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注目ベンチャー特集「今、フィンテックが熱い」【F17-3E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その6)は、そもそもなぜ金融や会計といった領域で起業や経営をしようと思ったかについて各登壇者にお話いただきました。是非御覧ください。
ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。
井上 では、一旦ここで話題を切り替えたいと思います。
前段をまとめると、金融の民主化を行うことで、スモールビジネスや個人の方が金融のサービスを実践する機会に恵まれ、それによってリテラシーが上がり、実践を通して勉強することで行動が安定するというお話でした。
それらが整ってくると、先程東後さんがおっしゃっていたように新しい付加価値のようなものが高まる。
非常に面白い話だと思います。
話題を変えて、「今フィンテックが熱い」というテーマですので、皆さんは数あるビジネスの中からフィンテックのビジネスを選択し、今までの色々な経歴含めてこの領域に跳び込んでいらっしゃる立場だと思います。
ぜひフィンテックビジネスの面白さ、取り組みしていて何が面白いのか?ということや、こういう所が自分に合っているといった話をお聞かせいただきたいのですが。
では、頷いて下さっていた東後さんはどうですか?
スモールビジネス支援の入り口が会計やファイナンスだった
東後 いえ、回答がまだできていないので頷いていたのですが(笑)
こう言ってしまうとあまり良い回答ではないのかもしれませんが、freeeは「フィンテック事業」がしたくてこの事業を始めた訳ではありません。
会計ソフトを作りたくてこの事業をやっている訳でもありません。
シンプルに、スモールビジネスの人達が本業にフォーカスできるようにというミッションがあり、それを実現するためにバックオフィスという所に着目し事業を始めました。
ですので、実は会計ソフト以外にも給与計算であったり、会社の設立であったり、経営者の方々が困っている領域については、ファイナンスの領域以外もサポートしていこうと思っています。
一方で、なぜ入口となったのが会計やファイナンスの領域かというと、やっぱりスモールビジネスの人達が経営を行っていく上で、切っても切り離せない分野ですし、できればあんまり考えたくない部分だからです。
本当は事業にフォーカスして考えたいけれど、どうしても必要だし、せざるを得ないしという所がこの領域なので、そこに対してサービスを提供することが一番価値を届けることなのではないかと考え、この事業を行っています。
フィンテックを行いたくてこの事業を始めた訳ではありませんが、freeeのミッションからするとまず行うべき部分がここで、一番付加価値を見いだせる領域だから行っているということです。
先程もお話した、期待値と現状の差分が大きそうだと思った領域がここだったということだと思います。
井上 企業経営における会計や金融のど真ん中であるということと、ど真ん中であるにも関わらずまだまだ非効率なので差分が大きいということ、この二つが理由ということでしょうか。
東後 そうですね。
井上 なるほど。面白いですね。
内山 資金調達もそういった意味ではど真ん中です。
お金がないと事業はできないですよね。
井上 そうですね。
事業が回っている人が正しく調達できる環境へ
内山 事業者にとってお金の部分の悩みはやはり大きいものだと感じます。
10年前、我々の業界では貸金業法の改正が行われ、上限金利の規定が明確化された上、過去に取りすぎた利息の返還ということがおこりました。
その結果多くの貸金業者が倒産したという業界なのですが、現状としては倒産してプレーヤーが減ったままという状況で、新しいイノベーションも何も起きておらず、業界全体がある意味取り残されているような状況だったと思います。
なので、そういった業界に突っ込んでいくということ自体が面白いと率直に思います。
(ICCカンファレンスFUKUOKA2017 スタートアップコンテスト「カタパルト」登壇時)
内山 後は、私自身銀行で実際に融資を担当していたこともありますし、宮城の被災地で中小企業の方の支援をする活動も行ったこともあります。
そこでは、津波でお店を流されてしまった方が、お店を再開するための資金を調達する手続きのお手伝い等をしていました。
そこでは、資料をきれいに書ける人がお金を調達できるという世界でした。
被災する前事業がどれだけ上手く回っていたかですとか、どれだけの被害を受けたかということではなく、どれだけ良い絵が描けるかといったことが重視されていたので、何か本質からずれているなという課題の感覚を持ちました。
そうではなく、本当に事業が回っている人が調達できる環境に持っていけるのではないか、その非効率をテクノロジーで解決できるのではないかと考えました。
お金のことですのでインパクトが大きいですし、そのことが取り組みしていて楽しいと感じます。
井上 融資分野もど真ん中ですね。
柴山さんはどのような思いで事業をされていますか?
どの点が面白いと思いますか?
柴山 私は、起業した時「フィンテック」という言葉を知りませんでした。
井上 起業後に知った?
柴山 そうですね。
東後 確かに起業前からお話をしていましたが、フィンテックという言葉はお互いに一切発しませんでしたよね(笑)
柴山 そうですよね(笑)
フィンテックブームで事業を始めた世代ではない
柴山 フィンテックブームだから事業を始めたという世代では多分ありません。
今起業している方は、フィンテックということを意識的に選んで起業しているのかもしれませんが、私自身は起業してからまだ2年程度ですが、フィンテックという言葉が世の中に広がり出した段階でこの言葉を知りませんでした。
だから、「フィンテックが楽しい」「フィンテックであればいけそうだから」ということで起業している訳ではありません。
日々何のために事業を行っているかというと、先程もお話したように社会に安心感を提供することが最終的な目標です。
私は元々政府で働いていて、社会保障制度を担当していたこともあるので、そういった所に対する関心がとても高かったとは思います。
ご質問にお答えすると、一番楽しいのは、ものづくりをしているという実感があることです。
今までにないものや、サービスを作り、それを日々改善しています。
このことには正解がある訳でもありません。
だから自分達が正しいと思う方向で、あるいはお客様からのフィードバックを受けながらものづくりをしている。
私の場合、極力現場のチームに任せているので、サービス設計を行い、デザインし、実際にコードを書き、金融機関からのコンプライアンスチェックを受け、リリースするというこれらの作業を基本的には何もしていません。
「今月はこのサービスをリリースするのか」ということを社内の掲示板で見て知るという状況です。
けれども、私はユーザーとの接点を一番多く持っています。
セミナーに登壇していたりもしますので、そのユーザー視点で色々な助言を行っています。
現場に仕事を任せ、改善を行う。
このように、ものづくりをするということが僕は本質的に好きですし、実は多くの日本人が好きなことなのではないかと思っています。
それは、規制がない製造業では当たり前のことでしたが、なぜか金融や医療、教育といった規制産業では行われてこなかった。
例えば、学校の教育現場で小学校の先生方が改善活動をしているということを聞いたことないと思います。
なぜか行われてこなかった。
今作っているものは、形はないけれどものですし、ものづくりをしていると感じています。
今ウェルスナビというフィンテック企業を経営していて、何が一番楽しいかと言われると、それはものづくりを日々実感できることです。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら
続きは ユーザー体験のデザイン・最適化こそがフィンテックの本質である をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その7)では、「フィンテックとは何なのか?なぜ期待されているのか?」といった問に対して、各登壇者が語りました。ウェルスナビ柴山さんが語る「フィンテックの再定義」に注目です。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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