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9月2日~5日の4日間にわたって開催されたICCサミット KYOTO 2019。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は、9月4日の早朝プログラム、ブルーボトルコーヒー コーヒーカッピング体験の模様をレポートします。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回200名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2020は、2020年2月17日〜20日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください。
今年も開催、特別モーニングセッション
ICCサミットの会場であるウェスティン都ホテル京都から、徒歩10分の場所にあるブルーボトルコーヒー 京都カフェ。昨年に引き続き、今年のICCサミット会期中の9月4日と5日の朝8時より、数種類のコーヒー豆の味や香りの違いを学ぶ、カッピング体験を提供した。
蒸し暑い京都の夏だが、この南禅寺にほど近いお店は、早朝はとくに、穏やかで清々しい雰囲気がある。受付時間の7時45分から、参加者の方々が眠そうな顔も見せずに、次々と到着した。
店内にはカッピング体験の準備が整えられている。
1年前のレポートでは、カッピング体験をしたことがある人は少なかったが、この日は半数弱が体験済みとのこと。世の中でそんなに経験者は多くないと思われるので、ICCサミットの参加者がいかに特殊な層か改めてわかるというものだ。
味覚、嗅覚で豆の味わい、違いを感じる
体験そのものの手順は、まずは挽いた4種類の豆の香りを嗅ぎ、次にお湯を注いで、香りの変化を感じ、上に浮かんだコーヒー粉を取り除く。
続いて、一匙すくって口の中で霧状になるように飲んでみたりして、さらに4つの豆の違いを感じ取る。テーブルをぐるりと囲んだ参加者たちは、一方向に回りながら、4つの味を比べていく。2周目になると、コーヒーの温度が少し下がって、味が違って感じられることもあるという。
「人によって、味覚と嗅覚に差があり、どちらか一方がわかりやすいという人もいます」と、神戸カフェから今日のために来てくださったというバリスタ、水野さん。さて、参加者の方々はどんな違いに気がついただろうか?
自分に向き合うカッピング体験
体験者が多いとはいえ、参加者の方々は、味覚で感じたことをどう言葉にしようかと、ペンを握りしめては考え込み、また一口すすってみたりしている。
好きな味はどれだったかや、「ジャイアント・ステップス」「ベラ・ドノヴァン」「ブラジル」「パプア・ニューギニア」の4つの豆のうち、自分が感じた味の印象を発表する。
煎茶堂東京(LUCY ALTER DESIGN)の谷本さんも参加
「バランスのいい味」
「余韻があって好き」
「砂糖を入れていないのに甘い」
「チョコレートみたいというか、フルーティというか」
好きな豆を発表。意見は分かれたものの、今回の一番人気は「ベラ・ドノヴァン」だった
まったく意見が割れていても、感じ方が真逆でも、表現を駆使して自分の感覚を伝えようとする様子は、楽しそうだ。
コーヒーについてのQ&Aコーナーもあり、コーヒーの豆の品種の違い、焙煎によって味の違いがあること以外にも、種の実の皮がついているかいないか(皮を取り去った “washed” の豆は味がクリアだそう)でも、味が変わるそうだ。
そこでプロ筋のコメントをしたのがみやじ豚の宮治 勇輔さんだ。
宮治さん「この豆のローストは……皮がちょっと残って、ミディアムレアって感じでしょうか」
宮治さんは、このあとCRAFTEDカタパルトの登壇を控えていた。すべてのコメントが、豚を言い表しているように聞こえて仕方がなかったが、終了後に聞くと、それでも初めての体験に大いに戸惑っていたそうだ。
宮治さん「肉のほうがわかりやすいです。コーヒーは苦いとかコクがあるとか、すごく難しいです。
僕にとっては、粉のほうがわかりやすかったです。粉のときは酸味がありそうだったのに、お湯を入れて飲んでみたら違ったりして難しかった。嗅覚か味覚なら、自分は完全に味覚派だと思いましたね。あと何回か、やってみたいです」
真剣に香りを嗅いでいた講談社の碓氷 早矢手さん。
碓氷さん「自分のことがよくわかりました。
今日はおもに味覚と嗅覚とかを試しに来たのだけど、僕は結局、ベラ・ドノヴァンという名前が好きでした。こんな感想でいいのかどうかわからないですが、味覚と嗅覚のギャップより、名前とのギャップにぐっときた。
ジャイアント・ステップスが好きと、語感として言いにくいじゃないですか。ベラ・ドノヴァン、と言いたいんです。嗅覚より味覚より、僕は語感だという気づきを得ました」
言葉を扱う出版社ならではの感想をいただいた。
最後に、コールドブリュー缶のアイスコーヒーのお土産をもらって、カッピング体験は終了。コーヒーと自分の感覚にひたすら向き合う1時間が、新鮮な1日のスタートになったのではないかと予想する。
ICCサミットでは、エクストリーム・ディスカッションに加えて、こういった五感を刺激するような体験コンテンツも拡充している。参加いただく皆様に、新たな学びや刺激となるコンテンツがあることで、少しでも共創や産業を創るためのインスピレーションとなれば幸いである。
▶ブルーボトルコーヒーでは、各店舗でカッピング体験が可能。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成
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