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ICC KYOTO 2023 クラフテッド・カタパルトに登壇した、諏訪田製作所水沼 樹さんのプレゼンテーション動画【感動の切れ味を誇るつめ切り!「諏訪田製作所」は若い職人があふれる工場で、燕三条の鍛冶屋の技術と革新に挑戦する】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に学び合い、交流します。次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはJ.フロント リテイリングです。
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【登壇者情報】
2023年9月4〜7日開催
ICC KYOTO 2023
Session 8A
CRAFTED CATAPULT 豊かなライフスタイルの実現に向けて
Sponsored by J.フロント リテイリング
水沼 樹
諏訪田製作所
HP | X(旧Twitter)
つめ切りの製造販売などを中核に、工場のオープンファクトリー化、ロンドンやベルギーに直営店を構えるなど、革新的な取り組みを続ける諏訪田製作所にて国内外のセールス / プロジェクトディレクション を担当。 排材を活用したアート製作PJや、Makuake PJなど挑戦的なプロジェクトを行う。 趣味はスキーとサーフィン。
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水沼 樹さん こんにちは、諏訪田製作所の水沼と申します。
新潟でつめ切りなどを作っております。
実際につめ切りをお手に取りながら、プレゼンテーションをお楽しみください。
私もそうですが、つめを切りながらプレゼンを聞く機会は今後一生ないと思いますので、ぜひここはひとつ、つめを切りながら聞いていただければと思います。
今日は、私たちの会社の活動を紹介しながら、最終的には「こういう会社があるのなら、クラフトの未来は明るいな」と思っていただけるようなプレゼンをしたいと思って、準備をしてきました。
それではよろしくお願いします。
世界的な金属加工の集積地、新潟県燕三条の鍛冶屋
私たち諏訪田製作所は、新潟県の燕三条というエリアにある鍛冶屋です。
金属を熱して刃物を作る、そういう会社です。
燕三条エリアは、新潟県のちょうど真ん中に位置しています。
この地では、400年ほど前から鍛冶産業が始まったと言い伝えられており、現在では世界的な金属加工の集積地として、4,000社ほどの会社が集まっております。
この燕三条でものづくりを行う私たち諏訪田製作所ですが、まもなく創業100年、従業員数が約60人、そのうち50人くらいが職人という会社です。
「面倒」を「感動」に変えるつめ切り
私たちの作るつめ切りのコンセプトは、つめ切りの「面倒くさい」の「面倒」を「感動」に変える、そんなつめ切り作りを目指しています。
それでは、まず私たちのつめ切り作りの工程をご覧ください。
良い刃物作りというのは、材料を真っ赤に熱して叩いて鍛えるところから始まります。
こうして鍛えた材料を使って、つめ切りを作ることで切れ味が生まれてきます。
そして、このように火花を散らしながら、職人が一つ一つ削って形を整えていきます。
最後に刃の部分ですが、2つの刃をぶつけて切るつめ切りですから、2つの刃の間に隙間がないように調整して、これくらいぴったりと合わせます。
これも職人技です。
このようにして、つめ切りを作らせていただいております。
こちらのつめ切りは、50工程、約2カ月かけて作るつめ切りです。
「面倒」を「感動」に変えますというのは、口では簡単に言えることですけれども、実際にそれを作ろうとした時にもちろん簡単にはできませんし、品物のスペックを徹底的に追求して作っています。
薄くて強い刃を作り、その2つの刃を寸分の狂いなくピタッと合わせる。
こういう技術によって、究極の切れ味が生まれていると思います。
つめ切り後の切断面がツルツルに!
いいつめ切りというのは、切った時にわかります。
つめの切断面が、ツルツルに仕上がります。
これは、つめを切った後につめがザラザラしないとか、ヤスリがけがいらないとか、あとは切る時にパチンパチンという音ではなくて、少し、コツッというような音が鳴るところからも、わかっていただけるのではないかと思っています。
私たちの作ったつめ切りは、これまで多くの方から「快感の切れ味」「つめ切りの概念が変わった」というような声をいただいてきました。
また、つめを傷つけずに切れることから、サロンや病院など、あらゆるプロフェッショナルの方にご愛用いただいています。
この写真はロンドンにあるTRUEFITT&HILL(トゥルフィット&ヒル)という世界最古の理髪店ですけれども、こちらでも我々のつめ切りを施術で使っていただいています。
日本中で職人が減り続け、製造企業が15年で半減
このように、世界中のお客様に使っていただけるようになっていますが、我々の前には大きな課題が立ちはだかっています。
それは、このような価値を生み出す職人が日本中で減り続けていることです。
我々のように、ものづくりを行う企業はこの15年で半減しました。
世の中からいい職人がいなくなっていく。
いい職人がいなければ、これから先の未来、新たないい品物が生まれづらいのではないかと思っています。
製造工程を見学できるオープンファクトリーに
そこで、私たちはものづくりのリーディングカンパニーとなるべく、新たな挑戦を始めました。
2011年、工場を改革しました。
通常閉ざされていたこの工場を一般の方に開放し、いつでも誰でも自由に見学できるオープンファクトリー(SUWADA OPEN FACTORY)にしました。
▶職人の技が光る!「諏訪田製作所」のオープンファクトリー/三条市(にいがた観光ナビ)
お客様にとっては製造工程を見られることで安心してつめ切りを買うことができますし、私たちにとっては正直ないつもの仕事をお客様にお伝えできる、そんな場になりました。
これまで、工場の中と外は閉ざされていた世界でしたが、職人がお客様から直接お褒めの言葉をいただくことも増えてきました。
年間5万人が訪れる工場
さらに2019年、工場の食堂(SUWADAショクドウ レストラン クイキリ)をオープン。
職人は毎日レストランで、美味しい無料のランチを食べることができます。
一般の方にも開放しており、これによってSUWADAに来ていただけるお客様の数も増えていきました。
12年経ち、今では年間5万人の方に訪れていただいています。
若手の職人、新たな取り組みが生まれる工場に
そして気づけば若手の職人がたくさん活躍する、そんな工場になりました。
そこで、新たな取り組みもたくさん生まれています。
工場で出た廃材を使ったアートプロジェクトです。
現在も、ヨーロッパの注文に向けて新作を製作中です。
▶ブランキングアート(廃材アート) オーダーメイド受注制作開始!(諏訪田製作所)
Makuakeでのチャレンジが大成功
また、Makuakeで行った新たな販路へのチャレンジや、新たな商品のプロジェクトも、非常に盛況となりました。
▶つめ切りは「面倒」から「感動」へ。SUWADAが贈る、スパッと快感の爪切り(Makuake)
ありがたいことにMakuake Award 2022では、全3,000以上のプロジェクトの中で第3位(Makuake Of The Year 2022 Bronze賞)をいただくこともできました。
▶応援購入サービス「Makuake」の表彰イベント「Makuake Award 2022」にて受賞プロジェクト及び各特別賞の受賞企業を発表(Makuake)
ものづくりをする職人の希望の星に!
このように、職人のための環境づくりを進めてきましたが、今では社員の約半分が20〜30代、そして男女比1:1の若い職人のあふれる工場になりました。
諏訪田 27.jpeg
これから先も、職人が思いきり仕事ができる世界であるように、そしてそこから新しく美しいものが生まれてくるように、クラフトの未来は明るいとみんなが思えるように、私たちは職人にとっての希望の星を目指して、これからも進化を続けていきたいと思っています。
皆様も、クラフトの未来は明るいと感じていただけたら幸いです。
ぜひSUWADAへお越しください。遊びに来てください。
ありがとうございました。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成