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ICC FUKUOKA 2022 スタートアップ・カタパルトに登壇いただいた、パナリット 小川 高子さん、トラン チーさんのプレゼンテーション動画【組織の「人的資本」データを指標化し、経営の迅速な意思決定を可能にする「パナリット」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022 ダイヤモンド・スポンサーの ノバセル にサポート頂きました。
▶【速報】コーヒー生産者と価格の透明性を確保した小ロットからのダイレクトトレードを実現する「TYPICA」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)
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【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 1A
STARTUP CATAPULT
スタートアップの登竜門
Supported by ノバセル
小川 高子
パナリット株式会社
代表取締役CEO
新卒でワークスアプリケーションズに入社。人事部採用チーム配属。Google Japanに転職後は採用·人材開発業務に従事し、2015年よりGoogle 米国本社にて人事戦略室におけるシニアプロジェクトマネジャーとして、Googleの全社的な人事制度改革、人事戦略業務に従事。2014年のAPAC People Operationsサミットで MOST INNOVATIVE & CREATIVE AWARDを受賞。2019年にパナリット日本法人を立ち上げ、代表に就任。
トラン チー
パナリット株式会社
代表取締役COO
BCG・リクルート・Googleを通じ、データを軸とした意思決定プロセス構築・インサイト発掘・ソリューション開発に強みを持つ。リクルートでは草創期の海外事業のビジネスパートナーとして、11拠点の事業計画・KPI・オペレーション設計などの事業推進を支援し、当時最年少の幹部候補に選任。GoogleではマーケティングROIの効果検証プロセス設計・実行支援の他、感性(クリエイティブ)とデータを融合した新規ソリューション開発をリード。APAC地域のベスト5コーチにも選出。2019年にパナリット日本法人を立ち上げ、共同代表、グループCOOに就任。
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小川 高子さん(以下、小川) こんにちは、「ヒトに関わるあらゆるデータを分析・活用」する、パナリットです。
トラン チーさん(以下、トラン) 突然ですが、これはアップルとソニーの「株主資本」で、お金に現れた価値です。
大体同じくらいですね。
しかし、「時価総額」に直すと、こんなに差があります。
小川 「株主資本では同じなのに、時価総額だと、どうしてこんなに差があるの?」と思いますよね。
これは、「お金に現れていない価値と期待」の差です。
▶時価総額とは?企業の価値は株価ではない?時価総額から何がわかるのか徹底解説!(DCSオンライン)
企業価値を生み出す源は「ヒト」
トラン 「お金に現れていない価値」とは、例えば、代表的なものは知財やブランドなどの「無形資産」ですが、それらを生み出す源になっているのは「ヒト」であり、「人的資本」とも言われます。
財務には約30の重要な指標がありますが、ヒトにも約60の指標があります。
アップルも、他の海外企業も、こうした指標を上手にアピールして、企業の価値向上につなげているのです。
約60の重要指標がある「人的資本」
小川 「人的資本」には、例えばどのような指標があるのでしょう?
トラン 簡単なものだと、「男女別の従業員数」などですね。
多様性が重視される世の中になってきたので、管理職の女性比率を見る企業も出てきました。
小川 それくらいであれば、即答できる企業も多そうですよね。
トラン でも、2年前と比べてどうですか?
また、「評価の高い女性エンジニアの定着率」は、すぐに答えられますか?
小川 「複雑な数字になると、ちょっとすぐには答えられない」という感じですよね。
必要な人事指標にタイムリーにアクセス可能
小川 でも、「Panalyt(パナリット)」なら、こういった指標を、欲しいときにすぐ手に入れられます。
デモをご覧ください。
まず、Googleやマイクロソフトのアカウントでログインします。
こちらは、男女別の従業員数を様々な指標で見たものです。
集計期間を2年にします。
トラン 男女の数は同じくらいですが、2年間であまり変わっていないですね。
小川 では、管理職に限定して見てみましょう。これを、部署別に見てみます。
トラン マーケティングチームには女性が多いですが、エンジニアチームでは女性の数は男性の半分にも満たないですね。
小川 次に、「高評価のエンジニアの離職率」を、男女別に見てみましょう。
トラン 「女性の離職率」は、男性の3倍くらい高いですね。
こうやって、欲しかったデータをすぐに見られるのは、便利で良いですね。
複数のデータセットから重要指標を表示
トラン でもこれは、タレントマネジメントシステムなど、他の人事ツールでも見られるのではないでしょうか?
小川 実は、そうでもないのです。
一般の人事システムでは、そこで取ったデータのみを分析対象にしますが、Panalytは、あらゆるデータを1つにまとめ、それらを組み合わせて、重要な指標に変換してくれるのです。
トラン 確かに、複数のデータセットを組み合わせないと、見られない指標もありますよね。
小川 そうなんです。ちなみにこちらは、ヒトに関する様々な指標を一覧にした、「人財諸表®」です。
6種類、約95の指標を用意していますが、各企業が欲しい指標を追加することもできます。
非常に便利なのです。
これらの機能については、昨日(2022年2月14日)、プレスリリースを出したばかりです。
▶パナリット、人的資本経営を後押しする「人財諸表®」を提供開始し商標を取得(PR TIMES)
分析に適さないデータをクレンジング
トラン 「エクセルで、たまにやればいい」と思うかもしれません。
僕も最初はそう思っていたのですが、実際に自分でやってみたら、非常に大変でした。
のべ400万人分の人事データを分析してきた身として断言しますが、人事データはとても「汚い」です。
例えば、採用や職種のデータにありがちですが、項目がどんどん増えてしまうので、分類しなければとても分析には耐えられません。
分類がおかしいこともあります。
例えばこのように国と都市が並んでいたら、福岡を日本の一部に直さないとおかしいですよね。
ちなみに、データサイエンティストですら、業務の時間の7割をこの作業に費やしています。
ですからPanalytでは、ユーザーの代わりにデータを綺麗にし、すぐに使える状態にしてお渡ししています。
閲覧権限を柔軟に設定可能
小川 ここまで説明すると、皆さん、「アナリストを雇って、BIツール(※) ではできないの?」と言います。
▶編集注:企業に大量に蓄積しているデータから必要な情報を集約し、ひと目でわかるように分析するツール(ITトレンド)
しかし、人事データは非常に機密性の高いデータですので、汎用BIとの相性は実はあまり良くありません。
Panalytの場合、人事部長が見られる範囲と現場の営業部長が見られる範囲を別々にする設定が、簡単にできます。
コストと初期導入日数を大幅に削減
トラン それに、自社で行うと、かなり時間もお金もかかります。
とある5,000人規模のIT企業ですら、10人月で9カ月もかけて、ようやく開発できました。
しかしPanalytなら、コストを7割以上抑えられ、初期導入まで平均で24日しかかかりません。
データ更新も24時間おきに行われるので、時間もお金も圧倒的に節約できます。
売上は昨対比3.8倍を達成
小川 トラクションです。
売上は昨対比で3.8倍、1社あたりの月額平均MRRは46万円です。
結構な価格ですが、人事部に1人アナリストを雇うよりはずっと安いのです。
連携データも、のべ400万人分になりました。
MRRは現在500万円ほどですが、人的資本の開示を今年夏までにルール化すると政府が発表したため、今、注目度が高まっています。
▶第二百八回国会における岸田内閣総理大臣施政方針演説(内閣官房内閣広報室)
▶企業の「人材価値」開示、夏までに結論 木原官房副長官(日本経済新聞)
データに基づく正確で迅速な意思決定が実現
トラン それでもまだ、「一部のニッチなユーザーだけでしょ」と思われるかもしれませんが、ご覧の通り、様々な規模、業種、役職のユーザーが、日々の組織の意思決定に役立てています。
例えば、経営会議で人事課題について問い詰められた人事部長は、以前は即答できず、データ集めと分析に1カ月もかかっていました。
しかし「今は10秒で答えられている」とおっしゃっていました。
リモートワークの影響で若手の離職が問題だと思っていたクライアントでは、本当の課題は別のところにあったと気づくことができました。
また、毎年の株主総会で、女性の活躍度合いを問題視されていたクライアントでは、より重要な課題は別にあると、その場で問題を投げかけ返すことができたようです。
人事はクリエイティブでインパクトのある仕事
小川 最後に、個人的な話をさせてください。
私は新卒入社してからの10数年間、Googleなどの企業において、「人事とデータの交差点」でずっと仕事をしてきました。
その経験から、人事がデータを味方につけることができれば、どんな職種よりもクリエイティブで、インパクトのある仕事ができると思っています。
経営者になった今でも、そう思っています。
パナリットは設立から4年で、これまで決して楽な道ではありませんでした。
しかし今では、Google社内で内製化したシステムと比べても、より使いやすくて良いシステムに仕上がっています。
ここまで来られたのは、初期のユーザー企業のおかげです。
本当にありがとうございました。
おかげ様で、ここまで来られました。
「人的資本の指標化」で企業の競争力を取り戻す
トラン 日本人は昔から、人と人のつながりをとても大事にしてきました。
今こそ、その良さを組織やヒトの指標に変え、企業の価値としてアピールしていければ、再び世界にはばたくための競争力を取り戻せるはずです。
Panalytを、全ての企業で役立てて頂きたいと思っています。
小川 経営者の皆さん。
トラン 投資家の皆さん。
小川 起業家の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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