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ICCサミット FUKUOKA 2019でも開催! 評判のセールスフォース・ドットコム「カスタマージャーニーマップワークショップ」を体験してきました!

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今年2月に開催を控えたICCサミット FUKUOKA 2019では「セールスフォース・ドットコム直伝!カスタマージャーニーマップワークショップ」と題した体験型セッションを企画しています。同社主催の多数のセミナーの中で最も満足度が高いとされる「カスタマージャーニーワークショップ」。サミット開催前に一足お先にICCのスタッフが体験してきましたので、その模様をレポートいたします!

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ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2019は2019年2月18日〜21日 福岡市での開催を予定しております。


皆さんこんにちは!ICCパートナーズの尾形です。突然ですが皆さん「カスタマージャーニー」をご存知でしょうか? マーケティングに携わる方はよく耳にされる用語かもしれません。

セールスフォース・ドットコム社のウェブサイトによると、カスタマージャーニーは『顧客がブランドや商品を認知、購買、再購入する段階での一連の顧客体験』と定義されています(参照)。

近年、このカスタマージャーニーを時系列に沿ってマップ化した「カスタマージャーニーマップ」を作成し、顧客視点での業務改善に役立てる企業で増えていると聞きます。

さまざまな「カスタマージャーニーマップ」(出典:Google画像検索

私たちICCパートナーズでも、今年2月に開催を控えたICCサミット FUKUOKA 2019にて「セールスフォース・ドットコム直伝!カスタマージャーニーマップワークショップ」と題した体験型セッションを企画しています。カスタマージャーニーマップの作成を通じて「自社が本当に提供するべき顧客体験とは何か?」を探っていただくワークショップです。

そこで今回、一足お先にICCスタッフ数名でセールスフォース・ドットコム社にお伺いして、カスタマージャーニーマップの作成を体験してきましたので、その模様をお届けしたいと思います。

セールスフォース・ドットコムのカスタマージャーニーマップとは?

セールスフォース・ドットコム(salesforce.com, Inc.)は、クラウドベースのCRM(顧客管理)やSFA(営業支援)のツールを世界15万社以上の企業に提供するグローバル企業です。

カスタマーサクセスを支援する企業として、その日本法人であるセールスフォース・ドットコムでは独自開発したツールを用いたカスタマージャーニーマップ作成のワークショップを国内企業向けに開催しています。

ワークショップで用いるセールスフォース・ドットコム謹製のツールキット

ツールキットはワークショップの参加者のみに提供される非売品で、箱の中には、フレームワークが印刷された大きなマップと、マップ作成のためのさまざまなツールが梱包されています。

カスタマージャーニーマップを描画するためのツール

今回、ワークショップの講師を務めていただいた同社Sales Development Managerの原 昌勝さんは「セールスフォース・ドットコムが主催するあらゆるセミナーの中で、最も満足度が高いとされているのが、このカスタマージャーニーワークショップです」と自信ありげに語ります。

それもそのはず、同社のカスタマージャーニーマップのノウハウは、『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ』という1冊の書籍として出版されているぐらい、オリジナリティーがあり、体系的にまとめられたものなのです。

『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ』(翔泳社)

ちなみに上記書籍の著者は、前述のツールキットの生みの親でもあるセールスフォース・ドットコム マーケティングディレクターの加藤希尊さん。加藤さんは数百社のマーケッターの方々のヒアリングを通じて、このツールキットを開発されたのだそうです。

期待が高まりますよね。それでは、“セールスフォース・ドットコム直伝”カスタマージャーニーマップを作成してみましょう!

STEP1:ジャーニーのスタートとゴールを設定する

ワークショップの参加者はまず、カスタマージャーニーの題材とする「商品・サービス」を設定し、ターゲットとする顧客のスタート地点・ゴール地点、およびその期間を決めるところから始めます。

ICCサミット当日もセッション・ナビゲーターとしてワークショップをリードいただくセールスフォース・ドットコムの鈴木淳一さんによると、この「商品・サービスの設定」で悩んでしまう参加者が多いとのこと。

自社が今置かれている状況や課題に応じて、「自社の主力商品」か「これから伸ばしたい商品」のいずれかを題材にするとよいそうです。

スタートとゴールの設定に関しては「ある状態の顧客が、ロイヤルカスタマーになるまで」を考えることがカスタマージャーニー成功のポイントとのこと。日頃から「自社にとってのロイヤルカスタマーとは?」を定義していないと、つい考え込んでしまうステップかと思います!

各設定は付箋に書いて、それをマップに貼っていきます

ちなみにこのワークショップでは上記の写真のように、基本「2名1組」で行います。キットの中には「CEO(最高経営責任者)」と「CMO(最高マーケティング責任者)」の2つのバッジが梱包されていて、CEO、CMOの役割をどちらが担うかを決めてロールプレイングを行うのがこのワークショップの特徴の1つです。

STEP2:ジャーニーの主人公「ペルソナ」を考える

次に、STEP1でスタート地点とゴール地点を設定した顧客のペルソナ像を専用のシートに細かく記述します。ここでは、顧客「企業」のペルソナ像とその企業の「キーマンとなる人物」の個人ペルソナの2つを設定します。

実際に体験して分かったのは、ペルソナ像を細かく設定することは思った以上に難しく、想像力だけでなく日頃のリサーチ力が試されるステップであるということです。

「ロイヤルカスタマーになって欲しい顧客」はまさにこれから開拓を狙う顧客像ですから、その顧客像に対する十分な情報がない状態だと、ぼんやりとした企業ペルソナしか浮かばないことに気が付きます。

セールスフォース・ドットコムの鈴木さんからは「ここでいかに細かくペルソナ像を設定できるかが、後のステップで出てくる『顧客の感情変化』をいかに解像度高くマップできるかに影響します」とアドバイスが入ります。

どの参加者も、悩みながらも制限時間ギリギリまで考えて、具体的なペルソナ像を記入していきます。

STEP3〜4:ペルソナの「顧客行動」を考えて分類する

次のステップでは、先ほど描いたペルソナが顧客として取りうる「行動」を思いつく限り書き連ねていきます。

この人はどんなモチベーションでサービス・商品に興味を持ち始めるのか? 導入検討時には社内でどのような調整や検討が行われるのか? ペルソナの気持ちになりきってとにかくたくさん書き出します。

今回のワークショップでは、どの参加者ペアも5分程度で20枚ほどの「行動」を作成していました。前のステップに比べると、このステップは比較的テンポよく進むように思います。

さらに、書き出した「行動」を検討前、情報収集、比較・検討、決定導入、製品利用…のように時系列に沿って分類していきます。

整理してゆくと「検討前にはこういう行動をするんじゃない?」「初回導入後にはこういう行動をするかもな」と、先ほど描いた顧客行動に手薄な部分があることに気づいてきます。そこを埋めてゆくことで、ペルソナの「行動」の連なりが「カスタマージャーニー」へと変化していきます。

マップ作成中はセールスフォース・ドットコムの方が親身になってサポートしてくださいます

STEP5:ペルソナの「感情の起伏」をマッピングする

こうしてようやく、カスタマージャーニーの原型が出来上がりました。マップの作成はこれでは終わりません。ここまでで描いたカスタマージャーニーを旅するペルソナが、その時々でどのような「感情・気持ち」を抱くかをイマジネーションを膨らませて考えます。

「もしかしたらA社の商品のほうがよいのかな?」「まずは小ロットで受注してみよう!」「意外と使い勝手がいいな」「こんなサービスも欲しいんだけどな…」のように、ペルソナの感情の起伏をイメージしながら、表情シールを使って台詞つきでマッピングしていきます。

実際に体験した感想としては、このステップでは自分たちが描いたペルソナ像に命が吹き込まれるようなワクワク感がある一方で、「理想的なゴールを描きたい」という気持ちからどうしてもポジティブな感情のみマップしたくなり、感情の起伏を上手に描くことが意外と難しいことに気が付きます。

おそらくこの難しさは、日頃から顧客からのネガティブ・フィードバックを受けているかどうかで変わるのではと感じました。

STEP6:ペルソナに対する「接点とアクション」を考える

ここまで来たらカスタマージャーニーはいよいよ佳境です。次のステップでは、STEP3でマップした顧客行動対して、自社がとるべき「アクション」を考えます。

ここで登場するのが59種類のピクトグラムが描かれた「デバイスカード」。デバイスカードを使って、ペルソナと自社の接点(タッチポイント)を考えます。

デバイスカードを選んでいると「ここで接点をもつためにはどのメディアが有効か?」「提案は自社の誰が担当するのか?」といった具体的なイメージが頭の中で湧いてくるのを感じます。

STEP7:ペルソナの「感情変化」への対応を考える

そして「行動」に対する接点・アクションが描けたら、STEP5でマップしたペルソナの「感情変化」への具体的な対応策をを考えます。

ペルソナの感情変化に対して提供するべき施策は、STEP6で考えた接点・アクションに含められる施策なのか、それとも新たに接点をもたないと実施できないものか、検証することができます。

付箋とカードでいっぱいのカスタマージャーニーマップ

「これにてカスタマージャーニーマップ完成!」

と思いきや、ここでセールスフォース・ドットコムの方から予想外のファシリテーションが入り、ここまで作ったマップが、さらに“濃密な”カスタマージャーニーマップへと進化します。

それがどのようなものであるかは、実際にカスタマージャーニーマップワークショップに参加してのお楽しみとさせていただきたいと思います。

そして最後に、マップに貼ったたくさんの施策やアイデアの中から、重要度や難易度を加味しながらベストケースを選び出し、「私たちは、これを実施します!」と宣言して、カスタマージャーニーマップワークショップは終了です。

言語化・マップ化で「やるべきこと」が見えてくる

各ステップのレクチャーや途中の意見交換などを含めて2時間半のワークショップでしたが、思った以上にあっという間でした。

体験して感じたことは、カスタマージャーニーマップという形で言語化・マップ化することで、日頃から断片的に考えている自社プロダクトの強み・弱みを再認識できたり、顧客のフェーズごとに注視するべきタッチポイントや、顧客へのアプローチに必要な自社リソースなどが見えてきたりと、「自社理解」が非常に深まるということでした。

そして、詳細に描いたペルソナ像の深掘りから「これからやるべきこと」が次々と導き出されてゆく様子は、カスタマージャーニーの醍醐味ではないでしょうか。

同じ会場で参加されていた他の企業の方々からは、以下のような感想をいただきました。

・「カスタマージャーニーはマップ化することで、今まで気づかなかった自社の弱みが分かりました」

・「現在の事業を今後どのように動かしていくかという点から、次にどのような企業を買収するべきかという点まで、非常にクリアになりました」

・「今回でカスタマージャーニーマップの作り方は分かったので、今後はプロジェクトに行き詰まったときや新規事業を立ち上げるときに、もう一度作成して次の打ち手を考えるのに活用したいと思います」

・「新人教育に使えるなと感じました。経験の浅い社員に対して、このジャーニーマップを使えば『こうすればお客様へのアプローチが広がるよね』みたいに一緒に考えながら学ぶことができると思いました」

◆ ◆ ◆

以上、“セールスフォース・ドットコム直伝”カスタマージャーニーマップ体験レポートをお届けしました!

今回ご紹介したのは「BtoB事業向け」のカスタマージャーニーですが、セールスフォース・ドットコムが提供するツールキットではBtoC事業向けのカスタマージャーニーも作成可能です。

ちなみにサミット当日は参加枠の都合で招待制(一部見学は可能)のワークショップとなりますが、セールスフォース・ドットコム社が提供するカスタマージャーニーマップのノウハウは、BtoB、BtoCバージョンともに冒頭で紹介した書籍『はじめてのカスタマージャーニーマップワークショップ』にまとめられているので、ご興味のある方はぜひこちらも参考にしてください!

今回のワークショップ体験にあたり、懇切丁寧なレクチャーとファシリテーションをいただきましたセールスフォース・ドットコムの皆さん、ありがとうございました!

(終)

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編集チーム:小林 雅/尾形 佳靖/戸田 秀成

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