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ICC FUKUOKA 2022 カタパルト・グランプリに登壇いただき、見事3位に入賞した、Nota 洛西 一周さんのプレゼンテーション動画【世界初の“意図予測検索”を搭載したFAQシステム「Helpfeel」でグローバル市場を目指す「Nota」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022プラチナ・スポンサーのAGSコンサルティングにサポートいただきました。
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【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 6A
カタパルト・グランプリ
– 強者が勢揃い –
Sponsored by AGSコンサルティング
洛西 一周
Nota株式会社
代表取締役社長
1982年生。人間味あるソフトウェアづくりを掲げて、高校時代に知的生産アプリ「紙copi」を開発し、3億円のセールスを記録。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了後、2007年より渡米してNota Inc.を設立、世界向けのアプリやウェブの開発を手がける。5年間の苦心の末、米国・欧州マーケットでのシェア獲得に成功し、現在は、Gyazoがスクリーンショット共有で月間1000万UU、世界トップシェアを持つ。2019年には新サービスHelpfeelを発表。2003年度経産省IPA未踏ソフトウェア創造事業天才プログラマー認定。
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洛西 一周さん どんな質問にも答える疑問解決エンジンで、あらゆるユーザー接点のDX化を実現するHelpfeelを、紹介させていただきます。
サービスのオンライン化による社会問題とは
今、身の回りにあるあらゆるサービス、金融、飲食、小売、行政までもが、オンライン化しています。
この変化は時代の流れであって、今やお客様とユーザー接点の中心は、ウェブやアプリになりました。
そんな中で、ユーザーはサービスの疑問が湧いたら、ウェブやアプリのFAQを参照します。
しかし皆さん、ウェブやアプリのFAQが役に立ったことはありますか?
僕自身、FAQが役に立たないことでいつもイライラしていますし、調査によれば、FAQで疑問を解決できた人は25%しかいません。
一方で、労働人口の減少により、電話はとても繋がりにくく、メールの回答には時間がかかりますが、企業はコストをかけられず、顧客の満足度は下がっています。
これは、大きな社会問題でもあります。
短時間で解決を導くソリューションが求められている
そんな中で、我々は「自己解決率」という考え方を提唱します。
この分子の「正当回答閲覧数」というのは、ウェブやアプリでお客さんが実際に文章を見て、疑問を解決できた数のことです。
そして、分母の「思い浮かんだ疑問数」に対して、どれだけそのウェブ上で疑問を解決できたのかということが「自己解決率」です。
テクノロジーによって自己解決率を向上することは、つまり顧客にとっても幸せで、企業にとっても利益になると我々は考えています。
さらに、正答にたどり着くまでに時間がかかってしまってはいけません。
解決数を時間で割ることで、時間当たりの自己解決率が導き出されます。
それらをプロットしたのがこちらのグラフです。
電話やメールといった従来の解決方法は、時間がかかってしまいました。
解決までに時間がかかると、企業はコストがかかりますし、顧客は機会を損失してしまいます。
早く正確に解決することが重要です。
従来の方法では効率化に限界がありましたが、このグラフの左のように、理想的には圧倒的短時間でたくさんの解決を導けるソリューションが求められています。
テクノロジーによる自己解決率の向上は、指標化することで改善のスピードが上がります。
改善のスピードが上がれば、カスタマーサクセスを通じて、お客様に還元することもできます。
世界初の「意図予測検索」を開発
この理想を具現化したもの、それがどんな質問でも答えられる、疑問解決エンジンの「Helpfeel」です。
我々は問題を解決するために、全く新しい独自の検索アルゴリズムを開発しました。
それが「意図予測検索」です。
▶革新的な検索技術(Helpfeel)
この技術は皆さんもお使いのAppleのiPhoneの予測入力、フリック入力を発明した弊社のCTOで、慶應義塾大学教授の増井(俊之)の長年にわたる研究成果です。
もともと増井と私は、未踏事業で出会いまして、私が持っていたウェブサイトのサービス化のノウハウと基礎研究を組み合わせて、Helpfeelは生まれました。
▶未踏事業とは(情報処理推進機構)
どんな単語を入力しても、その単語からユーザーが何を聞きたいのか、質問を提示し答えに導くことができる大革命です。
入力された言葉から質問を予測して表示
実際に使っていただいている伊予銀行様の例を見ていただきましょう。
例えば、サイト上で「印鑑」と入力します。
すると、「印鑑を失くしたのですが、どこに連絡したらいいですか」という質問が出てきて、それを選ぶと、「通帳・カード等の紛失」というページが出てきて、ユーザーの疑問を解決できました。
ポイントは、先ほどの(※「通帳・カード等の紛失」という)ページでは「印鑑」という言葉が入っておらず、「届出印」という言葉が使われていることです。
次に「はんこ」と聞いてみましょう。
そうするとまたユーザーが入力した言葉で「判子を紛失したのですが、どこに連絡したらいいですか」と出てきて、やはり同じ回答ページに到達しています。
ユーザーさんは、人によっていろいろな言い方をされます。
また「印鑑」と「はんこ」は、実は銀行の正式な言い方ではないんですね。
しかし、このようにカタカナで「ハンコ」と書いても大丈夫です。
もっとカジュアルに「なくした」と書いてみましょうか。
それでも「印鑑をなくしたのですが、どこに連絡したらいいですか」と出てきて、やはり同じ回答ページに導くことができます。
当然「なくした」ではなくて、たとえば「紛失」と書いても大丈夫です。
このように、ありとあらゆる言葉で検索できます。
またHelpfeelは、サイトのどこにでも埋め込むことができます。
こちらの右側の「お困りの場合はこちら」というタブをポップアップすると、画面が出てきまして、今度は「子供」と入力してみました。
そうすると、「子供の教育資金を準備しておきたい」という質問が出てきて、こちらから伊予銀行様の教育積立預金の「愛情」という商品がご案内できています。
この商品の紹介ページは従来もウェブサイト上にあったのですが、たどり着くのが非常に難しかったのです。
顧客のやりたいことは「子供の教育資金を貯めておきたい」ということなので、自然に「子供」と書きました。
そのユーザーの書いた言葉から欲求を予測して、自然に商品のご案内もできる。
つまり顧客のトラブルシューティングだけでなくて、トップラインも上げていくことができる。
それが、Helpfeelです。
電話によるワクチン接種の問い合わせを30%削減
また、実際にコロナ禍の中、ワクチンの問い合わせに苦労した自治体にご導入いただきましたが、こちらの例では、なんと電話による問い合わせの30%の削減に成功し、スムーズな予約オペレーションを助けました。
キーボード入力だけではなく、音声入力にも対応します。
我々の事業は、本当に今皆さんの生活が、社会が必要としているものであります。
業界問わずコストを削減し、顧客満足度、ROIが向上
Helpfeelの効果は、こちらをご覧ください。
実際にあるスタートアップの例では、1,945件あった問い合わせが64%削減できました。
雇用の削減にもつながっていますが、その裏ではチャーンレート(解約率)が減少し、顧客の満足度も上がっています。
実際にHelpfeelを導入して、月額400万円の削減を実現し、ROI(投資対効果)では20倍の実績が上がりました。
リリース後、企業の規模を問わず、また業界を問わず、多くのお客様に導入されています。
BtoCだけではなくて、BtoBの問い合わせも削減できます。
企業は本質的なカスタマーサクセスと営業に集中できますし、医療や金融、行政といった難解な分野もHelpfeelは得意としております。
Helpfeelはまだ始めて2年足らずですが、直近1年間ではMRRが1年間で3.1倍に成長しました。
T2D3(※) を上回る成長を実現できていますし、顧客からの期待の高さを感じています。
▶編集注:Neeraj Agrawal氏が示した指針で、“Triple, Triple, Double, Double, Double”の略。 The SaaS Adventure(TechCrunch)に詳しい。
多言語対応でグローバルな市場を目指す
コールセンター市場は、国内でも1兆円の産業で、グローバルでは33兆円です。
需要の増加を受けて、毎年5%ずつ伸び続けている市場です。
しかしながら、テクノロジーが十分に使われているとは言い難いです。
我々はこれを丸ごとDX化することで、顧客を獲得していきます。
また、Helpfeelの技術は世界でまだ誰も実現できていません。
一方で多言語対応可能なので、グローバルな市場が狙えると考えています。
我々が掲げるミッションは“Augmented Human”、人を置き換えるのではなくて、人の弱い部分を助けるソリューションを作るということです。
この言葉通り、企業のカスタマーサクセスを助け、顧客の助けとなれるような事業を、これからも拡大してまいります。
応援をどうぞよろしくお願いします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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