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高みを目指す104人の挑戦者たちが集結、「チャレンジャーズ・ナイト」

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9月4日~7日の4日間にわたって開催されたICC KYOTO 2023。その開催レポートを連続シリーズでお届けします。このレポートでは、9月4日にフォーチュンガーデン京都にて開催した、カタパルトのプレゼンターやアワード体験プログラムの展示企業の代表者のための前夜祭「チャレンジャーズ・ナイト」の模様をお伝えします。ぜひご覧ください。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る。」ための場です。毎回400名以上が登壇し、総勢1,000名以上が参加する。そして参加者同士が朝から晩まで真剣に議論し、学び合うエクストリーム・カンファレンスです。 次回ICCサミット FUKUOKA 2024は、2024年2月19日〜 2月22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページのアップデートをお待ちください


挑戦者たちが集まる「チャレンジャーズ・ナイト」

1年前から始まったカタパルトの登壇者を集めた前夜祭は、ICCサミットのオープニングイベントの1つ。ICC FUKUOKA 2023からアワード参加企業の代表者も合流し、ジャンルを超えた交流を狙いとする。

新たな価値を創造する事業への挑戦、既存の事業への挑戦など、日々さまざまな挑戦を続けるチャレンジャーたちに敬意を表して、今回からネーミングを「チャレンジャーズ・ナイト」と変えて開催された。

会場のフォーチュンガーデン京都は1927年に建てられた島津製作所の旧本社ビル。島津製作所といえば、国産初のX線装置を開発し、蓄電池の製造を可能とする発明をした、日本のものづくりの挑戦者で、偉大な先駆者。今の挑戦者たちが集まって、気炎を上げるには絶好の場所だ。

続々と集まってきたチャレンジャーたちは、プレイベントなどで知り合った顔を見つけたり、自己紹介を始めたりと、早速交流を始めている。

今回は初企画としてヘラルボニーのライブオークションが予定されており、そのお知らせも兼ねて松田文登・ 崇弥さん兄弟とICC代表の小林 雅が、こことは別にで行われているオープニングイベントを含め3か所行脚する。まだまだ暑い京都の夏をさらに暑くするような、オープニングのスピーチが始まった。

松田 崇弥さん「お時間をいただきましてありがとうございます。私たち双子の4歳上の兄貴に重度の知的障害があります。兄貴が小学校時代、自由帳に書いていた謎の”ヘラルボニー”という会社名をそのまま会社名にしてやっています。

私達は2年半前にICCに推薦ではなく、自分達からここに出たいと門を叩いて、そこからカタパルト・グランプリでプレゼンをして、次にソーシャルグッド・カタパルトで優勝させていただいてから、色々な形でご一緒する機会をいただきました。

「福祉×アート」の社会実装で、障害に対する意識を変えていく「ヘラルボニー」(ICC FUKUOKA 2021)

私たちは、障害は欠落ではなくて、違いや個性になるということ、『異彩を、放て』というのを会社のミッションに掲げています。

障害と調べたときに、CSRとかSDGSといった何かが紐づかないと使われないという価値観そのものにすごく違和感みたいなものがあります。単純に作品として作家として、それが素晴らしいのであれば、社会に出していく。その市場を創っていくことによって、いろんな形でタッチポイントや価値観を作れたらと強く思っています。

素晴らしい作家さんたちのアートがたくさんICCに広がるかなと思っていますので、明後日の水曜日13時から、原画作品を含めたライブオークションに、ぜひ皆さんご参加ください!」

小林「グラスを持っていただければと思います。

スタータップ・カタパルトの冒頭でよく言うことですが、ここにいらっしゃる方全員とは言いませんけども、100人中5人ぐらいは日本を代表する企業家になります。僕はこういったカンファレンスを 20年以上続けているので知っていますが、必ずそういった起業家が現れます。

最初は何を言ってるのか分からなかった人の例が、クラウドワークス吉田 浩一郎さん。僕と同世代ですが、そういう人たちが今は日本を代表する起業家といってもいいんじゃないか?というほど成長していく姿を、僕は10年20年で沢山見てきました。

「一生懸命やりきる」「挑む人の応援者たれ」「全員対等、全員真剣」ICCスタンダードを読み上げる

今ここにいる方はそこまでは思ってないですよね、目の前のことに必死で、自分は食べるのがやっと。資金調達しなければとか、社員が文句を言って大変だ、売上を上げなければいけない、大手企業に裏切られてどうしようとか。そんな目の前の課題に今は取り組んでいるけれど、ここにいるなかで、5〜6人は社会を代表する起業家になります。

自分はこの企業を代表している、自分は社会を代表する、日本を代表する起業家になるという意識を持って参加するかしないかで、学び方は大きく違います。

よく2代目とか、◯代目の経営者がいらっしゃるじゃないですか? 彼らは自分が跡継ぎになるから意識が変わるんです。『自分はやがて三木谷(浩史・代表取締役会長兼社長、最高執行役員)さんや孫 正義さんみたいになる』と昔から言っていた吉田さんもそういう風になりつつあるから、言葉にして言うことって大事なんですよね。

だから言ってください。いかに馬鹿にされようとも、自分はこういう起業家なんだと、社会を変えるんだと。口癖のように言ってください。

僕らもICC スタンダードを作りました。僕たちは挑む人たちの応援者です。皆さんに、いいこと言ってるじゃないか頑張れよと言いますし、いじめられたら僕に言ってくれたら、いくらでも励ましますので、頑張っていきましょう!

挑む人を応援する代表じゃないですけど、挑戦者しかいない場ですので、それでこの場をチャレンジャーズ・ナイトと名づけました。チャレンジャーズ同士仲良くなってお互いの傷を舐め合い、助け合う仲間でこの場を作っていただければと思いますので、乾杯したいと思います。仲間になれてよかったね、がんばろうってことで乾杯したいと思います。いいですか? 乾杯!」

乾杯の後に、司会の荒木 珠里亜さんと安藤 輝人さんが、カタパルトやアワードごとに集まるよう呼びかけ、アクティビティを始めようとしたが、この最初の挨拶で会場はすっかり盛り上がったため、交流促進はもう必要なさそうだ。

自己紹介が終わった会場にメディアチームの撮影隊が回り始めた。その写真とともに、チャレンジャーたちに聞いた話を紹介しよう。

「他のピッチコンテストと熱さが違う」

Green Carbon大北 潤さん(写真中央)

Green Carbon大北 潤さん(スタートアップ・カタパルト登壇)「VCさんからの紹介で、登壇することになりました。

農業由来のカーボンクレジットを創出する事業で、カーボンクレジットはCO2の削減量をクレジット化したものです。私たちは農家さんがやっている環境に配慮した行動をクレジット化して、それを上場企業に販売するような事業をしています。

ICCとほかのピッチコンテストとの違いは、熱さですね。熱さは全くもって違いますね。普通の登壇イベントだと1、2週間前に言われるのですが、ICCでは1〜2カ月ぐらいの準備期間、練習時間があって、どうやっていいプレゼンをするのか、プレゼンも1つのテクニックで、事業の中の1つだと勉強させてもらえるような場所ですね。

先ほど一緒に登壇するメンバーの方々とお話をさせてもらったんですけど、全然違う業界の方々でも意識の高い方々の集まりでもあるので、本当に明日やってやろうという気持ちにもなりますし、すごく刺激をもらえます。

僕が出るのはスタートアップ・カタパルトですが、皆さんの話を聴いていると全然スタートアップじゃないなと盛り上がりました。皆さん事業も結構進んでいて、ちゃんと売上も立っていたり、大きな視野でやっていたりする。全員違う業種の方々の集まりだったので、こういう視点で事業を作ってるのかとか、課題を皆さんと話すことができました。

出るからには優勝したいなと思ってはいます。また、これを機に今出会ったメンバーといろんなイノベーションを生んで、またICC行って良かったなっていうふうに思えるような明日にしたいなと思ってます。

スタートアップ・カタパルトに登壇するチャレンジャーたち

半年前のスタートアップ・カタパルトで優勝したリージョナル・フィッシュの梅川 忠典さんは、今回フード&ドリンクアワードに参加。優勝プレゼンでも語っていた、日本の水産業の未来を変えるゲノム編集による「22世紀鯛」を出品する。さぞかし自信があるのかと思ったが、真顔でこう答えた。

ゲノム編集による高速品種改良で、日本の水産業の復活を目指す「リージョナルフィッシュ」(ICC FUKUOKA 2023)

梅川さん「……いや結構自信ないですね。

ピッチは今まで負けたことなかったんですよ。それは絶対的に自信があったんですけど、フードで判断されるってことが今までなかったので、今回は皆さんの胸を借りようと思っています。

いや、自信はあるんですけど、やっぱりね。みなさんも自信があるから来ている。僕らは起業のストーリーという側面もあって、それが今回のこのアワードの評価基準と合致するかっていうと……審査項目に当てに行くとどうなるのかというと、結構難しいかもと思っていますが、頑張ります」

左からMizLinx野城 菜帆さんバイオームの藤木 庄五郎さん、坪井さん、梅川さん

上の写真では元気いっぱいだが、サグリの坪井 俊輔さんはこの日も苦悩していた。2位入賞だったスタートアップ、ソーシャルグッドと2つのカタパルトに2回続けて登壇、デザイン&イノベーションアワードでは準グランプリ。傍目には素晴らしい成績で今回はICCのカタパルトの最高峰であるカタパルト・グランプリに臨むが、思い詰めた表情だ。

坪井さん「できるかぎりの準備をしてきましたが、どうしたらちゃんと結果を残せるか。どうしたら(ICC)小林さんにご恩を返せるか」

ICCの運営スタッフ出身のためか、プレゼンのリハーサルでも小林の点は辛い。事業に自信はあり、登壇の準備も十二分にやっていて毎回悔いはないが、一体自分に何が足りないのか。この1年坪井さんは毎回そう話していて、この夜もそうだった。しかしこの2日後の朝、坪井さんは渇望していた優勝を手にすることになる。

「ものづくりの未来は明るいと伝えたい」

約3年半ぶりとなるアフター・コロナ、ノーマスクでのパーティーは、写真で見る以上に熱気が充満していて、皆、夢中になって話をしている。コロナ前はこんなふうだったのかもはや思い出せないが、フードやお酒の回りには列ができて、そこここで歓談の輪ができている。

クラフテッド・カタパルトのチャレンジャーたち

”感動のつめ切り体験ができる、入手困難で幻のつめ切り”を作る諏訪田製作所の水沼 樹さんは、熱気あふれる場に驚いている様子。それまでこういった場に出席する機会がなかったそうで、「皆さんコミュニケーション能力が高いですね…」と会場を見渡している。

水沼さん(クラフテッド・カタパルト登壇)「ものづくりに興味があって、何でも良かったんですが、世界の中で輝くような、自分が見てすごいものを作っているというのがいいなと思って、たまたまそれがつめ切りだったんです。社長ともスキー部の先輩後輩というのがあって、そのつながりが結構強いです。

切れ味のいいつめ切りの条件は3つあって、めちゃくちゃ素材がいいこと、刃が薄いこと、2つの刃がピッタリ合うことです。

10年〜20年使うと最初ほどは切れなくなってしまうのですが、研ぎ直しに出すのが楽しみで買う人もいます。自分で(道具を)育てたいじゃないですか。早く研ぎに出したいからいっぱい使うみたいな。

安価な海外製のものもありますが、価格が10倍以上違うものを作っているので、競合とか、あまり気にしていないですし、そもそもたくさん作れないので、売りまくるみたいなことは考えたこともないかも。作れた分に売り切れたらよしと思っています。追い風が吹いているとかなと思います。

つめ切りもそうですが、同じようにいい職人さんとかいい会社さんが日本中にあるけれど、数としたらもう減ってきてしまっている。でもここから先の未来は明るいと伝えられたら。そして皆さんがそうだなと思ってくれればいい」

SaaS RISING STARカタパルトのチャレンジャーたち

山上木工の山上 裕一朗さんは、北海道で主に椅子を作っている。同郷のサツドラ富山 浩樹さんの紹介で今回、デザイン&イノベーションアワードに出展する。

写真右が山上さん

「田舎でものづくりをしています。ICCサミットに憧れがあって、そのきっかけが、私は3代目で、アトツギ甲子園に出てファイナリストになったのですが、そのときに自分の事業の解像度がどんどん上がっていく感覚があったんです。

スタートアップのほうがもっと大変だろうし、僕らはむしろ恵まれてる環境かもしれませんが、もっと挑戦したいと、今回富山社長のご紹介でチャンスをいただきました。

入札で勝つことができて、東京2020オリンピックのメダルケースを我々が作ったのですが、それで地方でもやれるという手応えがありました。地方で人口4000人の街でも戦えるというのは、夢があって、これからは都会の皆さんと並んで挑戦できる時代だと思います。皆さんと一緒に頑張っていきたい」

「いいこと」の機運を高めて大きな波に

Rennovater 松本 知之さんは、住宅確保困難者と空き家の課題をかけあわせて解決する事業で、1年前の京都でソーシャルグッド・カタパルトに入賞。今回はカタパルト・グランプリにチャレンジする。

左端が松本さん

松本さん「今回ソーシャル部門を代表してグランプリに出ます! 1年前に一緒に登壇した方とも仲良くさせてもらっています。成長性とかではなくて、いいことを愚直に地味ですけどやっていきますっていうことを伝えようと思っています。

住む家を失うという電話は、ひっきりなしに来ます。家がないとか、月末に住んでいる場所を出されてしまうとか、今日転送されてきた電話でも6件ありました。今は人力ですが、社員は 自分を入れて2人。あとはパートや学生さんたちに助けてもらっています。

なんかICCに来ると、ピリッとします。明日は夕方からこもって資料に向かうんですけど、またここに来てしまったなと、独特の緊張感があります。 マジでまた来ちゃった!と」

ソーシャルグッド・カタパルトに登壇する、うきはの宝  大熊 充さんは、福岡県うきは市で、75歳以上が働ける会社を作った。そもそもどうして、どうやってオーバー75を集めているのか。

一緒にソーシャルグッド・カタパルトに登壇するウィーズ光本 歩さん、AgeWellJapan赤木 円香さんと

大熊さん「社会課題ともちょっと混ざり合ってはいるんですけど、僕のエゴで、根本的にはばあちゃんに恩を返したいっていう、それが原動力です。

おばあちゃんたちを雇いたいというのがまずあって、現場では一緒に働くメンバーは自分たちで探したいとなった。ばあちゃん達の主張としても、80過ぎて初めて会った人と仲良くやれといっても難しいよね。

当初は喧嘩とかもあったりしたんです。そういうのも含めていいですけどね、人間味というか、そういう喧嘩する元気があるというのはいい。止めるこっちはちょっと大変ですけど(笑)。

もちろんこれからスケールさせていきたいですが、綺麗事かもしれないですけど、やっぱりばあちゃん達がうちに来て幸せやったとか、楽しいって実際言ってくれてるのはプライスレスだなあと。今は人数が少ないですが、今この状態でもやっていて良かったなと、日々日々思います。

高齢者の就労をどんどん広めていきたい。私は5年前に始めて、そのころはまだ珍しかったんですけども、今は各地でそういう動きが起きてきてるので、7分間で今までやってきたことを伝えて、その機運をさらに高めたいなと思います」

初開催SAKE AWARDに出展する皆さんと、醸造つながりの飯尾醸造 飯尾 彰浩さん(写真左)

今回初開催となるSAKE AWARDに参加いただく酒蔵の皆さんは、よそのお酒を飲んでいるせいか、どこか所在なさげに見える。しかし翌日から始まったSAKE AWARDを真剣勝負の場にした熱意は圧倒的で、ICCに新たな目玉プログラムとなる柱を打ち立てた。

ともに成長して、産業を創っていく

ガーディアン・アワードは、ICCサミットをスポンサードくださる企業の方々が、会場内ブースでプレゼンを行い、その評価を競うアワードだが、ICCサミット歴があり、カタパルトでICC初参加とは異なるベテラン感を漂わせている。

スタートアップの経営者が審査員であったり、もしくは直接サービスを受けていたりもして、カタパルト登壇者との親和性も高く、和気あいあいと交流している様子だ。

そんなガーディアン・アワードの顔ともいえる1人、リチカの本田佳佑さんに話を聞いた。今回本田さんは、最終日に初開催となるガーディアン・カタパルトのプレゼンターとしても登壇する。

写真中央がリチカの本田さん

本田さん「ありがとうございます。ガーディアン・アワードとカタパルト、ズバリ狙ってるのは優勝しかないです! 

優勝以外を目指すのは、うちのVALUESの『ナンバーワン思考』に反するものです。優勝以外では負けなんです。

前回ICC FUKUOKA 2023の出展でまず、ICCの認識が社内ですごく高まりました。いろいろな展示やイベントのあるなかで、ICCだけちょっと違うというか、これは出る人だけのことじゃない、全社で取り組まなきゃいけないことなんだっていうのがあって。

前回はプロジェクトメンバーだけでやってたんです。今回もいるんですけど、そのほかICCサミットにブルーパスで当日来る人とかいるじゃないですか? その人たちが資料作成とかめっちゃ積極的に手伝ってくれるんです。

本当は僕、土日出勤しないといけないかな、準備を1人でやらなきゃいけないかなと思っていたら、一緒に出るメンバー3人がやるよって言ってくれて。そのおかげで僕、土日眠ることができました。

現地でもみんな主体的に動いてくれて、ブースの設営もどこよりも早く終わりました。社外のクリエイターさんたちは、今回のアワードで97社分の動画を3営業日で全部作ってくれました。

リチカだからできるというのもありますけど、皆さん各自のお仕事がある中で「リチカさんのためなら」とやってくださって、土日で稼働してくれた方もいらっしゃって。今回は全社を超えての、全ステークホルダーの総力戦で来ております。

ICCをきっかけに、私たちのビジネスもそうですけど、私たちがお手伝いさせていただけることで、皆さまのビジネスの成長につながったらいいなと思っています。ともに産業を創る、ですよね!」

「挑戦者にとって夢があり、フィロソフィーのある場」

賑やかな会場の片隅のハイテーブルで静かにお酒を楽しんでいるのは、リアルテック・カタパルト登壇のFerroptoCure大槻 雄士さんとiMUの名倉 武雄さん。医療界とICCサミットの雰囲気の差に驚き、遠巻きに喧騒を眺めている。

写真左から大槻さん、名倉さん

名倉さん「楽しいんだけど、ちょっと違いすぎますね(苦笑)。アウェーです。学会とか研究会だとガチでサイエンスの話をするんですが、それはここでは通じないでしょう。

僕らはなかなかついていけなくて、でもプレゼンは変えられないですよね。どれだけすごいのかというのを、(ICC小林)雅さんにドヤっていいと言われました。僕は世界のトップなんだから、分からないでしょ?ぐらいの(笑)。

でもこの間の練習会(カタパルト必勝ワークショップ) 3位は完全に滑ったなあ、完全アウェーですよ」

大槻さん「今まで出たピッチで一番やり方が分からないです。あまりに審査員が畑違いなので」

名倉さん「でも素晴らしいですよ。本当にうーん…勉強になる。こういう世界には来たことがないし、本当に別世界です。

それにICCのスタッフの方々がすごいと思う。そういうサポートする人たちがいるから、これだけ素晴らしくなるんですよ。雅さんが1人で一生懸命言っていたって多分ダメで、チームがいるからすごいんでしょうね。

スタートアップやVCって、目が”¥マーク”になっちゃってる人がいるじゃないですか? たぶんICCはそうじゃないところがいいんですよ。僕はそれがすごくいいと思う。

さっきのスピーチもそうですけど、挑戦することに何の資格もいらないみたいな考え方や、挑戦する人を応援するというのが共感を生んでいて、夢がある。夢だけじゃ語れないけど、そこにフィロソフィーがあって、ブレてない。そこはすごくいいと思います。

エネルギーには圧倒されますけどね。若干アウェーですね(笑)」

大槻さん「若干じゃないですよ(笑)」

名倉さんに限らず、運営スタッフがなぜこんなにやる気に満ちあふれているのかと、たくさんの登壇者から尋ねられた。さまざまな理由があると思うが、挑戦者たちの、課題を解決して社会をよりよくしたいという熱意に触れると真剣になってしまうのだと答えた。いいことを成すために挑戦する人を応援するのは気持ちのいいことで、そこには何の打算もないだろうとも。

「チャレンジャーズ・ナイト」の終わりが近づき、会場前方では、過去のカタパルト入賞者がプレゼンを控えた今回のチャレンジャーたちにTIPSを伝えた。自分が信じた事業やその熱意を、思い残すことなく伝えられるように、チャレンジャーであり先輩でもある仲間からのメッセージだ。

しかし会場は多いに盛り上がっており、梅川さん、Leaner Technologiesの大平 裕介さん、坪井さん、ALGO ARTIS 永田 健太郎さん、Hubble早川 晋平さんは苦笑い気味。前夜祭としては、これ以上はないという熱気に満ちたクロージングとなった。

一次産業から最先端のテクノロジー企業まで、104人が結集した「チャレンジャーズ・ナイト」。ここには、世間からどんなに馬鹿げているとか、無理だと言われるような挑戦でも、それを笑う人はいない。熱意は伝染し、同志を見つければさらに燃え上がる。

「一生懸命やりきる」「挑む人の応援者たれ」「全員対等、全員真剣」を胸に、ICC KYOTO 2023が始まった。

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編集チーム:小林 雅/浅郷 浩子/戸田 秀成

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