。
私はカポックをこの目で見るために、現地のインドネシアに飛びました。
「日本人でここまで来たやつは初めてだよ」、そう言って笑われました。
大量のカポックをこの目で見たときの感動は、今でも忘れることができません。
ただ、カポックはあくまでも素材です。
この素材をいかに活かすか、それを必死に考えました。
デザイナー、縫製職人、パタンナー、様々な関係者と何度も何度も、試作を繰り返しました。
その結果、機能もデザインもサステナビリティも妥協しない、1着のコートが出来上がったのです。
彼、彼女ら一人一人の笑顔を大切にしながら、消費者にも生産者にも地球環境にも貢献する事業を続けていく。
それが、KAPOK KNOTの思いです。
さてここから、よりカポックを広げて、これからも第一線を走り続けるために考えていることを、皆様にお伝えしようと思います。
それが、KAPOK JAPANです。
私は後継でありながら、スタートアップとしてKAPOK JAPANを起業しました。
KAPOK JAPANが何をするのかと言いますと、独自の品質基準と加工技術で、カポックシートのBtoB販売も進めていきます。
100%土に還る素材でコートを製作
これは最近ようやくできた商品で、一見普通のコートに見えますが、100%土に還るコートです。
ボタン、縫い糸、中綿、生地、接着剤、全て、土に還る素材を使って作りました。
これをBtoCで広めてBtoBでも商品化する、それがKAPOK JAPANのビジネス構造です。
こういった研究開発ができるのは、独自のサプライチェーンがあるからです。
現地の研究機関と品質改良、今後10社と共同開発も
私は、インドネシア現地の研究機関と5年の研究契約を結び、品種改良から取り組むことを始めています。
構造を図で説明すると、KAPOK JAPANはBtoBでカポック素材を他のアパレルブランドに販売し、カポックを使用したブランドのモデルとして、KAPOK KNOTをBtoCで広めていくということです。
ありがたいことに、ICCコラボとして、ヘラルボニーと商品を共同開発することに成功しました。
▶ART COAT(HERALBONY)
さらに今期は他に10社と共同開発予定で、順次情報を解禁していきます。
KAPOK KNOTは年齢に左右されないブランドで多くの年齢層から支持を得ており、グローバルの羽毛衣料市場を狙えると考えています。
ファッションを楽しみながら、未来について考える
たった一人の後継ぎが地方で始めたこのプロジェクトは、多くの賛同者に恵まれ、コロナ禍でもリモートでしっかりとものづくりを進めています。
最後にこれだけは聞いてください、カポック事業を通じて目指すことです。
「今、ファッションを楽しむこと」と「未来について考えること」、この二つは両立できるのです。
私たちKAPOK KNOTがこの二つを結び、日本を代表するサステナブルブランドになります。
私たちだけでは見えない景色があります。
パートナーを募集しています、よろしくお願いします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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