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ICC FUKUOKA 2023 Honda Xcelerator カタパルトに登壇いただいた、TURING青木 俊介さんのプレゼンテーション動画【完全自動運転EV車両の製造で、TESLAを追い越す会社を目指す「TURING」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターは Honda Xcelerator です。
▶【速報】走行中の自動給電を可能にする「パワーウェーブ」と、自律航行で安全な海の実現を目指す「エイトノット」がHonda Xcelerator カタパルト同率優勝!(ICC FUKUOKA 2023)
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【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 3A
Honda Xcelerator カタパルト
Sponsored by Honda Xcelerator
青木 俊介
TURING株式会社
取締役CTO
HP | STARTUP DB
米・カーネギーメロン大学 計算機工学科で博士号取得。米国では自動運転システムの開発・研究に従事し、サイバー信号機の開発やゼネラルモーターズ社のウルトラクルーズの開発に携わる。2021年より国立情報学研究所 助教として着任し、青木研究室を主宰。名古屋大学 特任助教を兼任。2021年8月に完全自動運転とEV車両の開発を行うTURING株式会社を共同創業し、取締役CTOとして参画。人工知能による完全自動運転システムの実現を目指す。MITテクノロジーレビュージャパンより35歳未満のイノベーターIU35に選出。
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青木 俊介さん よろしくお願いします、TURING株式会社と申します。
TURING株式会社の共同創業者、CTOの青木 俊介と申します。
「We Overtake TESLA」を掲げ2021年に創業
我々が創業したのは2021年8月で、創業してたった1年ほどの会社です。
創業当初より、「We Overtake TESLA」を掲げています。
「Overtake」とは、レース用語で、「追い越す」「追い抜く」という意味の言葉です。
我々は、ニコラ・テスラを冠するテスラに追いつき、追い越す会社を作りたいと願い、情報学の神様であるアラン・チューリングから名前を取り、TURINGという会社を創業しました。
TURINGは、自動運転システムだけではなく、完全自動運転EV車両まで作っていきたいと思っています。
産業の話をしましたが、GDP比で考えても車の産業はめちゃくちゃ大きいのです。
GDPで20%、関わっている人間で500万人ほどです。
日本は、電気で負けて、電子で負けて、情報で負けて、めちゃくちゃ悔しいじゃないですか。
自動車で世界と戦っていきたいと思っていますし、ここの領域が、AI化もしくはEV化でひっくり返るのであれば、きちんと日本からモノ作り、車作りができる環境を作りたいと思い、会社を設立しました。
強いエンジニアが集まる会社
私はもともと、アメリカのカーネギーメロン大学で自動運転の研究に取り組んでPhD、博士号を取得しました。
ワシントンDCやフィラデルフィアで、自動運転のレベル4、いわゆる、決められた領域を走る自動運転システムを作っていました。
2021年に帰国し、今CEOを務めている山本 一成さんと出会いました。
彼は「Ponanza」という人工知能が人間に勝てると証明した方で、そういったソフトを作り、1人でCMに出たり、『情熱大陸』に出たりしていますが、それでもまだ戦いたいという方です。
彼と出会って創業しました。
他の創業メンバーは、HEROZ株式会社でCAIOを務めていた山口祐さんもいます。
彼も囲碁ソフトを作って世界準優勝を獲得するような方であり、TURINGは、彼らのような強いエンジニアが集まっている会社だと思っています。
創業4カ月で改造車を使った自動運転に成功
車のスタートアップは、あまりありません。
創業して次の日にまず車を買いに行き、高いと思いながらも買ってバラバラにし、この動画にあるようなファーストデモを作りました。
このシステムでは、クルマの前方部にカメラがついており、カメラで撮影した画像をディープラーニング、つまりAIが判断して、自動で車が道路を走っています。
これをつくったのが2021年11月で、創業から4カ月目でした。
▶【TURING】End-to-Endで限定コースをぐるぐる走る機械学習モデルを作って実際に車を動かした話【自動運転】(Zenn)
この時はCEOの山本一成と私で、支援してくれる方を車に乗せて、自動運転技術の未来やAI技術の未来を自動運転車の中で語り合うというなかなか感動的なこともできました。
創業の翌年、千葉県内で公道実験を開始
2022年7月にシード調達を行った後、ここからアクセルを踏もうということで、千葉県内で認可を取り、公道でも走りました。
法律の関係で、動画ではハンドルに手を添えていますが、カメラ画像から情報を得て白線を検知し、自動車がどこを進むかを青線で示しています。
このシステムでもAIが自動車の行動を決定するというシステムで、End-to-Endで自動運転ができるという証明ができたように思います。
北海道内で約1,500kmを自動運転モードで走破
千葉県内の公道実験が2022年8月のことだったので、走れるのなら、日本一走れる会社として実験してみようと、北海道に車を持って行き、北海道一周プロジェクトを行いました。
苫小牧から入り、函館、札幌、稚内まで行き、根室を経由して約1,480kmを走破しました。
約95%が自動運転モードで運転できることを実証し、できないフェーズも自分たちで分かるようになりました。
▶チューリング社、AI自動運転走行による国内初の北海道一周長距離走行実証を実施(PR TIMES)
このように爆速で進んできたのが、今のTURINGという会社です。
2023年1月「THE FIRST TURING CAR」を販売完了
一番新しいニュースとしては、2023年1月には、自動運転機能をつけた車両をきちんと販売してみました。
エンジニアだけではなく、販売やサポートなどのプロセスも含めて一周回してみようと思い、1台売ってみたのです。
販売開始後、すぐに問い合わせが来て、交渉し、販売完了することができました。
自社製の自動運転システムを搭載したものです。
「We Overtake TESLA」を掲げる理由
ビジネスモデルとしては、「車を作って売る」ことしか考えていません。
そうするのがいいと思っています。
なぜかと言うと、最初に言った「We Overtake TESLA」につながります。
「テスラを追い越す」と言いましたが、テスラは時価総額が高く、トヨタ、ホンダ、BYDなど全て足しても勝てないとTwitter上などで話題になっています。
EVの販売台数も伸びています。
でも価値はそれだけじゃなく、皆さん、「テスラなら、イーロン・マスクなら、何とかしてくれる」と思っているんですよね。
これは社会の力の源泉というか、「一緒に夢を見たい」ということだと思います。
自動車産業は変わらないと言われていたのに、彼らはEVを作り、自動運転機能を作り、新しい自動車メーカーを立ち上げました。
これは、無視してはいけない事実だと思います。
ロボットを作るなどとも言っていますが、やはり夢を与える会社であり、我々TURINGもそうなりたいと思っています。
だからこそ、きちんと車を作って売るのです。
トヨタの戦い方でテスラをコピーし追いかける
どうTURINGが戦っていくかと言うと、トヨタの戦い方を真似しようと考えています。
創業時、愛知県にあるトヨタ博物館に山本さんと一緒に行きました。
スライドの左の写真は、フォードが日本で初めて作った車のラインで、右の写真はトヨタが初めて作った車です。
トヨタは最初、「フォードやGMの真似ばっかりしてダサい」と言われていたそうです。
実は私も、トヨタで少しだけ働いていたことがあります。博物館でもそういうことが書かれています。
でもトヨタは、最後に世界一になりました。
▶トヨタ、新車販売台数3年連続で世界一…VWグループは中国や西欧で販売落とす(2023年1月30日 読売新聞オンライン)
我々もテスラの戦術と戦略を追いかけて、追いついて、追い越していくのがいいかなと思っています。
量産化に向け1つずつ階段を上がる
それではどうテスラを追いかけ、追い越していくかを話したいと思います。
テスラは最初、ヨーロッパのロータスという会社からロードスターという車を買って、さも自分たちが作ったかのように売ったのです。
スライドのグラフは、横軸が時間、縦軸が車両台数です。
最初は台数が本当に少ないですが、工場を作って1つ階段を上がり、海外に進出して3つ目の階段を上がっています。
我々も同様に、最初は改造車を作って売りました。
これが1つ目の階段だと思っています。
この階段と、今のTURINGの戦術を見れば何となく分かるかもしれませんが、我々も同じように階段を上がっていきたいと思っています。
1台売る、100台売る、そして量産化ラインを作る、これがTURINGの戦略かなと思っています。
▶自動運転EV開発のチューリング、自社初の車両生産拠点「TURING Kashiwa Nova Factory」を千葉県柏市に新設(PR TIMES)
我々はAIに取り組んできた人間なので、少なからず知識はありますが、やはりデータは大事なので、きちんとデータを取る仕組みも作っていきたいと思っています。
TESLAを追いかけ、追いつく夢を一緒に
皆さん、出資や参画などお力添えいたく形は色々あると思いますが、2025年までに100台販売するつもりですので、それを買っていただけたらいいなと思って、私はこの場に来ています。
一緒に夢を見られたらなと思っています。
よかったら、TURINGの車を買ってください。
以上、車を作るTURINGの紹介でした。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成