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ICC FUKUOKA 2022 ソーシャルグッド・カタパルトに登壇いただいた、ムシロジックホールディングス 鵜野 友紀子さんのプレゼンテーション動画【アレルゲン不使用食材で、すべての人が同じものを食べられる世界を目指す「ムシロジックホールディングス」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2022 ゴールド・スポンサーのSIIF(一般財団法人 社会変革推進財団)にサポートいただきました。
▶【速報】未来を奪われた難民の、日本での活躍を支援する「WELgee」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)
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【登壇者情報】
2022年2月14〜17日開催
ICC FUKUOKA 2022
Session 11A
ソーシャルグッド・カタパルト
– 社会課題の解決への挑戦 –
Sponsored by SIIF(一般財団法人 社会変革推進財団)
鵜野 友紀子
株式会社ムシロジックホールディングス
豆乳パティシエ/植物性料理研究家/代表取締役
1975年京都に生まれ。10代で師匠と崇める料理人と出会って、料理の世界に入る。1997年にフレンチレストランでアシェットデセールに魅了し、パティシエールの道へ進む。2004年フランスに滞在した時にプティフールに出会い、2006年10月に生まれた京都に「むしやしない」を開業する。世界で唯一の豆乳パティシエとして、テレビ・新聞・雑誌などメディアに多数取り上げられる。2010年クリスマスに23種類の食物アレルギーの男の子との出会いから小麦・卵・乳成分不使用の「ミラクルケーキ」を開発。2012年安全安心の原材料自給を計画し、自ら大豆栽培に取り組む。2018年「誰もが 植物性の食事を楽しめるような世界を」をコンセプトに 一般社団法人 植物性料理研究家協会を設立。2020年、8年の歳月をかけて豆乳パティシエがつくる。豆乳に適した大豆の品種登録をした。現在はプラントベース普及にも 勢力的に取り組み日々、探究心を持ちながら、世界中の人を笑顔にするため食品開発を続けている。
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鵜野 友紀子さん 皆様、こんにちは。
私は世界で唯一の豆乳パティシエ、植物性料理研究家の鵜野友紀子です。
本日はよろしくお願いいたします。
事業コンセプトは、「食に課題を抱えている人へ、安心して、喜びのある食を発明する」です。
2006年10月から、京都一乗寺で豆乳スイーツのお店「むしやしない」を16年運営し、食物アレルギー対応やプラントベースフードの商品開発をしてきました。
「食」で困る3つの背景
皆さん、1つ質問です。
幼少期に家庭で、1つのお鍋で作るカレーを家族でシェアして食べたことがありますか?
これは実は、当たり前ではないのです。
食物アレルギーを持っている子どもがいると、みんなで同じものを食べることができないのです。
食に困っている人たちには、大きく分けて3つの背景があります。
1つ目はアレルギーがあって食べられないなどの健康上の理由、2つ目は戒律を守るために食べられないという宗教上の理由、3つ目は環境配慮や動物愛護の観点から食べることを拒んでいる、社会的理由です。
彼らにとっては、家族みんなが同じものを食べる社会は当たり前ではありません。
そして、プラントベースドフード、植物性食品を取り入れたライフスタイルで生活をしています。
このような食で困っている方々のため、みんなが笑顔で1つのものを食べる社会を実現したいと思っています。
そのために、日本だけではなく、世界に広めるプラントベースドフードの事業展開を今日、お話しします。
資金調達につなげたいので、よろしくお願いいたします。
これまで、様々な商品を開発してきました。
グルテンフリーで化学調味料不使用のカレーやラーメンから、有機JAS認証の調味料、豆乳に適した大豆の品種登録まで、一般的なスペックを大幅に超える商品を提案してきました。
23種のアレルギーのある子でも食べられるケーキを開発
最初のきっかけは2009年12月21日、クリスマスの4日前、23種類のアレルギーをもつ男の子との出会いでした。
その子は、ゆずくんといいます。
実は、お菓子の基本材料は小麦粉、卵、乳製品、砂糖、この4つで出来ています。
ですが、これら4つの材料のうち、ゆずくんには砂糖しか使えませんでした。
この他にも、多くのナッツやフルーツ、大豆なども、アレルギーがあって使えませんでした。
クリスマスの4日前というのは、寝ずに仕事をする日々が続く期間ですから、このオファーがあっても、世界中のパティシエはみんなNOと言うだろうと想像できました。
できるかどうか分からないけれど、「私がゆずくんだったらケーキを食べたい! そういう人たちのためにケーキを作ってあげたい!」と思いました。
制作時間はたった2時間でしたが、出来上がったのがこのケーキです。
見た目はかわいいですが、ただ甘くて硬いだけのケーキでした。
でもゆずくんは、「うわ〜! ケーキだ、やったー!」と大喜びでした。
でもそれを聞いた時、 私は罪悪感を感じたのです。
パティシエとして、美味しいとは言えない。
作ってはボツにして、作ってはボツにして…通常は小麦粉、卵、乳製品で作りますが、豆乳、米粉、果物、野菜でケーキを作ったのは、私が最初です。
7年後、白くてふわっふわの、豆乳、米粉、果物、野菜でできたミラクルケーキが完成して、ゆずくんに食べてもらった時、「レベルが上がったな」と言われました(笑)。
彼のお墨付きを頂いたので、京都から全国配送をしています。
是非、審査員の方々、ミラクルケーキをご試食ください。
世界における植物性食品の市場は1兆円規模
実は世界では、植物性食品の市場で1兆円の規模があります。
最近ではヴィーガンという言葉を聞くことが増えていると思いますが、世界では当たり前です。
2027年には、9.6%以上の成長が予測されている市場です。
さて、こちらの表をご覧ください。
青で囲まれているのは、近年話題の植物代替肉の成長率です。10%の成長率です。
話題になっている代替肉と同様、もしくはそれ以上に、植物性の牛乳、アイスクリーム、クリーム、バター、チーズの代替プラントベースの食品市場は大きく成長しています。
アレルゲン不使用の植物性ホイップクリームを開発
そして私は、アレルゲンが一切入っていないホイップクリームの開発を行いました。
ポイントは4つです。
1つはアレルゲンがないこと、2つ目はエンドウ豆を使用すること。
エンドウ豆は、成長するために必要な水質資源が少なく、環境への負担も最小限になります。
3つ目は冷蔵庫で270日保存でき、泡立つこと。
そして4つ目は、海外輸出ができることです。
このように、全ての条件が揃ったアレルゲン不使用のホイップクリームは、世界にはまだ存在しません。
これを軸に、世界にチャレンジしていきたいです。
今年4月から生産を開始し、まずは日本の学校給食を中心に、それからカフェなどに提案します。
実は昨日採択を頂いたアメリカ・ニューヨークの展示会に出展し、台湾やインドをはじめとする、プラントベーストフード市場の大きな地域から、海外展開を始めます。
食に課題を抱える世界中の人々を笑顔にしたい
皆さん、ありとあらゆる食品のホイップクリームが置き換えられた社会を想像してみてください。
皆さんが笑顔で1つのものを食べられる世界を実現します。
私は、食に課題を抱えている世界中の方々にサービスを届けていきます。
京都に1店舗しかない小さな会社ですが、原料メーカーとして、日本から世界にチャレンジします。
ご支援のほど、よろしくお願いします。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸