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獣医師に必要なデータを取得できる超小型デバイスで、ペットの健康を守る「PetVoice」(ICC FUKUOKA 2023)

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ICC FUKUOKA 2023 スタートアップ・カタパルトに登壇いただいた、PetVoice深田 篤 さんのプレゼンテーション動画【獣医師に必要なデータを取得できる超小型デバイスで、ペットの健康を守る「PetVoice」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。

本セッションのオフィシャルサポーターはノバセルです。

【速報】ゲノム編集技術による水産業革命で、世界の“タンパク質危機”を解決する「リージョナルフィッシュ」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 1A
ICCサミット FUKUOKA 2023 1A STARTUP CATAPULT スタートアップの登竜門
Sponsored by ノバセル

深田 篤
株式会社PetVoice
代表取締役CEO
HP | STARTUP DB

岡山県総社市出身。横浜国立大学経営学部卒業。創業期からインターンシップとして参画したベンチャー企業に新卒入社。2019年5月よりエゴンゼンダー株式会社入社。ヘルスケア、IT、メーカー、商社、金融等の日本を代表するグローバルトップ企業の経営陣向けCEO後継計画、経営陣の評価育成、若手ハイポテンシャル人材発掘プロジェクト等を担当。また、取締役会の有効性評価をはじめとするコーポレートガバナンス強化の支援にも携わった。幼少期から人生の大半を犬猫と一緒に暮らしていたが、エイズ陽性猫を迎えたことをきっかけにペットの健康管理の難しさを痛感し、動物病院と連携した健康管理サービス「PetVoice」を創業。動物病院ネットワーク、疾患毎のKOL(Key Opinion Leader)ネットワーク、業界随一の製品力を武器に動物病院を経由で首輪型IoTデバイスを提供。


深田 篤さん こんにちは、PetVoiceです。

PetVoiceは、この超小型のデバイスで、大切な家族である犬猫の寿命を10年伸ばします。

ペットの健康状態を管理できるアプリを開発

最初に、サービスのご紹介です。

PetVoiceでは、この小型のデバイスを首に装着するだけで、ペットの健康状態をアプリで管理できます。

実際に、ユーザーがサービスをご利用いただいている様子をご覧ください。

(動画内音声)今着けたんだけど、どうかな。今寝てるね。ちょっとアプリで見てみようか。
えっと、ここら辺に出ているかな?
着けて、毛繕いして寝たんだよね。毛繕い、4分になってるね。休息22分。その後寝ちゃったからね。
直腸音、やや高い。
あれかな? 室温が高いかもしれないね。

このように、飼い主のスマートフォンで健康管理ができるわけですが、ここで1つご質問です。

PetVoiceを使ってみたいですか?

可愛い猫ちゃんの写真を探していたら、なぜか審査員のココナラ南(章行)さんの猫ちゃんの写真がヒットしてしまいました。

さて、審査員の南さん、南さんの猫ちゃんに今、PetVoiceを使ってみたいと思われましたか?

正直なご感想をお願いします。

ありがとうございます。

「必要ない」、そう思われたかもしれませんね。

元気なうちはいらないし、病気だとしても健康管理は自分でできる、そう思われる方が大半なのです。

ただ、例えば、お勧めするのが僕じゃなかったらどうでしょうか。

南さんが、猫ちゃんを動物病院に連れて行きました。

先生からこのように言われます。

「お薬出しておきますね、それから…PetVoice使ってみませんか?」

さあ南さん、どうでしょう?

今度はさすがに使うのではないでしょうか。

動物病院の医師もPetVoice使用をお勧め

僕がお勧めしても使わない方でも、獣医の先生に勧められると、さすがに使います。

ありがたいことに、現在PetVoiceは、動物病院の先生から「使ってね」とお勧めしていただいています。

なぜこれが実現できたのか。

それは、PetVoiceが取得するデータは、先生たちにとって臨床価値があるからなのです。

例えば、PetVoiceで取得するデータで、毛繕いと痒みには強い相関関係があることが分かりました。

そこで、皮膚疾患を患っている患者にデバイスを装着し、痒みの推移を確認し、投薬調整をするという活用がなされています。

先生たちのサポートのおかげで、動物病院経由で多くの方がPetVoiceを使っています。

だからこそ、PetVoiceは動物病院と連携を深めています。

病態進行のバロメーター「安静時呼吸数」を計測

先生たちと連携を深めていくと、先生たちが欲しくてたまらないデータがあることが分かってきました。

それはこれからご紹介する、安静時の呼吸数のデータで、PetVoiceはこれを計測する機能を搭載しています。

なぜ先生たちはこのデータが欲しいのか。

日本で人気の小型犬ですが、多くの小型犬は心臓病のリスクを持って生まれてきています。

日本の犬の10頭中7頭にそのリスクがあると言われており、統計では、犬の死因の第2位は心臓病と言われています。

この心臓病の進行のバロメーターになるのが、安静時の呼吸数なのです。

安静時の呼吸数が病態進行のバロメーターだと裏付ける論文はたくさんあり、獣医師も信頼している指標です。

エコー検査による診断は難しい

実は、これとは別にもう一つ、獣医師の先生にとって安静時の呼吸数データが必須である裏の理由があります。

最も一般的な心臓病の検査方法は、エコーを使って心臓のサイズを測る方法です。

しかし、日本に多い小型犬は心臓がそもそも小さいですし、ペットは人間のようにじっとはしていてくれません。

それゆえに、エコーを使った心臓のサイズの比較、診断に苦手意識を持っている獣医師は非常に多いという状況があるのです。

ですので、安静時の呼吸数がないと困るのです。

しかし、家でもなかなか観察が難しいのが実態です。

毎日計るのは大変ですし、変化に気づいた時は手遅れになってしまうことすらあります。

そのため、ほぼ全ての獣医師から、小型犬にも負担なく使えるPetVoiceのデバイスで安静時の呼吸数データが取得できれば、飼い主に絶対に勧めるという話をもらっていました。

このニーズに応える形で、PetVoiceは安静時の呼吸数の測定を実現することができました。

高度獣医療施設が導入。上位プランも提供開始予定

犬猫に最適化された独自技術を用いているため、精度が非常に高い点が特徴で、すでに高度獣医療施設でも活用開始しています。

利用動物病院一覧(PetVoice)

信頼性の高いデバイスだという噂が広がり、2023年4月には、3,000名もの獣医師が参加希望するセミナーの開催を予定しています。

これから上位プランのサービス提供を開始予定で、トラクションやARPU(顧客一人当たりの平均売上高)の変化が楽しみなタイミングです。

急成長する中国ペット市場をターゲットに

市場規模です。

先を走る米国では、既に一定規模の市場が形成されています。

日本のマーケットはまだまだ発展途上ですが、成長領域であることは間違いなく、先ほどご説明した通り、日本だけでも十分なTAM(実現可能な最大の市場規模)とSAM(TAM内でアプローチできるターゲット層)が存在しています。

グローバルでは、中国のペットケア市場規模は既に1兆円とも言われており、20%の成長率で急成長しています。

小型犬が人気で、PetVoiceの強みを存分に活かせる、中国への進出を早急に進めます。

ペット版「Vitality」を計画

将来の展望です。

PetVoiceは病気の予防、重症化の防止に貢献したいですが、当然、全てを防ぎきれるわけではありません。

重症化したペットの治療費は、時に高額になることがあります。

治療費が高いという理由で、ペットが長生きできないという現状を変えるべく、PetVoiceは保険の展開を検討しています。

PetVoiceの強みである、デバイスから取得できる健康データを活かし、将来的には健康状態に応じて保険料を変動させる、いわばペット版「Vitality」のような展開を計画しています。

高い能力・人脈・パッションを持つメンバー

私たちのチームです。

私自身は、獣医経験もエンジニアリング経験もありませんが、外資系経営コンサルティング企業のエゴンゼンダーで培った人を選ぶ技術は、多少なりともあると自負しています。

▶編集注:スライドの書籍は、エゴンゼンダーの共同経営者(パートナー)を務めた小野 壮彦氏による『経営×人材の超プロが教える 人を選ぶ技術』。

現在、PetVoiceは事業上重要な能力、人脈、パッションを持ったメンバーが揃っています。

愛する飼い猫を思い、始めた事業

最後に、なぜ私がこの事業を始めたか、少しだけご紹介させてください。

私の愛する家族である猫2匹は、2匹ともエイズ陽性なのです。

猫エイズは、普段の生活にこそ支障はないのですが、免疫が弱いので病気になると亡くなってしまいやすいというリスクがあります。

しかも私の猫は2匹とも保護猫で、人馴れしておらず、病院にも非常に連れて行きづらい。

だからこそ、おうちの中でできる最大限の健康管理を実現したかった、だからこの事業を始めたのです。

愛犬・愛猫と1秒でも長く一緒に

ただ、今はもう僕だけの物語ではありません。

今PetVoiceを使ってくださっている全てのユーザー、サービスを一緒に作る愛犬家、愛猫家の仲間たちが、愛する家族と1秒でも長く一緒にいられるようにと願って、一緒に挑戦をしています。

冒頭に申し上げた「犬猫の寿命を10年伸ばす」は、冗談で申し上げたつもりはありません。

本日会場にいらっしゃる皆様と力を合わせれば、これを実現可能だと本気で考えています。

PetVoiceは、事業連携、資金調達の機会を求めています。

ご清聴ありがとうございました。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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