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【支援募集プレゼン】病気のこどもと家族を、美味しい食事と物資でサポートする「キープ・ママ・スマイリング」(ICC FUKUOKA 2023)

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ICC FUKUOKA 2023 ファンドレイジング – 社会起業家に寄付・支援しよう!に登壇いただいた、キープ・ママ・スマイリング光原 ゆきさんのプレゼンテーション動画【病気のこどもと家族を、美味しい食事と物資でサポートする「キープ・ママ・スマイリング」】の文字起こし版をお届けします。ぜひご覧ください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2023は、2023年9月4日〜 9月7日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください

本セッションのオフィシャルサポーターはICCパートナーズです。

【速報】まちなか留学で子どもたちの世界を広げる「HelloWorld」がソーシャルグッド・カタパルト優勝!(ICC FUKUOKA 2023)


【登壇者情報】
2023年2月13〜16日開催
ICC FUKUOKA 2023
Session 12A
<新企画>ファンドレイジング – 社会起業家に寄付・支援しよう! 
Sponsored by ICCパートナーズ

光原 ゆき
NPO法人キープ・ママ・スマイリング
理事長
HP

1996年一橋大学卒業後、株式会社リクルート入社。在職中はウェブメディアプロデュース・人事業務に従事。先天性疾患を持つ次女を出産、育児休暇中に亡くした経験から、2014年11月にNPO法人キープ・ママ・スマイリングを設立。子どもの早期回復のために付き添い家族の心身の健康は大切との思いから入院中の子どもに付き添う親への支援を行なっている。小児病棟の付き添い環境の改善、そして、病気や障害のある子どもを育てる親が笑顔でいられる社会を目指して活動中。長女と二人暮らし。


光原 ゆきさん 皆さん、こんにちは、キープ・ママ・スマイリングの光原です。

私たちは、入院中の子どもに付き添う、お母さん、お父さん、家族みんなを応援する団体です。

子どもの入院は、親になれば誰もが当事者になり得ることですが、小児病棟で付き添っている親、そしてその背景で課題になっていることはあまり知られていません。

今回、皆さんに是非知っていただきたく、応援いただきたく、やって来ました。

初めての出産で付き添い入院を経験

団体設立の背景となる私の経験から、まずご紹介します。

14年前、35歳の時に長女を出産しました。

その日に長女に先天性の病気が見つかり、救急車で大学病院に送られました。

8時間もの手術の後入ったNICUでは、たくさんの管に繋がれた術後の娘に一日数回しか会えませんでした。

その後、個室に移った時に看護師から、「お母さんも一緒に泊まり込んでください」と言われました。

「子どもが小さいと親も一緒に泊まり込むんだ」と、初めて知りました。

それまで私は医療サイトの編集長という仕事をしていましたが、それでも初めて知ったことでした。

上の写真は14年前の大晦日に、大学病院にある個室の子どものベッドの上で、娘を抱っこし、紅白歌合戦を見ながら年越しをした時の写真ですが、これが私の付き添い入院の始まりでした。

次女の生まれた意味を求めて

長女は半年後に退院でき、薬を飲ませなくても良くなった3年後、2人目の子どもを授かりました。

ところが、次女は長女よりもっと難しい病気を持って生まれてきました。

また手術、NICUです。

その後、治療のために、いくつもの病院で付き添いました。

残念ながら、元気に家に帰ることが叶わず、娘は1歳を目前に亡くなってしまい、私の付き添い生活も突然終わりを迎えました。

写真や動画を見て、泣くばかりの日々でした。

ですが、「彼女がいたから私が知ったことで、誰かの何かの役に立つことができれば、それが彼女が生まれた意味になるのではないか」、そう思うことで、やっと前を向けました。

その時に思い出したのが、この付き添いの日々でした。

小児病棟で経験して見聞きしたこと、これが活動の原点です。

付き添い者は病棟でさまざまな役割を担う

治療以外のケアを一手に引き受けるお母さんたちは、とても忙しいです。

今の医療制度上、大人も子どもも、看護師1人あたりが受け持つ患者数は同じなのです。

赤ちゃんの採血は、ドクター1人と赤ちゃんを押さえる看護師2人の3人がかりで行ったり、点滴のルートを取るのに1時間かかったりすることもあるにもかかわらず、です。

慢性的に人手不足の小児病棟において、お母さんがいないと小児病棟の医療現場は回りません。

とても重要な戦力です。

ですが、お母さんたちが置かれている状況はとても過酷です。

狭くて寝返りが打てないベッド、子どものベッドで添い寝することもありますし、電子音や見回りでよく眠れません。

そして多くの病院で付き添い者のご飯は出ないので、子どもが寝た隙に院内の売店、コンビニに走って買ってかき込む、そんな毎日です。

子どもが入院することで働けなくなって経済的に困窮した人は、スティックパン1袋で1日を過ごしたり、子どもの食べ残しを食べて過ごしたりします。

お風呂に入れなくて、夜、カーテンの中で体を拭くこともあります。

1カ月以上付き添う人の7割以上が体調を崩す

私たちの行った調査でも、1カ月以上付き添う人の7割以上が体調を崩していました。

私も、3カ月目に高熱を出して倒れました。

入院期間が長くなるほどお母さんたちは体を壊し、笑顔もなくなっていきます。

それでも、目の前で治療を頑張る子どもが一番大変だからと、自分のことは後回しになります。

辛くて苦しい治療をしている子どもを目の前にして、自分の大変さに気づいていない人もいます。

子どもは、親の顔をよく見ています。

辛くて苦しい時、一緒にいるお父さんやお母さんが笑顔でいることが、何よりも安心で、何よりも薬になるのです。

親が元気でいること、笑顔でいること、これは子どもの早期回復において、とても重要なものだと思います。

美味しいご飯を届け、付き添い者を笑顔に

ところが、先ほどもお話しした通り、病人ではない親へのサポートは本当にありません。

そこで、小児病棟で付き添う親の環境を変えたい、そう思い、娘が亡くなった2014年に、NPOを設立しました。

まずは、今付き添っている親への直接支援からスタートです。

私自身、一番辛かったのがご飯でした。

ですから、付き添うお母さん、お父さんたちに美味しいご飯を届ける活動から始めました。

都内からスタートし、全国に美味しいご飯を届けたいと思って、一流シェフに監修いただいて、野菜たっぷりの、食べたい時にすぐ常温でも食べられる美味しい缶詰を作り、ご縁のあった佐賀大病院から配り始めました。

小児病棟に入院する子どもに付き添う家族を「食」で応援するプロジェクト<お弁当deスマイリング㏌佐賀大学病院>(PR TIMES) 

コロナ流行下、今までにない過酷な付き添い生活

さあ全国に配っていこう、そう思った時、2020年、新型コロナウイルスが現れました。

院内感染を防ぐために、全国の病院で、面会と付き添いの制限が始まりました。

多くの病院で、付き添いの交代が禁止されました。

一度出たら、入れなくなりました。

それまでは、長期の付き添いだと、週末はお父さんやおばあちゃんに交代してもらい、たまに家に帰ればお風呂に入れたり、寝返りを打てたり、残してきたきょうだいの学校の参観に行ったりできましたが、それができなくなりました。

院内のお母さん同士の交流、コンビニに行く回数も制限されました。

結果、多くのお母さんたちが院内で軟禁状態になり、自分の買い物も不自由になりました。

何カ月も家に帰れず、家に残してきたきょうだいの面倒も見られない、精神的にどんどん追い込まれていきました。

協賛企業提供の食品・生活用品の配布で応援

そこで私たちは、そんなお母さんたちを応援するために、食品、衛生用品、生活用品を詰め合わせた、「付き添い生活応援パック」というものを、全国の付き添っているお母さん、お父さんたち一人一人に届けることにしました。

【23年5月より対象拡大】お子さんの長期入院に泊まり込みで付き添うご家族に「付き添い生活応援パック」を無料でお届けします!(キープ・ママ・スマイリング)

ここに現物をお持ちしました。

ウェブから応募頂き、全国の小児病棟に無償でお送りしています。

中身は、多くの企業におねだりをして寄付いただいているものです。

これを、スタッフみんなで心を込めて梱包して、商品を通してエールを送っています。

前回のICC KYOTOのソーシャルグッド・カタパルトでご縁を頂き、ユーグレナのジュース、獺祭(旭酒造)の化粧品、そしてジャパン・ファームプロダクツのドライフルーツを頂きました。

「付き添い入院」する家族に物資を届け、入院中の心と体を支援する「キープ・ママ・スマイリング」(ICC KYOTO 2022)

お母さんたちは、とてもとても喜んでいます、本当にありがとうございます。

全国のお母さんたちにお届けすることで、たくさんの声を頂いています。

こちらが、いただいた声です。

「ひとりじゃないと思えた」「子どもだけではなく、自分のことを気にかけてくれるのが嬉しい」「たくさんの企業、個人が応援してくれることで、心が支えられた」、そんな声が届いています。

これまでに、4,000人の方にお届けすることができました。

▶2023年6月12日時点で、協賛企業数は65社、配布数は4,800名超とのことです。

全国の病院も広報に協力してくださり、どんどん増えています。

ですが、小児病棟に1年に長期入院する子どもの数は20,000人以上と言われており、この支援を必要としている人はまだまだいます。

協賛企業数ももうすぐ60社ですが、それでもまだまだ商品は足りません。

デッドストックの寄付も貴重な支援に

新型コロナウイルス感染症が5類になろうとしている今でも(※プレゼンが行われたのは2023年2月)、病棟の制限はあまり変わっておらず、まだまだ今の状況が続くと思われます。

そこで、皆さんにお願いです。

この、全国で子どもに長期間付き添っているお母さん、お父さんたちを応援する商品を、是非、ご寄付いただけたらと思います。

病棟には電子レンジやお湯はありますので、過酷な日々を支える美味しいレトルト食品やパックご飯、フリーズドライのスープ、生活に欠かせない洗剤やシャンプー。

子どもが寝た後が唯一ほっとできる時間です、そんな時にちょっと食べるお菓子や、化粧品も嬉しいです。

これまで企業の皆さんから頂いた背景としては、お母さんたちを支援したいというCSRの観点は勿論のこと、ロゴやデザインの変更や、作りすぎによって滞留在庫(デッドストック)になったものもご寄付頂いています。

そのようなものが皆さんの会社にないか、考えていただけると嬉しいです。

また、お母さん向けの販売促進、プロモーションという観点でご寄付いただくこともあります。

個数はいくつでも構いません。

Salesforceがしてくださったように、自社商品がない企業では、従業員の皆さんのおうちに眠っている食べ物や生活用品など、応援できる商品を持ち寄るフードドライブというイベントを企画いただいても、とてもとても嬉しいです。

従業員の皆さんには、お母さんたちへの応援メッセージをカードに書いてもらい、商品に付けてお届けしました。

株式会社セールスフォース・ジャパン様がフードドライブ企画を開催くださいました(キープ・ママ・スマイリング)

指定商品の購入で応援

そして個人で、何か商品を送りたいと思ってくださった方、何があると嬉しいか分からないという方向けに、Amazonウィッシュリスト(ほしい物リスト)に、付き添いのお母さんたちが喜ぶ商品を登録しています。

Amazonウィッシュリストから入院中の病児に付き添うご家族に寄付しよう!(キープ・ママ・スマイリング)

病院は一年中温度が変わらず、無機質な空間なので、本当に季節が感じられないのです。

ですから、届いた商品から季節を感じて頂きたいと思い、季節の商品を登録していますので、是非、買って応援いただけると嬉しいです。

それでも付き添いパックを送るには、送料や梱包資材、それ以外にどうしても買わざるを得ないものを入れると、1つ3,000円ほどのコストがかかっています。

また、一人親で経済的に苦しい方には、これにプラスしてギフトカードの支援もしています。

私たちの活動の原点、食の支援も東京を中心に行っており、毎月100食ほど届けています。

そのため、お金の支援も、とても必要としています。

毎月固定で私たちの活動を支援くださるマンスリーサポーターさんは、今229名です。

是非、参加していただけたら嬉しいです。

法人向け賛助会員、ふるさと納税による寄付も可能です。

付き添い入院の現行制度改善へ動く

そして私たちは、お母さんたちの直接支援だけではなく、この30年、40年変わっていない付き添い入院の問題を変えたいと思っています。

今の制度上、付き添い者は原則不可で、付き添い者は誰もいないことになっています。

このままでは、この先30年も変わりません。

そこで、私たちは改善に向けて動き出しました。

2022年、付き添い入院の実態調査を行ったところ、3,600名を超える方から回答を頂き、「これからの人には、自分たちのような思いをしてもらいたくない」というたくさんの声を頂いています。

追加調査をし、春には結果をまとめて国に届け、現行制度の見直しを求めたいと思います。

ぞくぞく報道。こども政策担当大臣、「負担軽減に向け動く」3,643人の付き添い者の声が、国を動かしました。(キープ・ママ・スマイリング)

「入院中の子どもに付き添う家族の生活実態調査2022」を開始(PR TIMES) 

付き添いをなくしたいわけではなく、先ほども言ったように、子どもにとってやはり、一緒にいる親の笑顔は薬なのです。

子どもにとってどうあるべきなのか、一緒に議論して解決していきたいと思っています。

何より、皆さんに知って頂けることがこの問題の解決への大きな後押しになりますので、是非、周りの人にも話していただけると嬉しいです。

今が応援しどきのキープ・ママ・スマイリング

そして、啓発イベント、初のチャリティラッフル(※) をしようと思っていますので、商品の寄付を頂けると嬉しいです。

▶編集注:チャリティラッフルとは慈善を目的とした福引で、欧米では広く知られた募金活動。

ひと・もの・かね、特にもの・かねの支援を頂けると、とても有難いです。

是非、ご検討ください。

私たちは、まだ小さな脆弱な団体です。

1,000円の寄付のインパクトがとても大きいので、それ以上の寄付をすると、うちの団体で「神」と呼ばれます。

神と呼ばれるハードルの低いこのタイミングで、私たちの活動を支援頂けると嬉しいです。

そして今、認定NPOも申請中です。

認定NPOになる前から応援していたと言えるのも今です(笑)。

認定NPO法人とは? -メリットや課せられる義務-(freee)

私たち団体を推して頂けると、大変有難いです。

何か応援できそうだと思われたら、気軽にお声がけいただけると、とても有難いです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします、ありがとうございました。

▶編集注:キープ・ママ・スマイリングへの寄付は、公式ページ「支援のかたち」をご覧ください。

実際のプレゼンテーション動画もぜひご覧ください。

(終)

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/小林 弘美/正能 由佳/戸田 秀成

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