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躍進したラグビー日本代表の「カオス」なトレーニングとは?【SP-OD3 #2】

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これまでに配信した、組織づくりに関する議論を総特集いたします。今回は、ICCカンファレンス KYOTO 2016 から、「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論」を10回に再編集してお届けします。10回シリーズ(その2)は、中竹竜二さんにラグビー日本代表においてエディー・ジョーンズ元HCが実践したカオスを生み出すトレーニング方法と効果についてお話し頂きました。ぜひご覧ください。

ICCサミットは新産業のトップリーダー600名以上が集結する日本最大級のイノベーション・カンファレンスです。次回 ICCサミット FUKUOKA 2018は2018年2月20日〜22日 福岡市での開催を予定しております。参加登録は公式ページをご覧ください。


【登壇者情報】
2016年9月6日・7日開催
ICCカンファレンス KYOTO 2016「ICC SUMMIT」
Session 5C
最高の成果を生み出す チーム作りの方法論
 
(スピーカー)
石川 善樹
株式会社Campus for H
共同創業者
 
川上 (全龍)隆史
宗教法人 春光院
副住職
 
川邊 健太郎
ヤフー株式会社
副社長執行役員 COO
 
中竹 竜二
(公財)日本ラグビーフットボール協会
コーチングディレクター
 
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社
代表取締役

「最高の成果を生み出すチーム作りの方法論」の配信済み記事一覧

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最初の記事
【新】最高の成果を生み出すチーム作りとは?【SP-OD3 #1】

本編

川上 準備が大事というのはよく言われますが、準備に関して国民性の違いのようなものはあるのでしょうか。

前に石川さんと、日本人がサッカーのような競技に弱い理由について話していました。そこで石川さん、電車が定刻に来るという話をしていましたよね。

友達が最近よくメキシコへ行くのですが、メキシコシティで、タクシーの後部座席がないとか、いきなり銃を突きつけられたりとか、そういうことがあるらしいのです。

だから、ああいう国というのは、意外とそういうのに強い。

石川 トラブルに強い。

川上 はい。トラブルに慣れている。

まあ、それもある意味準備だとは思います。

でも、日本人はそういうところに慣れていないので、準備をしなければダメだということなのでしょうか。

日本人は想定外への対応力が弱い

中竹 そうですね。

基本的には、想定しないことに対する対応力というのは非常に弱い。

なので、今回は最悪を準備するということになった。

要するに、うまく行かなかった時の準備が最後に積み重なった感じです。

石川 どれくらい最悪を想定しておくかというのも、面白い問いですね!

ヤフー・ジャパンなどはどうですか。

まさか、会長がいなくなってしまうということは想定していなかったですか。

川邊 いずれは、とは思っていましたが、こんなに短いということは完全に想定外です。

石川 そういう意味で言うと、対応力が問われるのですね。

川邊 そうですね。

しかし、ソフトバンクグループはいろいろなことが起こるので、変化慣れはしています。それにしても、せっかく1年で結構良いチームができたのにという思いはあります。

そういえば、中竹さんはヤフー・ジャパンが大好きで、3回くらい講演してもらっているのです。

それで、中竹メソッドでトップマネージメントでニケシュを入れて、良いチームを作ろうということで、かなりセッションをしたり1on1をしたりと積み重ねてきたところだったので、喪失感はすごかったですね。

ですから、1年というのはまったく想定していなかったです。

最後は日本っぽく色紙を書きましたけれどね。「ありがとう」とか書いて。

そういうことをしてくれたのはヤフー・ジャパンだけだったらしく、彼も非常に感動していました。

「ありがとう、またやろうね」と言って、色紙をシリコンバレーで渡したのです。

石川 とは言え、そういった事故対応ということについても、考えられるリソースは限られていますでしょう。

そこでどこまで不測の事態に備えるかというのは、たとえば中竹さんはどのように考えていますか?!

カオスを作り出す

中竹 実はコーチングも進化しているのです。

昔コーチングというと良いスキルを教えて、良いトレーニングを教えて、練習でうまく行くようなシュミレーションをやるという形だった。

しかし、今の良いコーチというのは、いかに緊急事態を「あえて」作るかということなのです。

つまり、練習トレーニングの環境をカオスに持っていく。

僕もよくやるのですが、いきなりレフリー、いわゆる審判の役でゲーム形式に入って行くのですが、全然違う反則を取るのですね。

全然オフサイドではないのに、「お前オフサイドだぞ」と言って笛を吹いたりするのです。

小林 かなり理不尽ですね。

中竹 理不尽です。

しかし、これに耐えなければならない。

また、ラグビーの競技場というのは広いのですが、狭くすると捕まる確率が高くなる。それから15対15なのですが、あえて8対20とかにするわけです。常に逆境。

小林 ちなみに8対20だったりすると、どうなるのですか。

中竹 もうやられっぱなしです。

川邊 それでチーム全体の対応力をあげていくということですか。

中竹 そうですね。

あと、練習でもキーマンのリーダーをあえて途中で抜いたりする。

リーダーがいると、すぐに修正能力があってうまくいくのを、あえてリーダーを喋らせないように抜いたりするわけです。

そして、選手たちにはハッキリ言います。

これからやることがだいたい決まってくると、ここからはいろいろなシナリオを練習中に書くので、いろいろなハプニングなどが起こるが、それにいちいち質問などしないで対応してね、と。

そして、後でレビューするから、と。

こうして練習を組み立てています。

川邊 でも、そういう意味で言えばヤフー・ジャパンは24時間サービスをやっていてコンシューマー向けにもサービスを提供していますから、ありとあらゆることが起きるので、スポーツで言えば練習みたいなことが、程度の差こそあれ毎日起こっている感はありますね。

ですから、そうしたアクシデントの時にチーム力が鍛えられるというのはその通りかもしれないです。

(続)

次の記事を読みたい方はこちら

続きは 新興宗教はどのように人を洗脳しているのか? をご覧ください。

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編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/石川 翔太

【編集部コメント】

続編(その3)では、春光院川上全龍さんに「理不尽な」悟りを開くための修行についてお話し頂きました。さらに、石川善樹さんの新興宗教エピソードが必見です。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。

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