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「小さな一歩が社会を変える」【A16-4】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!15回シリーズ(その12)は、会場から質問を受け付け、テーマである「小さな一歩」を踏み出す際に、各登壇者の背中を押した言葉やモノなどをお話し頂きました。ぜひ御覧ください。
「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。
2017年も、秋頃に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。
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【登壇者情報】
2016年9月13日開催
ICCx AIESEC カンファレンス 2016
Session 4
「小さな一歩が社会を変える」
(スピーカー)
安部 敏樹
リディラバ代表理事/
Ridilover代表取締役
三輪 開人
e-Education
代表理事
米良 はるか
READYFOR
代表取締役CEO
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ
代表取締役
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【前の記事】
【本編】
小林 ご質問、次の方お願いします。
一歩踏み出す勇気をもらえた言葉
質問者 こんにちは。
同志社大学2年の◯◯です。
今日はお話ありがとうございました。
一点お聞きしたいことがあります。
今日のお話は「小さな一歩が社会を変える」というテーマですが、私の経験上、自分がしてこなかったことに対して一歩踏み出す時は、怖いですし、踏み出した後もしんどいと感じることが沢山あると思います。
そういった時、「誰かの言葉が支えになった」とか、「誰かの一言を貰えたことで頑張れた」という言葉があればお聞きしたいです。
何かありますでしょうか?
小林 「ミスター第一歩」、三輪さんはどうですか?
三輪 誰かの言葉が支えになったということですよね?
私は後回しにしていただけますか?
考えます。
米良 では私から良いでしょうか?
小林 どうぞ。
恩師の言葉に「カチン」ときた
米良 支えになった言葉ではないのですが。
私は大学院の時、スタンフォード大学に少し留学をしていました。
その時、私の恩師でありAIの研究をしている松尾豊さん(東京大学 特任准教授)と一緒にシリコンバレーに行く機会がありました。
彼らが参加する学会について行きました。
シリコンバレーは、行くと誰もが起業したい心境になるような場所です。
私は帰りの飛行機の中で、「私は絶対スタンフォードに戻って、いつか絶対起業します」ということを松尾さんに意気揚々と語ったのですが、その時「そう言って皆動かないよね、誰も戻らないよな」と言われました。
その言葉にカチンときて(笑)。
私は、今ここで絶対に戻ると言ったのに、皆と一緒にされたと。
「絶対自分は戻る」と決め、日本に帰ったその日のうちにどうすればシリコンバレーに戻れるか調べ、2週間後のサマープログラムですぐスタンフォード大学へ行ったということがありました。
迷うことは沢山あると思いますが、考えるより行動する方が良いと思います。
大人になり、自分の会社を経営していたりすると、動き難い状況があると思いますが、学生さんが考える動き難い状況はおそらく全く動き難い状況ではないと思います。
自分が何かをやりたいと思ったら、とにかく動けば良いと思います。
参考資料:人生を変えた出来事(Teach For Japan 松田/READYFOR 米良)
小林 一歩踏み出す時、それが一歩であるということに気づいていない人が多い気がしますね。
安部 そうですね。
自分の「アンカー」を持とう
安部 ユーグレナの出雲さん(出雲 充氏、㈱ユーグレナ代表取締役)が「アンカー」という話をしていました。
参考資料:言葉にし、一歩を踏み出すことから夢は実現する——出雲 充(ユーグレナ社長)
本当につらい状況で、もう嫌だと思う時、必ず見る何かを作っておくと、それを見ることで最後まで頑張れるという話だったのですが。
( ㈱ユーグレナ代表取締役 出雲充氏はAIESEC OBとしてビデオレターも頂きました)
私も二つアンカーがあります。
一つは私達のロゴマークで、時計なのですが朝7時25分を指しています。
リディラバを立ち上げた時、小学一年生からの幼馴染がメンバーにいました。男性の平均寿命は78歳ぐらいなのですが、この平均寿命を24時間とした時、当時の私達が活動を始めた時刻をここに刻みました。
創業時、「きれいごと」からスタートしたので、その「きれいごと」を忘れたくないという思いから刻んだものです。
きつい状況になったら、まずここを見ます。
見ると、「まだこれでは辞められないな」と感じられて奮起できるんですよね。
また、このロゴのデザインを完成させてくれたのは、別の同い年の友人なのですが、その友人は今ガンの闘病中で、ステージ4の状況です。
こういった話を聞くと、私の時間は本当に最後の24時まであるのか分からないじゃないですか。
だからこそ、「絶対に今やろう」と。自分の時計がどこで止まるかわからないのでそこは後悔ないようにしたいと思ってます。
もう一つは、「2週間後14日後に自分が死ぬとして、今死ねることをしていますか?」という走り書きを机の上に置いているのですが、それが二つ目のアンカーです。帰ったらそれを見るようにしています。
2週間後に死ぬとしたら、とりあえず今できることをできるだけやっておきたいな、と。
私が死ぬとしても、組織としては動いていてほしいですし、それができるような人材を作ることが私の仕事だと思っています。
そんなことから、アンカーは、自分の中で大事にしています。
小林 三輪さんはどうですか?
過去に自分の書いた言葉は信じられる
三輪 人からもらった言葉と、自分の言葉になるのですが。
人からもらった言葉ですと、NPOの理事で米倉誠一郎先生(一橋大学教授(当時))という方がいるのですが、その方が「クレージーな奴が世界を変える、失敗した奴ほど面白い」ということをあらゆる学生に言って励ましてくださるのですが、それは社会人になった自分に対しても同じで、JICAを辞めたという話をした時「最高じゃないか」と言って下さり、当時の不安な気持ちをふっとばしてくれたと思います。
ただ、「頑張れ」と皆さんに言う割に、僕はあまり人の事を信用していないので、残念ながら人から貰った言葉はあまり心に残っていないです。
自分でブログや日記を書くようにしているのですが、過去の自分が言ったことは何回も何回も見直すようにしています。
「あの人の話は信じられないな」と思ったとしても、過去に自分の書いた言葉は信じられることが何回かあり、それに助けられたということがありました。
小林 次のSession 5で登壇するLITALICOの長谷川さん(長谷川 敦弥氏、㈱LITALICO代表取締役)も、ビジョンや理念に「ある言葉」を繰り返しています。
念仏のようにある言葉を唱えている人が、実際物事に挑戦していますね。
僕は何百人もの方とこのような対談セッションをしているのですが、ほとんどの方は人から言われた言葉ではありません。
自分で考えた言葉、昇華した言葉を、ずっと念仏のように信じ続け、そのことに対して組織として取り組んでいます。
つまり自分一人の問題ではない訳です。
それができるかどうかが、色々な人を巻き込んで事業を行うことができるかどうかに繋がると思います。
一貫性が人の行動を変える
安部 本当にその通りだなと思います。
一つ言い忘れましたが、何か事業を行う人にとっての一番最高のアンカーは、一緒に取り組んでくれる仲間ができることです。
私の場合も、「社会の無関心を打破する」ということが理念ですが、始めはただ私が言っていることだったに過ぎません。
創業者がやりたいことでしかない訳です。
けれど、段々とそうではなくなる。
組織になり、誰かが一緒に取り組みしてくれると、それをやりたいと思ってくれる別のスタッフが生まれるということです。
これは素晴らしいことですよね。
少なくとも、そんな人達がいるにも関わらず、私が先に投げ出すということは絶対にありえない。
さらに、理念が、人に浸透していく瞬間を見ると、その取り組みをもっとやりたいと思えるようになります。
小林 理念といった言葉ですが、この言葉は誰でも作れますよね。
例えば「LITALICOの理念」と同じ言葉を理念としても会社は作ることができます。
けれど何が違うか?
社長やメンバーの行動に一貫性が生まれません。
一貫性が人の行動を変えます。
必ず変えます。
安部さんはずっと安部さんらしいし。
三輪さんはずっと同じことしか言わないし。
ぶれることなく言い続けられるかどうかで、人の行動は変わると思っています。
頭が良い人は、色々なことを考えがちで、色々なことに手を出してしまうけど、だから上手くいかないと感じます。
そのように考えています。
質問者 ありがとうございます。
(会場 拍手)
小林 時間が限られていますが、次の方質問をお願いします。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/鎌田 さくら
続きは 「できないことに取り組め」リディラバ安部氏が必ずインターン生に伝えること をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編(その13)では、「事をなすにはスキルが必要だと思うが、それを磨く際に大切なこと」という会場からの質問に登壇者が答えました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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