2.急速に進む会計・人事労務系クラウド・サービスの普及 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

2.急速に進む会計・人事労務系クラウド・サービスの普及

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「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」8回シリーズ(その2)は、中小企業から大企業まで導入の進む会計・人事労務系のクラウドサービスがテーマ。freeeの東後さん、SmartHRの宮田さんが自社サービスを語ります。そしてSmartHRの驚異の解約率が話題に。是非御覧ください。

▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。

ICCカンファレンス KYOTO 2017のプラチナ・スポンサーとして、ジョブカン(株式会社Donuts)様に本セッションをサポート頂きました。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。


【登壇者情報】
2017年9月5〜7日開催
ICCサミット KYOTO 2017
Session 1B
クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?
Supported by ジョブカン

(スピーカー)

大宮 英紀
株式会社リクルートライフスタイル
ネットビジネス本部
グローバルソリューション事業ユニット長

倉橋 健太
株式会社プレイド
代表取締役社長

東後 澄人
freee株式会社
取締役COO

宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

(モデレーター)

山内 宏隆
株式会社HAiK
代表取締役

「クラウド化とデータの活用で経営はどのように進化するのか?」の配信済み記事一覧

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1つ前の記事
1.クラウド・サービスの注目プレイヤーがデータ活用のリアルを語り尽くす!

本編


山内 freee社も相当な勢いで伸びていらっしゃいます。

僕たちベンチャーからすると本当に福音でして、安い料金で使わせていただいて本当にありがとうございます(笑)。

利用企業数の伸びのはいかがでしょうか。

80万社が導入するクラウド会計・人事労務サービス「freee」

東後 そうですね、今の時点でfreeeのユーザーは80万社くらいいらっしゃいます。

出所:freee

山内 相当ですね。

東後 “会計”も“人事労務”も合わせてですが。

▶編集集:freeeでは、クラウド会計ソフトfreee、人事労務freee、会社設立freeeなどの複数のクラウド・サービスを提供しています。〔当シリーズ(その1)も参照〕

最近では人事労務freeeをだいぶ使っていただけるようになって、人事労務だけでも約10万社に使っていただいています。

ただ、実はこの1年くらいは、ユーザー数はそこまで増やしていません。

freee株式会社 取締役COO 東後 澄人 氏

以前は個人事業主ですとか、少人数で経営されている法人ですとか、比較的小規模の事業者さんがfreeeユーザーの大半を占めていました。

freeeの機能が進化した結果として、どちらかというと中堅企業であったり、上場企業、上場準備企業などに使っていただけるケースが増えてきています。

そのような会社は、往々にして導入まで時間がかかったりするので、「飛躍的に数が伸びている」というよりは「対象の企業の幅が広がってきている」というのが、この1、2年くらいの変化かなと思いますね。

山内 確かに、freee社の分野だけでなくて、大企業がかなりクラウド・サービスを使うようになったなと感じています。

昔だったら、「クラウドなんて少し気持ち悪い。自社のシステムでやろう」という企業が多かったですが、今はどんどん変わっていっている気がしています。

しかしそれは社数などでは測れないですよね。

東後 社数だけでは測れないですね。

山内 何か、大企業や有名企業がポーンと変えてしまっているなと感じるのですが、それはやはり営業の成果なのでしょうか?

東後 営業もありますし、事例が段々出てくると「あそこがやっているなら、うちもやろう」という形で導入が進みます。

山内 なるほど、日本企業っぽいですね。

1社に導入されるとパタパタパタっと他の企業の導入も決まりますよね。

東後 これから上場しようとしている会社だと、今まで通りのやり方にとらわれず、クラウド前提のやり方を当たり前に考えている時代です。

ではクラウドサービスを使って上場できないのか、クラウドで完結したオペレーションでそのまま上場してやっていけないのか、というニーズが多く出てきている気がします。

ですので、そこに対してきちんと応えられるかどうかが、サービスを提供する側としては大事なのかなと思っています。

山内 なるほど、分かりました。ありがとうございます。

6,000社が導入するクラウド労務管理ソフト「SmartHR」

山内 最後になりましたが、SmartHRさん、いかがですか?

ホームページにもきれいに右肩上がりの曲線が出ていますが、かなりの勢いですよね。

宮田 ありがとうございます。

サービス開始してまだ1年半くらいなのですが、約6,000社に導入していただいています。

出所:SmartHR

山内 6,000社ですよね。

この前リリースで5,000社という数字を見たと思ったら、既に6,000社になっていて、どんな勢いで伸びているのだと思いました。

▶編集部注:2018年6月現在、利用企業数は14,000社を突破。

宮田 そうですね、成長率はかなり良い数字をキープできています。

さらに特徴としては、解約率が極めて低くて、毎月の解約率が約0.3%となっています。

ローンチ当初は、専任の労務担当者がいないような比較的小さい企業に使われることを想定していたのですが、最近では大手企業の導入が増えていて、一番大きい規模だと社員数1万人規模の企業にも導入いただいています。

機能も拡張して、従業員1,000名〜数千名規模の企業からも頻繁にお問い合わせをいただくようになってきています。

山内 社員数1,000名であれば、皆が名前を知っているような大企業ですよね。

宮田 そうですね、そういったユーザーがかなり増えてきています。

株式会社SmartHR 代表取締役CEO 宮田 昇始 氏

もともとはIT業界の割合が多かったのですが、最近では小売りチェーンや飲食チェーン、派遣会社、運送業など様々な業種のお客様がいます。

山内 急速に導入が進んだのは、この半年くらいでですか?

宮田 もう少し短いかもしれません、5ヵ月くらいでしょうか。

山内 何が変わってきたのでしょうか。

SmartHRさんだけではなくて、他の分野のSaaS(Software as a Service)もありますよね。

僕はコンサルタントをしていたので、大手さんから話を聞く機会が結構あるのですが、大手企業でもクラウドに対する抵抗感などが無くなってきていると思います。

この5ヵ月ほどで何が変わってきていると思いますか?

未開の市場を切り開き、解約率0.3%のサービスに

宮田 そうですね、世の中の変化と、サービスの進化の2つあると思っています。

世の中の変化については、やはり先ほどおっしゃられていたように、皆が使っているという安心感が広まってきていると思います。

たとえば「GitHub」(ソフトウェア開発のためのクラウドプラットフォーム)が出てきた時は、「ソースコードをクラウドに上げるなんて心配……」というような状況でした。

山内 ありましたね。

宮田 バックオフィスでも「会計データをクラウドに上げるなんて……」と。

僕らの場合だと、当初は「人事データをクラウドに上げるなんて」という反応だったのですが。

山内 そうですよね、個人情報の塊ですものね。

宮田 そうです。

やはりマイナンバー制度がはじまり、従業員のマイナンバーを収集しなければならなくなったことなどによって、セキュリティへの意識が高まったことや、様々なジャンルでクラウドが普及してきているというのが1つの変化です。

2つ目の変化は、私たちがサービスの提供を開始して約1年半の間に機能が大きく進化したことです。

当初は機能も少なかったのですが、新機能の開発や改善を繰り返しています。

そのために一気に大手企業でも使えるサービスに成長しました。

山内 次々と新しい機能をリリースされていますよね。

宮田 頑張っています。

山内 開発の方は結構徹夜が続いたのではないかとか思っています。

宮田 人事労務系のサービスを提供しているので働き方もホワイトです。

20時くらいには皆帰っています (笑)。

山内 失礼しました (笑)。

それと、SmartHR社のホームページを見て少し驚いたのですが、解約率を出されていますよね。

これは相当な自信だなと思っています。

というのは、昔やっていた投資の視点から見ると、サービスの解約率はもろにキャッシュフローと企業価値に影響するので、皆なかなか出したがりません。

それがホームページに出ていたので、これはすごいなと思いました。

しかもほとんど解約がありません。

それは何故なのでしょうか。

見たことがない数字でびっくりして、嘘なのではないかとも思いました。

宮田 解約率の低さがですか?

山内 はい、解約率が極めて低いですよね。

宮田 僕たちのジャンルですと、競合が、紙、Excel、ハンコ、郵送などです。

freee社さんが取り組んでいるクラウド会計の市場を考えると、会計ソフト自体は40年くらい前からあり、そもそも前身となるサービスが存在していた市場です。

僕たちの場合(人事労務の市場)は、未開の市場です。

まだ皆さんは、労務手続きは「手書きや郵送でやるものだ」という考えが強いので、「あ、こんなサービスがあるんだ」と知ってさえいただければ、かなり高い確率で導入していただけます。

具体的には、営業マンが商談に行くと、45%〜50%が成約に至ります。

山内 半分くらい決まるんですか?

宮田 決まりますね。

山内 とても良い営業ですね。

宮田 えーっとですね、製品も良いんです。

(会場笑)

営業マンも頑張ってくれています (笑)。

山内 失礼しました(笑)。

写真左から、宮田氏、山内氏

宮田 100名くらいの規模の企業だと、導入に至る社内決裁も比較的スムーズで、訪問せずに年間契約していただくこともあります。

決まりやすさに加え、使っていただくと、やはり手書きや郵送に戻ろうと考える人はいません。

「使ってみると便利だよね」ということで、非常に解約率が低くなっています。

山内 なるほど、ありがとうございます。

中堅企業や大企業がクラウド系サービスを使うようになってきたのはこの半年〜1年くらいの現象で、まさにそれらが世間に受け入れられるようになってきたという印象です。

やはり、そのように世間が変わってゆくと営業効率もよくなりますよね。

大企業に(新しいサービスを)導入してもらうには時間がかかりますが、1回の導入規模が大きく、何より1回導入するとなかなかやめにくいです。

導入するにもそれなりに社内説明をして手間を掛けて導入するので、なかなか変えにくいという傾向があります。

ですので、僕はクラウド系のサービスを見る時に、大企業にどのくらい入っていけるかということを結構注視するようにしています。

そういう意味で、クラウド系サービスもクリティカル・マス(商品やサービスが普及・定着するために最小限必要とされる市場普及率)を超えてきたのかなという印象です。

(続)

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続きは 3.クラウド型サービスを企業に導入して得られる付加価値とは? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/戸田 秀成/本田 隼輝/尾形 佳靖/鈴木ファストアーベント 理恵

【編集部コメント】

SmartHRは弊社でも導入していますが「これまでの書類作業は何だったんだ」と思うくらい本当に便利で、0.3%という解約率も納得です。次回は、クラウド・サービスの導入を一般化して考えたときの“付加価値”を探ります。ぜひご覧ください!(尾形)

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