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2017年12月からICCパートナーズで編集インターンとして活躍いただいた本田隼輝さんの卒業レポート『「ともに学び、ともに産業を創る。」―インターン生としてできる価値創造』を全2回に分けてお届けします。前編では、ICCのコンテンツ編集の仕事が誰にとって・どのような価値を生み出すのか、そしてそのために本田さんが自らに課した“徹底した姿勢”を語っていただきました。ぜひご覧ください!
▶ICCパートナーズではコンテンツ編集チームメンバー(インターン)の募集をすることになりました。もし興味がございましたら採用ページをご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢800名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。次回 ICCサミット KYOTO 2019は2019年9月2日〜5日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをご覧ください。
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【執筆者情報】
本田 隼輝
一橋大学
商学部経営学科四年(当時)
1996年生まれ。2015年に一橋大学に入学後、2016年よりNPO法人Bizjapanにて活動。Bizjapanでの活動をきっかけにICCサミットのボランティアと知り合い、2017年12月よりICCパートナーズでコンテンツ編集のインターンシップを開始。2019年3月に一橋大学商学部経営学科を卒業。
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▶『「ともに学び、ともに産業を創る。」―インターン生としてできる価値創造(本田隼輝)』の配信済み記事一覧
はじめまして。1年4か月間続けたICC(Industry Co-Creation®)のインターンシップを卒業した本田隼輝と申します。何を考えて仕事に向き合ってきたのか、そして得られた学びは何かを、この場を借りて書かせていただきます。
このレポートの読者には、ICCでのインターンシップに関心がある方もいらっしゃるかと思います。
「ICCのコンテンツ編集のインターンシップでは何をするのか?」「コンテンツ編集のインターンシップを通して得られることとは?」といった疑問がある方は、以下のインターン卒業レポートをぜひご覧ください。
▶ICCコンテンツ編集インターンシップの核心とは何か?(横井一隆)
▶私がICCでのインターンシップをオススメする3つの理由(立花美幸)
本レポートのタイトルは、【「ともに学び、ともに産業を創る。」―インターン生としてできる価値創造】です。
「インターンでは何をするのか」「何を学べるのか」ではなく、「インターンの仕事が誰にとってどのような価値を生み出すのか」「ともに学び、ともに産業を創ることにどうつながるのか」に焦点をあてていきます。
ICCにとって重要な価値とは何でしょうか? そして、私はどのように価値を創造し、「ともに学び、ともに産業を創る。」ことへ貢献しようとしてきたのでしょうか?
インターン卒業レポートという形でお届けします。
ICCにとって重要な価値とは?
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」というコンセプトのカンファレンスです。
ICCは完全にサービス業であるため、コンセプトに沿った良い顧客体験、すなわちICCサミットに関わる人全てに対して何らかの「価値」を創っていくことが、ICCのビジネスの根幹にあると考えています。
コンセプトに沿った良い顧客体験を生み出す重要なICCの要素として、次の2つが挙げられます。
1つ目がコンテンツです。
半年に一度開催されるICCサミットでは、それぞれ別のテーマを持つセッション・ワークショップが約70あります。70種類のコンテンツが良質であればあるほど、登壇者・参加者・ICCメディアの読者が「ともに学ぶ」ことが促進されます。
そのため、コンテンツの質が良いほど、ICCにおける価値は高まります。
2つ目がコミュニティです。
出典:「コミュニティを育む」メディアの創り方-卒業レポートに代えて(榎戸貴史)
登壇者・参加者・運営スタッフと、輪のように重層的なコミュニティがICCにはあります。
良質なコンテンツを通して学びが深まっても、良質なコミュニティがなければ「ともに産業を創る」までには至りません。
ICCには、「ともに学び、ともに産業を創る。」というコンセプトに共感した人が集まり、またそのコンセプトへのコミットメントが高い人ほど継続的に参加する仕組みがあります。
「ともに」を意識した交流が増え、それぞれがコミュニティへ価値を提供していけばいくほど、よりコミュニティは良質になり、ICCにおける価値が高まっていきます。
コンテンツとコミュニティに投資することで、「価値」が行き交い、「ともに学び、ともに産業を創る。」ことへつながっていく構造となっています。
インターン生として生み出せる価値とは?
では、インターン生としての仕事はどのようにコンテンツとコミュニティにおける価値創造につながるのでしょうか。
インターン生としての仕事は、主に普段の業務のコンテンツ編集と、ICCサミット中のメディアチーム担当のボランティアスタッフとしての役割であるLIVE中継・記事・写真配信の2つに分けられます。
コンテンツ編集のインターンという「編集者」としての仕事と、ICCサミットのボランティアスタッフの仕事に分けて、それぞれの仕事がどのような価値を生み出し、「ともに学び、ともに産業を創る。」ことにつながるのかを書いていきます。
ICCの記事ができるまで
下の画像にある4段階を経て、ICCサミットのセッションが記事になります。
コンテンツ編集のインターンの主な仕事は、スライド中の第2段階にあたる登壇者用原稿(登壇者に確認いただくための原稿)の作成です。
登壇者用原稿の作成では、「文章校正」「小見出し付け」「パート分け」「タイトル付け」などの作業を通じて、話し言葉寄りのセッションから書き言葉寄りの記事へと仕立てていきます。
「引き算」と「足し算」の編集
では、なぜICCは単にセッションの動画や書き起こしを公開するのではなく、手数をかけて記事を編集してから公開しているのでしょうか?
主に2つの理由があります。
1つ目は、セッション中には「オフレコ」発言がそれなりにあるからです。
ICCサミット内での学びあいを最大化するために、登壇者の方々はときに普段は発言しづらいような赤裸々な事情を明かして議論することがあります。
それらの発言内容を編集・カットしてから記事は公開されます。これは「引き算」の編集であるため、よりリアルな話を聞きたい方にとっては、記事を読むよりもサミットに参加する方が良いかもしれません。
2つ目は、これが最も重要なのですが、「読者の学びを最大化する」ための編集です。「足し算」の編集と言えます。
セッション動画はICCサミットの参加者しか視聴することができないうえ、視聴に時間を要します。
また、そのまま書き起こしただけの文章は読みづらいため、校正や編集などを通して議論を構造化することで読みやすい文章にする必要があります。
しかし、単に読みやすい文章にするだけでは編集者の価値はごく小さいものに留まり、読者の学びを最大化できているとは言い難いと考えています。
そこで、私がコンテンツ編集の仕事において意識していたのは、文章を「正しく、わかりやすく」することで読者が記事から得られる学びを最大化することです。
「正しくする」は、登壇者の方々の発言内容に誤りが無いかをきちんと確認し、必要に応じて修正することです。
特に、数字に関することはだいたいの数字で説明していることも多いため、きちんとソースを確認して正しい数値に直します。
事業の数値などは、記事公開時では登壇当時より大きく成長するなどして変わっている場合も多いため、その場合は最新の数値も補足します。
あるいは、「○○が言っていたのですが、~」といった発言もできる限りソースを辿り、記事に記載します。
登壇者の方々の知見はとても広く、ソースが英語のニュースであったりテクノロジーに関する難しい論文であったりしますが、徹底的に探し、一次情報を記事に載せられるように心がけています。
このように「正しくする」は重要ですが、それだけでは読者の検索コストを肩代わりしただけであるため、編集者として記事の内容を「わかりやすく」解説・補足することも行います。
例えば、以下の記事は量子コンピューティングの技術の解説とその未来についてのセッションを記事化したものです。
セッションの時間は限られているため、セッション中では量子コンピューティングの技術の解説はしているものの、細かなアルゴリズムや統計知識の説明は行っていません。
セッションを聞いているときにわからない単語や知識があった場合の多くは、そのまま飛ばして聞き進めることも多いかと思います。
しかし、記事の良い点は読者が自分のペースで十分に理解しながら読み進めることが可能なことです。
そこで、量子コンピューティングと既存の計算手法との違いなどについてより深く詳しく知りたい読者のために、用語を解説し、過去のICCの記事及びICC以外の記事を参照記事として紹介しています。
これによって、セッションを聴くだけよりも記事を読むほうが学びがより大きくなります。これが「足し算」の編集だと考えています。
コンテンツ編集の仕事は、このように「ともに学ぶ」ことに貢献することができます。自身がより学んで知識を増やすことが読者の学びにもつながるため、インターン生でありながらも価値を出せていると感じることができ、やりがいがあります。
登壇者の貴重な時間を頂いているという意識
ここまでは、インターン生としてコンテンツ編集を通して実現する、読者に対する価値創造について述べてきましたが、コンテンツ編集の仕事の質は登壇者の方々の使う時間にも大きく影響します。
前掲したスライドにある通り、登壇者用原稿を編集した後に登壇者の方々が記事内容を確認し、表現を訂正したり、オフレコ内容をカットしたりします。
その際に誤字脱字がある場合や表現が十分に整っていない場合には、登壇者の方々や企業の広報の方々が記事の確認・修正をする時間がかかってしまいます。
登壇者の方々に一秒でも多くの時間を次の産業を創っていくことに割いてもらうために、編集者としてできることは、プロフェッショナル意識を持って「徹底的に編集」し、高い質の原稿を提供することに尽きると考えています。
もっとも、正直に言えば私の編集力は編集者として長いキャリアをもつICC社員の編集部の方々に比べはるかに劣っています。
ですが、私自身が持つ経営学・テックへの専門知識と理解を活かした編集への貢献はできると考えて仕事に向き合ってきました。
コンテンツ編集の仕事を通して得られた学び
まとめると、コンテンツ編集の仕事を通して読者にとっての「学び」の価値を最大化することと、登壇者の時間価値を最大化することに貢献することができると考えています。
「ともに学び、ともに産業を創る。」一員として、私自身がインターンの仕事を通して実現できる価値創造とは何かを考えながらコンテンツ編集を行ってきました。
その過程を通じて、私が得られた学びも3つあります。
1つ目が仕事への姿勢と意識です。
自分の仕事に対して常に「この仕事はどのような価値を生み出すことができるのか?」「そのために自分ができることとは?」を深く考え、仕事に向き合うことができるようになりました。
2つ目は、経営やテクノロジーに関する幅広い知識です。
記事を編集する際に、私自身がセッションの内容を登壇者に近いレベルで理解しなければ、読者にとって深い学びになる記事にはできません。
セッションの内容で分からないことがあれば、徹底的に調べて内容を理解できるように努めてきました。
得られた知識の中でいますぐに役立つものは少ないと思いますが、血肉となって未来の自分を支えてくれると信じています。
3つ目は、ウェブメディアのコンテンツ編集のスキルです。
基礎的なスキルですが、読みやすく意味が正しく伝わる文章にする力がつきます。
また、読みやすく正しい文章を書くスキルは、わかりやすく正しく話すスキルにもつながると感じています。
例えば話しているときは「それ」などの指示語で通じることも多いですが、記事で書く際には誤解が無いように明確な単語に置き換えます。
同様に私が人前で話すときには、指示語をなるべくつかわずに意味が真っすぐに伝わるような表現をするように心がけるようになりました。
一方で、コンテンツ編集のスキルの中でもまだまだ足りていないスキルもあります。
コンテンツ編集では、記事のタイトル付けも行います。
タイトルは議論の内容を正しく伝えるものでなくてはいけませんが、同時により多くの人が読んでみたい!と思えるようなフックが必要です。
クリステンセンが提唱するジョブ理論をもとに、その記事を読むと想定される読者が抱えている「ジョブ」を意識し、興味を持ってもらえるようなタイトルを付けるように意識していました。
しかし、このスキルはインターンを卒業する今でもまだまだ足りていないことをICCの社員とタイトルの議論をする度に痛感しています。今後も鍛えていきたいスキルです。
ここまでが、コンテンツ編集のインターンでの仕事における価値創造と得られた学びについての内容となります。
(続)
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編集チーム:小林 雅/本田 隼輝/戸田 秀成
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