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ICC FUKUOKA 2023 クラフテッド・カタパルトに登壇いただき2位に入賞した、ヨダファーム功刀 隆行さんのプレゼンテーション動画【規格外トマトの課題解決から、農家が自立できるビジネスモデル作りに挑戦する「ヨダファーム」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはMakuakeです。
▶【速報】父から受け継いだ育てる漁業で、こどもたちの未来に食をつなぐ「Firesh®」(ふく成)がクラフテッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けてSponsored by Makuake
功刀 隆行
株式会社ヨダファーム
代表取締役社長
HP
大学卒業後、山梨県厚生農業協同組合連合会に就職。 職場で出会った妻と結婚し妻の家業であるトマト栽培に感銘を受けると共に、日常では知り得ない「農業界の現状」を深く知る。 そこで日増しに『このままじゃ農業は変わらない』 と強く感じ、ついに自らが10年間続けた仕事を辞め、周囲の心配を押し切り就農、農家として状況を肌で感じながら、次世代へ進化させたいと思い活動開始する。 自治体やJAだけではなく我々農業者側から何か現状を打破できることが無いかと試行錯誤している。 これまでMakuakeにてプロジェクト過去7回実施、ただ今8回目に挑戦中!
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功刀 隆行さん こんにちは。
トマトひと筋半世紀農家ヨダファーム、娘婿の功刀 隆行(くぬぎ たかゆき)と申します。
突然ですが、「こんな世界、もう終わりにしたい」と思ったことはございますか?
私は、農業の現状を知った時にそう思いました。
本日は、そんな私の挑戦の話を聞いてください。
山梨県中央市で桃太郎トマトひと筋に栽培
まず、私たちについてです。
山梨県中央市というところ、ここでトマトが作られていることはご存知でしたか?
甲府の南に位置し、山梨のぶどう、桃でも活用している一日の寒暖差や日射量の多さ、そして良質な水が豊富にあるという特性を活かし、年間50トンほど桃太郎トマトひと筋で半世紀、現在は家族4人で栽培しています。
採れたてのトマトの味に感動し農家の娘婿に
ここからは、挑戦のお話を聞いてください。
実は私は、JAの組織で10年働いていました。
その職場で妻と出会い、妻の実家の家業であるトマトと出会いました。
その時に頂いた採れたてのトマトの味に感動し、興奮し、気づけば就農を決意しておりました。
ただ、それと同時に、父と話せば話すほど、農業の現状、先の見えない未来に愕然としました。
味がA品のトマトも形が規格外なら畑の肥やし
就農後、甘い世界ではなく、厳しすぎる現状を肌で感じました。
自ら価格を決めることができず、ひどい時は、1kg約7個のトマトが百数十円という取引がされることもありました。
さらには、どれだけこだわりぬいて作ったトマトでも、味の評価はされず、形のみでの評価をされました。
規格外となってしまうと、味はA品でも畑の肥やしとなってしまいます。
Makuakeとの出会いと加工品作り
こんな世界、終わりにしたい。
こんなことを思い、両親の元でトマト作りの修行をしながら、いろいろな方法を模索しました。
そんな中、本日の審査員でもあるMakuakeのキュレーターさんと出会いました。
作り方へのこだわりや想いを伝えることができるこの仕組みは、我々農家と相性が良く、捨てられてしまう規格外品の現状を訴えながら、加工品にも挑戦しました。
2019年、初めてプロジェクトを行い、2回目、3回目と順調に金額は増え、4回目、5回目ではおかげ様でリピーターも増えていきました。
コロナ禍でトマトの価格がさらに落ち込み、もう農業をやめてしまう農家もいた中、私たちの売上の半分はMakuakeを通しての販売によるものとなり、コロナ禍を乗り越えることができました。
ただ、6回目はトレンドを不器用に狙いにいき少し金額が減ってしまい、7回目でまた盛り返し、これまでこれだけの加工品(「濃厚トマトの極上生バーベキューソース」「無水トマト糀カレー」「贅沢トマト塩糀」「濃厚芳醇とろけるケチャップ」「トマトの『み』」) の商品化に成功し、サポーター総数はのべ約2,700名、金額にして2,100万円を超えました。
そしてありがたいことに、これだけのメディアの方々に取材いただきました。
皆様から見るとまだまだ小さいですが、私たち家族4人のトマト農家の挑戦で、ここまで来れたことを非常に嬉しく思っています。
規格外トマトを使った新商品「トマトの『み』」
そして今、8度目の挑戦をしております(プロジェクト終了予定日は2023年4月9日)。
▶60周年。トマトの魅力を活かす領域の最大化に挑戦。凝縮!「トマトの『み』」誕生。(Makuake)
今回の挑戦は、これまでに無い商品を作ること。
その名も、「トマトの『み』」です。
ぜひ、お召し上がりください。
▶編集注:審査員席には「トマトの『み』」が配布されていました
トマトは汎用性が高く、加工品への展開も容易で、大手による価格競争も激化しております。
そこで考えたのが、我々農家にしかできない、真っ赤に完熟させたトマトを採ってすぐに、先代から代々伝わる方法で作った、「トマトの『み』」です。
そのまま飲むのは勿論、ドレッシング代わり、ハンバーグなどのソースやアルコール、さらにはスイーツと使い方は幅広く、トマトの可能性を大きく広げられるようにいたしました。
将来的には、牛乳や砂糖のように、食卓にあるのが当たり前の「トマトの『み』」になるのだという熱い気持ちを持って臨んだ8回目。
おかげさまでスタート直後に目標金額を達成し、ネクストゴールは、農家では前人未踏の1,000万円に挑戦しております。
無謀な挑戦だということは分かっております。
ただ、この挑戦が、先が見えない農家の世界を終わりにできるきっかけになるのだと信じております。
規格外トマトの加工場の設立へ挑戦
そして、本日最もお伝えしたいこととして、この先を見据える私がやりたい一番の挑戦について、最後に説明させてください。
その名も、「ヨダファームキッチン」です。
私たちには、テストマーケティングに成功した商品がございます。
ただ、今の環境では量産することができません。
そのため、多くの規格外トマトを廃棄しています。
そこで、我々自身がヨダファームキッチンという名の加工場を作り、我々の規格外トマト、さらにはこの町の全ての規格外トマトを救えるくらいの生産能力を備えようと考えております。
この町のトマトから、約1億円の市場価値を生み出せると試算しております。
これを山梨県に、さらに将来的には日本中に広げていきたいです。
そしてそれだけではなく、この場所では、農業に触れてもらい、農業の魅力を感じてもらいたいとも考えております。
お客様自身に収穫いただいたトマトを、その場でトマトジュースにして提供したり、トマト農家直伝レシピで作るトマトカレーを提供したり、山梨の野菜や果物を使ったメニューを提供したりなど、この場所、この農家でしかできないことをブランドとしていけたらと思っております。
近い将来、近くにリニア山梨県駅ができる予定です。
それまでに、万全の体制を整えておきたいです。
今回、事業規模4,500万円という、一農家にとっては大規模なプロジェクトのため、山梨県や商工会のサポートを受けながら、補助金獲得にも挑戦しております。
しかし、ノウハウも資金も不足しているのが現状です。
この挑戦の道を、一緒に歩んでいただけないでしょうか?
小規模農家が自立できるビジネスモデル作り
この挑戦は、規格外品として捨てられるトマトをゼロにするだけではありません。
日本の食卓を支える農家の97%は、私たちのような小規模農家です。
その数は5年後に、半数になると言われています。
農家が自立できるビジネスモデルとなれば、日本の農業を支えることができます。
日本の将来の農業のためにも、ぜひ、お力添えを頂けないでしょうか。
子どもたちのためにも、ぜひ、よろしくお願いいたします。
ご清聴ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/正能 由佳/戸田 秀成