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多くの選択肢からやりたいことを絞るには? – 社会起業家たちからのメッセージ【A16-4 #11】

ICCxAIESEC 2016 Session 4

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「小さな一歩が社会を変える」【A16-4】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!15回シリーズ(その11)は、「多くの興味や選択肢がある中で取り組むことを選ぶ判断基準を教えてほしい」という会場からの質問に登壇者が答えました。本質的な良い質疑でした。ぜひ御覧ください。

「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。
2017年も、秋頃に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。

Aiesec Logo


【登壇者情報】

2016年9月13日開催
ICCx AIESEC カンファレンス 2016
Session 4
「小さな一歩が社会を変える」

(スピーカー)

安部 敏樹
リディラバ代表理事/
Ridilover代表取締役

三輪 開人
e-Education
代表理事

米良 はるか
READYFOR
代表取締役CEO

(モデレーター)

小林 雅
ICCパートナーズ
代表取締役

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【本編】

小林 ありがとうございます。では、質疑応答の時間です。

(会場 拍手)

熱が入り過ぎて時間が少なくなってしまいましたが、質問したい方は並んで下さい。

質問をどんどん進めましょう。

質問者 同志社大学1回生の◯◯です。

ICCxAIESEC 2016 Session 4

本日は素晴らしい講演をいただき有難うございました。

私は、興味のある分野が色々とある中で、何かに一本化することができずジタバタしている状況です。

皆さんは、色々な選択肢や迷いがある中、何を判断基準に一歩を踏み出しているのかお聞きしたいです。

お願いします。

小林 では、安部さんはどうですか?

多くの選択肢から取り組む分野を選ぶには?

安部 僕の場合は、基本的には選択肢の中で一番難しくて面白そうなものは何か、ですね。その方がやりがいがあるから。

事業を作るということは優秀な人が時間と情熱を注げば試行錯誤の中でなんとかできると思います。でも時間も情熱も人間にとっては有限です。だから何にそのエネルギーを注ぐかが大事です。

そう思うと、やはり「出来ないと思われていること」「歴史的に意義のあること」とかの方が自分を成長させるし、やりがいがあると思っています。

私の場合は、社会的論点に対し全ての人がアクセスでき、その論点ごとに世の中の意思決定が最適化された状態を世の中に作るという命題に挑んでいるわけですが、これは過去アカデミックな世界では学者の方がしてみたいなぁというレベルでは話があったものです。

しかし、実際に事業としてできるとは思われていません。だからこそ燃えるよな、と。

ICCxAIESEC 2016 Session 4

逆にいうと、「ここならできるかな」「自分の能力から考えるとこんぐらいかな」という風に考えていくと、目指したい考えがとても小さくなってしまいます。

そうではなく、「一番できなそうに見えること」から考えた方が、実は競合も少なくチャンスが多いのではというのは逆説的ですけど思っていることです。

なので、自分にとって挑戦する価値のある、一番難しいことかどうか、歴史的に価値のあることか、というのを基準に持っています。

小林 三輪さんはどうですか?

「本当にしびれる瞬間」がどこかにある

三輪 簡単にですが二つあります。

一つ目は「本当にしびれる瞬間」がどこかにあります。

先程マザーハウスで働いた話をしましたが、働くきっかけはマザーハウスのことを本(参考 「裸でも生きる ~25歳女性起業家の号泣戦記~」)を読んだことでした。

本を読みながら涙が止まらなくなり、「この会社には何かあるかもしれない」と思い、実際に足を運ぶという行動を起こしました。

二つ目は、自分の興味関心がある分野から、遠い分野のことを行うのも面白いかなと思います。

例えば、僕はNPO業界にいながらもiPhoneアプリを作れるという数少ない人間だと思います。

iPhoneアプリを作るといった関心のある分野と、国際協力の分野は全く関係がないように思いますし、正直活動はどうなるか分からなかったですが、結果的に今では国際協力×IT分野の有識者会議に呼んでいただけるまでになりました。

自分の関心から遠い分野に踏み出してみるということも、迷った場合判断基準の一つとして良いのではないかと思います。

今の時代だからこそできるやり方を選ぶ

小林 米良さんはいかがですか?

米良 私は安部さんと逆の考えですが、「自分の生きている時代を最大価値に変えたい」と考えています。

私は、以前 父に言われた言葉がすごく印象に残っています。

父はコピーライターをしていたので、物に名前を付けたり、メッセージを乗せて世の中に伝えるということを仕事としていました。

私がReadyforを立ち上げる際、父に相談したところ、「僕が”はるか”の時代に生きていたら、絶対同じことをしたと思う」と言われました。

これは私にとって、とても嬉しい言葉でした。

ICCxAIESEC 2016 Session 4

私は、インターネットが普及している今だからこそ生まれた「小さな想い」にスポットライトを当て、「世の中に共感で届ける」という活動を行っていますが、実は父のやってきたことと変わらないと思います。

今の時代だからできるやり方で、「伝える」ということを仕事にしていると思っています。

今の時代にあるテクノロジーや、今の時代だから起こる課題に真剣に取り組み、私自身何歳まで生きるか分かりませんが、「米良はるかがいたからこういうことがあるよね」と言われるような事業を作っていきたいと思っています。

質問者 ありがとうございます。

小林 ありがとうございました。

(会場 拍手)

次の方お願いします。

質問者 講演ありがとうございます。

神戸大学3回生の◯◯と申します。

安部さんに質問をしたいのですが。

社会問題に興味がないという方は、「ぬくぬく」暮らしてきた人だと思います。

安部さんは、14歳から16歳にかけて「ぬくぬく」ではない、闇のような時期を経て、社会課題に興味がない人にも興味を持たせて動かすという活動を行ってきたのだと思います。

「ぬくぬく」と生活してきた人が、社会課題に対して動き出すまで、どのような経験が必要なのか?できれば安部さんの具体的なエピソードを添えてお話し頂きたいと思います。

「ぬくぬく」生きてきた人間が社会問題に興味を持つにはどのような経験が必要か?

安部 私個人の体験談でしょうか?それとももう少し一般性の高い話でしょうか?

色々な中学校、高校に修学旅行を提供しているので、その子供達の変化という話としてもできると思いますが。

質問者 後者でお願いします。

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安部 分かりました。

私は割とハードな思春期を過ごしてきたと思いますが、このことは私の才能とはあまり関係ないと思います。

つまり自分の意思と関係なく、社会環境の中でそのような状況になったという可能性が非常に高いということです。

逆も同じで「ぬくぬく」していることが悪いかというと、本人の意思とは関係ないところで決まっていることが大半であり、それによって甘やかされている、とかって恥じる必要はないし、悪いことだとは思いません。

ただ、自分が偶然そういう恵まれた状況にいるが故に、ハードな環境に身を置くとことへの想像力が奪われているということは認識した方がいい。

例えば、私達の修学旅行を利用する学校は、進学校も多いです。

そういう学校だと、均一化された社会の中に身を置いていて、お金も豊かで、社会問題についてテレビでは見るけれど、「6人に1人の子供が貧困状態だなんて信じられないよね」という中高生が参加者の大半なわけです。

そんな彼らに社会問題の現場に行ってもらい、「これ、こんな感じではまずいぞ」という体験をその場でしてもらうようにしています。

Ridilover Slide

これはある意味当事者を疑似体験するということにも近いのですが、そのように自分達が当事者になると大きな衝撃を受けたりもします。

被災地へ行き、「自分が小学生の頃は、人前で発言をするのが嫌で何も言いだせなかった」という子が、「誰かが声を出さないと世の中は変わらないと気付いたので、僕は被災地で社会事業をしていきたいし、そのような声を上げていきたい」と考えるようになり、実際に活動している中学生、高校生がいます。

そういう風にどこかのタイミングで環境を変えてあげることにより、子供たちの行動自体が変わり、未来が変わることもあると思います。

「ぬくぬく」している人でも、環境が変わり、一定期間でもそういった所に接すると大きく変わります。環境を効果的に変える機会を作りさえすれば、社会問題に対して関心が生まれてくるということは、我々の業務上の経験から確信を持って言えますね。

質問者 ありがとうございます。

小林 ありがとうございました。

(会場 拍手)

次の方お願いします。

(続)

編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鎌田 さくら

続きは 社会起業家たちが一歩踏み出す勇気をもらった言葉とは? をご覧ください。

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【編集部コメント】

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