「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場 「Industry Co-Creation(ICC)サミット FUKUOKA 2025」(2025年2月17日〜2月20日開催)、2月19日に「SAKE AWARD」 (Sponsored by ICCパートナーズ) の決勝トーナメントが開催されました。11の酒造が参加し、酒のスペシャリストや酒を愛する審査員たちが2日間にわたって投票を行った結果、「平和酒造」が優勝に輝きました!

決勝トーナメントは、前日に行われた11社が参加した予選ラウンドを勝ち抜いた6つの酒造が、自慢の酒を出品。オフィシャル審査員、オーディエンス審査員総勢50名超が「ベスト・インプレッション」で評価。世界で戦えるSAKEを日本から生み出すことを目指すSAKE AWARD、4回目となる今回は6社から準々決勝で4社、準決勝で2社に絞られ、「平和酒造」が1位となりました。
結果速報・決勝トーナメント詳細


入賞企業と、決勝トーナメントの詳細は以下の通りです。
優勝:平和酒造
準優勝:haccoba
第3位:池原酒造(白百合)

決勝トーナメント

※予選7位以下は順不同にて掲載しております。
次のラウンドに進んだ(もしくは優勝した)企業に◎印をつけています。
決勝
◎ 平和酒造 「紀土 あがらの田で育てた山田錦低精米80% 23BY」
haccoba「hanamoto bretta-深熟-」
3位決定戦
◎ 池原酒造(白百合)「Shimmer白百合アワモリ株100%」
スモールジャイアンツスタジオ(CRAFT WONDER)「Rice Whisky Wonder MIZUNARA Aged 14 years Limited Edition」
準決勝
◎ 平和酒造 「平和クラフト A STUDY IN PINK」
◎ haccoba「zairai [forest]」
池原酒造(白百合)「白百合(30度)」
スモールジャイアンツスタジオ(CRAFT WONDER)「Barrel Wonder(バレルワンダー)」
準々決勝
◎ haccoba「Skey Skey Honey!」
◎ 平和酒造 「紀土 フュージョンサケ」
◎ 池原酒造(白百合)「白百合」
◎ スモールジャイアンツスタジオ(CRAFT WONDER)「Eisbock Wonder(アイスボックワンダー)」
能登の酒を止めるな!「#能登の酒を止めるな!/ 金瓢白駒×haccoba」
Kokage(ナチュラディスティル)「naturadistill 柚子加加阿蒸溜酒」
出品酒造・酒一覧
優勝:平和酒造
和歌山県海南市:平均年齢30歳、高野山の伏流水で醸す豊かな酒造り
酒造からひとこと
1928年創業。霊峰高野山の伏流水に恵まれた地にある酒蔵。廉価な大量消費のためのお酒の生産から脱却し、日々の人生に豊かな彩りを添えられる高品質なものづくりを目指す。
日本酒「紀土」リキュール「鶴梅」の他、近年ではクラフトビール「平和クラフト」の発売を開始。
醸造家の平均年齢は30歳。日々切磋琢磨しながら情熱をもって酒造りに挑み、日本の若者や世界へ酒文化を広めることに邁進している。
紀土 フュージョンサケ
紀州の風土をコンセプトにかもした日本酒、低アルコール甘めの純米吟醸酒にドライホップを施し日本酒とビールの技術の融合を目指しました。



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髙木 加奈子
平和酒造
ビール醸造責任者
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2011年に東京農工大学農学部生物生産学科を卒業後、同年4月に平和酒造株式会社に入社。入社後より清酒の製造と農学部の知識を生かして自社田の山田錦や自社畑の南高梅の栽培管理を行う。2014年よりクラフトビール事業の立ち上げに参画。2016年6月より平和クラフトというブランドでクラフトビールの販売を開始、2025年現在も販売を継続している。2019年よりビール醸造責任者として、醸造からパッケージング、レシピ開発まで幅広い分野で平和クラフトの製造を行っている。また清酒の分野でも、清酒専門評価者や南部杜氏資格を取得。社内での製造業務や社外での技術指導などに携わっている。清酒とビール両方の造り手として、日本ならではのクラフトビールの醸造を目指す。
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準優勝:haccoba
福島県南相馬市:ジャンルの垣根を自由に超えて生まれるクラフトサケ
酒造からひとこと
2021年2月、原発事故の避難で一時人口がゼロになった福島県の小高というまちに醸造所を設立。2023年7月から隣町の浪江でも醸造所を営んでいます。「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、かつての “どぶろく”文化やレシピを現代的に表現。ジャンルの垣根を超えた自由な酒づくりを行っています。
自分たちの事業を通して、自律的な地域文化と自由な酒づくりの文化を取り戻すことを、本気で目指しています。
「日本酒×ミード×バーボン」の新たな境地。
お米とはちみつで醸したお酒を、バーボン樽で2次発酵させています。
お米とはちみつのお酒がウイスキーの芳しい香りをまとい、思わずうっとり。



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佐藤 太亮
haccoba -Craft Sake Brewery-
代表
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「酒づくりをもっと自由に」という思いのもと、ジャンルの垣根を超えた自由な酒づくりを行う酒蔵「haccoba -Craft Sake Brewery-」を福島県の小高というまちで営む。かつて東北でつくられていた自家醸造酒のレシピを受け継ぎ、日本酒にクラフトビールの製法をかけ合わせたお酒をメインで展開。福島浜通りで酒蔵を営みはじめたら、気候変動というグローバルな課題がいつしか自分ごととなり、電力事業も始めている。慶應経済学部卒。楽天やWantedlyを経て独立。酒づくりの修行先は、世界一美味しいと思っている新潟県の酒蔵「阿部酒造」。
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第3位:池原酒造(白百合)
沖縄県石垣市:2度目の優勝なるか!? noma Kyotoに採用されたクラフト泡盛メーカー
酒造からひとこと
伝統を守り、常識を破る。小規模だからこそできる試みを武器に革新的な泡盛を製造している石垣島のクラフト泡盛メーカー。二人だけで造る泡盛はアメリカにも出荷されている。国内でも「シラユリスト」と呼ばれるファンとともにイベントを行い泡盛、白百合の魅力を発信している。
伝統の黒麹「イヌイ菌」で仕込み、粗濾過で仕上げることで、イヌイ菌ならではの風味と、白百合の濃厚な味わいを引き出した、力強い泡盛となりました。その味は、米国最大の出品数を誇るスピリッツコンペ(SFWSC)において、泡盛部門【最優秀金賞(ダブルゴールド)】と【ベストオブクラス】に選ばれました。



▶【速報】次世代のための泡盛を探求する酒蔵「池原酒造」が第2回 ICC SAKE AWARD優勝!(ICC FUKUOKA 2024)
スモールジャイアンツスタジオ(CRAFT WONDER)
東京都品川区:日本の小さな酒造の自由な酒造りを伝えるブランド
酒造からひとこと
日本のスモールカンパニーの伴走者となり、クライアントの事業や共創ブランドの成長を実現するスモールジャイアンツスタジオ。
そんな我々が運営するCRAFT WONDERは、小さな酒造たちの「徹底したこだわり」と「遊び⼼」から⽣まれる想像を超えた驚きの商品をお届けします。
こころ躍る瞬間-WONDER-を、丁寧に造る-CRAFT。
⽇本のクラフト酒造だからできる、⾃由でプレミアムなアルコールブランドです。
南ドイツで生まれた、ビールをタンクごと凍らせる醸造方法アイスボック。上澄みだけを一滴一滴ゆっくりと抽出することで味わいを凝縮させる、その製造方法の難しさから「幻のビール」とも呼ばれます。



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中川 裕章
スモールジャイアンツスタジオ
代表取締役 CEO
公式HP | オンラインショップ | 公式X
新卒で三越伊勢丹に入社。伊勢丹新宿店の婦人服売場にて販促・MD業務従事したのち、JMR生活総合研究所、博報堂コンサルティングにて、国内大手企業の新規事業開発やブランディング、マーケティング戦略策定等20以上のプロジェクトに従事。2016年より電通Y&Rにて、ビジネスプロデューサーとして地域ブランディングや企業の統合コミュニケーションに従事。2019年よりミーミルに参画し、セールス、マーケティングの立ち上げを牽引したのち執行役員就任。2023年に国内の「優れた技術を持っているのに価値に変えられない」等のスモールカンパニーの伴走者となり、スモールジャイアンツ(小さな巨人)を目指す誰もが事業をグロースできる世界の創造にチャレンジするべく、Small Giants Studio, Inc.を創業。慶應義塾大学経済学部卒業。エスモードジャポン特別コース修了。
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能登の酒を止めるな!
石川県能登町:全国24の蔵元が結集、能登の銘柄をつなぐプロジェクト
酒造からひとこと
令和6年1月1日能登半島震災を受けて全国24の蔵元たちと立ち上がったプロジェクト「能登の酒を止めるな!」の能登酒蔵の混成チームです。日本四大杜氏の一つである能登杜氏の発祥の地でもある発酵大国能登が震災で甚大な被害を受けました。彼らを支援すべく、全国の蔵元たちが集い、共同醸造という形で能登の酒蔵の銘柄を止めないことを目的に取り組みを行っています。業界でも初めてのこうした取り組みに、2024年度ACC GOLD、Makuake of the Year GOLDを受賞しました。


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鶴野 晋太郎
鶴野酒造店
14代目蔵元
公式HP
1989年生まれ。石川県能登町出身。株式会社鶴野酒造店14代目。大学卒業後の2012年にIT企業の富士通グループに新卒で入社。プログラマーとして、認証・認可のセキュリティシステム開発やiOS/Android/Windowsなど様々なOSのモバイルアプリ・Webアプリ開発を担務。設計や開発だけでなく、導入や運用という泥臭い領域まですべてを経験。「能登の風土と祭りという伝統文化、日本酒文化を残していきたい。日本酒造りがしたい。」という想いが強くなり、2019年に稼業の酒蔵にUターンし、すぐに日本酒造りに参画。2024年に令和6年能登半島地震で酒蔵が全壊。現在は、共同醸造という形で全国の酒蔵様からご支援をいただきながら酒造りに励んでいる。能登での再建を目指し、日々奮闘中。
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Kokage(ナチュラディスティル)
福島県川内村:日本の植物の繊細な香りをジンに閉じ込める小さな蒸溜所
酒造からひとこと
日本の固有植物に着目し福島県川内村にて自然の魅力を詰め込む蒸溜所『naturadistill(ナチュラディスティル)』です。元薬店倉庫を改装した村の中の小さな蒸溜所です。蒸溜酒づくりの文化を大切にしながら挑戦的につくり上げ日本の香りを世界へ届けます。
厳選したカカオの芳醇な香り、柔らかく繊細な柚子の風味を中心に、かやの実とジュニパーベリーで深みを持たせたnaturadistill初の季節限定ジンです。柚子は厚い皮により豊かな味わいを特徴とする福島市・信夫山の柚子を使用。カカオは高品質で国際的に人気が高まっているフィリピン・ダバオ市の農園から、どちらも現地より仕入れました。肌寒い日に包み込まれるような、香り豊かなジンです。(カクテルで提供)



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大島 草太
Kokage
代表取締役
公式HP | オンラインショップ | 公式X
1996年生まれ、栃木県宇都宮市出身、福島大学卒。大学へは教員を目指して入学したが、福島の原発事故被害のあった山間部の人々の魅力や海外からの風評に触れ、起業の道へ進む。3年次に福島県川内村のそば粉を使用したそば粉ワッフルの移動販売「Kokage Kitchen」を開業。4年次に地域おこし協力隊を経験し、クラフトビール会社「株式会社ホップジャパン」に入社、醸造に携わる。その後独立し「株式会社Kokage」を設立。高校生大学生と共に立ち上げたフルーツハーブティーブランド「Tea & Things」の運営や、蒸溜所「naturadistill(ナチュラディスティル)川内村蒸溜所」の立ち上げ等、仲間を増やしながら土地の魅力を福島から世界へ届けようと模索している。
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表彰式

(終)
編集チーム:小林 雅/谷 郁果/松久 聖/浅郷 浩子/小林 弘美/戸田 秀成