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【速報】未来を奪われた難民の、日本での活躍を支援する「WELgee」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2022)

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「ともに学び、ともに産業を創る。」エクストリーム・カンファレンス 「Industry Co­-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2022」(2022年2月15日〜2月17日開催)、2月17日に「ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 -」 Sponsored by SIIF(一般財団法人 社会変革推進財団) が開催されました。

第一線で活躍する審査員が注視する中、様々な社会課題の解決を目指す14名が各7分間の熱いプレゼンテーションを繰り広げました。審査員の投票の結果、未来を奪われた難民の、日本での活躍を支援するWELgeeが優勝いたしました!


結果速報

ICCサミット FUKUOKA 2022 Session 11A 「ソーシャルグッド・カタパルト – 社会課題の解決への挑戦 -」優勝は、未来を奪われた難民の、日本での活躍を支援するWELgee」(得点:35点)でした!

同率2位は、45,000人の子どもたちに”愛のある暮らし”を。里親制度の啓発・支援に取り組む「日本こども支援協会」(得点:20点)でした。

同率2位は、地域の人々の健康を見守り、町を元気に。病院の外にいる「コミュニティナース」(得点:20点)でした。

同率4位は、日本の農業技術をアジアへ。現地農家と共に生産から流通までのバリューチェーンを構築「ジャパン・ファームプロダクツ」でした。

同率4位は、神社が執り行う、日本古来の文化に基づく「終活」を提唱する「和布刈神社」(得点:17点)でした。

第6位は、遠隔専門医コンサル「E-コンサル」で地域医療格差の解決を目指す「Medii」(得点:16点)でした。

当日の中継映像もぜひご覧ください。


登壇サービス・プロダクト一覧

未来を奪われた難民の、日本での活躍を支援する「WELgee」

NPO法人WELgee(ウェルジー)は、紛争、弾圧、治安悪化などから、祖国を逃れてきたスキルの高い難民たちが、日本でもグローバル人材として活躍できるよう支援する特定非営利活動法人。企業のダイバーシティ推進に貢献する人材紹介サービス「JobCopass」を展開している。アフリカ、中東、アジア出身の難民に社会とのつながりを提供しながら、難民のネガティブなイメージの変革を通じて、国内のダイバーシティおよびグローバル化の推進を目指す。人材紹介や啓発活動のほか、「国際理解教育」「異文化理解」「生きる力」を届ける出張授業も行う。様々な逆境をはねのけてきた難民が講師を務める法人向けリーダーシップ育成プログラムは、NECやアクセンチュアなど大企業を中心に44社(2020年9月時点)にて実施。


渡部 カンコロンゴ 清花
NPO法人WELgee
代表理事
HP

日本に来た難民の活躍機会を作り出すNPO法人WELgee 代表。様々な背景を持つ子ども若者が出入りする実家で育つ。大学時代はバングラデシュの紛争地にてNGOの駐在員・国連開発計画(UNDP)インターンとして平和構築プロジェクトに参画。 2016年に日本に逃れてきた難民の仲間たちとWELgeeを設立。難民認定わずか数十人という日本だからこそ、人生の選択肢を増やす「JobCopass」にて経験・スキル・意欲を活かした伴走型の就労事業を展開。グローバル・コンソーシアムINCO主催『Woman Entrepreneur of the Year Award 2018』グランプリ。Forbes 30 under 30のJapan / Asia 選出。東京大学大学院 総合文化研究科・人間の安全保障プログラム 修士課程修了。Global Shapers Tokyo hub所属。トビタテ!留学JAPAN一期。

45,000人の子どもたちに”愛のある暮らし”を。里親制度の啓発・支援に取り組む「日本こども支援協会」

日本こども支援協会は、里親制度の啓発・支援に取り組む、2010年立ち上げの特定非営利活動法人。虐待やネグレクト、経済的理由、親の病気や精神疾患などにより親と暮らせない子どもたち45,000人に対し、里親家庭は4,300家庭ほどで、施設養護への依存度が高い日本。同協会は里親制度と社会的養護が必要な子どものことを多くの人に知ってもらうため、国内最大の全国一斉里親制度啓発キャンペーン「onelove」を実施。さらに25%の里親が1年で養育をギブアップする点について、医療・福祉専門家との連携創出等、安心して養育に専念できる環境を整え里親を支援している。「すべての里親がつながり・支え合う互助ネットワークをつくる」をミッションに、全国初の里親コミュニティー「ONE LOVEオンライン里親会」も立ち上げた。登録者数は里親・里親応援メンバーを合わせて約1,700人。悩み相談の場として、里親同士の交流を促進している。


岩朝 しのぶ
特定非営利活動法人 日本こども支援協会
代表理事
HP

奈良県在住。宮城県仙台市出身。48歳。2010年5月5日日本こども支援協会設立。(*2015年3月法人化)虐待防止活動、里親啓発、里親支援を主に行っている。講演では11年で約2万人に伝えてきた。代表的な活動として『“10月4日里親の日”全国一斉里親制度啓発ONE LOVEキャンペーン』を2016年から開始。2019年は67自治体が参加、一般団体37団体、全国で計104ヶ所にて約800人規模で実施。2020年はコロナ禍の影響により路面キャンペーンを縮小しTwitterにてRTキャンペーンを実施。自身も養育里親として14歳女児と暮らしている。2021年4月3日よりFM大阪にて虐待死ゼロを目指したプロジェクト開始。ラジオ番組「こどもてらす」DJ。

地域の人々の健康を見守り、町を元気に。病院の外にいる「コミュニティナース」

Community Nurse Company株式会社は、「コミュニティナース」の育成・普及事業を展開する2017年創業の企業。コミュニティナースは、看護資格や認定を必要とするものではなく、オンラインなどの講座を経て、行きつけの喫茶店やガソリンスタンド、コンビニや郵便局など、地域の人々のすぐそばで長く付き合いながら、専門性を生かし、地域の予防医療、健康づくりに貢献していく人材。同社が運営する訪問型健康応援サービス「ナスくる」 では、高齢者のもとにコミュニティナースが定期訪問し、バイタルチェックだけでなく日常会話・趣味応援・運動指導も行う。社会保障費の増加と地域医療の崩壊が危ぶまれる現代、健康寿命の延伸という観点から地域で多様なケアを実践し、地域の人の『毎日の嬉しいや楽しい』を一緒につくり、『心と身体の健康と安心』を実現する社会的役割を担う。日本郵便株式会社やPwCコンサルティング合同会社、雲南市の他、今後も企業・自治体との協働を進め、2022年度までに同ナース30,000人の輩出を目指す。


矢田 明子
Community Nurse Company株式会社
代表取締役
HP

島根県出雲市出身。
2014年島根大学医学部看護学科を卒業、人材育成を中心に事業を運営する『NPO法人おっちラボ』を立ち上げ。雲南市が主催する課題解決人材育成事業「幸雲南塾」で地域に飛び出す医療人材によるコミュニティづくりを提案。2016年5月より「コミュニティナースプロジェクト」でその育成やコミュニティナース経験のシェアをスタート。2017年にCommunity Nurse Company株式会社を設立。2019年2月『コミュニティナース ―まちを元気にする”おせっかい”焼きの看護師』が木楽舎より刊行。

日本の農業技術をアジアへ。現地農家と共に生産から流通までのバリューチェーンを構築「ジャパン・ファームプロダクツ」

株式会社ジャパン・ファームプロダクツは、日本の農業がもつ「安全・安心・良品質」の価値をアジアに展開し、共に成長していくことを目指して2011年に設立された農業法人。ASEANマーケットの中心であるカンボジアを拠点に、果実の生産から無添加ドライフルーツへの加工、販売流通までのバリューチェーンを構築。自社農園づくりから始まり、現地工場との連携、スタッフの教育、緻密な乾燥工程を含めた独自の製造ライン構築などに、2年近くをかけた。また日本の規格外品をカンボジアで加工し、食品ロスの削減と同時に現地の雇用創出にも寄与している。日本の一次産業の技術をアジアに引き継ぎ、現地の農家と共に世界に安全な食を提供することを目指す。


阿古 哲史
農業法人 株式会社ジャパン・ファームプロダクツ
代表取締役社長
HP

1984年生まれ。大学卒業後に人材業界を経て農業界へ転身。2011年に同社を創業。新たな農業の海外事業モデル構築を目指し、翌年に東南アジアのカンボジアで農業生産法人を設立。日本から同国へ初の農産輸出を実現。現地の日系農業生産・流通企業として最大規模へ拡大し同事業を売却。2018年に現地で農産加工事業に進出。無添加ドライフルーツ・無塩カシューナッツを中心に交易を拡大。「この国の一次産業を アジアにおける一大産業に」を理念に、海外で持続可能な日本のアグリビジネスモデルの創出を担う。『日経スペシャル 未来世紀ジパング』『NHK ルソンの壷』等出演。第10回ニッポン新規事業創出大賞 グローバル部門 特別賞受賞。2012年A-1グランプリMade by Japanese賞 受賞。2016年関⻄学院大学・関⻄大学後継者ゼミ特別講師。

神社が執り行う、日本古来の文化に基づく「終活」を提唱する「和布刈神社」

宗教法人 和布刈神社(めかり神社)は、約1800年前に神功皇后によって創建されたといわれる、九州の最北端に位置し関門海峡に面して鎮座する神社。潮の満ち引きを司る導きの神様といわれる、月の女神「瀬織津姫」を祭る。日本国内に神社は約88,000社あり、正月の参拝客の賽銭や授与品を主な収入源としてきたが、昨今のコロナ禍や人口減でさらに、それに依存することは課題となっている。高瀨 和信禰宜は、現在9割の葬儀は寺院が行っているが、仏教伝来の前は神葬祭が行われていたことに着目。神社の持つ本来の機能としてそれを執り行う「終活」事業を開始したところ、収入の6割まで成長したという。現在は分散して行われている葬儀から散骨納骨までを一括して行うことで、高額な葬儀の代金を大幅に安くしながら本来の弔いの形を完成させ、同時に全国の神社が消滅する課題を解決したいとする。


高瀨 和信
宗教法人 和布刈神社(めかり神社)
禰宜
HP

1985年福岡生まれ。皇學館大学神道学科卒業。在学中の研修期間には伊勢神宮や太宰府天満宮など大きな神社だけでなく、地方の神社でも実習を経験する。2009年に西暦200年創建九州最北端に鎮座する和布刈神社に奉職し、2010年に32代目禰宜を拝命する。正月の収益のみに依存する現状に違和感を感じ日々の収益を安定させる施策として、2014年に今後の弔いの形の変容に対応すべく古来から執り行われていた「海葬(海洋散骨)」を開始し収益を8倍に増やす。中川政七商店のコンサルティングにより「神社をあるべき姿へ」というビジョンを掲げ、2019年12月、創建の由緒に基づきコンセプトや神紋、授与所などを新装。また、神主の担い手が減少する中で、優秀な人材を神道系の大学以外から雇用を開始し神主の資格取得を斡旋。今後の展開として「由緒×社会課題」に舵を切る。

遠隔専門医コンサル「E-コンサル」で地域医療格差の解決を目指す「Medii」

株式会社Medii(メディ)は、地域医療の医師不足・医師偏在問題の解決を目指す2020年設立の医療系スタートアップ企業。同社代表取締役医師の山田氏は、自身が10代のとき難病を発症し、地方にいたためその病気に詳しい専門医に受診する機会に恵まれなかった経験と、臨床医になってからも地域医療格差の問題を実感したことから、患者がどこにいても必要な治療を受けられるよう、病院向け専門医シェアリングプラットフォーム「E-コンサル」を開発した。「E-コンサル」は、リウマチ膠原病内科や感染症内科など国内にわずかしかいない専門医と、専門医が不足する地方医療機関などをオンラインでつなぎ、1対1の匿名のチャットでコンサルティングを提供することで、どこにいても質の高い医療を可能にする。現在、登録しているMedii認定専門医数は総勢500名を超える。


山田 裕揮
株式会社Medii
代表取締役医師
HP | STARTUP DB

和歌山県出身. 自身が厚労省特定難病疾患を持つ患者であり, リウマチ膠原病専門医. 地元に専門医が不在だったために患者としても地域医療の課題を痛感する. 離島医療を含め臨床経験を積み, 聖路加国際病院, 慶應義塾大学病院を経て医学博士取得. 自分一人だけでは地元を含めて全ての地域の患者さんを救えないため, 仕組みから地域医療現場を変えることを志し株式会社Mediiを創業. 不足する専門医知見を届けることで専門医偏在問題を解決し, どこにいてもより良い医療を受けることができる世界を目指している。ICCスタートアップカタパルトKYOTO2020優勝、経済産業省JHeC2021優秀賞/住友生命特別賞受賞。


牛肉・鶏肉を凌ぐ高栄養のコオロギで、フードロス削減と新興国の生活水準向上に寄与する「エコロギー」

株式会社エコロギーは、「地球と生命が、食を通じて健やかになる持続可能な生態系を作る」をビジョンに掲げる2017年創業の早稲田大学発ベンチャー。人口増加に伴うタンパク質供給不足が世界的に懸念される中、畜産や水産と比較して環境負荷が低い自然由来のタンパク質資源であるコオロギに着目。カンボジアを拠点として、コオロギの餌に現地で廃棄される食品を年間約80トン回収して生産している。高栄養のコオロギパウダーやエキスなどは、みそやしょうゆといった食品、ペットフードに加工して、販売も行う。年8回、生産全量を買い取るため現地農家の現金収入機会が増え、現地の低所得農家の生活水準の向上にも寄与する。代表取締役CEOの葦苅氏は、ビルゲイツ財団共催のVission Hacker Award受賞。


葦苅 晟矢
株式会社エコロギー
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB

株式会社エコロギー代表取締役CEO。1993年生まれ。早稲田大学商学部卒業。早稲田大学大学院先進理工学研究科一貫博士課程に進学後、早稲田大学朝日研究室にて昆虫コオロギの資源化、利活用に関する研究に取り組む。この研究成果をもとに2017年に株式会社エコロギーを設立。現在はカンボジアを拠点にコオロギの量産化、産業利用に携わる。2016年文部科学大臣賞受賞。2019年Forbes 30 Under 30 Japan選出。

世界初の豆乳パティシエによる、“食のマイノリティ”のための植物性料理「ムシロジックホールディングス」

株式会社ムシロジックホールディングス は、世界初の豆乳パティシエ・鵜野友紀子氏が京都一乗寺にオープンした洋菓子店「むしやしない」を運営する企業。“1つのものをみんなで笑顔で食べる社会”を目指し、アレルギーや宗教などの理由で食を楽しめない“食のマイノリティ”のための植物性料理を考案している。中でも小麦・卵・乳成分など29品目アレルゲンフリーの「ミラクル*ケーキ」は、食物アレルギーを持つ子どもとの出会いから、7年の歳月をかけて開発。自社農場「むしやファーム」では、豆乳スイーツの原料の大豆を栽培し、安全安心の原材料自給を進めている。スイーツだけでなく100%植物性素材・小麦粉不使用の「うのゆきこのカレー」等、健康的でおいしい食の開発に取り組み続けており、食品ロスされやすいおからで作るコロッケで給食市場への参入を目指す。2035年にはグローバルで5兆円の売上を目標に掲げる。


鵜野 友紀子
株式会社ムシロジックホールディングス
豆乳パティシエ/植物性料理研究家/代表取締役
HP 1 | HP2

1975年京都に生まれ。10代で師匠と崇める料理人と出会って、料理の世界に入る。1997年にフレンチレストランでアシェットデセールに魅了し、パティシエールの道へ
進む。2004年フランスに滞在した時にプティフールに出会い、2006年10月に生まれた京都に「むしやしない」を開業する。世界で唯一の豆乳パティシエとして、テレビ・新聞・雑誌などメディアに多数取り上げられる。2010年クリスマスに23種類の食物アレルギーの男の子との出会いから小麦・卵・乳成分不使用の「ミラクルケーキ」を開発。2012年安全安心の原材料自給を計画し、自ら大豆栽培に取り組む。2018年「誰もが 植物性の食事を楽しめるような世界を」をコンセプトに 一般社団法人 植物性料理研究家協会を設立。2020年、8年の歳月をかけて豆乳パティシエがつくる。豆乳に適した大豆の品種登録をした。現在はプラントベース普及にも 勢力的に取り組み日々、探究心を持ちながら、世界中の人を笑顔にするため食品開発を続けている。

普遍的な価値を次世代へ。デッドストック生地や、伝統工芸の技術をつなぐアパレルブランド「renacnatta」

株式会社Dodiciは、「文化を纏(まと)う」をコンセプトに掲げたD2Cアパレルブランド「renacnatta」(レナクナッタ)を運営する企業。ブランド名は「着られなくなった、以前より作られなくなった」に由来する。大河内氏はミラノ在住10年目の2016年にrenacnattaを立ち上げ、ともにデッドストックとなっていたイタリアの最高級シルクと日本の着物生地によるリバーシブルスカートを展開。京都にも拠点を置き、高齢化の進む西陣織の職人とで作った「一生着られるウェディングドレス」は2020年Makuakeで700万円以上の売上を達成した。その他、西陣織マスクもコロナ禍において1カ月で約5,000枚受注、売上1,750万円と反響も大きい。日本に何百年と残る世界に誇るべき技術や普遍的な価値を残していきたいと大河内氏は語る。


大河内 愛加
株式会社Dodici
代表取締役
HP

1991年横浜市出身。15歳でイタリア・ミラノに移住し13年間在住。 Istituto Europeo di Design ミラノ校(ヨーロッパデザイン学院、略称IED)広告コミュニケーション学科卒業。 2016年2月に「文化を纏う」をコンセプトに掲げるD2Cアパレルブランドrenacnatta(レナクナッタ)を立ち上げ、日本とイタリアのデッドストック生地や伝統工芸品などの素材を組み合わせたアイテムを展開。2021年4月にはネクタイをメインとした着物のアップサイクルブランドcravatta by renacnatta(クラヴァッタ・バイ・レナクナッタ)を立ち上げる。現在は京都とミラノの2拠点生活。
2020年 京信・地域の起業家アワード 優秀賞受賞。
2021年 京都女性起業家賞(アントレプレナー賞) 京都府知事優秀賞受賞。

廃棄目前の食品マッチングアプリ「TABETE」で、累計25万食の食品ロス削減に貢献の「コークッキング」

株式会社コークッキングは、フードロス削減のためのフードシェアリング事業「TABETE」を運営する2015年創業の企業。閉店間際や予約のキャンセル等で、廃棄の危機に面している食品を抱える店舗と食べ手をマッチングし、売り切ることを支援する。店舗は売り切れなかった食品をTABETEに出品、ユーザーは食べたい食事を見つけたらオンライン決済後、指定の時間に店舗で受け取る仕組みとなっている。ユーザー数は約49万人、掲載店舗数は首都圏・各都市圏を中心に約2,000店舗(2022年1月現在)。ローンチ3年半で累計25万食の食品ロス削減に寄与した。日本初の商業施設・駅ナカフードロス削減サービス「TABETE レスキューデリ」では、商業施設内の各テナントで閉店時に売り切れなかった食品を同社が買い取り、セットにして商業施設内で働く従業員へ代行販売する。サスティナブルな食の未来を切り拓くべく、横浜市・大阪市などとの自治体連携も多数。


川越 一磨
株式会社コークッキング
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB

1991年東京生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒。大学在学中に和食料理店で料理人修行をし、卒業後は株式会社サッポロライオンで飲食店の店舗運営の経験を積む。退職後、大学時代に山梨県富士吉田市をフィールドとしたまちづくり研究をしていた関係で、2015年7月富士吉田に移住。空き家をリノベーションしたコミュニティカフェやこども食堂の立ち上げなどを行う。同年12月に株式会社コークッキングを創業。料理を通じたチームビルディングワークショップ等を、主に法人向けに展開。2017年からはサスティナブルな食の未来を切り拓くべく、日本初のフードロスに特化したシェアリングサービス「TABETE」の事業化に取り組む。2016年5月よりスローフードの活動に参画し、フードロスの啓蒙活動「Disco Soup」の運営に従事。Slow Food Youth Network Tokyo代表を経て、2019年4月には一般社団法人日本スローフード協会の理事に就任。フードロスに関することのみではなく、SDGs関連トピック、フードビジネスに関するスピーチや講演なども積極的に行っている。

115kg中、食用はわずか約50kg。大切に育てた豚の「食肉以外」のアップサイクルを試みる「山西牧場」

株式会社山西牧場は、茨城県坂東市で養豚業を営む2018年設立の企業。肉の美味しさは脂で決まり、良質な餌が脂を作るとの信念のもとに、コストや生産性よりも、自分が美味しいと思う肉を作ることにこだわっている。同牧場では、母豚600頭・総頭数約7,000頭を飼育し、年間で約12,000頭を出荷しており、同牧場の豚肉は「飲める脂」とも評され、柔らかな肉質とさらりとした脂が人気を博している。豚は1kgで生まれ115kgに育ち、そのうち食肉として出荷されるのは50kg。それ以外は廃棄されていたが、母豚の胎盤を原材料に作ったプラセンタ高配合スキンケア商品や、豚革の加工品ブランドへのアップサイクルに着手。大切に育てた豚を余すことなく使い切る養豚業のSDGsを目指している。


倉持 信宏
株式会社 山西牧場
代表取締役
HP

1990年生まれ。明治大学農学部卒。家業の三代目として有限会社山西牧場に入社。農場勤務し、一年間スペインに留学。帰国後屠畜場、ハム工場での研修を経て自社生産豚肉の販売事業・OEMでの加工品製作に着手。2018年に自主制作での自社サイトおよびウェブショップを製作しwebでの販売を開始。2019年、自社サイト製作、リブランドを目的としたクラウドファンディングを実施。株式会社山西牧場に変更し代表取締役就任。2020年3月に農場直送ブランド「三右衛門/3 é mon」を立ち上げる。

おもちゃのサブスクレンタル「トイサブ!」で、サステナブルな産業構造への変革を目指す「トラーナ」

株式会社トラーナは、おもちゃのサブスクリプションレンタルサービス「トイサブ!」を運営する2015年設立のスタートアップ企業。「幸せな親子時間を増やそうぜ」をビジョンに、同サービスでは主に未就学児の成長に合わせて、隔月で6品のおもちゃを届ける。おもちゃの選定にはユーザー1万人から寄せられた35万件以上の評価データを活用し、個々の年齢・成長・好みに合ったおもちゃを提供している。おもちゃの交換時に清掃・リペア・メンテナンスを担当するのは、物を大切にする価値観に共感するパートタイムスタッフで、200名以上の雇用を創出している。同社代表取締役の志田氏は、こどもの個を尊重する社会の創出と、大量生産・大量消費・大量廃棄を前提にした産業構造の変革を目指しており、ジェンダーや発達の差を個性として寛容する、持続可能な社会を実現したいとしている。


志田 典道
株式会社トラーナ
代表取締役
HP | STARTUP DB

明治大学法学部卒。 四児の父。 大学在学中に友人とWeb及び紙媒体のディレクション・開発制作を行う株式会社デコラボを創業。 その後事業を譲渡し、複数の外資系企業でエンジニア、プロダクトマネージャや日本支社の立ち上げ経験を経て株式会社トラーナを創業。

ご近所付き合いしづらい現代の食材消費を最適化し、地域のフードロスゼロに挑む「どんぐりピット」

どんぐりピット合同会社は、フードロス削減を目指す2020年創業の農業スタートアップ。「フードロスゼロを実現し、人々の生活を便利に豊かにする」を掲げ、愛知県の自動車メーカーのエンジニア4名が兼業で参画している。規格外野菜や穫れすぎた家庭菜園の野菜など、地域のもったいない食材を地域でシェアすることを目指した「シェア冷蔵庫」は、ご近所付き合い・おすそ分けがしづらい現代の食材消費を最適化。会員証やマイQRコードを利用したドアロック解除・決済などの仕組みを考案して、システムを開発した。2021年7月に名古屋商科大学大学院の食堂で余ったランチを弁当にしてシェア冷蔵庫で販売する試みを行ったほか、11月には愛知県日進市役所で期間限定のシェア冷蔵庫を設置した。将来の全国展開も視野に入れ、県内で100台を目標に設置を進める。同社は「令和3年度食品ロス削減推進大賞」を受賞。


鶴田 彩乃
どんぐりピット合同会社
CEO
HP

1992年生まれ。愛知県出身。2013年学生フォーミュラドライバー、2014年カナダバンクーバーで自動車整備士として働き、帰国後岐阜大学を卒業。2016年トヨタ自動車に入社。入社から一貫して電気自動車の車両企画を担当。主な車両は東京オリンピックで走行したe-Palette。2017年にトヨタ社内のビジネスコンテストで優勝するも事業化には至らず、大企業における新規事業創出の難しさを経験。2020年に兼業起業で『どんぐりピット合同会社』設立。フードロスゼロを目指した【シェア冷蔵庫】サービスを開発。地域密着の新たなサービスを創出した。2021年には、消費者庁の食品ロス削減大賞を受賞、愛知県内の今注目するスタートアップに選出されるなど愛知県を中心に事業を展開。現在はどんぐりピットCEO兼トヨタ自動車エンジニア兼名古屋商科大学院生として活動中。

地元群馬の伝統絹織物「伊勢崎銘仙」をアップサイクルする「Ay」

Ay(アイ)は、「文化を織りなおす」をコンセプトに、文化をほぐし、向き合い、新しいかたちを提案するカルチャーメイキングブランド「Ay」を運営する2020年創業の企業。群馬県前橋市に本社を置き、同県伊勢崎市の伝統絹織物である「銘仙」(めいせん)のヴィンテージ着物をアップサイクルした衣類や雑貨を販売する。銘仙は大正から昭和にかけて日本全国に普及した一般女性のふだん着やおしゃれ着で、発色が良く、抽象柄や幾何学模様などのモダンな柄が特徴。「伊勢崎銘仙」の独自技法の併用絣には14の工程があり、それぞれに特化した職人の連携によって生まれるが、高齢化・市場の縮小により現在は衰退。Ayは、リサイクルペットボトルによる素材の活用や他の伝統技術とのコラボなどで、新たな日本文化の発信を目指している。


村上 采
株式会社Ay
代表取締役
HP

1998年、伝統工芸品「銘仙(めいせん)」の生産量No.1の群馬県伊勢崎市に生まれる。慶應義塾大学総合政策学部4年生。15歳で米国単身留学にて日本人としてのアイデンティティに気づき、郷里の銘仙の着物を用いた活動を開始する。大学2年生の時に国際協力を学び、アフリカ・コンゴ民主共和国にて銘仙を通した交流イベントを開催。現地NGOと協業しコンゴの伝統生地リプタと銘仙をドッキングさせた衣服を生産、日本で販売をするソーシャルビジネスを立ち上げる。その経験を活かし2021年6月、群馬県前橋にて起業。衰退した銘仙の着物をアップサイクルした衣服を提案するカルチャーブランドAy(アイ)をリリース。群馬を拠点に全国、世界へ日本文化を発信に取り組む。

表彰式

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/板橋 今日子/鵜飼 一誠/古川 琢郎

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