SmartHR宮田氏が実践する「新しい市場を切り拓く」情報発信とは?【F17-4D #5】 – 【ICC】INDUSTRY CO-CREATION

SmartHR宮田氏が実践する「新しい市場を切り拓く」情報発信とは?【F17-4D #5】

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「新しい市場を創造するための成功の鍵」【F17-4D】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!7回シリーズ(その5)では、SmartHR宮田さんに、現在及び将来の競合とどう勝負していくのか語っていただきました。是非御覧ください。

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【登壇者情報】
2017年2月21日・22日・23日開催
ICCカンファレンス FUKUOKA 2017
Session 4D
新しい市場を創造するための成功の鍵とは何か?

(スピーカー)

明石 岳人
ワンメディア株式会社
代表取締役
(当時 スポットライト株式会社/2017年11月1日より社名変更)

中山 亮太郎
株式会社マクアケ
代表取締役社長
(当時 株式会社サイバーエージェント・クラウドファンディング/2017年10月1日より社名変更)

宮田 昇始
株式会社SmartHR
代表取締役CEO

丸林 耕太郎
株式会社クリーマ
代表取締役社長/クリエイティブディレクター

(モデレーター)
田中 良和
グリー株式会社
代表取締役会長兼社長

「新しい市場を創造するための成功の鍵とは何か?」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】新しい市場を創造するための「成功の鍵」とは?【F17-4D #1】

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快進撃を続けるマクアケ中山氏が考える「クラウドファンディング市場の今後」【F17-4D #4】

本編

田中 次はSmartHRの宮田さんに質問したいと思います。

今までやってきた中で「このあたりが障壁だったな」と思うことを聞かせてください。

宮田 1つは過去にあった障壁の話ですが、私は人事労務の経験も知識も無く、サービスをローンチして半年くらい経った頃から、数百名以上の、想定よりも大きな規模の顧客が増えはじめました。

ユーザー企業の規模がほとんど50名未満の頃は大丈夫だったのですが、数百名といった規模になると、ある程度の業務経験や専門知識がないと正しいプロダクトをつくれませんでした。

田中 それはどうやって乗り越えてらっしゃいますか?

宮田 事業をやりながら、「自分たちはこの分野に取り組んでいる会社ですよ」という情報発信をしていました。

専門知識が無かったということは、自分たちがこういうサービスを作っていて、行政ともこのような連携をしているということを自分のFacebookに書いていたら、たまたまそれを見てこの分野の事業をやりたかった人が声をかけてくれました。

その方はこの分野で15年程の実務経験があったので、プロダクトをつくるのに十分な知識があり、ITリテラシーも高く、今は弊社のプロダクトマネージャーとして参加してもらっています。それにより今では数千名規模の大きなお客さんのニーズに応えられるような製品作りができています。

自分たちの情報発信で事業の障壁を取り払う

宮田 今ある障壁ですと、私たちは行政のAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を扱っているのですが、これがなかなか仕様的に使いづらい部分があったり、もともと法律にも近い分野なので、何か新しいチャレンジをする時に、時代にあってないような法律や、規制にぶつかって難しさを感じるところがあります。

これも、行政との連携や法律の壁にぶつかりながらも、APIの開発をしていることをTwitter等で書いていました。

実は行政の方もちゃんとエゴサーチをしているので(!)、私たちの存在を知ってくれて向こうからヒアリングに来てくれるようになり、どうしたらもっとAPIが使いやすくなるかとか、APIの電子化を進める上でネックになる法律は何ですかとか、そのようなお話をする機会やこちらから提案する機会を頂けたりするようになりました。

時間はかかりましたが、長い目で見るとこの障壁というものは取り払って行けそうだと感じています。

田中 ありがとうございます。

僕はネット業界を二分する戦のようなものが結構好きでして、ネット業界で生きているものとしてこんなに面白い戦いはないと思って日々ウォッチしています。

最近ですとクラウドソーシングを二分、三分する戦いとか、会計系ソフト業界を二分、三分する戦いとかです。

子供の頃から信長の野望と三国志が大好きでしたので、目の前で吉川英治さんの三国志を見るように興奮しているわけですが、このHR分野においてもこのようなことが起きるのではないかと遠目から楽しみにしています。

自分がこの事業をやっていたら嫌ですが、やっていないので、楽しんで見ています(笑)。

その中で、BtoB向けに営業していくと言うと、古いところではサイボウズさん等が良い例だと思います。

ソフトウェアにおいて表面上の仕様を模倣することは一見簡単です。また、一般的には企業ユーザーに寄っていくと、1割くらい値段が違うのであれば若干使いにくくても、こっちが安いと言われれば社内決裁が通り易い方に流れてしまったりしますし、逆に営業マン次第で2割くらい高くても売れてしまうようなところがあります。

そのため、必ずしもプロダクトとか先行優位だけが商品の成否を決定しないビジネス、むしろ後から来た方がダンピングするとか営業力で上手くいくようなことが起きてしまう業界かと思ってみています。

こんな中で、御社にとっては色々な競合が現れているのか、いないか?

いるならどう戦っていくのかとか、そういったことがこれからも続く障壁だと思うのですが、どのようにお考えですか。

なぜ労務をITで解決する発想が生まれてこなかったのか?

宮田 目先の話と将来の話を分けてお話したいと思います。最近は後発の競合さんが出てきていますが今は良しとしています。

例えば、近いジャンルでクラウド会計と比較します。クラウド会計がでてきたのはここ数年ですが、もともと40年前から会計ソフト自体は存在しており、それがクラウドの登場によって、安くスピーディーに提供できるようになったと認識しています。

世の中的には「会計はソフトウェアでやるもの」という認知は広くされており、実際に私も起業時には会計の知識は皆無でしたが、会計はソフトウェアでやるものだと当たり前のように思っていました。

一方、私たちのジャンルは「クラウド人事労務」と私は呼んでいるのですが、そもそも労務手続きをソフトウェアでやるという発想が、市場にありませんでした。ありませんでしたと言いましたが、今でもまだまだ大半の方が、紙、手書き、ハンコ、郵送、役所に出向くといったことが当たり前という認識です。

田中 それはなぜ無かったのですか?

宮田 社労士が使う専門家向けのソフトはあったのですが、それは何十万円も何百万円もの導入費用がかかりました。これを企業向けに売るとなるとお互いに採算が合わず出てこなかったのです。

クラウドの概念が登場したことによって、提供コストが下げられるようになったり、国がAPIを解放してより利便性の高いソフトウェアを提供できるなど、色々な要因が重なって、ユーザーが満足するものを提供できる環境が整いました。

ただ、まだまだ市場が無いというか、労務手続きをソフトウェアでやろうという発想が世の中にはありません。その啓蒙が必要なので、競合が出てくるのは今のところはウェルカムだと思っています。

ただ、後発のスタートアップやベンチャー企業には負けないとも思っています。今まで無かったジャンルなので、真似すべき相手が当社しかいません。

将来を見据え競合優位性を作る準備をしている

宮田 当社がどうやって開発しているかというと、ユーザーへのヒアリングや調査を通して、実際にどういう業務を行っているのか、どういう課題があるのかを、徹底的に研究し尽くしています。

うわべは真似できても、裏側の複雑なものは真似が出来ません。そのため他社はそこまで追いつけないと思います。これが最近の状況です。

宮田 一方で将来的には、昔からバックオフィス系業務ソフトを作っている大企業が参入してきたり、人材の大手が同じようなソフトウェアを無料でばら撒くというようなことをやられると少し嫌だなとは思っています。

そこに対抗する明確な競合優位性は正直今のところは薄く、単純に怖いなとは思っています。

一方で、怖いと思っているだけでは負けてしまいますので、詳しくは言えませんが、将来的な備えとして競合優位性を作る準備を今しているところです。

田中 ありがとうございます。確かに大きな会社がやると困るような気もしますし、問題ない場合もありますし、両方のパターンがあります。

大きな会社だと派閥争いや担当者でやる気が無い人がいたり、色々なことが起こるので一概には言えないところですが、今おっしゃられている様に差別化させるところなのかなと思いました。

丸林 田中さん道場みたいな雰囲気が良いですね(笑)

田中 話を聞いていると、僕だったらどうするのかということを考えてしまうのです。

心の病が色々あって、映画を観ていると大体15分くらいで、この映画のここを変えたら面白くなるのにとか作る側の気持ちになってしまって途中から映画が楽しめなくなってしまいます。

同じように投資先の判断なので、まさにおっしゃられたように、儲かるか儲からないかで決めないといけないのですが、だんだんその話よりも、自分だったらこうやるなとか何でこうやらないんだろうという疑問をぶつけてしまいます。

自分が間違っていることもあるので、自分が正しいと言いたいわけではないのですが、それに対するディスカッションをして話を聞きたくなってしまうという病です。

ということで、丸林さんにお聞きしたいです(笑)

(続)

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続きは Creemaがハンドメイド市場で挑む、市場を創る「文化づくり」 をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/立花 美幸

【編集部コメント】

行政の人たちがエゴサーチしていて、ベンチャー企業とAPI連携に相談を持ちかける、というのは目からウロコというか、とても意外でした。役所ももっと良いサービスを創ろうという思いは民間企業と一緒ですね(榎戸)

続編もご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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