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「地域の魅力を最大化する街づくりの取り組みとは?」全7回シリーズの(その3)は、寺田倉庫の寺田 航平さんが登場。ITベンチャーの経営を経て、家業へ戻り、昔は何もなかった天王洲エリアを、徐々にアートシティへと変貌させていっています。その意図、手法とは?ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。
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【登壇者情報】
2021年2月15〜18日開催
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 4B
地域の魅力を最大化する街づくりの取り組みとは?
Supported by ノバセル
(スピーカー)
小池 洋輝
九州旅客鉄道株式会社
事業開発本部 まち創造担当部長
髙島 宗一郎
福岡市
市長
他力野 淳
バリューマネジメント株式会社
代表取締役
寺田 航平
寺田倉庫株式会社
代表取締役社長
西高辻 信宏
太宰府天満宮
宮司
(モデレーター)
各務 亮
THE KYOTO
Editor in Chief & Creative Director
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最初の記事
1. 福岡市 髙島市長も参戦!地域の魅力を最大化する街づくりを徹底議論!
1つ前の記事
2. 歴史的建造物の「保全」と「マネタイズ」を両立させる観光街づくり
本編
倉庫業から街づくりへ「寺田倉庫」寺田さん
寺田 航平さん(以下、寺田) 我々は歴史を紐解くというよりも、いかにして新たに街を創っていくかに取り組んでいる会社です。
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寺田 航平
寺田倉庫株式会社
代表取締役社長
慶応義塾大学法学部法律学科を卒業後、1993年に三菱商事株式会社に入社。2000年にデータセンター事業の株式会社ビットアイルを設立し、代表取締役に就任。2006年大阪証券取引所ヘラクレス市場(現JASDAQスタンダード市場)上場、2013年7月東京証券取引所第一部上場を果たす。2015年に同事業世界最大手である米Equinix Inc.のTOBを受け上場を廃止し、エクイニクス・ジャパン株式会社取締役COOに就任。2018年6月には家業である寺田倉庫株式会社取締役社長に、翌年6月には代表取締役社長に就任し、現在に至る。その他、経済同友会幹事、ベトナムオフショア事業大手の株式会社コウェルの代表取締役会長、株式会社イーブックイニシアティブジャパン及び株式会社マーケットエンタープライズの社外取締役、個人投資先として株式会社モブキャストホールディングス、アライドアーキテクツ株式会社など、多数のベンチャー企業にてアドバイザーを兼任。
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私は寺田倉庫の3代目ではありますが、もともとはITベンチャーを経営していました。
2000年に起業し、2006年と2013年に上場、その後TOBにより400億円で売却をし、実家に戻りました。
ちょっと変わった経歴で、ITベンチャー歴のほうが長く、フルデジタルの世界からアナログを守る世界への転換をした面白い例だと思って聞いていただければと思います。
我々の会社は基本的には倉庫業なので様々な保管サービスを提供していますが、少し特殊で、一つひとつの価値のあるものをいかに長く保管するかに取り組んでいる会社です。
例えば、ワイン(TERRADA WINE)、美術品(TERRADA ART STORAGE )や建築関連の模型(建築倉庫)、映像フィルムやテープ保管(MOVIE & AUDIO MEDIA STORAGE)などは、極めて繊細であり、お預かりする環境によってその価値が大きく左右されます。
このように、時代を経て価値を生むものをお預かりするための環境を提供するのが、寺田倉庫の保管事業です。
また、天王洲にある様々な空間、倉庫をイベントスペース(SPACE)として展開しています。その延長線上として行っているのが、水辺を活かした街づくりです。
天王洲の街づくり:ビル街から、人で賑わう空間へ
寺田 天王洲という島は埋立地なので歴史はそれ程古くありませんが、バブル時代に進んだ商業開発により、ビルだけの街になってしまいました。
結果としては昼の人口は5万人もいるのに夜は1万人もいない、何なら島の中には数千人しかいないような街になってしまい、街づくり開発においては失敗例として挙げられることも多かった街です。
そこに居を構えていた我々は、その学びを活かした街づくりを50年ほど行ってまいりました。
街というのは、人が集まらなければいけません。
仕事をするために集まる空間から、日々人がいて賑わう空間にするための取り組みを行っています。
例えば、ハードウェア面ではブルワリーレストラン(T.Y.HARBOR)など、倉庫をリノベーションしたダイニング、そして自力で電線を地中化、植林、ボードウォークの設置、水上宿泊施設(PETALS TOKYO)を生み出すなど、ある街で切り取った一角を天王洲で再現し、それらをもとに街全体を変えていこうとしています。
ソフトウェア面では、大規模フェスを開催したり、区や東京都とタイアップしたさまざまなイベントを実施したり、新進気鋭のアーティスト、行政と連携して街中にパブリックアートを描くプロジェクトなどにも取り組んでいます。
20世紀でもっとも影響力のあるアーティスト” デヴィッド・ボウイの世界観やキャリアを総括した大回顧展「DAVID BOWIE is」、スター・ウォーズ™の大展覧会 「STAR WARS™ Identities: The Exhibition」 なども当社イベントスペースで開催されました。このように魅力的な大型イベントの開催地として天王洲が選ばれるようになった事が、来訪者増加のきっかけになったとも考えております。
天王洲をアートシティに
寺田 現在街づくりの道筋として一番注力しているのが、アートの領域です。
もともと、天王洲という島の開発コンセプトは「アートになる島 ハートのある街」でした。
我々はアート作品の保管に取り組む中で、今後もっとアート業界全体を大きくできるのではないか、それを通じて天王洲という島を特色づけることができるのではないかと考えました。
ミッションとしては、ハイエンドな人だけでなく、普段の生活の中にアートを届けようとしています。
そのために、アートアワード(TERRADA ART AWARD)を実施して協賛を募ったり、画材ラボ「PIGMENT TOKYO」を経営したり、アート作品の梱包・輸配送・展示・修復などをワンストップでサポートする会社(TERRADA ART ASSIST)、建築倉庫を展示・鑑賞する美術館(建築倉庫ミュージアム)などを生み出してきました。
14のギャラリーが入居する日本一のギャラリーコンプレックス(TERRADA ART COMPLEX)もつくりましたし、月額500円でアート作品を預けられるサービス(TERRADA ART STORAGE ONLINE)なども展開しています。
また、昨年は、現代アートのコレクターズミュージアム(WHAT)や、、若手支援を目的としたアートギャラリーカフェ(WHAT CAFE)もつくりました。
これらによって天王洲をアートシティにして人を集め、さらにこの仕組みを地方に展開したいと思っています。
各務 ありがとうございました。
リアルとデジタルの展開やサービスの展開についても、後ほど議論していければと思います。
では西高辻??さん、よろしくお願いいたします。
(続)
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続きは 4. 太宰府天満宮が実践する「地域を支え、支えてもらう」街づくり をご覧ください。
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編集チーム:小林 雅/小林 弘美/尾形 佳靖/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸
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