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「教育を変え、社会を変える」【A17-S5】セッションの書き起し記事をいよいよ公開!12回シリーズ(その3)は、ライフイズテック水野さんに自己紹介とライフイズテックの取り組みをご紹介頂きました。サッカー日本代表本田圭佑さんも出資する事業の内容をぜひ御覧ください。
「ICCx AIESEC カンファレンス」は、NPO法人アイセック・ジャパン(AIESEC)とICCパートナーズが共同で開催した、AIESECに所属する大学生を対象としたカンファレンスです。当日は高い志を持った大学生250名が、ビジネスリーダー/社会起業家たちのパネルディスカッションと、質疑応答セッションに参加しました。
本年も、2017年9月15日(金)に「ICCx AIESEC 2017」を開催する予定です。参加を希望される方は、ぜひ全国25大学のAIESECの各委員会に所属ください。
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登壇者情報
2016年9月13日開催
ICC/AIESEC ソーシャル・イノベーション・カンファレンス2016
Session 5
「教育を変え、社会を変える」
(スピーカー)
長谷川 敦弥
株式会社LITALICO 代表取締役
松田 悠介
認定NPO法人 Teach For Japan 創業者 兼 代表理事
水野 雄介
ライフイズテック株式会社 代表取締役CEO
(モデレーター)
小林 雅
ICCパートナーズ株式会社 代表取締役
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▶「教育を変え、社会を変える」の配信済みの記事一覧
小林 続きまして、ライフイズテックの水野さんにプレゼンテーションをしていただきたいと思います。
宜しくお願いします。
水野 雄介氏(以下、水野)はい、宜しくお願いします。
僕は、今日始めのセッションから会場で見ていたのですが、先程登壇したクラウドワークス吉田さん(株式会社クラウドワークス、代表取締役社長CEO 吉田 浩一郎 氏)とリクルートマーケティングパートナーズの山口さん(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ、代表取締役社長 山口 文洋 氏)を比較すると、お二人は違うと思います。
クラウドワークスの吉田さんは、自分で会社を作り、リクルートマーケティングパートナーズの山口さんは「社長になってくれ」と言われた訳ですよね。
今回のセッションで見ると、長谷川さんは23歳の時に「会社の社長になってくれ」と言われた訳ですよね。
従業員100人の会社を1,400人に成長させ、さらに上場させたということで、すごいですよね。
僕と松田さんは、自分で作る側の人間で、元々教師をしていました。
僕は元々物理の教師でしたし、松田さんは体育の教師をしていました。
こうした登壇者の違いを見て、自分はどのような立場を目指すのか、どのように取り組みすれば良いのかという観点でセッションを見ると面白いかなと思います。
中学・高校生向けIT教育「Life is Tech!」
水野 弊社の説明をすると、僕達は中学生、高校生向けのITの教育を行っている会社です。
2010年に会社を立ち上げました。
僕は元々教師をしており、非常勤講師だったのですが3年間程物理を教えていました。
「教育をもっと良くしたい」と考える中で、大学入試センター試験の仕組みと、新卒一括採用の仕組みが強すぎることに一番問題があるのではないかと僕は考えました。
1980年代であれば、高度経済成長の時代で、人口も増えている状況だったので、上の年代の方々が頑張って仕組みを作り上げたおかげで、言われたことをそのままできる能力を育てていれば、GDPが上がっていきました。
「このまま作れば良い自動車が作れるので、このままできるようにして下さい。」ということで、それを輸出していればGDPが上がり、皆 幸せになれるという時代だった訳です。
言われたことをそのままできる能力を育てるためには、センター試験が最適な仕組みでした。
けれど、現在はグローバル化が進み、必要な能力がどんどん変わる中で、教育についても21世紀の新しい教育に変わらなければいけないと考えました。
皆さんも授業を受ける中で、例えば「この先生は、数学を教えることしかできないな」と感じるような先生がいると思います。
僕はそうはなりたくないと思い、「僕であれば、もっと良い先生になれる」と考え、先生を目指し講師として働きました。
皆さんはキッザニアを知っていますか?
僕はキッザニアが結構好きなのですが、このような新しい教育を皆求めていると一方で考えていました。
このような取り組みは、教育を仕組みとして変えなければならないものです。
「仕組みとして変える」この方向で取り組みしてみたいと考えました。
僕は慶應義塾大学出身なのですが、学生時代はテニスサークルに所属し、マージャンをするといった生活だったので、起業を考えたこともなかったですし、皆さんのようにAIESECのような活動に参加するということもありませんでした。
けれど、「教育を変えるチャレンジをしてみよう」と考えた時、一つの方法として起業をすることにしました。
2010年に大学の先輩から300万円を借り、それを資本金として3人で会社をスタートさせました。
創業時のメンバーは、大学の同期と、起業前3年間ワイキューブという会社で働いていた頃の後輩で、本当に何もないところからスタートしました。
中高生ひとり一人の可能性を最大限伸ばす
水野 会社にはミッションがあります。
ミッションとは何かというと、生きる意味であり、このために会社は存在しているというものです。
弊社のミッションは「中高生ひとり一人の可能性を最大限伸ばす」というもので、このために会社を運営しています。
すべてこのために行っているという信念を持っています。
弊社はIT教育、プログラミング教育ということを行っております。
現在では延べ20,000人位の子ども達が参加してくれている状況で、この参加人数は世界2位といわれています。
目指すはディズニーランド
水野 起業は結構大変で、何の知名度もない人間が、ホームページ作り、「事業を始めます」と宣言するところから始まります。
起業し、始めに行ったキャンプでは、参加者3人、スタッフ7名といった状況からのスタートでした。
2011年になると、ひと夏で40人の方が参加してくれるようになり、今年(2016年)までに延べ20,000人の方が参加してくれるまでになりました。
今年(2016年)の夏でみると20の大学で開催し、3,500人が参加してくれました。
学びとは、「学びたい」と思ってもらうことがとても大事だと考えています。
それが教育者の務めだと考えているので、リピート率はとても大事にしている指標です。
現在47%程の方がリピートで通ってくれています。
この比率は、ワークショップ業界では高いといわれる数値です。
けれど、僕達が目指しているのはディズニーランドです。
ディズニーランドのリピート率は97%といわれています。
ディズニーランド位楽しくて、楽しいので参加したところ勝手に学べていたという状態を作り出せれば良いなと思い取り組んでいます。
弊社のカリキュラムとしては、16程コースがあり、500人程の生徒が通学しています。
大学生が中高生を教えるという仕組みなので、大学生500人程がAIESECと同じように弊社に所属しております。
所属している大学生は皆研修を受け、iPhoneのアプリを作り、リオ・オリンピック閉会式の演出でも使われたプロジェクションマッピングや、メディアアート、Android、IoT等色々なコースについて学び、そして中高生に教えるということを行います。
世界に広がるプログラミング教育
水野 シンガポールとオーストラリアにも会社を設立しています。
IT教育を推進している組織をGoogleが表彰する「Google Rise Awards」に東アジアで初めて選ばれました。
ライフイズテックが考える「教育改革6か条」
水野 累計 10億円程の資金を調達し、教育の変革を進めています。
皆さんは「船中八策」を知っていますか?
「船中八策」とは、坂本竜馬が明治維新を起こす際作成した基本方針なのですが、弊社もこのような指針を作りたいと思い、「教育改革6カ条」というものを作りました。
話すと長くなるのですが、この改革ができれば、教育も変わるのではないかと考え取り組んでいます。
中でも地域格差と経済格差の問題ですが、弊社はキャンプやスクールを開講しており、現在10,000人ぐらいの生徒が直接訪問してくれていますが、実際に来ることが難しい子もいるので、それを解決したいと考えています。
日本ですと東京に集中している知を、どのようにオープン化するかがとても大事だと思っています。
地域格差、経済格差の問題を解決するにあたり、それを楽しく取り組みできればと考え、スクエア・エニックスで「FINAL FANTASY XIV」等の制作に携わっていたトップの方に来ていただき、弊社CTOに就任していただきました。
そして「MOZER」というサービスを2016年6月にリリースしました。
このサービスからプログラミングを学ぶことができます。
「進撃の巨人」とコラボをすることが決まっており、これは2016年10月頃リリース予定ですが、内容も楽しくなっています。
何から学ぶかはとても大事です。
例えば「進撃の巨人」が好きな人であれば、リヴァイ兵長から「まずは、調査報告書を作れ」と言われれば、やる気が出てホームページを作ることができるということがあるかもしれません。
「アオハライド」が好きな人であれば、主人公に言われた言葉でやる気になる女子がいるかもしれません。
色々なパターンがあると考えているのですが、まずは「進撃の巨人」から取り組みをする予定です。
サッカー日本代表 本田圭佑も出資
そして、冒頭 (ICCパートナーズの)小林さんの話にもありましたが、本田圭佑さんにも出資いただき、合計で7億円程度資金調達を行ったので、これからグローバルに展開していこうという段階です。
弊社はこのようなベンチャー企業です。
僕達は今、目標としてSONYを見ています。
創業以来、二人でずっと経営しているのですが、盛田と井深のようになっていければと思っています。
世界に出ると、日本の会社といえばトヨタ自動車やSONYを連想すると思います。
「教育の会社」といえば日本国内では「ベネッセ」を思い浮かべると思いますが、世界で考えるとあまり思い浮かばないのではないでしょうか?
「世界のSONY」のように、「世界のライフイズテック」といわれる位教育の会社として、皆が応援してくれるような、教育を変革させる会社を作り、そして「中高生をひとり一人の可能性を最大限伸ばす」そのために仕事をしていきたいと思っています。
今日は皆に色々な話ができればと思っています。
宜しくお願いします。
(会場 拍手)
小林 ありがとうございます。
(続)
編集チーム:小林 雅/榎戸 貴史/戸田 秀成/横井 一隆/鎌田 さくら
続きは 境遇による教育機会の格差をなくしたい(Teach For Japan松田) をご覧ください。
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【編集部コメント】
続編その4は、Teach For Japan松田さんにTeach For Japanの理念などの紹介を頂きました。是非ご期待ください。他にも多く記事がございますので、TOPページからぜひご覧ください。
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