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2月14日~17日の4日間にわたって開催されたICCサミット FUKUOKA 2022。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。今回は初開催となる「D2C&サブスク カタパルト」の模様をお伝えします。13社のD2C、サブスクを展開する企業が登壇し、それぞれのプロダクトやサービスの魅力をプレゼンしました。すでに人気を集めているプロダクトも多数あります。ぜひご覧ください。
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
新設! 7つ目のカタパルト
ICC FUKUOKA 2022の最終日、メイン会場での最後のカタパルトとして、今回のICCサミットで初開催となる「D2C&サブスク カタパルト」が開催された。
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ICC代表小林 雅の冒頭のスピーチによると、7つ目のカタパルトが生まれた理由はこうである。
「クラフテッド・カタパルトというものづくりのカタパルトがありますが、そこでは新興系ものづくりは伝統系にまったく勝てません。
なぜならば歴史あるものに対して文脈が弱く、実際に作っているのはOEMだったりして、比較すると一目瞭然、プレゼンだと差が出てしまう。せっかくいいことをやっているのに新興系は勝てない。そこで今回、新しいカタパルトを作ることにしました」
結論から先にいうと、最終日に見るべきカタパルトが増えたといえる。経営者である審査員たちがプレゼンを吟味し、投票して優勝入賞を決めるものの、見る側を消費者にしてしまう熱の入ったプレゼン、次々に登場する魅力的なプロダクトに、審査員を務めたノバセルの田部さんも「楽しい」と開口一番に感想を述べた。
本番直前の登壇者たち
見る側は楽しくても、登壇するほうは緊張でいっぱい。直前のソーシャルグッド・カタパルトが予定時間を押して終了したため、慌ただしくリハーサルが進んでいる。
会場は登壇者も審査員も入り混じり、ソーシャルグッド・カタパルトとは異なる雑多で活気のある雰囲気に変わっている。審査員を務めるインターナショナルシューズ上田さんは「D2Cはあくまで伝え方であって、なぜ本人がそれをやろうと思ったかという原体験を聞きたいです!」と、席についた。
もうひとり審査員に聞いてみよう。
「僕、プロダクトが好きなんです。プロダクトでも、マーケットを気にして作れなかったものが今まで結構あったけれども、最近はそれをあまり気にしなくて作りたい物を作っているから、いいものができているのかなと思っています」
児玉さんもカタパルト経験者。これから登壇する人たちにエールを送るとしたら?と聞くとこう答えた。
「燃え尽きてください、かな。プレゼンは緊張するけれどそれは意味がなくて、聞いている人は、実は内容をあまり聞いていない。でも自信をもってしゃべっていると、この人すごい!と思うじゃないですか。
多少間違えてもスルーして、態度、“圧”のほうが大事。ステージの真ん中に出てきてしゃべるとか。緊張している人を見ると、こっちも緊張します。本番で緊張するなというのは無理なんだろうだけど(笑)」
13人が紹介したプロダクト
D2C、サブスクのブランドが集まっているため、プロダクトがないと始まらない。カタパルトでは、審査員席には次々といろいろなものが運び込まれた。その紹介と登壇前後に聞いた話を、プレゼンの模様とともにお伝えしたい。
koyoi
SEAMの石根 友理恵さんがプレゼンしたのは、ドリーミーな世界観に彩られたクラフトカクテル「koyoi」。審査員たちは2種類のカクテルを味わいながらプレゼンを聞いたのか、プレゼンを聞きながらカクテルを楽しんだのか?
実は石根さんは、今回審査員を務めたTENTIAL中山さんが事業立ち上げのときに手伝っていたそうで、登壇後に仲良く談笑しているところを写真に納めさせていただいた。
homeal
親子で食べられる幼児食を作るhomealの鬼海 翔さんは、アワードで提供していたものとは違う、プレゼンの時点では未発表の新商品のポタージュを配布。スタートアップ、クラフテッドと転戦を重ねた今回3回目の登壇では、大きな展開、取り組みがプレゼンで語られ、事業の順調な成長を伺わせた。
WAAK°(ワアク)
家具の街、福岡県大川市発の、スタイリッシュかつ機能的な在宅ワーク家具をプレゼンしたのが、ワアク酒見 史裕さん。上質かつ生活空間にもなじむデザインは、アワード展示でも目を引いていた。
価格帯は、ありそうでなかった高級輸入家具と庶民価格の間。使用時に気になる配線やデスクのがたつきに配慮した作りのうえ、家具の素材はすべてアップサイクルできる。審査員席にはテーブルの天板にも使われる木材を使ったコースター型ウッドサンプルキットを配布した。
LOGIC(パーク)
簡単なスキンケアで仕事のパフォーマンスアップを提供することを目指すとしている男性用ブランド「LOGIC」を作っているのは、クリエイティブエージェンシーのパーク佐々木 智也さん。すでに熱い支持を得ているブランドだが、忙しいビジネスパーソンである審査員たちはまさにターゲット。サンプル配布は、かなり嬉しいプレゼントだったのでは?
haccoba
スタートアップ・カタパルト登壇時同様、ここでもは2種類の冷酒を配布したhaccoba佐藤 太亮さん。スタートアップ登壇時にユーグレナの永田さんから熱いエールを送られていたが、その後に永田さんは立ち上げメンバーのうちの1人が元ユーグレナの社員だったことを知ったという。
「彼が入ったことで、永田さんに刺さるチームになったのかもしれません。それに驚いた永田さんが発信してくださって、その夜からいろんな方々にカタパルト見たよとか、実は票を入れたよとかいろいろな方にお声がけいただきました。
ICCに初めて参加して、学びがあるのもそうなのですが、進むための折れない勇気をもらえて、めちゃくちゃいい時間だったなと思っています」
INCEIN(FABRIC TOKYO)
ICCでもおなじみのFABRIC TOKYOで、働く女性のためのカスタムオーダーウェアブランド「INCEIN」を立ち上げたのは、杉山 夏癸さん。スーツ事業で展開しているショールームでの採寸に始まり、パーソナルカラー診断などもオプションであり、その人にぴったりのカスタムワンピースを仕立てることができる。
この日杉山さんが着ていたのもその一着で、男性ならばテーラードスーツで一般的だったものを、女性向けに、しかもFABRIC TOKYOが培ってきた高い生産効率性で、手の届く価格で実現する。
KOREDAKE(メップル)
メップルの鈴木 友樹さんは登壇にあたり、深い懸念があった。展開する完全栄養のプロテインは女性がターゲットで、男性審査員の多いカタパルトでは支持を得られないのではないか。シェーカー不要、水を入れて振るだけのシェイクパックを配布するが、そのデザインも明らかに女性市場を意識したものだ。
カタパルト必勝ワークショップから猛特訓を重ね、この日は舞台中央で審査員に呼びかるようにプレゼンを行い、鈴木さんは見事3位に入賞した。
「入賞は、小林さんを始め、スタッフのみなさんからもフィードバックをいただけたからだと思います。でも感想は率直に……悔しい、です。でも、この悔しさは絶対次につなげたいと思います」
実は今回、運営スタッフの朝食用として「KOREDAKE」をご提供いただいた。最終日までスタッフのパフォーマンスを支える役割も、陰ながら担っていただいていた。
ONE NOVA
デザイン&イノベーションアワードにも参加していたONE NOVAの高山 泰歌さんは、ブース運営も登壇も1人でやりきった。ついに登壇の日を迎えて緊張していたが、ちょっと面白い話を教えてくれた。
「本当にいろんな方に購入していただいて、この2日間で20万円ぐらい売れました。みなさん商品を気に入ってくださって。
実際登壇者も、何人かは今日は勝負パンツとして履いてきたと聞いています。審査員の方もきっと履いていらっしゃるかなと思うと……面白いです。皆下着でつながっている(笑)」
百貨店の方々とも出会い、D2C以外の販路も拡大する可能性がある。審査員席には、仲間の印のように、ボクサーパンツが1枚ずつ置かれている。この日伝えたいこととは?
「ビジネスモデルというより、本当に商品に自信があります。触ったら履いたらわかる良さがあります。本当に商品の魅力が伝われば、私の目的は果たされるかなと思っています」
SAKEICE(えだまめ)
Twitterでカップアイスにカップ酒を注いで食べたら美味しいという情報を見たのがスタートで、本当に日本酒のアイスを作ってみて、今や大人気。日本酒の海外輸出増の波に乗り、海外展開まで視野に入ってきたのが、「SAKEICE」の成田 博之さん。審査員席にはノンアルコールの甘酒と日本酒のアイスを2種類並べた。
「月曜日からICCに参加していますが、界隈では有名だったのに、こんなイベントだとは全く知らなくて、リアルのイベントが難しいときに開催いただいたのがすごいし、リアルで会う強さを久しぶりに思い出しました。
酒蔵さんといくつか出会えたり、次の商品につながりそうなもの、将来的につながりが出そうなものとか、新しい出会いがいっぱいありました。今後は販路を広げていきたいので、一緒に価値を作って売っていけるところ、少しでも興味を持ってくださる方一人でも目に留まればと思っています」
その言葉のとおり、カタパルト後にコラボアイスが誕生している。これぞベンチャーのスピードを体現しながら、どんどん成長を加速させていく。
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YOUR MEAL(Muscle Deli)
Muscle Deliの西川 真梨子さんは、食生活を改善したい人が66%という現代に、簡単なテストでぴったりのメニューを提案する「YOUR MEAL」を展開する。体重を落としたい、体を引き締めたいといった希望に普段の食生活の傾向をかけ合わせ、パーソナライズされたメニューが提案される。食事制限には見えないラインナップから好きなものを選ぶと、冷凍食品の弁当で届けられる。
ダイエット情報があふれる世の中、コンビニや飲食店で自分で選ぶと同じものになりがちという現代人のペインに寄り添い、テクノロジーで解決していく。今後はアレルギーや美容、生活習慣病などさまざまなカテゴリーでのニーズをおいしく満たしていきたいとのことだ。
Oh my teeth
Oh my teethの西野 誠さんの気合いの入り方は半端なかった。1年前はスタートアップ・カタパルトで5位に入賞し、そのときは穏やかな印象だったのだが、今回は鬼気迫っている。
「カタパルト必勝ワークショップ」でのプレゼンも完成形に近く見えたのだが、講師を務めたe-Educationの三輪 開人さん、キックオフディナーで相席になったリアルテック・カタパルト優勝者ジェリクルの増井 公祐さんに意見を求めてプレゼンを磨き、配布物には矯正で使う実際のマウスピースまで用意した。
この写真はそのマウスピースが、現在リモート矯正実践中のICC小林の型だと明かしたときの笑顔。配布された箱から取り出して眺めていた審査員たちがどっと沸いたことは言うまでもない。
SHOCHU X
どちらかというと素朴なイメージがあるお酒、焼酎。学生時代から筋金入りの焼酎好きだった橋本 啓亮さんは、海外にその美味しさを伝える仕事に就いたものの2つの課題にぶつかり、それを解決すべくがSHOCHU Xを立ち上げた。
「カッコよくておしゃれで、グローバルスタンダードで戦えるアルコール度数、なおかつバーにも置けるようなデザイン」とのことで、ここで審査員席には4種類目となるお酒、「煌星-KIRABOSHI-」、アルコール度数が43%が配られた。優しい橋本さんは「少しずつ飲まれるようお願いします」と付け加えた。
PRMAL(プライマル)
本当にさまざまなものが登場したD2Cブランドで、最後を飾ったのが”ラボグロウン”ダイヤモンドの「PRMAL(プライマル)」。平たくいうと人造ダイヤモンドだが、その輝きや組成はプロの鑑定士でも見破れないレベルなのだという。
宝石商の3代目で、目上の親戚たちには何をやっているのかまったく理解されていないと言うが、福島 剛さんは気にしていない。それよりもエシカルで美しい選択を、と訴えるその耳には、目を奪うような輝きのジュエリーが光っていた。
「次の希望になるような大成功を遂げてほしい」
PLAID高柳 慶太郎さんのプレゼン。「KARTE」に加えて、さらなる顧客理解を深めるために「Cycle.me」でものづくりのブランド展開を実践中
投票用紙が集められて集計を待つ間は、審査員たちからの講評タイム。お酒のサンプルが多かったためか、どなたもよりリラックスした笑顔で、プレゼンを聞いた感想というより、共感と応援を伝えていた印象だ。
ベースフード橋本 舜さん「ICCには2018年福岡が初参加です。そのとき定期購買者100人ぐらいだったのですが、いろんなことありつつも粘り強く続けていたら、今日、10万人を突破しました。
D2Cは評価されにくいという話がありましたが、僕はそうかな?と思っています。粘り強く説明すると、SaaSよりも高い評価をいただくこともあります。みなさんが掲げている課題の大きさはカテゴリには関係ないと思うので、次の方の希望になるような大成功を遂げてほしいと思っています」
トラーナ志田 典道さん「本来ならば登壇側の立場なんですが(笑)。私はプロダクト、パッション、プレゼン、プロモーションという4つの軸でプレゼンを見て、投票させていただきました。
7分ぴったりで終わった、INCEINの杉山さん、KOREDAKEの鈴木さん、SAKEICEの成田さんがすごかったし、審査員が男性の多い中で、女性向けプロダクトでがんばった杉山さん、鈴木さんにエールを送りたいです。
どんなカタパルト、スタートアップのイベントでもみなさんが勝てるレベルではないかと思いました」
Makuake中山 亮太郎さん「数えたら14社中8社がMakuakeを使っていただいていて、ワクワクしました。
改めてD2C、ブランド作りは、時代が多様化してきたことによって、市場のシェアというよりも、無限に市場ができてきたんだろうなという気がします。
プレゼン上ではこの市場を狙うとおっしゃっているかもしれませんが、みなさん本音ではあまり意識していないのではないか。全員が独自の切り口で、新しいマーケット、新しいブランドを作っていこう、シェアの奪い合いではなく、足し算で作っていこうと思っているのではと思いました」
AnyMind Group十河 宏輔さん「想いが伝わってきてワクワクしました。みなさんのような課題解決、想いが強い人がもっともっと出てくるのではないかと思います。それによって世界がアップデートされるのが早まるのではと思います。
僕が見ているのはアジアが多いですが、ものづくりやプロダクトのクオリティで日本は自信が持てる。ブランディングでも日本発というのが効く。大手と比較して、マーケティングではストーリーを伝えるのが強いかと思うのですが、それで最初からグローバル展開を狙うところも今後検討しても面白いのではないか」
パルコ林 直孝さん「五感を使って審査をするのが続いて、とても楽しかったですし、もしパルコでこのブランドを知ってもらうならとか、どういう顧客接点を作るかなどを考えて、頭も使いました。
3月からホールディングスに移るので、グループの百貨店を担当することになりました。そこでの顧客接点も考えました。先程のソーシャルグッドもそうですが、丸が13個ほしかったです」
ノバセル田部 正樹さん「いい意味で楽しいなと。課題解決型というのもあるのですが、人生を幸せにする、プラスの価値を提供するというのが単純に聞いていて楽しかったし、このカタパルトいいなと思いました。
プレゼンを聞きながら、日本酒のアイスとか何個も買いました。すごく面白くて新しい発見がありました。
プロモーションを仕掛けていく上で、プロとしてやっていますが一番大切なのはプロダクトで、そのニーズやお客様に認められるものを作ることが大事です。まさにマーケティングの原点というか、今日のプレゼンを聞いて、僕も逆に勉強させていただきました」
優勝は既報の通りOh my teeth、第2位は、SAKEICE(えだまめ)、同率3位は2社で、KOREDAKE(メップル)とPRMAL(プライマル)、第5位はhomeal、第6位はSHOCHU Xとなった。
▶【速報】継続率97%!通院不要の新しい歯列矯正体験を提供する「Oh my teeth」がD2C&サブスク カタパルトの初代王者に輝く!(ICC FUKUOKA 2022)
西野さんの優勝スピーチは「本気で歯科体験を変えていきたいと思っています。みなさんと一緒に変えていければと思います。ありがとうございます!」
時間が押す中、駆け足で記念撮影が行われ、初開催の「D2C&サブスク カタパルト」は無事終了した。
次回開催もこうご期待!
ICCサミット最終日、最後のカタパルトでようやく緊張感から開放された登壇者たちは、顔をほころばせて記念撮影に応じてくれた。
審査員のTENTIAL中西さんを囲んでSEAM石根さん、ONE NOVA中西さんがポーズ。「石角さんには、TENTIAL創業当時、PR周りをお手伝いいただいていたんです」と中西さん
KAPOKの深井喜翔さんは4代目、PRMAL福島さんは3代目と後継ぎつながり。「めちゃくちゃかっこいいし、エシカルつながり。何か一緒にできないかな」と深井さん
そのなかで、同僚と優勝を喜び合っているが、まだ呆然として感無量の状態の西野さんがいた。
「本当に嬉しいです。何より今回はメンバーも、4倍に増えました。1年前は1人でプレゼンを全部作ったのですが、1人から4人に増えたんです(笑)。
仲間ができて、フィードバックをもらって、数値のデータをいただくとか、見せ方も最後まで見てもらったりとか、みんなで作った感があって、より嬉しかったですね。
アワードでもみんなでやって……1人じゃ何もできませんでした。
ジェリクルの増井さんにも、直前までアドバイスいただきました。初日のディナーで一緒の席になったので、優勝プレゼンターから学びたいと思って。さっきも僕のプレゼンのときに、わざわざ見に来てくださって、感激しました。
何より、まささん(ICC小林雅)ですね。モデルになってもらうという、ずるいネタを使い続けて(笑)、審査員の皆さんにまささんのマウスピースを持って帰ってもらって」
「笑いが起きてた!」と隣で同僚の堀 裕佳子さんがコメントすると、西野さんはうれしそうに頷いた。
「去年は1人でやったから自信があまりなかったんですが、今回はありました。いろんな無理を行って変更ばかりして、アワードの展示会場ではワァクさんともCo-Creationさせていただいて。本当に、いろいろな方に助けてもらってばかりです!」
アワード会場では、ドクターも含めて3人でブースに立った。ゲストが座る椅子は隣のブースのワァクのもの
この優勝後も貪欲にサービスを磨き続けるOh my teethの躍進は言うまでもない。
D2Cという形態でアップデートされるサービス、プロダクトには、当然既存産業からの抵抗もあるだろうし、世の中にも、VCにもすんなりと受け入れられるものではないだろう。
しかしベースフードの橋本さんが言うように、たった4年前には100人だったものが、プロダクトを信じて磨き、伝え続ければ10万人に増えることがある。
「これ、あったらいいのでは?」という極めて個人的な思いつきを説得力のある形にできれば、それを顧客に直接届けることが可能な時代になっている。しかも大企業ではできないスピードで、ユニークでとんがったプロダクトができる。むしろこれは強みにもなる。
今回登壇した企業には、在庫を抱えずオンデマンドで作るスタイルのところもあり、プロダクトづくりがどんどん身軽にもなっている。圧倒的なオリジナリティ、パーソナライズ、SDGsという、いくつかの軸が今回は目立ったが、それも時代の流れで変わっていくだろう。次回もどんなプロダクトと出会えるのか、楽しみなカタパルトである。
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成
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