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4.旅での出会いや体験が、新たなサービスやプロダクトにつながる【終】

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ICC FUKUOKA 2021で30分間のランチョン・セッションとして開催されたプレゼン企画「旅と出会い」。全4回シリーズの(その4)は、最後にモデレーターのファクトリエ山田 敏夫さんが、マイクロツーリズムの出会いから生まれたプロダクトを紹介。リラックスした雰囲気での旅トーク、最後までぜひお楽しみください!

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2021は、2021年9月6日〜9月9日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。

本セッションは、ICCサミット FUKUOKA 2021 ダイヤモンド・スポンサーのノバセル にサポート頂きました。


登壇者情報
2021年2月15〜18日開催
ICCサミット FUKUOKA 2021
Session 9C
【ランチョン・セッション】 プレゼン企画「旅と出会い」
Supported by ノバセル

(プレゼンター)

榊 淳
株式会社一休
代表取締役社長

村岡 浩司
株式会社一平ホールディングス
代表取締役社長

(モデレータ)
山田 敏夫
ファクトリエ
代表


最初の記事
1.一平ホールディングス 村岡さんが「動けない期間」で再確認した旅の価値

1つ前の記事
3.「日本で一度は泊まりたい憧れの宿」ランキング1位はどんな宿なのか

本編

出会いと仲間を大切にする村岡さん

山田 村岡さんと榊さんに質問です。

村岡さんは、出会いを大切にしている人だと思っています。

先ほどの「世界があこがれる九州」(※) も含め、「自分が」ではなく九州という括りで考えていますし、九州パンケーキも九州中の素材を使っていたりと、出会いや仲間集めが好きで、それはまさに旅と出会いの中心にある思想だと思うのですが、いつからそう考えるようになったのでしょうか?

▶編集注:Part.1で、「世界があこがれる九州をつくる。」という一平ホールディングスの理念を紹介。

また、なぜそうするのでしょうか?

村岡 なぜでしょうね、僕は九州が好きすぎる、楽しすぎるのです。

山田 「自分が」ではなく、「みんなで」「私たちは」と考えますよね。

村岡 ああ、そうかあ……。

いつくらいからかは分かりませんが、うちは小さい寿司屋からスタートしている会社です。

もともと僕は、寿司屋を継ぎたくはなかったのです。

一度海外に逃げ出して、事業を行っていました。

山田 アメリカにいたのですよね。

村岡 そうです。

でも事業に失敗して、28歳の時、父がまだ元気だったので助けてもらい、寿司職人になりました。

そして父が亡くなった後に、色々な事業を始めました。

寿司屋の職人も取引先も、みんな「親父さんがいるから」と考えてついてきてくれていた人たちでしたので、自分が新しいことをするのはすごく難しかったのです。

ですから、色々な人に手伝ってもらいながら、こういうことがしたいという自分の思いを伝えながら、20年くらい続けています。

山田 寿司屋に戻った時が、最初の転機だったのかもしれないですね。

「1人で」ではなくて、「この人たちを動かさなきゃ」という。

村岡 そうですね。

最初は「自分が、自分が」でしたが、一度打ちのめされたので、思いを伝えて知ってもらってから一緒にやらないといけないと考えたのかもしれません。

今、山田さんに言われて、そう思いました。

アメリカのワークライフバランスや体験重視の価値観

山田 榊さんも、旅とはいえないと思いますが、アメリカに住んでいた時期がありましたよね。

 はい。

山田 その経験と今の一休に、リンクするところはあるのでしょうか?

例えば、海外から見た日本の文化のような。

 あまり関係はないですね。

ただ、アメリカの富裕層や彼らのリゾートでの過ごし方には、影響を受けているかもしれません。

世界はその方向に向かっていますよね。

夏休みは、日本では1週間ですが、アメリカでは2週間取るのが普通です。

そういう文化が日本にも少しずつ入ってきていて、高級旅館や高級リゾートが売れるのは世界的な流れに乗っているからだと思いますね。

仕事ばかりするのではなくワークライフバランスを大事にする、高いものを買うよりも良い経験をするなどの流れに気づかせてくれた、きっかけの一つだったかもしれません。

コロナ禍でも客が訪れる宿

山田 一休において、コロナ禍で伸びている順調な旅館には特徴がありますか?

 昔ながらの旅館よりは、今風の旅館ですね。

例えば、みんなで入る大浴場や大きい食事会場を持つ旅館ではなく、こぢんまりとした半個室での食事や部屋食を提供していたり、部屋に露天風呂があったりといった旅館です。

そういう旅館は、感染症対策が万全ですと言いやすい状況なので、非常に売れています。

山田 なるほど、人にも会わなくて良いということですものね。

 そうです。

山田 部屋でご飯を食べられて、お風呂も入れますね。

 別のセッションでも少し話したのですが、家の近場にある旅館に行くのは、その人からすればステイホームなのです。

旅館は家の外だという感覚ではなく、それが一つの大きな市場になっていて、近所の宿に行くのをマイクロツーリズムと呼ぶ人もいます。

マイクロツーリズムとは?遠出ができない今、注目されている“マイクロツーリズム”について(びゅうトラベル)

山田 銭湯に行く感覚ですね。

 例えば、近くのコンビニは自分の家の冷蔵庫だという考え方もありますよね。

それと同じで、近くの旅館はもう一つのリビングという感覚です。

「別荘と旅館の違いは何?」と言ったら、食事が出てくるかどうかぐらいの差、そういう感覚なのだと思いますね。

山田 なるほど、そこまで生活圏だと捉えているということですね。

そろそろ、時間も残り少なくなってまいりました。

最後に僕から、榊さんからのお話を受けて、旅と出会いについてご紹介させてください。

サウナ西の聖地「湯らっくす」を愛する、ファクトリエ 山田さん

山田 お風呂といえば、熊本には、サウナ西の聖地と呼ばれる、湯らっくすがあります。

マイクロツーリズムで、僕のお風呂場なんですよね。

▶編集注:山田さんの実家は、熊本市下通商店街の婦人服屋「マルタ号」。ファクトリエは本社を熊本市に構える。

有名になったのは、原田 泰造さんが出演する『サ道』というドラマの最終話で取り上げられたからです。

TV TOKYO「サ道」公式ページより

会場に深く頷いている方がいらっしゃいますね、ありがとうございます。

この湯らっくすには、男性向けに水深171cm、女性向けに水深153cmの深い水風呂があります。

阿蘇の伏流水を使っているので、水温15℃ですがしびれません。

「ととのう」という言葉が流行っているように、今はサウナーが多く、これだけドラマで人気になったにもかかわらず、コロナ禍によって聖地である湯らっくすに、全国各地からサウナーが来られなくなってしまいました。

コラボ商品「ととのいタオル」を発売

山田 そこで湯らっくすの西生 吉孝社長と何かやりたいねと話をして、実際にサウナにタオルを入れた後、水風呂に浸けて、自然乾燥させる、「ととのいタオル」を作りました。

日本初!サウナでととのわせたタオル誕生!サウナの西の聖地「湯らっくす」コラボ 「ととのいタオル」ファクトリエのサイトで2月28日までの期間限定で発売開始(PR TIMES)

西生社長との出会いから作った、擬人化したタオルです(笑)。

村岡 概念で旅をする感じですね(笑)。

山田 水に入れているので、おしゃれに言うと、ワンウォッシュタオル(一度洗濯した状態のタオル)です。

タオル自体が「ととのって」います。

せっかくなので、全国のサウナーからデザインも募集しました。

100ほどの作品が集まり、そこからデザインを選んで、熊本美里町のタオル工場で作りました。

このコラボタオルが、2月1日に発売されました。

湯らっくすに行きたいけれど行けない皆さんはぜひ、この旅と出会いから生まれたワンウォッシュタオルをご購入ください(オンラインでは完売、現在は熊本店のみで販売中)。

良い旅と出会いを!

山田 一昨日、ふらっと湯らっくすに行ったのですが、ICCサミットの参加メンバーがたくさん来てくれました(笑)。

深井 龍之介さん、佐藤 光紀さん、北川 拓也さん、石川 善樹さんなど。

皆さん熊本にお越しの際に時間があれば、ファクトリエで服を買って、湯らっくすに足を運び、ととのってから自宅にお帰りください。

私からはコロナ禍での身近なマイクロツーリズムも含め、旅と出会いについて、でした。

皆さんにとっても、この福岡でのICCサミットへの参加が、旅と出会いになればいいなと思います。

ありがとうございました。

(終)

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編集チーム:編集チーム:小林 雅/小林 弘美/浅郷 浩子/戸田 秀成/大塚 幸

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