グリーとgumiが仕掛けるVR市場振興に向けた取り組み【K16-8A #1】 – INDUSTRY CO-CREATION

グリーとgumiが仕掛けるVR市場振興に向けた取り組み【K16-8A #1】

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ICCカンファレンス KYOTO 2016 において大好評だった「VR/AR市場は今後どのように進化するのか?」【K16-8A】のセッションの書き起し記事をいよいよ公開!4回シリーズ(その1)は、グリー荒木さんとgumi國光さんにVR市場の発展に向けた取り組みについてお話頂きました。是非御覧ください。

ICCカンファンレンスは新産業のトップリーダー160名以上が登壇する日本最大級の招待制カンファレンスです。次回ICCカンファレンス FUKUOKA 2017は2017年2月21〜23日 福岡市での開催を予定しております。

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登壇者情報
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016
Session 8A
VR/AR市場は今後どのように進化するのか?
(スピーカー)
荒木 英士 
グリー株式会社 
取締役執行役員
國光 宏尚
株式会社gumi 
代表取締役社長
村井 説人
株式会社ナイアンティック
代表取締役社長 
(モデレーター)
山田 進太郎
株式会社メルカリ
代表取締役社長

山田 進太郎 氏(以下、山田) メルカリの山田です。どうして僕がこのセッションに参加しているのかと不思議に思われる方もいらっしゃると思います。

事業として中長期的にVR-AR市場の動向に関心があるということもあるのですが、個人的な興味が強いです。会社にVR部を設立して、無限の予算を活用して、ほとんどの機器を購入して試しています(笑)。

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山田 進太郎
株式会社メルカリ
代表取締役社長
早稲田大学在学中に、楽天株式会社にて「楽オク」の立上げなどを経験。卒業後、ウノウ設立。「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのインターネット・サービスを立上げる。2010年、ウノウをZyngaに売却。2012年退社後、世界一周を経て、2013年2月、株式会社メルカリを創業。

今日のスピーカーの方々は事業も立場も異なりますが、現状の取組をまず少し説明して頂いて、その後会場からの質問の時間としたいと思います。

インタラクティブなセッションにしたいと思っているので、スピーカー同士でも気になったことがあれば適宜聞いて頂いて、会場からも受付けますので、ぜひ聞いて下さい。よろしくお願いします。

まず、國光さんからお願いします。

國光 宏尚 氏(以下、國光) 山田さんが初モデレーターということで、珍しく緊張されているみたいですが、今日は話したいテーマがたくさんあって楽しみですね。

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國光 宏尚
株式会社gumi
代表取締役社長
私立岡山高校を卒業後、単身、中国へ渡り、上海の復旦大学に入学。
その後、中国・インドなどのアジア諸国・北米・中南米など約30カ国を渡り歩き、2000年にカリフォルニアのサンタモニカカレッジに入学。2004年、株式会社アットムービーに入社。同年に取締役に就任し、映画やドラマのプロデュースを手掛ける一方で、様々なインターネット関係の新規事業を立ち上げる。2007年6月、モバイルを中心としたインターネットコンテンツを提供する株式会社gumiを創業し、代表取締役に就任(現任)。

ポケモンGOが任天堂に与える業績の影響とかは皆さん気になっていると思うので深掘り出来たらいいなと思っております(笑)。

(会場笑)

gumiのVR市場に対する取り組み

私の会社がVRで何をやっているかを説明します。合計3つの取組みがあります。

1つは、VRのゲームを制作しています。2つは、Tokyo VR Startupsというインキューベーションプログラムを運営しています。(シリコンバレーの著名なインキュベーターの)Yコンビネータのように、スタートアップに1社あたり500万円~1,000万円を提供して、メンターや設備のサポートをしながら、半年後にDemo Dayをするプログラムです。

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荒木くんや(元グリーの)青柳さんにもメンターをお手伝いしてもらっています。日本発で世界を目指す会社を創り出そうとしています。

山田 この中で國光さんが1番いいと思うスタートアップはどれですか?

國光 全部面白いですね。当初の目標は、最低1社に次のシリーズAの投資をする予定でしたが、大概の会社が次に進めました。その中で既に公式に発表しているのがInsta VRで、GREE Venturesから資金調達しています。

VRでニーズが高いのは、不動産や観光地、レストラン、結婚式場でのコンテンツ作りなのですが、彼らがUnityエンジニアを雇って自分たちで作るのは難しいですよね。

このInsta VRを使えば、営業マンがRICOHのTHETA(シータ)などを使って写真や動画を撮影して、PCに取り込むと、あとは簡単にVRコンテンツを作れるというものです。

アメリカなどでは、コンテンツそのものを作るというよりは、VRのコンテンツを作りやすくするためのツールやディストリビューションチャネル、コンテンツクリーエーションのツールなどに注目が集まっています。

そういう領域がポテンシャルのある市場として大きいかと思っています。

いまプログラム1期が終わったところで、2期が9月28日に開所式を控えています。

東京で成功したので、これをグローバルに広げていこうと思っていて、韓国のYJM Gamesという会社とSeoul VR Startupsを作っていて、韓国でも同じような取組みを進めていく予定です。

もう1つの取組みは、Venture Realty Fundで、5000万ドル規模のファンドです。ゼネラル・パートナーのMarco Demiroz氏がJauntや8iといった米国のVR領域でも注目されるスタートアップのリードをしていたり、Tipatat Chennavasin氏は業界でもカリスマ的存在だったりします。彼らと一緒にファンドを運営しています。

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いまシリコンバレー発を中心として14社に投資しているのですが、後ほどそれらのスタートアップで面白いところを紹介できればと思います。

いま国内でもgumi本体で、ジョリーグッドという会社に出資しています。これは日本版のJauntです。

テレビや映像メディアが簡単にハイクオリティーのVRコンテンツを作れるようにするトータルソリューションを提供します。撮影の所からスティッチング、編集、配信までをワンストップでサポートします。

VRやARで1番大きいポイントは、既存のコンテンツが流用出来ないので、イチからVRやAR向けにコンテンツを作らないといけないことです。

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ただ、現状作るためのツールがほとんど無いので、ニーズがあると思っています。UGC(User-Generated Content:プロフェッショナルではなく、一般の人によって作成されるコンテンツ)は難しいかと。

動画系のUGCはたくさんありますが、一般の人が作る動画は、単純にカメラを置いて1方向を撮影するだけのものが多くて、飛び抜けて面白いものはなかなか生まれません。

なので、まずは、プロフェッショナルがしっかり面白いものを作って牽引していくことが大切だと思っています。

とりあえず、自己紹介として説明は以上です。本日はよろしくお願いします。

山田 有難うございます。続けて、グリーの荒木さん、よろしくお願いします。

グリーのVR市場に対する取り組み

荒木 英士 氏(以下、荒木) よろしくお願いします。

グリーでVRに取り組んでいるのですが、グリーはもともと新しいプラットフォームが好きな会社で、最初のソーシャル・ネットワークという新しいプラットフォームに飛びついて、次にモバイルインターネットが普及してきたらモバイル、そしてモバイルゲームとそのプラットフォームを作り、そしてスマートフォンに取り組んできました。

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荒木 英士
グリー株式会社
取締役執行役員
2005年、慶應義塾大学環境情報学部在籍時代に、複数のスタートアップの創業に参加。事業売却後、大学を卒業し、4人目の正社員としてグリー株式会社に入社。事業責任者兼エンジニアとして、PC向けGREE、モバイル事業、ソーシャルゲーム事業(「踊り子クリノッペ」等)、スマートフォン向けGREE等の立ち上げを主導した後、2011年、GREE International, Inc.(米国)の設立に参画し、SVP, Social Gamesを務める。2013年9月に日本に帰国し、グリー株式会社 取締役 執行役員に就任。

今度はVRが出てきたので、新しいプラットフォームとして世界を変えるかもしれないということで取り組んでいます。新しいプラットフォームには飛びつくというのがDNAに刻まれている会社です。

いまグリーとしては、大きく分けて3つのカテゴリーで事業展開をしています。開発/制作では自分たちでモノを作っていくというところ、それから投資、最後に市場振興ということでカンファレンスの開催や事業開発をしています。

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まず開発/制作についてですが、グリー内で、GREE VR StudioというVRゲームを作る専門部隊を作っています。これまでの1年弱で色々と制作してきました。

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東京ゲームショウに出展したゲームがあったり、モバイルでGear VR向けにグローバルで配信していたりします。

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あとは、つい先日発表させて頂いたのが、アミューズメントを手がけようということで、全国に何十店舗もゲームセンターを展開しているアドアーズさんという会社と業務提携をして、VRゲームセンターを共同開発しています。

2016年末には渋谷のセンター街に1フロア丸ごと使ったVRゲームセンター施設がオープンする予定です。

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これは先週発表させて頂いたもので、スクウェア・エニックスさんと人気モバイルゲームのミリオンアーサーのVR版を開発しています。東京ゲームショウに出展する予定です。他にもゲーム関連で色々と仕込んでいるところです。

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またフジテレビさんと提携して、ゲームではなく、インタラクティブなコンテンツを作るということで、VRの技術と企画力という部分とフジテレビさんの映像制作やキャスティングといった部分を活かして面白いモノを作るべく進めています。これはまだ発表に向けて仕込みを進めているところです。

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次に投資についてですが、北米のVR系スタートアップに投資をするGVR Fundというファンドを作っていまして、総額2000万ドル(約20億円)規模です。

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今年立ち上げたのですが、このスライドに書いてあるもの以外でも何社かあって、合計9社くらいはすでに投資をしています。

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先ほどのgumiさんのファンドと一緒のスタートアップに投資しているところもあるのですが、スライドにあるスタートアップを簡単に紹介します。

VRChatは、仮想空間でアバターになってアバター同士で会話を楽しむというコミュニケーションサービスです。Immersvというのは、VRのアドネットワークです。

3つ目のLittlstarというのは、Jauntに近いのですが、ディズニーやテレビ局からコンテンツをライセンスして、そのVRコンテンツを作り配信するプラットフォーム会社です。

その他にも色々ありますが、映像系、教育系、不動産領域など、かなり幅広く関わっています。

山田 この中で1番注目されている会社はありますか?

荒木 僕が好きなのは、VRChatです。仮想空間で自分がアバターになってボイスチャットが出来るのは、発想としてすごく分かりやすい。

世の中にいっぱい作っている人がいて類似サービスはたくさんあります。

それでも僕がVRChatをいいなと思ったのは、コミュニケーションサービスなので、機能としては他と大差なくても、コミュニティの作り方が鍵で、ユーザーが愛着を持つコミュニティを作れるかどうかがすごくセンスが問われると思っています。VRChatはすごくセンスがあると感じています。

初期のニコニコ動画のようなすごくカオスな雰囲気もあって、いいなと思っています。

山田 創業者はどういう方なのでしょうか?

國光 これは、元グリーアメリカの人ですよね?

荒木 グリーアメリカのインターンだったエンジニアです。

國光 先ほど僕が紹介したInstaVRも元グリーですね。だから、VR業界では、結構グリーマフィアが多いですよね。

荒木 有難うございます。最後に、市場振興ということで、Japan VR Summitというカンファレンスを開催していまして、今年も5月に開催してgumiさんにもご登壇頂きました。

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僕が思っているのは、日本のVR市場は、草の根の開発者はすごく盛り上がっていて熱量があるのですが、シリコンバレーと比べて、会社になっているところ、VRで起業する人があまり多くありません。

ただ、エンタメやゲーム系の企業も含めて、大企業が本腰を入れれば、相当普及すると思っています。大企業の上に立つ方々が、VRやARの価値やビジネスチャンスを信じて動いてくれれば、開発者コミュニティと合わさってVR市場が盛り上がっていくのではないかと思っています。

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なので、大企業の上に立つ方々にVR市場の盛り上がりを伝えて動かなきゃと思ってもらうために、このカンファレンスを開催しているところがあります。

このカンファレンスで、世界で初めて、Oculus RiftHTC VivePlayStation VRからそれぞれ責任者レベルの方が対談する機会を創ることが出来て、面白かったです。

ちなみに第2回は今年の11月に開催予定ですので、ご興味がある方がいらしたらぜひご参加下さい。以上です。

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山田 ちなみに、gumiとグリーでは、全従業員何名の内、VR・ARには何名くらいの方が関わられているのですか?

荒木 グリーは、社員が1,400名ほどいるのですが、30名くらいが関わっています。

山田 そこまで人数をかけているわけではないのですね。

荒木 ただ、日本の市場でVRの専属部隊が30名いるのは、結構多い方だと思います。

國光 あとはコロプラくらいですよね。私の会社は、社内は基本的に投資チーム中心で、外部とどんどん組んで進めていますね。VRには、圧倒的に自分の時間を使っています。

なので、共同代表のような形にして、ゲーム事業は川本の方に振って、僕の方は、VR・ARに注力している感じです。

山田 有難うございます。それでは、村井さんから、ポケモンGOの話はもちろん、ナイアンティック全体のお話をしてもらえたらと思います。

ナイアンティックの取り組み

國光 貴重な機会ですよね。あまりパブリックにお話されていないですよね?

村井 説人 氏(以下、村井) ほとんどしていないですね。引きこもりなんです(笑)。

ナイアンティックはあまり外に人を出すこともしないですし、私自身もあまり公に出て来ないですね。

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村井 説人
株式会社ナイアンティック
代表取締役社長
2015 年 12 月に株式会社ナイアンティック 代表取締役社長に就任。ナイアンティック初の現地法人である株式会社ナイアンティックの代表取締役として、日本市場における事業開発ならびにリアル・ワールド・ゲームの普及に努めています。
株式会社ナイアンティック入社前は、Google マップのパートナーシップ日本統括部長として、Google マップの発展に貢献してきました。2008 年から 2015 年にかけて提供されたGoogle マップで提供されたすべての新しい機能に従事し、Google マップデータの戦略的パートナーシップを構築するとともに、航空写真、インドアマップ、経路検索、Google Ocean、Google Moon など数多くの新しいサービスを日本市場に送り出してきました。また、2015 年には Australia/New Zealand maps のパートナーシップ業務の責任者としても従事しました。Google マップ以外では、Google Crisis Response 活動として東北復興などのさまざまな活動にチームの中核として貢献したほか、Google Art Project の日本の代表者として、同プロジェクトの発展に大きく貢献してきました。
Google へ入社する以前は、2006 年には GMO アドネットワークスに入社し、取締役として会社運営に従事しました。元 Twitter CEO の Dick Costolo 氏の立ち上げた FeedBurner Inc.とのパートナーシップに基づき、日本市場での RSS 広告ネットワークの構築、およびその市場の活性化に貢献してきました。1997 年に日本電信電話株式会社(NTT)にてキャリアをスタートして以降は、NTT-X で通信を切り口とした都市開発を担ったほか、NTT レゾナントではプロダクトマネージャーとして、ブログサービスの立ち上げや RSS 検索エンジンの開発に努めてきました。1997 年に成城大学を卒業。

國光 お話して何に驚いたかと言うと、村井さんのポケモンGOのレベルが14でした。低いですよね(笑)。僕の方がはるかに高いです。

(会場笑)

(続)

続きは「ポケモンGO」で注目のナイアンティックが持つ開発思想とは?【K16-8A #2】をご覧ください。

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/藤田 温乃


【編集部コメント】

続編(その2)ではナイアンティック村井さんに、IngressそしてポケモンGO開発の裏側にある開発思想についてお話頂きました。是非ご期待ください。今回の感想はぜひNewsPicks(ICCのNewsPicksページ)でコメントやフォローを頂けると大変うれしいです。

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