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ICC KYOTO 2022 D2C & サブスク カタパルトに登壇いただき、見事4位に入賞した、MISOVATION 斉藤 悠斗さんのプレゼンテーション動画【“完全栄養食”の味噌汁で、味噌産業の復活と予防医療のイノベーションに挑む「MISOVATION」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはプレイドです。
▶【速報】保育施設向けおむつサブスクで手ぶら登園を実現!「BABYJOB」がD2C&サブスク カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2022)
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【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 12A
D2C & サブスク カタパルト
Sponsored by プレイド
斉藤 悠斗
株式会社MISOVATION
代表取締役
1994年生まれ。宮崎県出身。栄養士。東京農業大学応用生物科学部にて栄養学や発酵学を学び、研究室ではうま味に関する研究に従事。大学卒業後、カゴメ株式会社に入社し、量販店への営業や「社内栄養士による新規事業プロジェクト」「京都人の野菜不足を0にするプロジェクト」に関与。その後、株式会社リクルートキャリアにて地域活性営業部として地域企業の採用支援を担当。「重度の認知症となった祖父の介護経験」「栄養士である自分自身も会社員時代に健康管理できなかった経験」「味噌の国内需要が減り伝統的な味噌蔵が減少している現状」がきっかけとなり、味噌を通じた食の予防医療推進を行うべく2021年に株式会社MISOVATIONを創業。
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斉藤 悠斗さん MISOVATIONの斉藤と申します。
本日、白衣を着て登壇させていただいています。
私は栄養士でもありながら、MISOVATIONの代表を務めています。
東京農業大学を卒業して、カゴメ、リクルートを経て、このMISOVATIONを起業しました。
認知症の祖父の介護経験から栄養士に
私が栄養士を志したきっかけは、認知症となってしまった祖父の介護経験にあります。
認知症は、いわゆる薬で治らない病気です。
日々衰退していく祖父と、その祖父を支える家族をずっと幼少期から見てきて、辛い、悲しい経験をしてきました。
実は、65歳以上の6人に1人が認知症患者と言われています。
日本の健康課題は、認知症だけではありません。
がんや高血圧、糖尿病、これら生活習慣病の患者数も年々増加しています。
日本だけで、1,877万人の患者がいます。
日本の全体の人口の14%です。
健康寿命と平均寿命の間の10年間
実際、我々は医療によって平均寿命がとても伸びたのですが、「健康寿命」と「平均寿命」の間の10年の差はずっと埋まっていません。
つまり、私も皆さんも、皆さんの家族も、病気になってから死ぬまで、苦しんで生きる10年間を過ごす可能性が誰にでもあるということです。
私は祖父の介護経験を通じて、「こんな10年はいらない」「誰もが最期まで健康に生きられる世界を食で創りたい」と思って、栄養士を志しました。
25種類の栄養素が摂れる「味噌」の可能性
そんな中で、味噌の可能性に気づかされたのです。
味噌はなんとなく体に良いというイメージを持っている方もいらっしゃるかと思いますが、非常に体に良いのです。
実は味噌だけで、25種類の栄養素、ほとんどの栄養が摂れます。
▶味噌󠄀の栄養(ひかり味噌)
加えて発酵食品として、腸内環境にも良い働きをしてくれます。
また、さまざまな論文が近年出ていて、高血圧やがん、先ほどの生活習慣病を味噌で予防できるのではないかといった論文が出てきています。
▶「味噌の神経細胞保護作用 Neuroprotective action of Miso」New Food Industry(New Food Indust.) 2018 Vol.60 No.5, pp.79-83.
そして、私の祖父を苦しめた、薬で治らない認知症ですらも、味噌で予防ができる可能性が論文で示唆されているのです。
日本全国の味噌蔵訪問でわかった味噌市場の現状
こんなに可能性のある味噌に魅了され、日本全国のさまざまな味噌蔵を直接訪問してきました。
彼らの味噌蔵を回ってわかったことは、100年以上続くとてもこだわったものづくりをしている一方で、市場で流通している味噌は大手メーカーの商品がほとんどだということです。
そのため、事業の存続は難しい、そんな話をたくさん聞いてきました。
実際、日本の味噌市場は年々衰退しています。
直近35年間で、400の中小規模の味噌蔵が廃業しています。
こんなに可能性のある味噌が、なぜ衰退しているのでしょう?
食文化が和食から洋食に変わって、一汁三菜からワンディッシュ型になり、副菜の味噌汁を作らずにカレーやパスタといったもので食事を済ませる方が増えたのが、大きな理由としてあります。
味噌汁を「副菜」から「主菜」に
味噌汁を「副菜」ではなく「主菜」として主役にすれば、もう1回需要喚起ができるのではないか、そういった想いで我々が作ったプロダクトが、世界初の完全栄養の味噌汁「MISOVATION」というプロダクトです。
1食820円からオンラインのサブスクで展開しています。
▶MISOVATIONをはじめる(MISOVATION)
豚肉や野菜など15種類の具材、だし、味噌を瞬間冷凍した冷凍食品になっています。
皆様のお手元に、今、紙コップで商品をお配りしています。
「820円は高くない?」と思われるかなと思いますが、ぜひ見てください。
非常に量が多いのです。
MISOVATIONは主役になる味噌汁です。
これだけでお腹いっぱいになる味噌汁なので、ご飯の置き換えで食べていただくような、まるでサラダボウルの味噌汁版のような商品になっています。
特徴は、3つあります。
特徴① 1杯で1食に必要な栄養素を摂れる
1つ目は「完全栄養食」です。
▶「完全栄養食」とは?(MISOVATION)
我々が一度の食事で必要な31種類の栄養素を、味噌汁1杯で摂ることができるのです。
たんぱく質が約20g入っています。
一般的な味噌汁は4gしかたんぱく質が入っていないので、その5倍のたんぱく質を含んでいます。
他のビタミン、ミネラルも配合して、かなり栄養力を高めた味噌汁になっています。
電子レンジで6分で調理ができますので、どんなに忙しい皆さんでも簡単に食べることができる商品になっています。
特徴② 全国40カ所の味噌蔵から毎月違う味を楽しめる
そして、味噌を毎月変えています。
実は47都道府県には1,200の味噌蔵があって、全部味が違うのです。
どれぐらい違うのかを、ぜひ確かめてもらいたいと思い、審査員の皆様には味噌の試食をお持ちしています。
東北地方の米味噌と東海地方の豆味噌、あとは中四国、九州の麦味噌を準備しています。
もしかしたら皆さんのご出身の地方の味噌もあるかもしれません。
色も見た目も香りも、全然違うのです。
▶味噌をもっと楽しもう~味噌の分類~(MISOVATION)
我々は味噌を変えるだけではなく、スライド右側にある『MISOTIMES』という味噌蔵の取材記事を作り、どのようなこだわりをもって、どのような歴史のある味噌蔵なのかを、商品と一緒に紙媒体でお届けしています。
現在40カ所の味噌蔵と連携して、販路拡大に寄与しています。
特徴③ 健康意識の高い20~40代のユーザーを獲得
買っていただいているのは、一番は味噌汁が大好きで味噌汁で育ってきた健康意識の高い50代、60代はもちろんですが、既存の味噌汁市場にいない、20〜40代の健康意識の高い若い方々です。
MISOVATIONは、今までの味噌汁市場にいない新しいユーザーを獲得している味噌汁です。
そんな背景から、リリースから1年経っていないのですが、日本経済新聞をはじめとするメディアに取り上げていただき、『GetNavi』のNEXTヒット2022にも選定いただきました。
現在広告費をほとんどかけずに累計提供食数が7,000食を突破して、会員数も右肩上がりで増加しているところです。
また、サブスクだけではなく、まずは1食から試してほしいという思いから、AKOMEYA TOKYOをはじめする小売店やふるさと納税の返礼品、法人・企業の福利厚生という形でチャネルを拡大しています。
▶[№5689-0612]完全食味噌汁MISOVATION-ICHIHARA4食セット(ふるさとチョイス)
▶完全栄養の味噌汁ブランド「MISOVATION」が法人向け福利厚生サービス「MISOVATION for Workers」を開始(PR TIMES)
今後も百貨店をはじめとする形で、小売店への展開を強化していきたいと思っています。
日本の味噌市場は衰退しているが輸出量は増えている
市場規模です。
国内の完全栄養食市場は年々伸びていて40億円の規模はありますが、健康食品全体だと1.5兆円の市場規模があります。
我々は味噌を嗜好品ではなくサプリメントのように栄養を摂る手段として啓蒙していきながら、この1.5兆円の市場に挑戦したいと思っています。
また、海外では完全栄養食市場はすでに非常に伸びていて、2027年で63億ドルの規模に到達する見込みです。
▶全国味噌特集:輸出=量・金額ともに好調 19年も過去最高を更新か 2019.09.18(日本食糧新聞)
日本で味噌の市場は衰退しているのですが、海外では非常に伸びているのです。
味噌の輸出量がすごく増えているので、我々MISOVATIONは、世界で戦える日本発信の完全栄養食として、グローバルで戦っていっています。
すでに展示会にも出展し、シンガポール、台湾、香港のバイヤーから高い評価をいただいています。
安価で手軽なフリーズドライ商品を開発中
「でも、やっぱり1,000円って高くない?」と思っている審査員の皆さん、ご安心ください。
現在、フリーズドライの商品を開発していまして、売価300円程度でより安く軽く常温で運べるような商品の開発にすでに着手しています。
また、先ほど味噌を試食していただいたと思うのですが、全然味が違いましたよね。
おそらく出身地によって好きな味噌も違いますし、人それぞれ足りない栄養素が全然違いますので、これらをパーソナライズして、今後事業を展開していきます。
引き続き、味噌の価値を栄養学のアプローチで再定義し、味噌の消費を増やしていきます。
味噌産業を復活させ、予防医療にイノベーションを!
この事業を始める時、「1,000円の味噌汁なんて誰も買わないよ」とたくさん言われました。
「でもやってみなければわからないよね」と思いながら、自宅の炊飯器で試作を重ね、タッパーに入れて会社の同僚に渡す、そんなことをやりながら、リクルートを退職する最後の日にMakuakeに出品し、たくさんの方にご支援いただきました。
▶心も満たす完全食。23種類の不足栄養素を補える完全食豚汁「MISOVATION」(Makuake)
それをきっかけに少しずつ、今、このICCのステージに立たせていただくこともできたと思っていますし、たくさんのパートナーが増えたと思っています。
ただ、まだまだ、この衰退する味噌市場を我々だけでは伸ばしきれません。
すごく課題の深い業界だと思っていまして、ぜひ皆様のお力添えを頂きたいと思っています。
ぜひ皆さんで一緒に、日本の味噌産業を復活させ、世界の予防医療にイノベーションを起こしていきたいと思います。
ぜひ応援のほど、よろしくお願いいたします。
(終)
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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/小林 弘美