年に2回のカンファレンスに加え、ICCの新しい試みとしてビジネス・スタディツアーの企画が始動! その第一弾がカタパルトで優勝した柏谷泰行さん率いるMellowにて行われました。参加してくださったのは11社の経営者を中心とした方たち。ICCサミットに負けず劣らず、熱く盛り上がった模様をお伝えいたします。
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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2018は2018年9月3日〜6日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
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【開催情報】
2018年5月29日
ICCビジネス・スタディツアーvol.1
フードトラック・プラットフォーム「TLUNCH」(Mellow)
@恵比寿Mellowオフィス
【ご参加いただいた方々】
安藤 正樹 株式会社リクシィ 代表取締役社長
加藤 有也 株式会社講談社 IT戦略企画室 副部長
栗田 紘 seak株式会社 代表取締役社長
佐藤 健太郎 GMOペパボ株式会社 代表取締役社長
佐藤 裕介 ヘイ株式会社 代表取締役社長
藤田 功博 株式会社のぞみ 代表取締役
松本 龍祐 株式会社メルペイ 取締役CPO
茂木 潤一 キッコーマン株式会社 事業開発部長
森 雄一郎 株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役社長
諸戸 友 CROOZ VENTURES株式会社 取締役
山野 智久 アソビュー株式会社 代表取締役社長
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Mellowの「TLUNCH」については、こちらのプレゼンテーションをご覧ください。
▶Mellow「TLUNCH」はフードトラックと空きスペースをマッチングし、ランチ難民を救う(ICC FUKUOKA 2018)【動画版】
経営者たちが「TLUNCH」のランチを体験
参加者が到着する前に、Mellow CFOの山本英人さんに今日期待することをうかがいました。
「経営者の方々がいらっしゃるので、ぜひCo-Creationのお話ができたらと思っていますが、事業にとらわれず、いろんな話ができればいいと思います」
集合時間になると、参加者が続々と、Mellowのオフィスに集まってきました。
気持ちのいい会場の雰囲気と、11人と少人数のこともあり、早速名刺交換と自己紹介がスタート。会話が始まります。
参加者は3つのグループに分かれ、それぞれのグループには、柏谷さんをはじめとするMellowの経営に関わる方々、山本さん、取締役の森口 拓也さんとプロデューサーの前村秀之さんがついて、議論をファシリテートする役割を担います。
キッコーマン、アソビュー、のぞみ、seakと、食品・イベント系に関わる企業のテーブル
参加者が揃うと、早速Mellowのサービスを体験するため、オフィスから歩いて5分の広尾TLUNCHへ向かいました。
本当は下見時と同様、ブラジル肉料理のトラックとタコライスのトラックの2店が出店しているはずだったのですが、この日のタコライスは残念ながら車検のためにお休み。フードトラックならではの休業日です。そこで参加者は全員、ブラジル料理のトラックでランチをオーダーしました。
「ライス少なめ、サラダ多め」など、意識高いオーダーがみなさんさすがです。オーダーごとに肉を焼き、ソースなど個々の好みにも応じてくれるため少し待ちますが、その間もコミュニケーションタイムになります。
ハンドメイドマーケットminne などを運営するGMOペパボ株式会社の佐藤健太郎さんに、モビリティサービスでも、フードトラック以外に注目していることをお聞きしました。
「こういった車が自動運転になると、運転の時間が空きますよね。その間にできること、たとえば音声のサービスなどに注目していますね」
京都から参加した株式会社のぞみの藤田功博さんは、ちょっとした遠足気分を楽しんでくださっているようです。
「なんか楽しいね!京都はあまり高層ビルがないし、飲食店の力が強いから、店先にお弁当を並べることはしても、フードトラックはあまりないんです。こういう課題と課題をぶつけて解決するサービスは、すごくいいと思います」
オフィスに戻ると早速ランチタイム。下見レポートでもお伝えしたとおり、期待を裏切らないボリューム満点のランチに、参加者のみなさんは満足いただけたのではないでしょうか。
ランチの間も止まらないディスカッション
ランチの間も、すでに参加者の間でディスカッションが始まっています。その時間は別途あるのですが、それが待ちきれない様子です。
TLUNCHの出店者をどう選んでいるのか、どう集客するのか、出店者同士のコミュニティやアワードなど表彰制度はあるのか、質を上げるために、どんなフィードバックをしているのかといった出店者に関することから、Mellowの組織の採用、出店料や収益の仕組みなど、経営者視点の疑問や提案と、多岐にわたった話題が出ています。
経営視点の質疑応答が熱い
ランチが終わると、柏谷さんからTLUNCHについて、さらに詳細で最新の情報が入ったプレゼンテーションが行われました。それについても参加者から次々に質問が飛びます。
現在約70地点をカバー、見込みの10%程度だそうで成長の余地が大きいとのこと
「現在の出店場所のカバー率は?」
「季節変動はあるのか?」
「大規模ビル前での出店だが、テナントの飲食店とはカニバらないのか」
「完全直営店はなぜやっていないのか」
「ユーザーのデータはとっているのか」
お忙しい時間を縫ってご参加いただいたヘイ株式会社の佐藤裕介さん
場が温まりすぎています! 核心に切り込む質問の数々に柏谷さんも応戦します。
その最後で、参加者に聞いてみたいこと、話し合ってほしいテーマが柏谷さんから提示されました。
・フード以外のモビリティサービスのアイデア
・自社とのコラボ企画
・Mellow、もっとこうすれば?という提案
・Mellowのリスクはどんなところにあるか?
・新規事業のアイデア
このような率直な疑問を、他社の経営者たちに聞ける機会はあまりないのではと思います。しかも集まったのは、最前線で活躍する当事者であり、経営を語ることにかけては一流の方々ばかり。しかもMellowに興味を持って参加されている方々です。
GMOペパボ、メルペイ、FABRIC TOKYOと、Eコマース系の企業のグループ
各テーブル、真剣な討論が始まりました。爆笑があがるテーブルあり、冷静な議論が続くテーブルあり。参加者の方々から次々に質問や提案が投げかけられ、各テーブルについた、Mellowの方々がそれに返答。さまざまな意見が交換されていました。
討論が終わると、参加者一人ひとりが自分のビジネスに学びになったことや感想を発表しました。
参加者がこの日の学びと提案を発表
「日本酒のイベント、SAKE Springという1万人規模のイベントを、京都中心に商業施設などで行っています。空地を活用するということで、今日はとても勉強になりました。フードイベントが週末に増えている今、主催者と組んで、フードはすべて任せてくださいという形でやってみるといいのではと思います。僕らはお酒を持っていくので!」
Seak株式会社 代表取締役社長 栗田紘さん
▶seak「LEAP」は、就農プラットフォームで”素人でも農家になれる”仕組みを創る(ICC FUKUOKA 2018)【文字起こし版】
「農業フランチャイズビジネスをやっています。ビジネスモデルは本質的に似ているので、前々から柏谷さんには学ばせていただいています。今日はステーキランチを食べたのですが、野菜食べてほしいなと思います。
(会場一同笑)
健康志向も高まっていますし、野菜サラダのフードトラックやマルシェなど、中長期的にご一緒できることがあれば」
アソビュー株式会社 代表取締役社長 山野智久さん
「一つのビジネスモデルを掘り下げて話をするというのはいいなと思いましたし、刺激になりました。アソビューではレジャーの体験を販売していますが、ユーザーコミュニティをしっかり活性化させようしていて、1カ月に1回、ユーザー向けイベントを開催しています。いまは小規模ですが、将来的には5000人ぐらいのイベントをフェスみたいにやりたいと思っていて、フードのところで組んでいければと思います!」
キッコーマン株式会社 事業開発部長 茂木潤一さん
「しょうゆを1滴も入っていないものも対象として新規事業を考えています。このテーブルで私が話させていただいたのは、ビルのオーナーや飲食店のコラボで、セントラルキッチンや倉庫など、その人たちの食材まで運んであげて、それから自分たちの商売をするなど、それがあればいいなと思えるサービス。
個人的には、移動販売のほうがうまくいく人、箱(レストラン)のほうがうまくいく人、それぞれあると思うので、その2つを分けず、お互い動けるようであればいいと思います」
CROOZ VENTURESの諸戸 友さん
「普段は若手起業家の投資をマンツーマンでやっています。今日3社4社で一つの事業を考えるので、これはいけるぞ!みたいなビジネスができちゃって(笑)。僕も投資家の一人として入らせていただきたいです(笑)。
集まって議論するのはとてもいいなと学びになりました。僕は地方でBIZCAMPという地方創生×ビジネスのイベントをやっています。地方は飲食店をやりたいという人が多いのですが、固定費の部分で実現しない。
今日お話を聞いていて、そういう問題もフードトラックを使って地方が活性化できるのではないかと思います。地方こそ人が集まっているところが限定的だし、今後の自分のビジネスにも生かされるだろうと。今日は本当に満足しました」
講談社 IT戦略企画室 副部長 加藤有也さん
「学び合う場としてICCをはじめいくつかありますが、今日は非常に学びが深くて、こちら側がもらったものがとても多かったです。弊社はアパレルやコスメの雑誌があって、客単価が高いものがあるので、売り物をもっと増やしたいと思っています。新しい形でご一緒したいです」
リクシィ 代表取締役社長 安藤正樹さん
「ウェディング産業で人材紹介やコンサルをしています、toCでは、式場を探すお客さんと、式場をマッチングするという仕事も行っています。前回のプレゼンを聞いて、まさにトラックのような個室でドレスを試着する、花の打ち合わせをする、リハーサルメイクをするといった、会場までわざわざ行くのが大変な対面サービスの数々が解決できればいいなと思って参加しました。
今日ディスカッションしてみて、トラックに乗るシェフや場所が必要という話の流れで、ひとつ思いつきました。結婚式場のシェフは高いスキルが必要です。そして土日の可動が多いのですが受注制作が多くて、自分の好きなものを作れない。そして月〜金は手が空いているので、この人たちにトラックで作ってもらえればいいのではないかと思います」
GMOペパボ株式会社 代表取締役社長 佐藤健太郎さん
「ハンドメイドCtoCのminne、カラーミーショップといったECの事業をやっています。今年は4月のゴールデンウィークにハンドメイドの作家さんを集めた5万人ぐらい集まるイベントを開催しました。今回参加して、いいフードトラックを入れられそうだな、入れたいなと思いました(笑)。あとはクリエイターさんが出店できるなど、今後一緒にできるようなアイデアがあればなと思います」
株式会社FABRIC TOKYO 代表取締役社長 森雄一郎さん
▶【動画版】オンライン発のカスタムオーダーファッションレーベル「Fabric Tokyo」(ICC KYOTO 2017)
「スーツのオーダーメイドのECとリアル店舗をやっています。お話を聞いていて印象的だったのは、Mellowさんがリピーターを増やそうとされていること。
今日は途中で帰られましたが、ヘイ株式会社の佐藤裕介さんも言っていた話で、デフレの時代はもう終わりで、これから付加価値型のビジネスを強めたいとのことでした。フードだと薄利多売の部分もあると思いますが、それは工場さんと向き合っていて私達も課題を感じているところです。
たとえばアプリなどで、お店の深い部分、シェフがどんな人とか、どんな経緯で出店とかそういうところも知りたい。そうするとファンが増えるのではと思いました」
こういったコメントを聞いて、Mellowのみなさんも大変感銘を受けた模様です。
森口さん「かなり印象的だったのは、イベントなどの出店にあたり、主催者から聞けないような分析を聞けたことです。そして野菜を仕入れたいと思います!」
前村さん「ビジネスモデルも課題も共有したうえで、それぞれの業界をどう組み合わせるかという話をしていたのですが、将来的というよりも、今すぐ僕らが困っていて、かつ参加者の企業様の強みがちょうどマッチするような、明日からできそう、動きたいと思うアイデアが出ました。
今まで、他の業界の方とお話しすることもそんなにありませんでした。自分の腕を試したいというような知り合いの料理家の話を聞いてはいたのですが、結婚式場にもそういう方々がいらっしゃったとは。とても学びがあっていい会だったと思います。今日はどうもありがとうございました」
山本さん「TLUNCHのメディアとしての価値が伸びていくのではという話で、結婚式場の料理人が平日空く状況を解決しつつ、メディアの価値も上がるというアイデアをいただきました。Co-Creationという意味で、スタディツアーは成長していける場になると思いました」
柏谷さん「本当に今日この日を迎えるのが本当に気が重かったんです。これだけの方々が集まって、つまらない場になってしまったら、社会の損失はどんなものになるだろうと不安でプレッシャーがありました。
(一同笑)
結果、たくさんいいアイデアをいただくことができました。
実はICCで出会った経営者の方と、お互いの経営課題をさらしあって、アドバイスをしあうということをしていますが、ここもそれに近い場になりました。
競合する・しないがあると思うのですが、しないプレイヤーも多い。それで合う方がいたら、今日みたいな形でディスカッションしていくと楽しいと思います」
ご参加いただいた方々にも、スタディツアーを受け入れてくださったMellowにとっても、ICCサミットとは違う、スモールグループでのディスカッションのスタイルは、学びと成長のある場として、新鮮にとらえていただけたようです。
次回スタディツアー開催企業を募集中です
今回はランチを挟んだ形になりましたが、体験の要素がなくても、よりインテンシブに経営課題を議論する、集中してブレストするなど、双方が学び合うという場が作れれば、スタディツアーはどんな形でも可能です。ICCはその場創りのお手伝いをいたします。弊社小林も最後に挨拶させていただきました。
「今回初めてのスタディツアー開催となりましたが、非常に盛り上がってよかったなと思いました。みなさんビジネス好きじゃないですか。自分の会社でない他人の会社を根堀り葉掘り聞いて、なるほどそうなのかっていうだけも結構満足度が高いですよね。その場で、厳しいことを言われるかもしれませんが(笑)」
のぞみ藤田さん「直接社員さんに質問できるのがいいですよね、こういうことかなと妄想するにとどまらず、現実はこうですって聞けるから」
アソビュー山野さん「悩み解決のCo-Creationになりそうですよね、うちにもぜひ!」
最後は全員で記念撮影をしてビジネス・スタディツアーを終了しました。お忙しいなかご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました!
柏谷さんは本当に緊張していたそうです。最後はリラックスした笑顔です
ICCビジネス・スタディツアーはICCサミット参加者を対象としています。開催の折にはまたレポートしますので、ぜひお楽しみに!
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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/浅郷 浩子
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