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1.クラウド・サービスの注目プレイヤーがデータ活用のリアルを語り尽くす!

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ICC KYOTO 2017「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」セッションの書き起し記事(8回シリーズ)をいよいよ公開!第1回は、登壇者の自己紹介からスタート。リクルートライフスタイルの大宮さん、プレイドの倉橋さんに、各社の注目高まるクラウド・サービスをご紹介いただきます。

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ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、ジョブカン(株式会社Donuts)様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 1B
クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?
Supported by ジョブカン

(スピーカー)

大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部
グローバルソリューション事業ユニット長

倉橋 健太
株式会社プレイド
代表取締役社長

東後 澄人
freee株式会社
取締役COO

宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

(モデレーター)

山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役

「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」の配信済み記事一覧

本編


司会 それでは、お時間となりました。

セッション1B、本日最初のセッションを開始させていただきます。

よろしくお願い致します。

ご登壇者を紹介致します。

リクルートライフスタイルの大宮さん。

プレイドの倉橋さん。

freeeの東後さん。

SmartHRの宮田さん。

モデレーターはHAiKの山内さんです。

それでは山内さん、よろしくお願い致します。

山内 宏隆氏 (以下、山内) おはようございます。

朝一の早い時間からご参加いただき、ありがとうございます。


山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役

1975年大阪にて自営業の家に生まれる。
東京大学法学部卒業後、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)入社。
2000年ドリームインキュベータ(DI)の創業に参画、2006年東証一部上場。執行役員として、IT・通信・メディア・コンテンツ・金融・商社・流通等の業界を中心に戦略コンサルティング・実行支援を行うと共に、スタートアップ企業へのプリンシパル投資・戦略構築・組織構築を手掛け8社のIPOを達成。15年以上に渡り一貫して「競争優位性の構築と成長の実現」を追求してきた。投資先であるアイペット損害保険株式会社代表取締役社長(日本損害保険協会理事を兼任)を経て、2016年株式会社HAiKを設立、現在に至る。

「スタートアップ・カタパルト」の裏セッションなので、好き勝手やらせてもらおうと思っています(笑)。

早速ですが、本日のテーマは「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」です。

かなり大上段に構えた、範囲が広すぎるだろう…というテーマですが、その辺りを幅広く議論していければと思います。

今登壇者のご紹介がありましたが、最初に各社のサービスについて、どういったことをされているのかを簡単にお話しいただけますか?

それでは順番にお願いします。

登壇者の自己紹介

大宮 英紀氏(以下、大宮) おはようございます、リクルートライフスタイルの大宮と申します。


大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部 グローバルソリューション事業ユニット長

エンジニアとしてキャリアをスタート。リクルートに転職後、「じゃらん」を担当したのち「ポンパレ」の立ち上げ及び事業拡大を経験。その後、「リクルートID・ポイント」の担当を経て、「Airレジ」を立ち上げ、サービス責任者として国内及び海外での展開を担う。

私はリクルートライフスタイルが今進めている「Airレジ(エアレジ)」や「Airペイ(エアペイ)」など、「Air○○」というサービスを担当しています。

本日はよろしくお願いします。

倉橋 健太氏 (以下、倉橋) おはようございます、株式会社プレイドの倉橋と申します。


倉橋 健太
株式会社プレイド
代表取締役社長

2005年に同志社大学を卒業後、新卒として楽天株式会社に入社。楽天市場事業のマーケティングおよびウェブディレクションチームにおいて、UX改善、モバイル戦略、顧客育成、商材カテゴリ別戦略など多岐にわたり担当。2011年10月に株式会社プレイドを創業。2015年3月にCX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」をリリース。

我々は、「KARTE(カルテ)」というサービスを提供しています。

よくプレゼンなどで、「あなたのサービスに今誰が来て、何をしているか知っていますか?」ということを言っています。

要はサイトにどういう人が来ているのかを把握し、その人たちに合わせてメッセージングなりサイトの表示なりを、しっかり変えていくためのサービスを、クラウドで提供している事業になります。

本日はよろしくお願い致します。

山内 では東後さん。

東後 澄人氏 (以下、東後) freeeの東後と申します、よろしくお願い致します。


東後 澄人
freee株式会社
取締役COO

2005年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し、IT・テクノロジー・製造業界を中心とした多数のプロジェクトを担当。中長期経営戦略からオペレーション、サプライチェーン改革まで、国内外のクライアントの幅広い経営課題に取り組む。2010年から、Googleにて日本の中小企業向けマーケティング、及びGoogleマップのパートナーシップ・ビジネス開発に従事。2013年に、全自動のクラウド会計ソフト freee (フリー) を開発・運営するfreee株式会社にCOOとして参画し、急速な事業拡大を牽引。
東京大学工学部卒。大学院では宇宙航空研究開発機構において次世代の宇宙ロケット推進薬の研究開発を行う。兵庫県出身。

freeeは、クラウドの会計ソフトですとか、人事労務のソフト、他には会社設立のソフトなど、いろいろな角度から中小企業の皆さんのバックオフィスをサポートするサービスを提供している会社です。

よろしくお願いします。

山内 では最後に宮田さん、よろしくお願いします。

宮田 昇始氏 (以下、宮田) 「SmartHR」というサービスを提供している、宮田と申します。


宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

サラリーマン時代、10万人に1人と言われる疾患を発症。完治の見込みは20%と宣告を受けるも、闘病期間中に傷病手当金(社会保険の一つ)を受給できたおかげで、リハビリに専念し無事完治。社会保険のありがたみを身をもって感じる。その後、2013年に起業。経営者としては社会保険手続きの煩雑さに課題を感じクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を発案。2015年11月にサービスを公開。利用企業数は2018年6月現在14,000社を突破。

最近テレビCMなども始めているのですが、SmartHRは会社の人事・労務まわりの煩雑なペーパーワークを便利にするクラウド人事労務ソフトです。

導入企業数は6,000社を超え、最近では社員数1万人規模の大きな企業でも導入が進んでいるサービスです。

どうぞよろしくお願いします。

山内 ありがとうございます。

ちなみに、今ご紹介いただいた4社のサービスを使っている、既に導入しているという企業の方はいらっしゃいますか?

結構いらっしゃいますね。

挙げていない方は営業先ですね 、後でよろしくお願いします (笑)。

(会場笑)

山内 早速ですが、クラウド・サービスのプレイヤーとして各社さん伸びていらっしゃいますが、今どのくらいの導入実績があるかをご説明いただきたいと思います。

ターゲットの規模によって、社数、流通額などいろいろな測り方があると思いますが、各社のサービスはどのくらい伸びていらっしゃいますか?

全国27万店舗が導入するPOSレジアプリ「Airレジ」

大宮 私たちは「Airレジ」というPOSレジサービスをメインにやっていますが、現時点で対外的に発表させて頂いている導入店舗数は27万店舗です。

出所:Airレジ

実はAirレジ以外にも、「Airペイ」と言われるカード決済サービスや、ゼロ円で使える飲食店様向けの予約台帳サービス「レストランボード」もあります。

山内 Airシリーズですね。

大宮 はい。これらを合計するとより大きな数字になるのですが、基本的に1つのID、「Air ID」と呼んでいますが、そのIDを持たれている店舗数で言うと、27万店舗くらいですね。

山内 さすがリクルートさんですね、規模が大きい。

大宮 立ち上げから3年半くらい、当初は反則だと巷で言われるくらい、iPadを配るとか、そういうパワープレイを使いに使って広げてきました。

山内 日本でゼロ円攻勢のようなものが似合う会社は、ソフトバンクさんかリクルートさんというイメージがあります。

僕たちのようにベンチャーをやっていると、まず、「あんなに営業マンいないよね」「あんなにキャッシュ持ってないよね」というところから始まるので、やはり桁が違うと思わざるを得ません(笑)。

大宮 まさにゼロ円でスタートした当時、僕はずっと「じゃらん」をやっていたので、「Googleが進出してきた時に、リクルートのメディア事業がどう破壊されるのか」ということがずっとテーマとして、僕の中にあったんですね。

そう思った時に、やはりリアルかつローカルで、ストック情報ではなくフロー情報をとにかく集めなくてはいけないのだ、という使命感に燃えました。

そしてAirレジを起案した時に、「とりあえずゼロ円で進めてみましょう!」と言ったら、そのまま本サービスまでいってしまいました。

山内 さすがリクルート社です。

そのままゼロ円でと。

まだまだかなり伸びそうな印象があるのですが。

大宮 そうですね、有り難いことに、おっしゃる通りだと思います。

リクルートの店舗接点が他社より多いというのももちろんありますが、今のところ、オーガニックに順調に伸びています。

リアル店舗にもかなり力を入れていて、「Airレジサービスカウンター」と言われる(店舗型の)Apple Storeのようなものを、ビックカメラさんとタイアップして全国に30店舗くらい作っています。

特にスタートアップビジネスでは、頑張ってネットでリード(見込み客)獲得した後、どのようにクロージング(契約)するのか、皆さん困られるケースが結構あると思います。

山内 ありますね。

大宮 そこを、ビックカメラまで足を運んでいただいたお客様へのリーチを広げることで、認知を上げていっています。

ビックカメラにはたくさんの方が来られるので、そこでとにかく認知を獲得させる方に頑張って動くというような形にして、営業リソースを上手く配分し、リクルートの直営以外での獲得も力を入れています。

むしろ今はそちらの方が多いですね。

山内 なるほど。

ちなみに、これは少し聞きづらいのですが、リクルート社は新規サービスを立ち上げる時に、いくら赤字を出して良いのですか?

聞いたところによると、リクルート社では数年以内に100億円(の売上)とか、そのような桁が見えないと新規事業から撤退してしまうというような話がありますよね。

大宮 種類がいくつかあります。

写真左から、大宮氏、倉橋氏、東後氏

リクルートでは社内で新規ビジネスを立ち上げるコンテストのようなものをずっとやっていますし、そのようなプログラムによって、実はイグジットの基準が決められています。

山内 なるほど、社内でルールがあるわけですね。

大宮 僕がリクルートに入社したのが10年くらい前ですが、その後、じゃらんから「ポンパレ」というサービスを立ち上げました。

当時初めてリクルートの中で新規ビジネスを立ち上げて、グルーポンさんとのマーケティング戦争のようなものが始まった時に、リクルートってこれほどまでに投資をするんだ、と実感しました。

相当な額で、本当に喜んだのはGoogleとヤフー、それから広告代理店だけで、2社が疲弊しながら投資し続けるという形でした。

今回のAirレジに関しては、どちらかいうと当初から「未来への投資」ということで、「ゼロ円で数年踏ん張りましょう」ときちんと説明してサービスを続けさせていただいていますので、大丈夫です。

山内 なるほど、羨ましいですね、ありがとうございます。

それでは同じ観点で、プレイドさんの場合は指標は社数だけではないと思うのですが、KARTEはどのくらい伸びているのでしょうか。

かなりきれいに伸びていらっしゃる印象があるのですが。

ECだけでなく人材や不動産、金融など様々な業種で導入が進む顧客体験プラットフォーム「KARTE」

倉橋 そうですね、弊社が顧客体験プラットフォーム「KARTE」をサービスインしたのが2年と少し前ですが、初期はアパレルなどのECを中心に広がり、現在は幅広い業種でご利用いただいています。

出所:KARTE

山内 彗星のごとく出てこられた印象があるのですが、構想・開発の期間も実は年単位で掛けていらっしゃったんですよね。

倉橋 リリース前に2年くらいは、リサーチやプロトタイプを作ったり何なりということをずっとやっていました。

今日の登壇者の中で唯一、データ活用を支援するサービスを提供している立場で申し上げると、データ活用を目的とした色々なサービスがありますが、たとえばそれらが最終的には統合されたりですとか、大局観から想定しなければならないことが結構幅広くあるなと思っています。

その方向性を定めるところで、かなり時間を使いました。

山内 ちなみに、まだまだ伸びそうですか?

倉橋 まだ始まったところだとは思います。

山内 そうですよね。

写真左から、大宮氏、倉橋氏

倉橋 今日のテーマでもあると思いますが、皆さん「データを活用できている、できていない」という話しをされる一方で、「データを活用できているというのはどういう状態か」を恐らくほとんどの企業が違う基準・違う目線で見ている状態です。

アクセス解析ツールなどがあるにせよ、まだデータ活用というものを一般化できていないと思っています。

そういった大きな流れで、僕たちが今お客様とお話ししている感覚だと、まだ皆さん「データに触れ始めたくらい」だという印象を受けています。

山内 まず可視化するところが大事ですからね。

倉橋 そうですね、インターネットについても言えると思います。

もともと僕は楽天にいまして、「楽天市場」のデータなどを活用しながら、楽天市場に来るお客様の体験、あるいはロイヤリティをどう上げていくかということをずっとビジネスとしてやっていました。

インターネットがサービスと消費者、サービスと利用クライアントの距離を大いに縮めてくれる一方で、人と人との距離、サービス提供者と消費者の距離というのは全然近づいていなくて、全くお互いが見えていない状態です。

機械が目を持つようになる、つまり「画像解析」という機械の目が発展すれば一気に生産性が変わるという話があると思うのですが、恐らくこれはインターネットにも言えることで、インターネットにまだ「目」がない状態だと思うんですよね。

これができるようになったときに、恐らくほとんどの事業、経営スタイルがアップデートされるだろうと考えていて、僕たちはそこをやりたいと思っているので、まだ始まったばかりという感覚です。

山内 分かりました、ありがとうございます。

(続)

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/本田 隼輝/尾形 佳靖/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

Airレジなどを展開するリクルートライフスタイルの大宮さん、KARTEを運営するプレイドの倉橋さんに、各社のサービスをご紹介いただきました。次回は、freeeの東後さんとSmartHRの宮田さんに、会計・人事労務系クラウドの今を解説いただきます!(尾形)

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