どこでも眼科診療が可能なスマホ装着デバイスで、世界を失明から救う「OUI Inc.」(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】 | 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

どこでも眼科診療が可能なスマホ装着デバイスで、世界を失明から救う「OUI Inc.」(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】

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ICC KYOTO 2021 カタパルト・グランプリに登壇いただいた、OUI.Inc 清水 映輔さんのプレゼンテーション動画【どこでも眼科診療が可能なスマホ装着デバイスで、世界を失明から救う「OUI Inc.」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回250名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティング様にサポート頂きました。

【速報】経営管理データを迅速に一元化できるプランニング・クラウド「Loglass」がカタパルト・グランプリ優勝!(ICC KYOTO 2021)


【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICC KYOTO 2021
Session 6A
カタパルト・グランプリ
– 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング

清水 映輔
慶應義塾大学医学部眼科学教室 特任講師 / OUI.Inc CEO

2013年慶應義塾大学医学部卒、眼科専門医・医学博士(同大学で取得)。東京歯科大学市川総合病院、慶應義塾大学病院など勤務。眼科医として、ドライアイや眼アレルギーを専門とし、特に自己免疫疾患関連の重症ドライアイに関して多数の臨床研究や基礎研究の実績をもつ。2016年に同級生の眼科医3名とOUI Inc.を起業、ベトナム無料白内障手術ボランティア参加をきっかけに、医療現場の課題となるニーズを発見し、帰国後に、安価で誰でもどこでも眼科診察が可能な「Smart Eye Camera」を発明、学術化の後に医療機器として、実用化に成功した。現在、慶應義塾大学医学部眼科学教室特任講師兼任。2020年 国際失明予防協会 The Eye Health Heroes award・第十四回日本シェーグレン症候群学会奨励賞・2018 ARVO/Alcon Early Career Clinician-Scientist Research Award等受賞。ICCサミット FUKUOKA 2021 リアルテック・カタパルト優勝。


皆さんこんにちは。

OUI Inc.(ウイインク)、そして慶應義塾大学医学部眼科学教室の、清水映輔と申します。

眼科医3名で創業、日本初の眼科診断AIを開発

私は眼科医の立場で起業し、「世界の失明を救う」を実現するため、日本初の眼科診断AIの開発による、失明と視覚障害根絶への挑戦をしています。

OUI Inc.(ウイインク)という社名について、「どう読みますか?」とよく聞かれますが、僕は眼科医なので、片目を閉じるウィンクにかけた、ダジャレのような社名です。

この話を毎回アイスブレイクでするのですが、全く受けません(笑)。

我々は、慶應義塾大学医学部発のベンチャーです。

創業者は私を含めた眼科医3名で、ビジネスサイドのメンバーにたくさん入って頂いています。

そして我々が作るのはハードウェアやソフトウェアなので、医学、ビジネス、工学が連携している企業です。

2020年の世界の失明者は約4,500万人で増加中

冒頭で触れた通り、我々のやりたいことは、2025年までに世界の失明を半分にすることです。

目が見えなくなる失明と、目が見えなくなって生活できなくなる視覚障害の数は、どんどん増えています。

2015年のデータでは、世界には3,600万人の失明者、22億人の視覚障害者がいて、経済損失は何と720兆円と言われています。

また、最新の2020年のデータでは、失明者は20%増えて約4,500万人になっているので、何もしなければ30年後の2050年にはもっと増えて、1億2,000万人になると言われています。

▶参考:視覚障害者の数、世界で「2050年までに3倍」に – BBCニュース

実際、WHOもSDGsの目標3で、「すべての人々に対する、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成」という目標を掲げています。

▶参考:SDGsとWHO | 公益社団法人 日本WHO協会 (japan-who.or.jp)

単に目が見えなくなるだけではなく、目が見えなくなるので仕事ができなくなる、介護者のコストがかかる、など様々な問題が発生してしまいます。

ですからWHOはこれを問題として提起しており、SDGsの目標になっています。

スマホに装着するだけで眼科診療が行える

そこで我々が開発したのが、Smart Eye Cameraというデバイスです。

これはスマホのアタッチメントで、スマホに付けるだけで眼科診療が行えるデバイスです。

眼科を受診されたことがあれば分かると思いますが、眼科では、据え置きの大きなデバイスに顎を固定して目を見ます。

眼科医は光を目に当てて、はね返ってきた光で診断します。

ベトナムの片田舎へ白内障手術をしに行った際、これはスマホで再現できるのでは?と思い、スマホのアタッチメントという形で開発しました。

ポータブルなので、どこでも誰でも診察できるのが、このSmart Eye Cameraです。

このSmart Eye Cameraは既に、日本とヨーロッパで医療機器になっています。

また、日本では保険診療が適用されるので、眼科や人間ドック、遠隔診療などでも使うことができます。

眼科では、画像を集めて、眼科医が悪いところを診断を行います。そのため、眼科医の診断ロジックを使用した診断AIの開発が可能です。

診断AIは、来年度の医療機器化を目指し、我々のチャレンジとして現在、開発を進めています。

国内では、研究、臨床、教育の現場で活躍しています。

眼科医がいない離島・途上国の遠隔診療で活躍

事例として、東京の離島11島のうち7島では、診療で使われています。

離島には、眼科医がいません。

離島では、1,000~8,000人ほどに対して内科医が1〜2名しかおりません。患者の目の写真を内科医が撮って、本土にいる眼科医に送るという、Doctor to doctorの遠隔診療が行われています。

僕たちがやりたいのは、途上国を含めた海外にこのデバイスを持っていくことです。

現在、20ヶ国で100台以上のSmart Eye Cameraが活躍しています。

アフリカの最貧国マラウイ共和国での使用事例を、紹介します。

マラウイでは1,800万人の人口に対して眼科医は14人しかいないので、眼科診療は、眼科医ではなく眼科コメディカル(医師・看護師以外の医療従事者)が行っています。

コメディカルは、彼らが目を診察して医師に見てもらう、また、AIなどで診断してスクリーニングし、連携病院で目薬をさしたり手術で治療したりして、失明から救っています。

国内の市場規模は720億円、今後の発展に期待

市場規模は国内で720億円くらいです。

我々は、今年開始した医療機器としてのデバイス販売とアプリの使用料で売上を立てています。

これからどんどん広げていって、世界の市場も獲得したいと思っています。

Smart Eye Cameraで世界の失明を半分にするという目標を、どうやって達成するかについてお話しします。

我々は医者なので、エビデンスファーストで事業を行います。

海外の先生は特に、エビデンスを非常に重視しています。

当然ですが、我々も英文論文をたくさん発表し、エビデンスと共に使い方をアピールします。

日本やヨーロッパだけではなく、ケニアやブラジルでも医療機器化を進めていますし、国内外の公的助成金を使っています。

さらに僕は慶應大学の教員でもあるので、慶應大学との共同開発も行っていますし、海外20ヶ国、100台以上のSmart Eye Cameraが活躍しています。

導入先であるマラウイのKhumbo先生からも、高評価を頂いています。

僕たちはこのデバイスを使い、2025年までに世界の失明を半分に減らそうと考えています。

デバイスを使った眼科診察を実演

どれほど簡単かを見せたいので、デモを行いますね。
プレゼン動画の6:10あたりからぜひご覧ください)

デバイスは、開くとアプリとなります。

目にかざすと、画面上で今、僕の目が拡大されて見えていると思います。

これだけで、眼科診療ができます。

撮影したデータはサーバーに転送されます。

目の真ん中、瞳孔にある黄色い部分が水晶体ですが、これが黄色くなくなると白内障となり、手術が必要になります。

このようなことが簡単に分かるので、Smart Eye Cameraは非常に簡易的に目の診察ができるデバイスだと分かって頂けたのではないでしょうか。

今日、Smart Eye Cameraを持ってきているので、眼科診察をご希望の方がいれば、お声がけください。

我々眼科医にとっての失明は、内科医や外科医にとって患者さんが亡くなることと同義ですので、世界を失明から救っていきたいと思います。

ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成/小林 弘美

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