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ICC KYOTO 2022 「REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える」に登壇して2位に入賞した、SUN METALON 西岡 和彦さんのプレゼンテーション動画【「SUN METALON」は金属3Dプリンターの高速化を実現し、金属製品を地産地消できる世界を目指す】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはKOBASHI HOLDINGSです。
▶【速報】長距離ワイヤレス給電で配線のないデジタル世界を創る「エイターリンク」がREALTECH CATAPULT優勝!(ICC KYOTO 2022)
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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 7A
REALTECH CATAPULT リアルテック・ベンチャーが世界を変える
Sponsored by KOBASHI HOLDINGS
西岡 和彦
SUN METALON Inc.
代表取締役CEO
2021年2月に、Sun Metalon Inc.を設立。完全新原理にもとづく金属3Dプリントにより、あらゆる工業製品の地産地消化を目指す。独自開発の超高速造形技術(従来比500倍)により、金属3Dプリント部品を安価化(コストダウン90%)し、市場を一気に拡張する。グローバル拡販を見据え、米国本社、日本子会社を同時設立。同年5月、東大(UTEC)、UC Berkeley(Skydeck)等の日米トップVCからのシード資金調達を実施。グローバルTOPタレントをアドバイザーとして招聘(MIT/Oxford/東大教授、世界TOPシェアメーカの前CEO/VP)。日米欧のものづくりメーカと共同プロジェクト実施中、当初計画に先んじて2022年9月に初号機を販売予定。起業前は、日本製鉄にてエンジニアとして11年間勤務(生産技術、企画)。米国Northwester大学PhD過程在籍中(材料工学)、2010東京大学修士卒(機械工学)。
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西岡 和彦さん はじめまして、SUN METALONの西岡と申します。
我々は、超高速・圧倒的に安い金属3Dプリンターを世の中に出して、金属製品を地産地消化し、全宇宙のものづくりを変革する会社になります。
米国に本社を置く金属3Dプリンター開発スタートアップ
我々は、創立からアメリカが本社です。
「マーケットは世界、技術は日本」というのが、創立から変わらないセットアップになっています。
昨年(2021年)設立して、アメリカのデラウェア法人になっていて、日本では川崎で研究開発を行っています。
メンバーは今14人で、シード期でありながら累計10億円以上の調達をしています。
日本、アメリカを代表する投資家からサポートいただいて、活動させていただいています。
金属製品の地産地消化とは
我々は金属製品を地産地消化して、全宇宙のものづくりを変革します。
我々は、2つの技術を持っています。
今取り組んでいるのが、金属3Dプリンターの技術(左側ハッチング部分)です。
金属の粉を購入して来て、粉から自由な形を造形する、いわゆる金属3Dプリンターです。
ここが今の事業領域です。
ただ、もう1つ、我々は原石から金属の粉を作り出す技術も実は持っています。
ここを最終的には組み合わせて、原石がある場所で、僕らの装置があれば、その場でパーツが作れるといった世界を実現したいと思っています。
これは本当に、アフリカで産業を起こしていくとか、火星で物を作っていくとか、人類のフロンティアを切り拓いていく上で絶対に必要な技術だと確信していますので、我々の技術をもとに世の中を大きく変えて、人類の未来を切り拓いていきたいと思っています。
4人の共同創業者
創業者は4人います。
3人がエンジニアで、もともと新日鉄(新日本製鐵)でずっと鉄を作っていた人間です。
私と共同創業者でアイディアを思いついて、まずキャンプ場に行って実験するところから始まりました。
2万円ほどの実験装置で作ったパーツで資金調達させていただいて、完全独自技術で今開発を進めています。
▶創業ストーリー(SUN METALON)
ビジネスサイドは瀧澤に入ってもらい、4人で創業した会社です。
世界のトップタレントが認めた技術
そして、世界的な期待を受けています。
まずアカデミアは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のOlson教授、オックスフォード大学のReed教授、東京大学の杉田教授です。
Olson教授とReed教授が金属の専門家で、杉田教授が装置の専門家です。
こういった世界のトップタレントからの期待をいただいています。
また産業界からは、金属3Dプリンターの世界の最大手EOSのKeppler前CEO 、樹脂の3Dプリンターと合わせて世界の最大手の3D SystemsのCook前副社長です。
この2人は1時間ミーティングしただけで、この技術は本当にやばいなと、ぜひ一緒にやろうということになり、Keppler氏は新たに取締役で入る予定です。
Cook氏はフルタイムのメンバーで入ってくる予定です。
本当に世界的なチャレンジができる技術になっています。
需要増も、スピードや価格に課題があった金属3Dプリンター
金属3Dプリンター自体が非常に今伸びている市場で、2030年に3兆円になると言われています。
「新しい形を作りたい」「その場で物を作りたい」といったニーズが、この市場を引っ張っています。
ただ、なかなか広がりません。
今皆さん、金属の3Dプリンターは、ほとんど身近に感じたことがないと思います。
ハイエンドのものしか作れません。
コストが非常に高くて、マウスを1個作るのに20万円近くかかります。
非常に高いので、本当にハイエンドにしか使われません。
我々はコストを一気に下げて、半製品や工場の消耗品、あるいは補修部品といった、もっと裾野の広い産業に金属3Dプリンターを当てはめていこうとしています。
「面加熱」で造形速度が従来の500倍に
なぜ安くなるのかというと、「圧倒的なスピード」です。
スピードを上げて固定費を下げる、製造業の王道です。
今までの従来技術では、点で加熱をしたり、線で加熱をしたりと、ゆっくりゆっくり加熱をして、造形していきます。
しかし我々は「面」で一気に造形していきます。
▶TECHNOLOGY(SUN METALON)
手のひらほどの大きさなら1分ほどでできます。
それをバンバンバンと乗せていく形で、非常に速くなりますので、点で作る技術に対して500倍のスピードで造形ができます。
実際にこのような独自技術で今開発をしています。
▶サンメタロン、金属3D、生産性500倍に 2021年12月8日(化學工業日報)
先ほど申し上げた片手サイズのパーツを今頼んだら、3Dプリンターでは20万円かかりますが、我々は1万円で作れます。
これは「固定費」が一気に下がるからです。
「固定費」と申し上げているのは、装置が2億円ほどするからです。
1日に1個パーツを作れないみたいな世界なので、7年間の装置の償却期間の中で数千個しかパーツが作れません。
ということは、パーツ1個あたり装置代として10万〜20万円が固定費として乗ってくるのです。
生産性を上げることでパーツ1個あたりの固定費を薄めることができるので、スライドにある「1,700ドル」が、3ドルや数百円のレベルに固定費が落ちます。
スピードを上げて固定費を下げたいと、本当に業界が待ち望んでいたこの技術を、今我々が提供しようとしている形です。
2022年10月に初号機を販売予定
我々は、既存の3Dプリンターとは全然違う領域で勝負をしていきます。
横軸をロットサイズ、縦軸を精度でとったときに、他のプレイヤーに対して、より広いところ、かつロットが大きいところを獲っていきます。
段階的に今製品開発をしていて、2023年の初号機から2026年の3号機にかけて段階的にポテンシャルマーケットを獲っていくことを目指しています。
詳細を申し上げられなくて非常に申し訳ないのですが、今初号機の開発をしています。
デモ機は2023年の上半期になる予定でしたが、デモ機の時点で、「もう買います」という声があり、来月(2022年10月)初号機の販売を予定しています。
絵空事ではなく実際に販売をして、来月からパーツを作り始めます。
本番機に関しては来年の上半期にリリースを予定していますので、ぜひお声がけいただければと思っています。
デモ機で作っているパーツも、「3Dプリンター」で思い浮かべるような複雑なパーツではありません。
我々はコストを下げますので、非常にシンプルなパーツなども、実はターゲットに入ってきています。
ここも詳細が申し上げられないのですが、実際に世界的メーカーと今組んでいます。
我々が作った装置を元に作ったパーツを、実際にお客様に見ていただいて、「これならいけるよ」という形で評価をいただいて、今数社に装置購入の話を進めていただいている状況です。
初号機が2023年、2026年にはよりブラッシュアップされたものが出てきますので、ぜひご検討いただければと思っています。
金属製品の地産地消化、そして全宇宙のものづくりの変革へ
最後になりますが、今お話ししたのは、金属3Dプリンターの「ステップ1」です。
我々の目指している世界は、それよりもっと先です。
金属3Dプリンターの原料もその場で作る、ここまでやりきって、本当の意味で世界のものづくりを変えていきたいと思っています。
ぜひ多方面でご支援いただければと思います。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸/中村 瑠李子