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組織の成長が踊り場を迎えたとき、小手先の改善(=「では」)ではなく、本質(=「とは」)を問うマネジメントの重要性を石川さんが提起します。また、非連続な成長を遂げるためには、時に「異常なこと」をする覚悟が求められます。小澤さんが明かす巨大事業を牽引してきた「マニアックな喜び」や、麻野さんが説くCxOを“外付けハードディスク”として使い倒す思考法など、圧倒的な成果を出すためのマネジメントに迫ります。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上が参加する。そして参加者同士が真剣に議論し、学び合うためのカンファレンスです。次回ICCサミット KYOTO 2026は、2026年8月31日〜9月3日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
本セッションのオフィシャルサポーターはEVeM、ココナラです。
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【登壇者情報】
2026年3月2〜5日開催
ICC FUKUOKA 2026
Session 5C
最高の成果を生み出すリーダーシップとチームマネジメントとは何か?(シーズン2)(90分拡大版)
Supported by EVeM
Co-Supported by ココナラ
(スピーカー)
麻野 耕司
ナレッジワーク
CEO / CPO
石川 善樹
公益財団法人Well-being for Planet Earth
代表理事
岩崎 由夏
YOUTRUST
代表取締役CEO
小澤 隆生
Boost Capital
代表取締役
宮川 愛
メルカリ
執行役員CHRO(登壇当時)
(モデレーター)
仲山 進也
仲山考材
代表取締役
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アンラーンを起こすには「では」をやめて「とは」で問う
石川 麻野さんの話を聞いていて、アンラーンする時の口癖について、多分大事だろうなと思うのが「では」の禁止です。
前職「では」こうだとか、他社「では」こうではなく、「とは」です。
○○「とは」何か、ナレッジワークス「とは」何かというふうにする。
「とは」で問うようにすると、アンラーンが起こりやすいのだと思います。

先ほど(Part.1参照)話した夏の合宿で、とんでもないアンラーンをしました。
一日の始まりとは何かという話になったのですが、僕はそれまでの40年ほど、一日は朝から始まると思い込んでいたのです。
でもイスラム系の人たちと話すと、彼らにとって、一日は夜から始まるらしいのです。
具体的に言うと、夜ご飯から始まります。
「321」というルールがあるようで、寝る3時間前までに食事を終え、2時間前までにお酒を飲むのもやめ、残り1時間は仕事やデジタルから離れて寝ると。
そういう、一日を夜から始める人たちがいるのです。
僕もこれをやってみようと思い、夕食を始める時間を一日の始まりと考えて一日を過ごすようになると、めちゃくちゃ調子が良くなったのです。
仲山 え、どういうことですか?
石川 規律性がものすごく出てくるというか……、夕食の開始時間がどう決まるかというと、寝る時間から逆算して夕食が行われるわけです。
ですので、今(※18:40分頃)、本当は夕食を食べなければいけない時間なのですが(笑)、もう一日は始まっているので 。
仲山 乱れてる、乱れてる(笑)。
石川 今日は相当乱れていて(笑)。
つまり、寝る時間と起きる時間に規律が生まれたので、体調が良いというか、脂肪肝もどんどん改善されていって(笑)。
多分、思い込みがたくさんあるのです。
日本「では」、一日は朝から始まると思い込んでいる。
僕らはもう「では」に汚染されすぎているわけです。
ですので、麻野さんから教えてもらった、「では」は禁止で、「とは」です。
「とは」で問うと、いろんなアンラーンが起こるきっかけになるのではないかと思いました。
宮川 組織の中には、いろんなどうでもいいルールがたくさんありますよね。
それを「とは」で問い始めると、「そもそもなぜそれがあるんだっけ?」となるので、考える力が育まれるかもしれません。
それはリーダーシップにとっても、特にAI時代にはすごく重要なのかなと感じます。
麻野 小澤さんに質問です。
先ほどもおっしゃっていましたが、ものすごい環境変化に見えます。
スタートアップの起業家をされて、ヤフーのような大企業の社長をされて、今はスタートアップのようなベンチャーキャピタルで、コンサルティングをされていますよね。
普通の人間はめちゃくちゃ戸惑ったり、違いに苦しんだりすると思いますが、傍から見ていると、戸惑いや苦しみがなさそうに見えます。
新しい環境に常に適応され続けているわけですが、どう適応されているのでしょうか?
信じがたい成長をするには「異常なこと」をすればいい

小澤 リーダーシップやチームマネジメントというのは、それ自体が目的ではないですよね。
私の場合、PayPayというものを作って、決済金額の最大化をすることで社会にあるお釣りというものをなくしたいという気持ちがあって、それを実現するために3,000人雇わなければならなかったし、雇わなければならないなら、それを上手にマネジメントしなければいけなかった。
その時のリーダーシップとは何ぞや、ということです。
組織というものは基本的に、自分がやりたいことを実現するために、規模などを適応させていくものです。
アンラーンとおっしゃいますが、うまくいっていたらアンラーンする必要はないわけです。
ZOZOや一休について話しましたが(前Part参照)、うまくいっているからカルチャーを変えなかったのです。
楽天はどちらかと言えば、あまりうまくいっていない会社を買うのが上手ですし、うまくいっていないから変えなければいけないのです。
うまくいっているのなら、そもそもアンラーンは必要ないと僕は思っているし、新しいことを何かしようとしたら、前と同じわけがないですよね。
皆さん、平穏に会社を経営したいわけではないですよね?
信じがたい成長をさせたいわけですよね。
マインドセットとして、競合と同じくらいの成長だったら許せないですよね。
それなら、正直、異常なことをしなければいけないですよね。
自分に異常なリーダーシップがあると思っている人だったらいいですが、私には、そんなリーダーシップはありません。
だとしたら、例えば数を異常にしてみるのです。
3,000人採用したら、他の会社は営業が100人くらいなので、他の30倍になるわけですよね。
その一点において、自分のリーダーシップとは関係ないところで勝てるかもしれない。
3,000人のマネジメントが大変かと言うと、志がなくたって、仕組みさえ作ればできます。
だって、お金を払えば人は動きますよね。
僕が、志を伝えるのが日本で一番上手であるわけがない、でも、日本で一番多くの人を雇えば成功するというロジックです。
巨大事業を成功させてきた小澤さんが明かす「マニアックな喜び」

小澤 それで楽しめますかと言ったら、うまくいかないですよ、マネジメントは。
僕は別にマネジメントの天才ではないですし、マネジメントで勝ってきたとは思っていません。
ただ、そこそこのマネジメント力でも勝てる市場を見つけて、もしくは支持を頂ければ、そこそこのマネジメントやリーダーシップで勝てるということです。
項目は4つほどあって、その組み合わせの問題です。
リーダーシップについては、僕は下手ではないかもしれませんが、10点中6、7点です。
人によっては10点ですよね。
リーダーシップが6点でも、採用数を増やせば、いきなり10点になるのです。
僕がヤフーを大好きだったのは、自分がやりたい世界を実現するために、お金を気にせず、リソースという人員の項目を10点にできたからです。
アンラーンするとしたら、「戦略」です。
麻野さんがさっきおっしゃっていたけれど、マネジメントのスタイルというよりは、Salesforceというプロダクトだったら、それ(プロダクトの力)で成立してしまいます。
全体の戦略の中で、「うちはSaleforceほど強くないんだよ」という。
うちのコンサルティングファームは、マッキンゼーやBCG(ボストン コンサルティング グループ)出身者がいますが、その看板なしで、あなた自身の名前で売れるわけがないだろうというところからスタートするわけですよね。
ある意味、その状態から戦略を考えて、売れた時の喜びを味わうために来ているのです。
僕は定期的に、ヤフーや楽天という看板をはずしたくなるのです。
めちゃくちゃ酷いことを言われますよ。
楽天を一度辞めた時は、新卒社員みたいな方に罵倒されながら営業をしていました。
それでも勝てる方法、自分ではなくても大丈夫な方法を見つけることにマニアックな喜びを感じるのです。
安住したくないのですよね。
20,000人の組織からいきなり2人の組織に移って、それで勝負できるのかという状況が楽しみで、趣味みたいな感じなので、大変楽しく過ごしております。
麻野 小澤さんは、ビジネスで勝つ、ビジネスを成功させるという目的意識がめちゃくちゃ強くて、マネジメントやリーダーシップへのこだわりが強くないので、どんな状況にも割と適応していけるということなんですかね。
マネジメント力の6割は「コミュニケーション力」
小澤 まあ、そうですね。
僕は、マネジメントは全く上手ではないですし、上手だと思ったことはありません。
上手な人がやればいいと思っています。
僕は、マネジメントが上手というのは、6割コミュニケーション力だと思っています。
組織が50人を超えて、100人、300人超えると、1対1では話せなくなります。
画面の向こうの人をワクワクさせる力、伝える力があったなら、70点くらい取れますよね。
例えば「甲子園行こうぜ、甲子園最高だぜ」と言って、「行きたいです!」と思わせられたら、つまり、給料と違うところでワクワク感を感じてくれたら、です。
新卒社員を300人採用しましたが、彼らの入社理由は給料ですよ。
生活のために入社してくるのです。
入社理由のベースは給料ですが、プラスアルファで、「そんな世界観を作りたい」と少しでも思っていただければ、それは僕にとってはボーナスなのです。
だから、マネジメントにおいて、コミュニケーション力をとても重視しており、口下手な人は少しハンデがあると思っています。
仲山 ありがとうございます。岩崎さん、今どんなことを考えていますか?
CxOというポジションは、CEOの外付けハードディスク

岩崎 リーダーシップとマネジメントは違うのだなと思って聞いていました。
今の小澤さんの話は、リーダーシップだったかなと思います。
今日は、何か吸収して帰ろうと思っていますので、自分の会社なら、どういう経営陣のコミュニケーション戦略になるかと考えています。
例えば、リーダーシップは岩崎で、夢を見せるのも岩崎、でも、私は正直、組織の仕組みをマネジメントするのはすごく苦手なので、そこは副社長が担当する。
1人で全部できる人はあまりいないのかなと思うので、皆さん、どういう勝ちパターンを採っていらっしゃるのか聞いてみたいと思いました。
メルカリはどういう体制ですか?
宮川 「チーミング」という考え方がありますよね。
経営チームとして、CEOが全部得意なわけではないが、ものすごく尖っている部分があったとして、それぞれのリーダーごとに役割は分かれていて、カバーしています。
私は、CxOというポジションは、CEOの外付けハードディスクだと思っています。
ですので、私はCEOの、人事や組織など人に関する思いと自分の思いを掛け合わせて実現をしていきます。
経営は本当にチーミングだと思っていますので、1人が全部やる必要は全くないとすごく感じました。
岩崎 もう一つ、LINEヤフーは特殊だなと思うことがあって、楽天やソフトバンクには、やはり創業者がカリスマリーダーシップを持っていらっしゃるイメージがあります。
それが一社員にとっては、夢を見られる大きな要素だと思うのです。
社長が何度も入れ替わり、創業者ではない人が社長を務めているにもかかわらず、社員に夢を見せ続けることに成功している企業はあまり見たことがないです。
からくりという表現が正しいか分かりませんが、そのからくり、なぜ創業者がいなくなってもうまく伝承されているのかの理由が知りたいです。
強烈な何かが必要かというと、そうでもない
小澤 いや、まずLINEヤフーは、それほどうまくいっていないですよね。
ちなみに、孫(正義)さんからスタートして、僕は5代目でした。
今日いらっしゃる皆さんの中には、創業者である経営者の方が多いと思います。
自分の会社の5代後って、想像できますか?
5代後の人のリーダーシップやマネジメントなんて、想像がつかないですよね。
全く別物ですよ。

株を持っているわけでもない状態で話さなければいけないとして、強烈な何かが必要かというと、そうでもないのです。
まず、ヤフー検索やヤフーニュースなど、会社のプロダクトが一つの求心力になります。
プロダクトが好きだから成長させよう、という軸ですね。
また、プロダクトを通じて社会を良くしようとか、みんなで給料を稼ごう、ボーナスを稼ごうとか、いくつかの軸でまとめることになります。
ですので、人事制度がものすごく重要になるのです。
時間の使い方としてどうかなと思いながらも、どうしても必要だったので、全体の3、4割は組織や人事制度について話していました。
なぜなら、社員の皆さんが頑張ろうと思うような仕組みを作らない限り、バラバラになるからです。
石川さんがおっしゃっていたように、会社が都市になった時、都市に住んでいる人はその都市全体の方針については考えないです。
彼らにとっては、自分の生活が主なのです。
でも、「汚いよりきれいなほうがいいでしょ」みたいな。
主従の従で、人の心を満たしていかないといけないという状態に陥るわけです。
必然として、です。
皆さんも、新卒社員として入った会社を、志だけで選んでいないですよね?
そういう状態でのマネジメントは、今(創業期)とかなり違います。
それでもうまくいったのはPayPayが作れたからで、PayPayが作れたことは僕にとってものすごく大きな事象でした。
1から作った会社の中で、2兆円でいきなり上場する企業なんてないですよね。
▶PayPay時価総額最大2兆円、日本企業の米上場で最高 12日に価格決定(日本経済新聞 2026年3月3日)
でも、特別な天才がいたわけではありません。
もちろん孫さんは天才でしたし、私も頑張りましたが、孫さん以外の人は、この会場にいらっしゃる人のレンジで作れます。
なぜ実現できたかと言われると、リーダーシップとチームマネジメントの要素は数十%ありますが、逆に、リーダーシップとチームマネジメントがないとできないという世界の戦いではなかったので、皆さんに伝えたいのは「大丈夫です!」ということですかね(笑)。
(会場笑)
(続)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成



