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ICC FUKUOKA 2022 REALTECH CATAPULTに登壇いただき見事2位に輝いた、ARK 栗原 洋介さんのプレゼンテーション動画【駐車場1台分のスペースで「陸上養殖」を実現する「ARK」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022ゴールド・スポンサーの KOBASHI HOLDINGS にサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 7A
REALTECH CATAPULT
リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS
栗原 洋介
株式会社ARK
CSO
1985年生まれ。神奈川県茅ヶ崎市出身。英国ロンドン在住。ニューヨーク州立大学を卒業後、2008年に(株)電通に入社し、プロデューサーとしてグローバル企業等を担当、その後パブリックセクターで地方創生やインバウンド観光業務に従事。2015年より(株)ウフルに参画し、センシング関連企業との資本業務提携と、民間企業や行政機関のIoT・DXなどデータ事業の開発・実装に取り組む。2018年に英国海外本社代表取締役に就任し、活動の拠点をロンドンに移す。そんな中、EUのスコットランドにおけるサーモン養殖DX事業に携わったことから、海洋や水産業の抱える課題に直面。同じ課題意識を持っていた竹之下、吉田と2020年に(株)ARKを共同創業し、チーフ・サステステナビリティー・オフィサーに就任。地元湘南でオリジナルの閉鎖循環式陸上養殖システムARKの開発・製造に取り組む。趣味は、ブッシュクラフトキャンプ、ムエタイ。NPO法人NELISメンバー。好きな魚はイワナ。
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▶【速報】燃やさないリサイクルでペットボトルの完全循環を実現「BRING Technology™」(日本環境設計)がREALTECH CATAPULT優勝!(ICC FUKUOKA 2022)
栗原 洋介さん こんにちは。ARKの栗原 洋介と申します。
私たちが取り組んでいるのは、「水産の陸上養殖」です。
ARKのミッションは「養殖の民主化」です。
そのために、「どこでも誰でも水産養殖ができる仕組み」を提供します。
陸上に小さな海を再現し、海を休ませる
なぜ、このようなことが必要と考えたかというと、人類が直面するタンパク源の危機、そして海洋環境の危機、そしてコロナ禍で露呈した物流の危機、これらを同時に解決するためには、これまでの方法だけではうまくいかないのではないかと考えたからです。
この思いに共感した3人で、ARKを起業しました。
設計製造を担うCEOの竹之下 航洋、R&Dと水回りの技術を担うCAO(Chief Aqua Officer)の吉田 勇、そしてCSO(Chief Sustainability Officer)の栗原です。
我々創業メンバーの後ろに見えるのがARKの初号機です。
中古のコンテナを買ってきて、水槽や設備を自作して、そして実際にマハタという魚を飼育するところからスタートしました。
▶「どこでも誰でも陸上養殖」。駐車場1台分から育む食料問題のソリューション(Forbes JAPAN)
先日、イギリスの国営放送BBCにご紹介いただきました。
▶BBCの新番組「テック・エクスプローラー」初回放送で日本を特集(PR TIMES)
▶TechXplore(BBC)
その中でも伝えた、「海を休ませるために、陸上に小さな海を再現する」。これが我々ARKのキーワードです。
駐車場1台分の場所で養殖が可能な閉鎖循環式とは?
製品について、ご紹介させてください。
閉鎖循環式と呼ばれる方式で、水をろ過しながら養殖を行う仕組みです。
最大の特徴は、これまでのものと比べて圧倒的に小さいということです。
9.99平方メートル、これは駐車場1台分のスペースで、日本では建築申請のいらないギリギリのサイズです。
これによって設置や移動を簡単に行うことができます。
さらに我々独自の特徴が、もう2つあります。
1つ目はIoTによる自動化です。
これから省人化と無人化は、1次産業に取り組む上で不可欠だと考えます。
2つ目は省エネ性能を追求し、再生可能エネルギーを活用しているところです。
こちらが、現在稼働している最新のプロトタイプの3号機です。
エビを5,000尾ほど養殖しています。
こちらのハードウェアに加えて、養殖事業者の皆さんに、稚魚、生育水、餌、管理のアプリケーションを毎月のサブスクリプションとして提供していきます。
ご覧いただいているエビに加えて、魚や海草も養殖することが可能ですので、対応できる魚種の開発も進めています。
陸上養殖のリスクを下げ、「店産店消」・ロスのない食産業へ
業界の中では大型・中央集権化が一般的ですが、それと比較した場合、我々の製品は小型・分散化によって陸上養殖のリスクをグッと下げながら、初期投資を100分の1、運用費を3分の1に削減しています。
価格は1台500万円からとなっています。
海外市場にも積極的に取り組んでいます。
海外拠点をロンドンに設立して、COP26やドバイ万博と併催されていた、GITEX(Gulf Information Technology Exhibition)にも昨年参加して参りました。
このARKを砂漠の町や漁港の近く、あるいは都市の真ん中に置くことで、新しいフードチェーンを生み出したいと考えています。
小型・分散型の食料生産の仕組みによって、上流から下流へと今までずっと一方向に流れていたサプライチェーンを、自由に組み替えていけるのではないかと考えています。
「地産地消」から「店産店消」、そして最終的にロジレス、ロスレスな食産業を創っていきたいと考えています。
JR東日本、ENEOSと実証実験をスタート
その実現に向けて、いろいろな企業との実証実験の計画が進んでいます。
JR東日本とは、無人駅で養殖を起点に人と経済の流れを生み出す取り組みを、まずは福島県の浪江駅で実施します。
▶日本初!駅で水産養殖 サステイナブルな地域産業の活性化を目指しJR常磐線浪江駅で陸上養殖の実証実験をスタート!~JR東日スタートアップとARKで資本業務提携も締結~2022年2月9日(PR TIMES)
ENEOSとは、再生可能エネルギーと食料生産の融合によるサーキュラーエコノミーの実現を目指して、すでに湘南で実証実験をスタートさせていただいています。
損保ジャパンとは、ARKを安心して導入いただくために、養殖事業者向けの損害保険の開発もスタートします。
ARKが大切にしたい3つの思い
最後になりますが、我々が起業家として、大切にしたい3つの約束があります。
まずは経済活動のグレートリセットを、海洋国家の生まれの我々日本人として水産革命から担うこと。
そしてトリプルボトムライン、すなわち会社、社会、環境の利益を均質に追求する経営指標に沿った水産ビジネスを確立すること。
3つ目に、日本の農林水産技術を自動車と並ぶ代表産業にすることです。
約束を実現するためには皆さんからの熱いご支援と、たくさんの仲間が必要だと思っています。
その意味で、このような機会をいただき、本当にありがとうございます。
どうかさまざまな形で、私たちARKを応援していただきたいと思っています。
よろしくお願いします。ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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