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「地方創生」は観光産業で実現したい(WAmazing加藤)【F17-2E #6】

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「今、インバウンド・ビジネスが熱い」【F17-2E】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!8回シリーズ(その6)は、インバウンド・ビジネスと地方創生の関係についてお話頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCカンファレンス KYOTO 2017は2017年9月5〜7日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 2E
注目ベンチャー特集「今、インバウンドのビジネスが熱い」

(スピーカー)

加藤 史子
WAmazing株式会社
代表取締役社長

紀陸 武史
株式会社Huber.
代表取締役CEO

董 路
日本美食株式会社
代表取締役

(ナビゲーター)

井上 真吾
ベイン・アンド・カンパニー・ジャパン
プリンシパル

「今、インバウンド・ビジネスが熱い」の配信済み記事一覧

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【本編】

井上 是非2020年を超えた今後のインバウンドビジネスの展望を教えてください。

紀陸 私は2013年頃からビッグデータとかAI関連の仕事に関わるようになりました。

その中で左脳を使うような人間の仕事が奪われていく未来が、すぐに実現する、と考えるようになりました。

しかし世の中は必ずバランスするもので、ロボットやAIが介在できない世界、人と人が出会って生まれる価値とか感動とかクリエイティブという、右脳的な価値が相対的に高まると思いました。

それが大きなトレンドになるだろうと思いました。

その時に、そういう世界の人の心のインフラを作りたいと思いました。

世界の人の心のインフラを作りたい

紀陸 僕は人がとても好きだったので、同様のテクノロジーを使って、人の心が豊かになる体験をリアルとネットを跨ぎながら作り上げられたら、その時代にその人たちの心を支えられると思いました。

大きなトレンドとして2020年以降もこの流れは続くと思いますし、国境とか時間と場所に縛られたビジネスは今後無くなっていくと思います。

もっと価値観によって好きな人たちが自然と集まれるような社会になっていくと思います。例えば観光がとても好きな人は日本に住み、IoTビジネスが好きな人はサンノゼに住む、とか。土地の持つ意味が変わる。

場所に寄って生きてきた人たちが世界と繋がり、もっと自由に趣味嗜好で住み分けが出来る時代になってくると思います。

そうなった時に、人と人のニーズをつなぎ合わせるグローバルサービスを提供できていたら、たくさんの人が仲良くなって、行き来もできるようになるのではないかと思っています。

そうなって欲しいと思いますし、そういうものを創っていきたいと思っています。

井上 物理的な制約が無くなっていくということですね。

紀陸 制約が無くなるし、それを超えて繋がり合える様になっていくので、心が通って会いに行きたいとなり、それが繰り返していけば、色々なものがボーダーレスになるのではないかと思います。

井上 AIも含めたテクノロジーが一部の仕事を奪うということはあるかもしれませんが、本質的な価値という部分、特に旅行でいえば体験や感動は逆に相対的な価値は高まっていくという部分について、加藤さんはどう思われますか?

体験の価値は高まり、地域活性化へとつながる

加藤 人間はいくらインターネットの時間が増えても、寝たり、食事をしたり、人と話している時間の方が圧倒的に長いです。

だからこそ世界のスタートアップの中でユニコーン(時価総額 1000億円以上の未公開起業)と呼ばれる様な企業でもリアル世界に対してビジネスをしているところが多いのだと思います。

Airbnbにしても、もともと存在していた宿泊という行動を対象にしていますし、Uberにしても車で移動するという原始的な行動を対象にしています。

昔でいう馬や籠の様なものが今はスマホで呼べるという風に、風味が変わっているだけともいえます。移動できるという価値は、昔と変化がありません。そのマーケットが大きいんです。

なので、人間の基本的な生活が一番事業として大きくなると思っています。

将来的には、地域活性化がしたいと思っています。その切り札が観光産業だと思っています。

加藤 日本の産業従事者割合は三次産業が7割以上を占めています。

三次産業は人が人にサービスする産業なので、人口密集度が高いところが有利になります。

そのため、三次産業で生活するためには東京に出るのが一番有利です。

しかし観光産業だけは、人口が少ない田舎にも人が移動してくれるので、地方でも成立する唯一の三次産業だと思います。

それが世界70億人を相手にするわけですからやるべきですし、それこそが地方が生き残る道です。

最近よく話題になる「地方創生」というものを、観光産業で実現がしたいと思っています。

人が愛着を持った土地で、自分の仕事を得てずっとそこで暮らそうと思えば暮らしていける観光を産業として地域に根付かせたいです。

その橋渡し役をスタートアップという手段でやりたいと思っています。

井上 具体的に地域や地方を活性化させるためにどういった仕掛けをするご予定ですか?

加藤 これからの個人旅行者を呼び込むには、自治体のトップが表敬訪問するといった方法のみでは、十分ではありません。ネットを駆使して、個人にリーチしないといけません。

WAmazingは空港という入り口で、SIMの無償化でアプリに集客し、そのアプリ上で、知られていない観光資源とのマッチングを行っていきます。

出所:WAmazing社 プレゼンテーション・スライド

井上 例えばWAmazing でSIMを入れて、きっかけをつかんだ方が地方に行ってTOMODACHI GUIDEを使い、レストランに行くという。

加藤 そうですね、「TOMODACHI GUIDE」は私たちには出来ないので。

紀陸 みんな想いは全く一緒で、人を送らないと始まりません。

外国人観光客が10人でも20人でも現地に行って、その町の人と触れ合った時に、その次の価値が生まれてくると思います。

とにかく分かりやすい形で人を送らないといけません。

加藤 「雪マジ!19」も、人を送ってしまいさえすれば、トラブルは発生するものの、皆、頑張って目の前のお客さんをもてなそうとします。

ただ連れてくることが難しいので、それこそが私がやるべきところだと思います。乱暴かもしれませんが、送ってしまえばどうにかなります。

(続)

続きは 「ガラパゴス is クール」日本は”アジアのスイス”を目指そう をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

Part6は、CtoC化するインバウンド・ビジネスではマスコミュニケーションではなく新しいコミュニケーションが求められるとの議論がなされたPart5とも関連する内容でした。(横井)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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