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国産無添加のペットフード開発から、犬猫殺処分ゼロを目指す「犬猫生活」(ICC KYOTO 2022)

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ICC KYOTO 2022 D2C & サブスク カタパルトに登壇いただいた、犬猫生活 佐藤 淳さんのプレゼンテーション動画【国産無添加のペットフード開発から、犬猫殺処分ゼロを目指す「犬猫生活」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、2023年2月13日〜2月16日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションのオフィシャルサポーターはプレイドです。

【速報】保育施設向けおむつサブスクで手ぶら登園を実現!「BABYJOB」がD2C&サブスク カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2022)


【登壇者情報】
2022年9月5〜8日開催
ICC KYOTO 2022
Session 12A
D2C & サブスク カタパルト
Sponsored by プレイド

佐藤 淳
犬猫生活株式会社
代表取締役

学生時代に雑貨&アパレルのEC企業にてインターンを経て、2009年からECコンサルティング会社を設立し、4年間に亘って食品、雑貨、アパレル、サプリメント等の分野を支援。2013年に事業を売却し、食品ECのオイシックス株式会社(現オイシックス・ラ・大地株式会社)に入社。EC事業本部の戦略推進室室長に就任し、販促企画、商品開発、会員制度の設計、PC/スマートフォンのUI設計等に従事。2016年からは、社内ベンチャーファンド「フードテックファンド」を立ち上げ、食関連ベンチャー企業への投資やアライアンスを実行。2018年7月にオイシックスを退職し、ペットフードD2Cの「犬猫生活株式会社(創業時の社名はオネストフード株式会社)」を設立。


佐藤 淳さん 犬猫生活株式会社の佐藤と申します。

よろしくお願いいたします。

我々の商品は「無添加」「国産」、そしてペットフードですが人間でも食べられますので、安心してください。

「ヒューマングレード品質」にこだわったペットフード会社です。

本日は、なぜ我々がこの会社をやっているのか、そしてどういったところを目指しているのか、お伝えしたいと思っています。

始まりは1頭の野良猫から

全ての始まりは、1頭の猫ちゃんからでした。

実は妻が無類の猫好きで、ある日近所の野良猫ちゃんを保護する機会があったのです。

しかし、ここで事件が起きます。

なんと保護した4日後に、子猫が生まれました。

当時、野良猫ちゃんは痩せていて気づかなかったのですが、妊娠していたのです。

最初は非常に驚いたのですが、今では子猫も含めて大切な家族の一員です。

ちなみに会場の中でも、わんちゃん、猫ちゃんを飼われている方、審査員の方も含めていらっしゃいますか?

手を挙げてみてください。ポツポツいらっしゃいますね。

飼われている方は分かると思うのですが、彼らも今となっては大切な家族の一員です。

実際、犬猫の数も、子どもの数より多くなっています。

▶参考:2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果(一般社団法人ペットフード協会)

日本はペットフード後進国

そんな大切な家族の食事は、どの国で作られたものがいいと思いますか?

やはり日本ではないでしょうか?

しかし、日本で売られているペットフードの7割が海外からの輸入です。

実は、日本は「ペットフード後進国」といわれています。

なぜか?

日本はもともと愛情のかけ方に、人と同じものを与えようというところがありました。

一方で、海外は合理的に、犬猫専用のフードを作っていこうではないかと考えました。

そのような違いから、実は開発のスタートに100年もの差が生まれています。

知っておきたい!ペットフードの歴史(いぬのきもち)

その結果として、今、日本はプレイヤーの数も少ないし、低価格の商品が多い。

一方で、海外は市場規模から見てもプレイヤー数が多いですし、高品質な商品があふれているという状態です。

前職のオイシックスで食へのこだわりを持つ

なぜこんなことを調べたかというと、実は私は前職がオイシックスで、食に対して非常に強いこだわりがありました。

その時に野良猫ちゃんと出会い、その食事を調べる中で、この現状を知りました。

しかし輸入となると、コストもかかるし鮮度も落ちてしまいます。

やはり日本で消費するのであれば、国産が一番ですよね。

しかも日本には優れた生産者がいて、そして製造技術があります。

これを使わないのは、もったいないと思いました。

日本から世界に誇れるペットフードを作りたい。

今、無いのであれば自分で作ってしまおう、そんな思いで立ち上げました。

技術的に難しいフレッシュなドライフード作り

どんなフードを目指したか。

一般的なフードは肉骨粉といわれる肉や骨を加熱・乾燥させて粉にしたもの、これをさらに200℃近い温度で加工していきます。

一方で、我々が目指したのは生肉を使って、それを100℃にいかない温度で加工していく、まさにフレッシュなドライフードです。

しかし当然難しいので、いろいろな工場にお願いしたのですが、とにかく断られ続けました。

もう本当に残り数社という時に、ようやく1社だけ協力先が見つかりました。

しかし、ここからが大変でした。

やはり生肉を使うと、粒に固めるのが難しいので、試験でほとんど失敗して、メーカーさんからも「そろそろ諦めたらどうですか?」ということも言われたのですが、何とか1年かけて開発に成功しました。

当時もう会社を辞めて起業していたので、商品が作れないのではないかというところが非常に不安だったのですが、なんとか粘りに粘って成功しました。

素材にこだわり、旬の魚や無農薬野菜を使用

素材にもこだわりました。

工場が金沢にあるのですが、地元の魚や野菜を使い、無添加にも徹底的にこだわりました。

そんな品質に評価をいただいて販売数が順調に伸びたのですが、また問題が発生します。

今度は製造量です。

やはり特殊な作り方ですので、今の工場だと限界がありました。

専用工場を作り、手作業に近い形で製造

そこで、なんとメーカーさんと一緒に、我々専用の工場を作ってしまいました。

生肉を使い、職人がその日の温度・湿度を見ながら、加熱する時間や温度を調整していく、そんな職人技で作っていく工場です。

こうしてできたものが、お手元の商品になっています。

塩分が無いのでちょっと素朴な味ですが、人が食べてもおいしいですし、非常に良い香りがします。

まさに手作りのおいしさ、それから安全性とドライフードの保存できる利便性を兼ね備えた商品です。

お客様にも、「まず自分自身で香りをかいで、それから一口食べてみてくださいね」とご案内していますので、審査員の皆様も勇気を出して、封を開けて香りをかいでみてください。

▶編集注:審査員席にはペットフードのサンプルが配布されました

それから1粒食べてみてください。

3年半で1,000万食を突破、その成長の理由は…

犬猫の平均寿命は毎年伸びていて、生活環境、フードの改善が原因といわれています。

やはり飼い主の皆さんには、良いフードを与えることで、より元気に長生きしてほしい、そんな思いがありまして、我々のフードは3年半で、ちょうど8月に集計したら1,000万食を突破いたしました。

昨対比でも3倍の月商で非常に伸びています。

なぜここまで伸びているかという理由ですが、商品の良さ以外に、もう1つ理由があります。

それは、我々が殺処分ゼロを目指すペットフード会社ということです。

利益の20%を保護活動資金に提供

やはりきっかけが野良猫ちゃんからでしたので、そういった子を1頭でも多く救いたい、そんな思いから、会社の利益の20%を保護活動に充てる仕組みを作りました。

まさにわが子のために選んだごはんが、あの子の幸せにもつながっていく、そんな循環を作りました。

この20%なのですが、我々が上場すると日本一の社会貢献支出率の企業として上場という形になるので、そういった大きなインパクトを出したいと思っています。

寄付する先も他の団体ではなく、自分たちで作った財団になります。

非常に大変なのですが、自分たちで保護シェルターを運営し、病院も運営しています。

それから他団体のために助成金を提供したり、ボランティアの求人ができるよう専門のサイト「犬猫ワークス」も作りました。

保護犬猫ボランティアの専門求人情報サイト「犬猫ワークス」をリリース(PR TIMES) 

保護シェルター第1号を前橋市にオープン

そして待望の第1号シェルター(犬猫タウン 前橋)を2022年の3月、群馬県前橋市にオープンしました。

地元からの期待も非常に高く、市長の記者会見にも立たせていただきました。

市が事業者に地域のキーパーソンを仲介、「犬猫タウン前橋」がオープン(新・公民連携最前線)

なんと翌日、地元紙の一面に掲載されました。

この日、海部元首相死去のニュースが左下にあったのですが、それよりも上ということで、当時非常に社内がざわつきました。

やはり日本はまだまだ殺処分の多い国ですので、こういった我々の活動に非常に反響をいただきました。

今、LINEで我々に友だち登録すると、登録人数×12円を寄付に充てるということをやっていますが、なんと1カ月で30万人に登録いただきました。

犬猫生活 | LINE Official Account(LINE)

そこからの商品誘導も、非常に高い結果となりました。

こうやって商品以外からも会社を知っていただけるのが、我々の強みになっています。

世界で最も動物を幸せにするペットフードメーカーに

そして、日本だけでも5,000億円の市場規模があるのですが、アジアで見ると2兆円あります。

ここに対して日本の食に対するブランド力、それから技術力で勝負をしていきたいと思っています。

全ての動物とその家族の幸せな生活のために、世界で最も動物たちを幸せにする、そんなペットフードメーカーを目指して頑張って参りたいと思います。

どうもありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成/小林 弘美

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