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ICCサミット直前恒例、リブ・コンサルティングによるプレイベントの第2回は ICCサミットでも人気のセッション「CXO模擬経営会議 – もしも最強CXOたちが“あの企業の経営アジェンダ”を真剣に議論してみたら…(90分拡大版)」。今回はファストドクターの菊池 亮さんとユニファの土岐泰之さんが、“最強CXO”という想定の豪華アドバイザーたちに経営課題を相談します。完全オフレコで行われる議論の様子をお伝えします。ぜひご覧ください!
ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回300名以上が登壇し、総勢900名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2023は、次回ICCサミット KYOTO 2022は、2022年9月5日〜9月8日 京都市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。
ICC KYOTO 2022でシーズン3が予定されている人気セッション「CXO模擬経営会議 – もしも最強CXOたちが“あの企業の経営アジェンダ”を真剣に議論してみたら…(90分拡大版)」。
タイトルの通り、豪華アドバイザーを”最強CXO”に見立てて、経営者たちが課題を相談する模擬経営会議を行うというもので、経営アジェンダも丸裸になるうえ、様々な知見を持つ凄腕経営者たちが提案する解決策も歯に衣着せぬ鋭さ。完全オフレコも納得の学びの深い内容が人気を集めています。
何より社外取締役にでもならない限り、他社の経営会議など立ち会うことができませんよね。8月3日にリブ・コンサルティングのご協力のもと、この人気セッションの雰囲気を少しでも味わっていただくプレイベントのセッションをICCオフィスで開催しました。
今回お悩みを相談するのは、この2年間、毎日のようにメディアでその活躍が報じられていたファストドクターの代表医師・菊池亮さん。3年前のスタートアップ・カタパルトで優勝して以来の参加です。
▶【速報】医療・ヘルスケア系が躍進!夜間往診サービス「ファストドクター」がスタートアップ・カタパルト優勝!(ICC KYOTO 2019)
久々の再会にICCポーズの菊池さん(撮影時のみマスクを外しています)
もう1人の相談者は、こちらもICCでおなじみのユニファ 代表取締役CEOの土岐泰之さん。AIやIoT等テクノロジーを活用した保育施設支援のソリューションを展開しており、保育者や保護者、地域から「選ばれる園創り」をサポートしています。
▶︎3. DXを推進しながら見えてきた収益の向上、人材育成という課題(土岐さんの過去登壇セッション記事)
この2社の”最強CXO”となって経営課題を検討するのが、ICC KYOTO 2022でも登壇いただくランサーズ 取締役CSOの曽根 秀晶さん、GrowthCamp共同代表の山代 真啓さん、そしてリブ・コンサルティング常務取締役COO 権田 和士さん。内容が内容だけに詳細はやはりオフレコですが、その議論の雰囲気だけでもお伝えしたいと思います。
他社の経営課題に興味津々の参加者たち
ファストドクターの菊池さん登場
この日の流れを説明するリブ・コンサルティング大島 周さん
「CXO模擬経営会議」は、まずファストドクター菊池さんのプレゼンからスタート。
ファストドクターの菊池亮さん
医療アクセスが困難な夜間・休日に患者と医師をつなぐ、日本初の「時間外救急プラットフォーム」を運営するファストドクターは、医療の効率化をDXによって追求するヘルステック企業。患者は申込みから保険証の提出・支払いの登録など診療前後の手続きをすべてオンラインで完結させることが可能。一方の医師も、AI問診や音声カルテ入力など診療外業務がDXによって効率化されている。現在は、11の都道府県で救急往診を展開し、通院困難者に医療を支援することで不要の救急搬送を軽減するなど、国の医療費の削減にも大きく貢献しています。
このコロナ禍で顕在化したのが、在宅医療の重要性とその担い手不足。24時間の連絡体制が求められる在宅医は、夜間・休日を問わず患者からの相談が寄せられます。医師の夜間・休日の業務をサポートするプラットフォームを活用すれば、業務の省力化・負担軽減ができることを菊池さんは訴えました。
医療機関の負担を減らせるサービスとして認知・導入してもらうことで、かかりつけ患者が24時間に渡っていつでも相談や受診ができるようになります。リブ・コンサルティングのサポートも得て、toB事業である開業医向けの時間外往診連携サービスを導入する医療機関は伸びているものの、さらなるセールスとコンタクトセンターの向上がグロースアジェンダだと言います。
さてこの問題、”最強CXO”たちはいかに解決するのでしょうか……?
写真左から山代さん、曽根さん、権田さん、菊池さん、土岐さん
曽根さん「時間外診療、救急DXというカテゴリー認知をどう作るかと、toCにおけるデマンドをどう作るか、それを供給できる医師を確保するという4つの要素がベースにあって、変動性が高い。toCで培ったサプライを安定的なデマンドとしてtoBに当てていければ繋がっていく。toCの認知を作るには投資をしないといけないと思います。
toBは小規模なクリニックが多いのでレバレッジが効くわけではない。それでも泥臭く、やっていけば当たるという印象ですね」
GrowthCamp山代 真啓さん「ファストドクターの認知と、緊急時の想起はどのくらいあるんですか? 知ってもらえれば需要は強いサービスなのだから、注力するべきはマーケティングコストではないか。知っているか知っていないかの勝負かと。それがtoBに波及してくると思う」
曽根さんも山代さんも「入社1日目」と言いながら、どんどん踏み込んだ質問を投げかけて課題の理解を深めていきます。既存の医療産業に対する黒船ではなく、足りていない部分を補完できるサービスであることの伝え方まで、話は及びました。一方権田さんは菊池さんの話に補足を加えながら、タイムマネジメントに気を配ります。
スマートスキャン濱野 斗百礼さん「toB向けならば、開業医が導入すればどれだけ儲かるのかを示すといいかも。うちのサービスともご一緒できるところがあれば」
会場の参加者からも”CXO”が飛び入り。こんな知見のCo-Creationが、ICCの”ともに学ぶ”カルチャーです。さまざまな意見や議論が続いてあっという間に1時間が過ぎました。菊池さんは最後にこう結んで議論を終えました。
菊池さん「何のシナジーが効くか、どこから着手すべきか頭の整理ができました。ありがとうございました!」
ユニファ土岐さんが経営課題を相談
続いてユニファ土岐さんのプレゼンから、新たな経営会議がスタート。
ユニファは、提供サービスの「ルクミー」を通じて得られる膨大なヘルスケアデータ、発達データ、写真データを活用することで、一人一人の子ども達の興味関心や発達段階に合わせた教育や教育機会を提供しようとしています。
「ルクミー」は保育者や保育施設の経営に関するペインの解決にも貢献しています。例えば、子ども達の日常を撮影した写真をオンラインで販売する「ルクミーフォト」は、保育者にとって大きな負担だった写真販売業務を効率化するだけでなく、ToC課金モデルで売り上げの一部を保育施設へ還元しています。子ども達の祖父や祖母が喜んで購入するそうで、保育施設の経営にも助けになっていると言います。
全国の保育施設におけるシェアや売上も順調に推移しているものの、保育業界を変える企業としては、この規模ではまだ小さいという課題があり、商談時には「良いプロダクトだけれども今の導入は無理」と言われることがペインだといいます。
山代さん「今のフェーズだと、セールスとカスタマーサクセスのオペレーショナル・エクセレンスが大事だと思います。『今じゃない』と言われるのは、バリアがあるということ。リード獲得やマスマーケティングより、Wi-Fiをつないであげるほうが効果的です。
商談に効くのは何かを見極めて、突き抜けるために、バリアとなっていることをやりきる。それが足下のグロースでは一番効くのではと思います」
「社会課題を解決するテクノロジーは大好物です」と曽根さん
曽根さん「目先の堅実な経営と同時に、土岐さんにはぶっ飛んだやりたいことがある。もういっそ目先のことはすべて無料にしてしまうとか。保育園を買収してしまってすごい保育園のロールモデルを作ってみては?」
そこで登壇者たちが注目したのが、1列目に座っていたatama plusの稲田 大輔さん。ICC KYOTO 2022 のカタパルト・グランプリに登壇予定ですが、塾を対象にしたSaaS学習サービスから、2022年6月からは実際に直営の学習塾の経営まで着手しています。
権田さん「レガシー産業におけるICT、DX普及は共通してアーリーアダプターを超えたシェア15%のキャズムあたりでまるで分厚い岩盤があるかのように一気に止まります。今日ちょうどアタマプラスの稲田さんもいらしているので、ぜひ”社外取締役”としてご意見を聞きたいです」
”社外取締役”として議論に加わった稲田さん
稲田さん「近しい悩みを持っています。多くのスタートアップはその15%前後のところにあるキャズムで死んでいきますが、そうならないように、シェアを上げてキャズムを超える努力をしています。
アーリーアダプターより先にいる、今までとは違う層に入っていく努力をして、その人たちが抱える課題を全部解決することに尽きるのかなと考えています。
6月から実際に自分たちで塾を経営していますが、保護者と面談したり、チラシ配りをしたりと、運営者をやってみるとペインがたくさん見えて、プロダクトづくりのヒントになります。
黒字化もしないといけませんが、いかに早く本当のお客さんのニーズに合ったプロダクトにするか、イノベーティブなプロダクトからホールプロダクトへの進化に注力していて、カスタマーサクセスもそれ自体を磨くより、いいプロダクトを作るために意見を持ってくることに集約しています」
ユニファもサービス導入を進めていくうちに、習い事の教室として活用する構想や、学童保育の場として使いたいという地域からの声が寄せられているのだそうです。そして中長期的には保育施設を運営することも検討中。稲田さんの取り組みにも非常に注目して見ているとのことでした。
この「CXO模擬経営会議」、真剣な議論によってこの場に集まっている経営者の方々が、これからの社会を変えていく、作っていく予感がひしひしと感じられる2時間超で、もしも全く関係のない事業を経営していても学びの多いこと必至です。登壇いただいた皆様、議論に参加いただいた皆様、どうもありがとうございました!
ICC KYOTO 2022のSession 5B「CXO模擬経営会議 – もしも最強CXOたちが“あの企業の経営アジェンダ”を真剣に議論してみたら…(90分拡大版)」は、DAY1の9月6日、18時スタート。完全オフレコでお送りします。当日はatama plusの稲田さんと、ヘラルボニーの松田 崇弥・文登兄弟が経営課題を相談します。ぜひご期待ください!
(終)
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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子