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ICCパートナーズに約1年間、第1号のインターンシップとして勤めて頂いた、東京大学4年生の横井一隆さんに、インターン卒業記念として「ICCパートナーズのインターンシップで学んだこと」についてテーマに書いていただきました。横井さんは主に記事の編集作業を担当しました。ICCパートナーズのコンテンツ編集を通じてどんなことを学べたか?率直な感想をぜひご覧ください。
▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターンシップ)の募集をしております。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。
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【執筆者情報】
横井 一隆
東京大学教育学部4年
図書館情報学専攻
つくば市で生まれ、熊本で育ち、鹿児島に缶詰め。東京大学理科2類に入学し東京へ引っ越すも、サークルが忙しくて実質的に家に缶詰め状態であった。が、2017年2月にICCサミットにボランティアスタッフとして参加。2017年4月よりICCでコンテンツ編集のインターンを開始。内向的な性格は変わらないが、社会を見る視野は広がった。2018年3月に東京大学教育学部を卒業。ラ・サール高校卒。
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「ともに学び、ともに産業を創る。」
ICCパートナーズでインターンをしていた横井です。2018年3月に卒業するにあたり、ICCインターンでの生活を比喩的にまとめるならば「農耕民族的に地道に畑を耕した」と表現できます。
そうして得られた収穫物は、現在の私にとっての資産であり、悩ましい自身の将来を支える献立の材料になるだろうと信じております。
そして、改めて考えるにICCパートナーズという土地柄ゆえに得られ、それ以外の場所では得られないものだったと思います。
この記事でどんなインターン生活を送ったのか?得られた収穫物とは何か?タイトルにあるインターンの核心って何?といった疑問に答えていきたい、と思います!
インターンを始めたきっかけ
ICCと深く関わるきっかけは大変な偶然の連続でした。
たまたま、採用面接のために行った会社の人事の方が、ICCの運営チームのスタッフでICCを紹介されました。
そして、スタッフの採用面談を申し込んだら、全然上手く話せなかったけれど、学生新聞をつくるサークルに所属していたから、メディアチームのメンバーとして採用されました。
そして、私が 『応仁の乱 – 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社) についてFacebookで投稿したら、カンファレンスで一緒に仕事をしたICCパートナーズ社員の榎戸さんがたまたま見て、メッセンジャーで私に連絡がいき、謎の文脈でインターンに誘われました(笑)
▶編集注:最初になんて話しかけていいか血迷ってしまい、すみませんでした(榎戸)
話題が応仁の乱からインターンシップへと華麗にジャンプした様子
いろいろな偶然が重なり、ICCのインターンシップとなりましたが、その結果、私の学生生活を要約する上で欠かすことのできない経験となりました。
ICC生活の概要(半年単位)
先ほど、ICCインターンでの生活を「農耕民族的」と表現しました。インターンでの業務がどんなであったかをお話しする前に、なぜ農耕民族というアナロジーを用いたのかを説明していきます。
それはICCパートナーズの仕事のサイクルはまさに「2期作を営む稲作農家」的であるからです。
ICCパートナーズは、経営者や研究者らが真剣に議論し学び合う場であるICCサミットを2月に福岡で、9月に京都で開催しております。その年2回のサミットのために半年以上かけて準備するのがICC社員・インターンの主な業務です。
「農耕民族的な働き方」というのは、もともとICCパートナーズ代表の小林さんが使い始めた比喩なのですが、まさに言い得て妙だと思います。
インターンになってすぐの頃の横井(左)。当時のオフィスは新橋にありました(今は永田町)。
では、具体的に業務内容がどのようであったかにお話を移しましょう。私が2期作と表現し、2毛作と表現しなかったことからお分かりの通り、1年を通じて同様の業務サイクルが2回まわります。
そこで、2月の福岡終了後から9月の京都開催までのインターンの業務サイクルのみを説明します。以下が半年間の業務サイクルです。
月 | 内容 |
2月 | ICCサミット FUKUOKA 終了 |
3月〜7月 | セッション書き起こし記事の編集 月に1, 2回あるイベントの運営 |
8月 | セッション書き起こし記事の編集 ICC KYOTO のプレオープニングイベントの運営 ICC KYOTO 当日のスタッフ運営のための詳細マニュアル作成 運営用の備品の整理 |
9月 | ICCサミット KYOTO 当日の運営 |
3月から7月までは、その時期は地道にセッションの書き起こし記事を編集します。
具体的には、ICCサミットのパネルディスカッションの書き起こしを元に、内容のパート分け・校正・見出しやタイトル付け・写真選定などを行います。編集作業がインターンシップ業務のうちの約8割を占めます。
月に1,2回開催している、交流会や勉強会などのイベントの運営も行います。イベントの開催場所は、ICCのオフィスがある永田町GRIDで主に開催しています。
8月や1月になると、ICCサミット(カンファレンス)に向けてインターンシップ業務も変わります。プレオープニングイベントは、これまで毎月開催されていた小規模イベントと比べると何倍も規模が大きくなり、運営も大変です。
しかし、サミット登壇者・参加者にとってはサミット本番でのよりよいネットワーキングと学びを得るための大切な機会であり、ボランティアスタッフにとっては業務に慣れる本番前最後のイベントとなっています。
ICCサミット FUKUOKA 2018での横井(右)。よなよなエールなどが有名なヤッホーブルーイングの井出直行社長と1枚。
本番間近の時期には、シフトや注意事項が載った詳細なオペレーションマニュアルも作成しました。
ICCサミット FUKUOKA 2018の際には、ICC社員の榎戸さんに助けていただきながら、私がメディアチームのオペレーションマニュアルを作成しました(メディアチームは、運営チームの中の1グループです)。
ICC生活の概要(1日単位)
出勤日の仕事の流れも説明しておきます。
日程 | 内容 |
某月某日 | |
8:00 | オフィス着。7:30にはオフィスに着いて仕事をしている小林さん(代表)と少し雑談。 |
8:05〜11:30 | 編集業務など。特に雑談はせず集中して作業。 |
11:30〜12:30 | 昼食。社員全員で一緒に食べる(ランチ代は会社負担)。 |
12:30〜14:05 | 編集業務など。 各記事のタイトルを皆で議論して決める。 編集した記事をレビューしてもらってフィードバックを受ける。 |
14:05 | 業務終了。 その後は、帰宅したり永田町GRIDの4階スペースで勉強したりなど。 夜にICCのイベントがある場合は、夕方から準備。 |
朝早くからコツコツ集中して編集業務を行います。
8時に出勤する必要はなく9時までにオフィスへ行けば良いのですが、9時に着くように出勤すると通勤ラッシュで不愉快なので8時に着くようにしています。
編集作業中は、ひたすら集中して文章を読み、校正や小見出し、記事タイトルを付けます。ICCのセッションは、経営上の難解なテーマについて登壇者らがパネルディスカッションするものなので、その書き起こし記事の内容も大変高度です。
そのような記事を「正しく」かつ読みやすいようにまとめる作業は大変集中力が必要ですし、頭も使います。
午後は、その日に編集した記事へのフィードバックをもらうことが多いです。「記事タイトルはこう変えた方が良いのではないか?」とか「この部分は難しいから、あの記事のリンクを貼って補足した方が良いのではないか?」、「狂い足りない!」など、いろいろなコメントをいただきます。
代表の小林さん、社員の榎戸さん共にビジネス経験が豊富です。そのような方からのフィードバックを通して、ビジネスマンの頭の中ではどの知識とどの知識がどう結びついているのか?などを知れて大変貴重な機会となりました。
インターンで得た収穫物
これまで述べたように、私は地道に編集し、地道にイベント準備をやってきました。収穫物として得られたものを整理すると、以下の3つが挙がります。
- ビジネスの知識を使って議論・会話する方法
- Plans are useless, but planning is indispensable.
- 自分らしく生きて問題ないということ
これら3つの点について詳しく述べていきます。農業の例えを使って文章を書くのが流石に疲れてきたので、これからは真っ当に書いていきます。
①ビジネスの知識を使って議論・会話する方法
私は普段からネットニュースなどでビジネス関係の記事を読んでいるのですが、そのようにして得た知識をどう活用すれば良いのかを知る機会がありませんでした。
ICCのセッションは、経営上の難解な課題やテーマについて登壇者らがパネルディスカッションするもので、語られることの多くは経営者がその課題にどのように取り組んだか、です。
そのため経営者がどのようにビジネスの知識や経験を活用しているのかが赤裸々に語られ、大変学ぶところが多いです。
登壇者同士が議論する言葉からは、「このテーマの時にはこのような点に注意して聞けば良いのか!」「頭の中にこのようなフレームワークがあるからこの質問をしているのだな」などと考えることができます。
以下の記事にも書かれているのですが、ICCの編集インターンの特徴として“ICCサミットで議論された内容を正しく伝えることです。時間をかけてもクオリティを大切”にしている点が挙げられます。ICCは、記事ページビューを稼ぐことではなく、記事から読者が学ぶことができる点を重要視しています。
そのため、セッションの書き起こし記事を、多くのビジネスマンに正しく・分かりやすく伝えるために編集します。その過程で、インターン生は実際に「生きた知識」としてセッション内容を身につけられます。
私はVR・ARや量子コンピュータなどのテクノロジーを活かしてどんなビジネスが可能なのかについて興味があり、そのようなテーマのセッションの書き起こし記事を多く担当しました。夢物語ではなく実際にビジネスとして進めるためには人材や組織面で何が必要なのか、なども含めて学べました。
▶横井が過去に編集した記事のいくつか
②Plans are useless, but planning is indispensable.
上の小見出しは、アイゼンハワー元アメリカ大統領が言ったとされる英文です。わざわざこの言葉を引用して述べたいのは、ICCのインターンシップではイベント運営のPlanningの機会に関われ、Planningとは何かを知れるということです。
先に、私はICCサミット FUKUOKA 2018のメディアチームのオペレーションマニュアルを作成したお話をしました。このようにインターン生だから得られるPlanningの機会があります。
また、月に1,2回あるイベントでは、インターン生がボランティアスタッフへ指示を出したり、臨機応変な判断が求められる立場になることも時々あります。(どう動くかを学生の立場で、社会人の方々に指示するというのは、なかなかに畏れ多い行為なので、緊張します…)。
そのようなPlanningを通して、確かに事前にいろいろ考えていたPlan通りにいかないことが多く、Planは役立たたないことを痛感しました。
しかし、Planningを通じて考えたり覚えたりしたことが、予期せぬ事態に直面した時の手助けになることを学びました。
ICCサミット中にメディアチームとしての仕事をする横井(奥)
Planningの過程で、「この人はこれまでにどんな業務に関わりどんなことが得意なのか?」、「何階のどこに何という備品が置いてあるのか」、「この階には冷蔵庫がどこにあり、外階段はどこなのか」、「マニュアルでは何時何分に何をしろと書かれているのか?」などを頭に入れることが重要です。
そのおかげで、不測の事態の時でもその場で対処するための材料が頭の中にあり、その場で対処できます。例えば、冬にあったイベントの際に、飲み物を冷やそうにも冷蔵庫が小さく間に合わない場合は、建物の外へ飲み物を運んで外気で冷やそう等々。
ICCサミット FUKUOKA 2018でもPlanningの重要性を痛感しました。
ICCサミット FUKUOKA 2018では、なかなかにトラブルに見舞われました。そのトラブルを処理するため、不在となったリーダーの代わりに、一時的に私がメディアチームをマネジメントする立場になったのですが、それを何とか乗り切れたのも、オペレーションマニュアルを作成する過程で頭の中で整理した知識のおかげでした。
そのトラブル自体を対処する能力は自分にはありませんでした、しかし、当時を振り返って「あの時どうすればよかった」という議論ではなく「事前に何の情報を頭に入れておくべきだったか」という面から改善点を説明でき、その情報はもっと意識的にスタッフマニュアルを読んでおけば頭に入っていて当然だったと考えられます。
イベントのスタッフ業務としてのPlanningとは「Planを練った上で、不測の事態が発生した時にも対応できるように、解像度の高い情報を常に頭の引き出しから取り出せるようにしておくこと」。
一つ一つしっかりイベントの準備をすることが大事なのだと思いました。
③自分らしく生きて問題ないということ
最後に、いわゆる“スキル”と関係がないものも学んだので一つ。
代表の小林さんや、社員の榎戸さん、北原さん、浅郷さんと日々の業務やランチの時間に接していて「人と違うことをしてもよい。自分らしく生きて問題ない」と素直に感じました。
インターン卒業式で小林さんと。怯えているわけではありません(写真右が横井)
ランチの時に話した内容は「友達はいない」といったお話など、大変印象に残る言葉でした。語弊を生みそうなので以下にメモをペーストして補足しておきます。“僕”とは小林さんを指しています。
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僕は最近「友達はいない」とコメントしたりしておりますが、おそらく一般的な「友達」の定義の友達は多いとは思います。その定義を否定することから、自分の道が見つかる。
「友達から嫌われるから言わない」とか「友達が◯◯に行くといっていて自分は興味がないが、一緒に行かないといけない」などは僕には一切ない。
ストレートに意見を言えるし、別に嫌われてもかまわない。嫌いと思われることを気にしない。裏切られる といったことも、そもそも「ない」。
上記のように「他人に左右される」のではなくて、自分と向き合う生き方がシンプルでいいように思います。
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その言葉通り、サミットに参加した運営スタッフに対し、働きぶりが良くないなどを評価し、次回の参加をお断りすることもありました。スポンサーの方が、ICCサミット中にICCの理念に反する行動をしていることが発覚すれば、厳しく注意されていました。
また、サミットに登壇予定だった方がプレイベントの際に「ともに学び、ともに産業を創る」というタイプの方でないと判断したら、登壇をキャンセルしていました。
「常に正拳突き」というのが小林さんの口癖です。
私も「横井くんは人とそんなにコミュニケーションしない仕事でなら大物になれそうだね」とストレートに言われたこともありました…(笑)。
そのような様子を見て、今となって「自身が目指すところに向かって真っすぐである」と感じられます。
小林さん(左端)、インターンの立花さん(左)、横井(右)、榎戸さん(右端)と一緒に撮った写真
社員の方々も多様なバックグラウンドです。榎戸さんは、ITベンチャーや外資コンサルを経て、北原さんはホテルや商社を経て、浅郷さんはヤフートピックスの編集者や上海での勤務などを経て、みなさんICCパートナーズで働かれています。
大学にも個性的で人と違うことをしている人はいるのですが、「社会の荒波をくぐり抜け、社会にアウトプットを出した上で、それでも自分の道を歩んでいる方々」とICCパートナーズでは長い期間・近い距離で接することができました。
「自分らしく生きる」というのは使い古されたフレーズではありますが、インターンとして過ごした1年間の重みを伴いながら味わえる言葉です。
つまり、小林さんや社員の皆さんが「自分らしく生きる」ためにどのような苦労をなさっているかを分かった上で、それでもそのように生きたいと思えたのは大変貴重な収穫でありました。
おわりに ~結局、核心は何なのか?~
以上、ICCインターンで学んだことをとりとめもなく書き綴ってしまいました。
書き始める前の予定では「ICC編集インターンの核心はこれですよ」とか「こんな方にICCインターンは向いていますよ」などと書いて文章を綴る予定だったのですが、昨今の私は物事をきれいに整理してまとめて記述することに興味を感じず、雑然とした感じの文章を読んだ方が読者も思考停止しないので良かろうとの気分です。
ICCインターンの核心は、小林さんがよく口にする以下3つの言葉をよく咀嚼してその通りに行動してみる点にあるかと思います。
「一つ一つしっかり」
「狂い足りない」
「常に正拳突き」
どの言葉もこのレポートで部分的に触れているとは思いますが、「どういう意味だ?」とか「もっと知りたい!」と思った人は、インターンに申し込んでみることをお薦めします。
そもそも、私の拙文を最後まで読めた方は、ICCのインターンに何かしらの魅力を感じているから読めたのでしょう。ぜひ申し込んでみてください。
最後までまとまりのない文章を書いた上で、ICCでお世話になった全ての皆様に感謝を申し上げ、私のインターン卒業レポートを終わらせていただきます。
(終)
▶同じくICCでインターンをしていた立花さんのレポートはこちら
▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターンシップ)の募集をしております。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。
▶ICCサミットの運営チームを募集しています。もし興味がございましたら募集ページをご覧ください。
編集チーム:横井 一隆
【編集部コメント】
まさか応仁の乱のくだりを公開されてしまうとは思いませんでしたが、当時、小林さんと榎戸しかいなかったICCパートナーズに現れ、多くのコンテンツを素晴らしいスピードと精度でつくってくれたのが横井さんです。朴訥としつつ、いつも冷静なので、小林さんの正拳突きも効いていない…?と思っていましたが、印象的だったようで良かった(?)です。社会人になって、なお一層活躍してくれると思います!、お疲れ様でした!(榎戸)
最後までお読みいただきありがとうございます!他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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