遠隔地でも現場にいるかのように指示が伝わる「SynQ Remote」で、人手不足の建設業界を支援する「クアンド」(ICC FUKUOKA 2022)

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

ICC FUKUOKA 2022 スタートアップ・カタパルトに登壇いただき、第3位に入賞した、クアンド 下岡 純一郎さんのプレゼンテーション動画【遠隔地でも現場にいるかのように指示が伝わる「SynQ Remote」で、人手不足の建設業界を支援する「クアンド」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022 ダイヤモンド・スポンサーの ノバセル にサポート頂きました。


【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル

下岡 純一郎
株式会社クアンド
代表取締役CEO

1986年北九州市出身。九州大学理学部、京都大学大学院卒業後、P&Gにて消費財工場の生産管理・工場ライン立ち上げ・商品企画に従事。イタリアにてグローバルチームの一員としてパンパースの新規製造ラインの開発・立ち上げ・ロールアウトなどを行う。その後、博報堂コンサルティングに転職し、ブランディング・マーケティング領域でのコンサルティング業に従事。2017年に地元福岡にUターンし、株式会社クアンドを創業。製造業・建設業などの現場向け情報共有プラットフォーム「SynQ(シンク)」を開発。家業の建設設備会社の取締役も兼任する。サウナが好きで御船山楽園ホテルにはほぼ毎月宿泊している。

【速報】コーヒー生産者と価格の透明性を確保した小ロットからのダイレクトトレードを実現する「TYPICA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)


父と喧嘩の末、退職していったベテラン技術者

下岡 純一郎さん 私は、現場のリモートコラボレーションツール、SynQ Remote(シンクリモート)を提供しています。

まず、私がなぜこの領域に取り組もうと思ったか、きっかけをお話しします。

私の父はここ福岡で建設設備業を営んでいますが、ある日ベテラン技術者が、父と喧嘩をして辞めてしまいました。

理由は、とにかく彼に仕事が集中していて忙しく、その状況が一向に改善されないからでした。

実はこれは、父の会社固有の課題ではなく、業界全体の課題なのです。

過去20年で労働者は約30%減っており、2030年には約10万人分の人手が不足します。

2030年には不足数が94,157人まで拡大か 建設技術者の「2030年未来予測」(BizHint)

採用しようにも、有効求人倍率は介護職の1.8倍の6.7倍となっており、全く採用できないのです。

つまり、少ない人数でより多くの仕事を回していかなければならない業界なのです。

貴重な労働力は何に使われているのか?

そこで私は現場に1カ月張り付いて、この貴重な労働力が、何に時間を取られていて、何に忙しいのかを分析してみました。

そこで分かったのは、現場への移動や確認にかなりの時間を取られているということでした。

定期的な現場確認だけではなく、突発的なトラブルで呼ばれたり、ひどい時は1時間かけて行っても10分しか現場におらず、また1時間かけて戻ってきたりが日常茶飯事でした。

なんと、彼らの時間の約30%が、この現場への移動と確認に取られていたのです。

もし100人いる部署だとしたら、年間1.89億円ものコストが充てられていることになります。

非常にもったいないですよね。

作業指示は、言葉だけでは伝えられない

私はこの事実を知った時にこう思いました、「LINEやZoomでできるでしょ?」と。

皆さんもそう思いますよね。

でも実際は、現場特有の課題があったのです。

例えば、こういった映像が現場から送られてきて、遠隔で見たとします。

「このバルブを閉めて、ここに配線を通してほしい」という指示を、どう伝えるでしょうか?

そうなんです、言葉だけで伝えるのが非常に難しいのです。

現場と遠隔地のやりとりがしやすい現場特化型ツール

これを解決するため、私はSynQ Remoteを開発しました。

では、動画をご覧ください。

SynQ Remoteは、携帯電話の電話帳を使って電話をかけるように、ワンクリックで発信することができます。

URLを発行して共有するなど、難しい手続きは一切不要です。

画面をマウスでクリックするとポインターが出現するので、ここ、そこ、あそこと、視覚的なコミュニケーションを取ることができます。

複数人が同時にポインターを出すこともできるので、複数人で現場に行っているような体験をオンラインで実現できます。

また、遠隔で写真を撮影し、撮った写真に絵や図、文字を残すことができるので、その場での指摘事項を記録できます。

現場は騒音がひどいので、電話の相手の声がよく聞こえないケースがよくあります。

SynQ Remoteは音声の文字起こしをして画面に表示しているので、うるさい場所でも正しい指示が出せます。

図面と実際のものを見比べる際、図面上にもポインターが出せるので、本当に現場で一緒に図面を見ているような体験ができます。

写真や動画は自動的に保存されるので、SynQ Remote内で効率的に共有が完結でき、後からメール送信するなどは不要です。

▶現場向け遠隔支援ツール「SynQ Remote」が複数人向けコラボレーション機能を新たにリリース(PR TIMES)

ある一部上場企業では業務の80%効率化に成功

導入効果です。

一部上場のある建設会社では、現場の説明業務でご利用頂き、業務を約80%効率化することができました。

部署全体だと、年間で約7,500万円のコスト削減になり、100万円程度の投資額に対してROI(投資対効果)は非常に高いと言えます。

実際のユーザーの声を聞くと、現場での伝わりやすさ、現場に寄り添った機能が評価されています。

なぜこれが重要なのでしょうか?

実は我々のお客様のほぼ100%が、Zoomなどの会議システムを既に使っており、それとは別に、現場用にSynQ Remoteを使って頂いています。

つまり、現場にはZoomでは満たせないニーズが確実に存在しており、我々はその課題を解決することができているのです。

「言葉だけでは伝わらない」のは、他の業界も同じ

ではどういう方々が、課題を持っているのでしょうか?

実際に、数多くの大手の建築施工会社に導入いただいているうえに、注目すべきは、インフラや交通、行政など建設業界以外の企業にも導入いただいています。

言葉だけでは伝わらないという現場の課題は、あらゆる業界に存在するのです。

例えば、製造現場での機械トラブルだと、大きな故障の場合、本社からエンジニアが呼ばれ、その間、生産はストップします。

これにも、リモートで迅速に対応できます。

災害対応や海外の工場管理にも応用可能

また、災害対応では、被災直後の現場に大勢が行くのは非常に大変でコストがかかりますが、一部の人が現場に行き、他の人たちは遠隔で確認できます。

そして今、特に問い合わせが多いのが、コロナの影響で行けない海外の工場の管理です。

【無料|遠隔ビデオ通話アプリ】海外工場の監査や視察、教育にお困りの皆様へ3月末までSynQ Remoteを無償提供(PR TIMES)

各社リモートを前提とした体制を整えつつあります。

これだけ色々な会社から問合せを頂くので、我々のMRR(月間経常収益)も非常に伸びており、1年間で500%の成長を達成しました。

「遠隔臨場適用」で、現場支援ソリューション市場が拡大

そしてこの市場には、追い風が吹いています。

国は、これまで現場立会いが必須だった公共事業の確認を、遠隔でできるようにしました。

国交省/22年度から遠隔臨場を原則適用へ/中間技術検査に拡大も検討 [2021年7月30日1面](日刊建設工業新聞)

つまり、官民問わず、現場のリモート化が進んでいるのです。

市場は、実際に伸びています。

現時点では500億円程度の規模で、これは現場の習慣やデバイスが普及しないことが課題でした。

しかしコロナの影響で改善され、5年後には爆発的に成長しています。

世界で27億人の就労者がいる「現場支援ソリューション市場」

この市場が、何と言っても魅力的なのは、働く人が多いことです。

我々は建設・製造・インフラから始めますが、ここだけで600万人、年間1,200億円もの市場です。

これが現場全体だと、7,800億円の市場になります。

さらに世界全体で見ると、27億人の就労者がいる市場です。

それに比べて、4分の1程度の就労者しかいない、皆さんのようなオフィスワーカー向けのWeb会議ツールの市場では、Teams、Webex、Zoomのトップ3社だけで売上は1兆円を超えています。

しかしこの、巨大かつホワイトスペースがまだまだある市場において、皆さん、思い浮かぶ会社が1社でもありますか?

私たちはそれを目指します。

なぜそれができるかと言うと、良いチームだからです。

実は私も、世界中の工場で、生産管理担当として働いており、SynQ Remoteで解決したい課題を、私自身も感じていたのです。

IT技術で地域産業・レガシー産業をアップデート!|クアンド 下岡純一郎さん(renew)

投資家、メンバーにも、グローバル市場を狙える強い仲間が揃っています。

現場で働く人々がより豊かに、より楽しく働ける世界に

最後に、ビジョンについてお話しします。

私はSynQ Remoteをグローバル化したいと思っていますが、単なるツールのグローバル化ではなく、現場の労働力をグローバル化することを目指しています。

それは、例えばアメリカで行われる木造建築の監督を、日本の技術者が日本から行うなど、現場の労働力が輸出できる状態です。

SynQ Remoteが情報インフラになることで、現場で働く人々がより豊かに、より楽しく働ける世界を目指していきます。

「現場をもっと、スマートに。」、クアンドでした。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!