2. COTEN深井 龍之介の主張「3つの条件」が揃うと人間は哲学的になる

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

「大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン6)」全8回シリーズ(その2)は、COTEN深井 龍之介さんがメインスピーカー。人間は何をしてきたのかというのを歴史を振り返ってみると、世の中の「当たり前」が変わるタイミングが何度かあったといいます。長い時間軸の中で繰り返す共通点が、私たちに教えるものとは? ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2022は、2022年2月14日〜2月17日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット KYOTO 2021 プレミアム・スポンサーのリブ・コンサルティングにサポート頂きました。


【登壇者情報】
2021年9月6〜9日開催
ICCサミット KYOTO 2021
Session 2B
大人の教養シリーズ 人間を理解するとは何か?(シーズン6)
Supported by リブ・コンサルティング

(スピーカー)

石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事

井上 浄
株式会社リバネス
代表取締役副社長 CTO

北川 拓也
楽天グループ株式会社
常務執行役員 CDO(チーフデータオフィサー) グローバルデータ統括部 ディレクター

深井 龍之介
株式会社COTEN
代表取締役

(モデレーター)

村上 臣
リンクトイン・ジャパン株式会社
日本代表

「人間を理解するとは何か?(シーズン6) 」の配信済み記事一覧


連載を最初から読みたい方はこちら

1つ前の記事
1. シーズン6突入! 前シーズンまでの「人間の理解」を振り返る

本編

村上 人間理解には、自然科学、脳科学、知性、教育学と、やはり様々なリベラルアーツが組み合わさっているのではないか。

これをぼんやりと思い浮かべながら、この後の話を聞いてください。

では深井さん、よろしくお願いします。

人間は何をしてきたのか──歴史から見えてきた共通点

深井 龍之介さん(以下、深井) はい、よろしくお願いします。


深井 龍之介
株式会社COTEN
代表取締役

複数のベンチャー企業で取締役や社外取締役として経営に携わりながら、2016年に株式会社COTENを設立。理念に「Create and deliver opportunities to apply meta-acknowledgement in daily(メタ認知を高めるきっかけを提供する)」を掲げる。3,500年分の世界史情報を体系的に整理し、数百冊の本を読んで初めてわかるような社会や人間の傾向・パターンを、誰もが抽出可能にする世界史データベースを開発中。COTENの広報活動として「歴史を面白く学ぶコテンラジオ(COTEN RADIO)」を配信。「Japan Podcast Awards2019」で大賞とSpotify賞をダブル受賞。Apple Podcastランキング1位を獲得。ICCサミット2021KYOYO他複数回登壇。NewsPicksにてリベラルアーツを語る「a scope」を連載。NTT「ナチュラルな社会をめざすラボ」顧問。

長い時間軸で見た時、人間は何をしてきたのかと考えると、一つの共通点が見えてきました。

僕はここ2、3年で、歴史に関する本を800冊くらい読みました。

村上 すごいですね。

深井 まだ完全に科学的には証明できていませんが、多分こうなんじゃないかと思えるものが見えてきました。

後で証明したいと思っているのですが、それをいち早く、ここで紹介したいです。

歴史上で「当たり前」が変わったタイミングとは

深井 過去、人間の社会において、みんなの考える「当たり前」が変わるタイミングがあるのです。

村上 常識のアップデートということですか?

深井 そうですね。今まさにそういう時代ですが、過去にもあるのです。

この、「みんなが考える当たり前」が確変するタイミングに、どうやら共通点があることが見えてきました。

村上 それはやばいですね。

深井 過去、考え方が変わったタイミングがどこだったか…。

村上 それぞれの時代にターニングポイントがあったということですね。

深井 はい、本当はもっとたくさんあるのですが、重要なものだけ抜き出してみました。

主に西洋で起こったタイミングですが、一番初めは、神話の時代から哲学の時代に移り変わる古代ギリシア時代。

アリストテレスたちの時代ですね。

紀元前500年くらいで、ちょうど同時期に中国では孔子、インドではブッダが生まれています。

その時代の人々の歴史は、神話だったわけです。

世界の成り立ちの説明も、すべて神話によってなされていました。

しかし、自分たちの頭で考え始めたのです。

村上 「天上天下唯我独尊」と言って生まれてきた人がいますからね。

深井 ブッダですね。まあ後付けですが(笑)。

そして一気に時代が飛びますが、宗教改革、ルネサンス、フランス革命…。

それぞれのタイミングで、僕たちの思考のOSと呼んでもいいようなものがバージョンアップしているのです。

Windows3.1から95、みたいなイメージですね。

だいぶインターフェイスが変わりますし、そうなると同じアプリケーションは使えません。

3つの条件が揃うと人間は「哲学的」になる

深井 その新しいOSに合わせて、社会制度なども全てアップデートされるという確変が起こりました。

それらの時代に共通していたのは、3条件です。

アップデートされる時は、人間が「そもそも、この世界とは何なのか」、そして今日のテーマである「人間とは何か」について必ず考え直しているのです。

そしてそうなるのは、これら3つの条件が揃った場合です。

超シンプルです。

まずは、「暇」であること。

村上 これは、私も前から思っていました!

古代ギリシアに星座を作った人なんて、明らかに暇ですよね。

深井 そうですね(笑)。

村上 だって上を見て、「あれ、子熊っぽくない?」と言って、議論して、「いや、熊ではない、犬である」などと話していたわけですよね?

深井 相当観察していないと、分からないですからね(笑)。

ご飯を食べるための行動に終始していない状態がある、ということです。

大事なのは、社会がそうあるのではなく、個人がそうあるという点です。

村上 個々人が、困っていなくて、暇な時間が十分にあるということですね。

深井 この3条件下におかれた人間は、哲学的な思考をし始めるということです。

そういう人たちの数が多い時代に、もしくはそういう人たちが社会を動かしうる立場にいる時代に、OSが変わってきたのです。

村上 貴族がいた時代もそうですが、ギリシア時代は奴隷制度があったから、その恩恵を受けている人が圧倒的に暇だったということですね。

深井 そうです。

村上 社会的なフレームワークではなく、個々人が。

深井 そうです。条件の1つが暇であること、つまり、狩猟や労働、戦争をし続けていない状態であること。

次に、自分が当たり前だと思っていることとは違う「当たり前」を持っている人の存在を近くに感じられること。

北川 面白いですね。

村上 さっきのこぐま座の議論みたいなものですね。「いや犬だ、猫だ、熊だ」と言っている議論の話ですね!

(一同笑)

北川 それは微々たる違いですよね(笑)。

深井 もう少しスケールの大きい話をしています(笑)。

例えば、「いや、あれは星じゃない」というような人が近くにいるということですね。

村上 「星とは何か」と言い始める人ですね。

深井 はい、「星は球体だ」「いや、そうではない」と言い合うような関係です。

井上 暇そうですね(笑)。

村上 圧倒的に暇でしょうね(笑)。

北川 この会話自体がそもそも暇そうですよね。

深井 暇じゃないと、このセッションも行われないということですね(笑)。

必死に生きているとき、人は哲学的にはならない

石川 結婚もそうですよね。

北川 結婚もそうですか?

石川 結婚すると、身近に全然違う人がいるようになって、ああ、服を脱ぎ捨てちゃいけないんだと思うようになる(笑)。

深井 哲学的になるんですね。

村上 条件はもう一つあるみたいですよ。

深井 はい、もう1つの条件は、このままではダメだという危機感です。

面白いことに、このうちの1つか2つが揃っている時代というのは、めちゃくちゃたくさんあります。

村上 ありそうですよね。

深井 でもその時代には、人は哲学的にはならないのです。

北川 なるほど。

深井 だけど3つが揃うと、「世界とはそもそも何だろう」と思うようになるようなのです。

では、満たしていない時代はどういう時だったかというと、ほとんどの時代は、食べていくのがすごく大変だった時代です。

バイキングがイングランドの修道院を攻めてきたり、織田信長が生きている室町時代には自分たちの領地を守るために日々殺し合いをしていたりするので、それだけで大変です。

村上 とにかく米が欲しい、という状態ですね。

深井 だから、「何で自分は生きているんだろう」と考えている暇がないのです。

村上 戦わないと死ぬからですね。

深井 例えばバブル崩壊後の日本は、危機感はあるけれど多様性がありませんでした。

色々な考えの人がそばにいるという状態は、実はあまりなかったのです。

北川 確かに、単一的ですよね。

村上 隣の人も同じ意見なので、議論にならないということですね。

深井 そういうことです。

そういう時は哲学的な思考があまり進まないのですが、現代は違うという話が最後に出てきます。

では、ギリシア哲学が興った時はどうだったかに触れましょう。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 3. 人の思考を変えた産業革命、宗教改革、世界大戦…それと酷似する現在の状況とは をご覧ください。

新着記事を公式LINEでお知らせしています。友だち申請はこちらから!
ICCの動画コンテンツも充実! YouTubeチャンネルの登録はこちらから!

編集チーム:小林 雅/星野 由香里/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

更新情報はFacebookページのフォローをお願い致します。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!